2022年3月3日午前8時より、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で、「立憲民主党ウクライナ対策本部~ウクライナ情勢及び今後の見通しについて」が開かれ、岡部芳彦・国際ウクライナ学会日本支部会長(神戸学院大学経済学部教授)の講演が行われた。
泉健太立憲民主党代表、逢坂誠二代表代行ほか、多数の立憲民主党国会議員、関係者が参加した。
岡部芳彦教授は経済学者、歴史学者で、ウクライナに造詣が深く、ウクライナ研究会(国際ウクライナ学会日本支部)会長を務め、ヴォロディミル・ゼレンスキー ウクライナ大統領をはじめとする政府要人とも面識がある、日本で最もウクライナに詳しく、かの地を愛する人物である。
岡部教授はウクライナとロシアの成り立ちや文化を解説しつつ、今回の侵攻の背景と今後の展望を語り、「まずできることとして、これまで『キエフ』と呼称されることが多かったウクライナの首都名を、ロシア語発音に近い『キエフ』から、今ウクライナ語の『キーウ』にすることでウクライナへの支持と連帯を表明してほしい。また、『#StandWithUkraine️』のハッシュタグやカードを持った画像をSNSにあげてアピールしてほしい」と呼び掛けた。
岡部氏は、在京ウクライナ人と日本人支援者によって行われた都内のデモが、即座に駐日ロシア大使館の反応を引き出したことから、「これほどの効果をあげたデモは他にないのではないか」と評価した。
また、岡部氏は、対ロシアへの対応について、次のように語った。
「野党である立憲民主党の皆さんには、安倍元総理による8提案『日露経済交流』(2016年5月の安倍・プーチン日露首脳会談)の精査をお願いしたい。
特に、ロシアのガス大手『ノバテク』が北極海で計画し、日本からは三井住友銀行が融資を行なっている液化天然ガス(LNG)輸出プロジェクト『アークティックLNG 2』を、中止とまでは言わないが凍結してはどうか。
日本がこのままロシアに対するLNGの依存を高めていくと、毎年のようにガスに関する紛争を起こし、政治も国も不安定になっていったかつてのウクライナのようになるかもしれない」。
岡部氏は、G7のうちで唯一NATO非加盟でEUでもない国である日本こそが、今回のロシアによるウクライナ侵攻の停戦仲介役となりうる可能性についても指摘した。
詳しくは、ぜひ動画を見ていただきたい。