2022年2月24日のロシアのウクライナへの軍事侵攻を経て、米国は米国維持間の2月26日夜、ロシアの特定の銀行を、「SWIFT」(国際銀行間通信協会)の国際決済ネットワークから排除することを、欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、英国、カナダ、米国が合意したと発表した。
また、日本も27日夜に岸田総理がロシアを「SWIFT」から排除することについて「欧米諸国から声明への参加要請があり、日本も取り組みに加わる」と参加を表明している。
- 「暴挙には高い代償が伴うことを示す」日本もSWIFTからのロシア排除の取り組みに参加 岸田総理が表明(ABEMA Times、2022.2.27)
この合意以前の2月22日から23日には、ロシアによるウクライナの「2か国」独立承認と軍派遣の発表を受けて、米国はじめ、EUや日本など各国は第一弾のロシア制裁処置を発表していた。
米国は以前から各種の経済制裁を構想していたが、その中に「『SWIFT』からのロシアの排除」もあった。実施されれば「ロシアのGDPが最大5%縮小」の可能性があるとロシアの財務相さえ評した強い制裁だが、第一弾の制裁には入っていなかったのである。
ロシアへのダメージと同時に、ロシアからの天然ガス供給を不可能にし、欧州のガス不足を招く「諸刃の剣」のため、簡単に実施できなかったのだ。ただし、米国や欧州諸国から、日中やアジア諸国に対し、輸入する天然ガスを欧州に分けてくれないか、と打診があったとも報じられており、実施を検討している可能性は高いと考えられていた。
しかし、これまで繰り返されてきた米国の経済制裁に対抗するため、ロシアはこれまで独自の決済システムを構築している。経済制裁を受けた国々による「反米連合」形成など、制裁に抗う動きも指摘されている。
中でも北京冬季五輪で中国がお披露目した「デジタル人民幣」は、今後、「SWIFT」など米国の経済制裁の力を弱める存在となる可能性を秘めているかもしれない。
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