日刊IWJガイド・非会員版「シリーズ<オリガルヒとは何者か>その2 オリガルヒの富の成立に米国が深く関与! オリガルヒの不正蓄財は、米国なしにはありえなかった」2022.5.29号~No.3545号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに〜シリーズ<オリガルヒとは何者か>その2 オリガルヒの富の成立に米国が深く関与! オリガルヒの不正蓄財は、米国なしにはありえなかった! ロシア・ウクライナの国有財産の民営化=私物化はウォール街とハーバードの経済学の教授たちの企画だった!? その驚くべきユダヤ的な起源!

■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月28日、マリウポリ陥落後、ロシア軍が東部ドンバス地方に猛攻で、ウクライナ軍志願兵らが戦闘拒否? ダボス会議でのキッシンジャー氏とソロス氏の対決が話題! サイト「ミロットボレット(Mirotvorets)」はキッシンジャー氏を「ロシアの犯罪の共犯者」として「暗殺リスト」と言われるブラックリストに掲載! ロシアの歴史家兼ジャーナリスト、 イゴール・ホルモゴロフ氏はウクライナとロシアの切っても切れない関係を主張!ロシア国営メディア『RT』は、マリウポリ陥落で潮目が変わり「西側はウクライナを裏切る」との論説を発表! 元ウクライナ大統領のヤヌコビッチ氏が「ウクライナは主権の完全な喪失に直面しており、ポーランドと合併される可能性がある」と警鐘!

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■【中継番組表】

■<IWJ取材報告>原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会

■<今週の新記事振り返り>

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>
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■はじめに〜シリーズ<オリガルヒとは何者か>その2 オリガルヒの富の成立に米国が深く関与! オリガルヒの不正蓄財は、米国なしにはありえなかった! ロシア・ウクライナの国有財産の民営化=私物化はウォール街とハーバードの経済学の教授たちの企画だった!? その驚くべきユダヤ的な起源!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ワシントン在住の国際政治アナリストの伊藤貫氏が、3月19日に、慶応大学大学院のGrand Design by Japanが主催したフォーラム「ロシアのウクライナ侵攻の背景、原因、現状、解決策」の中で、講演「イデオロギーを振りかざすアメリカの独善外交」を行いました。

※2022/03/19 Russia and Ukraine Crisis Part2 (Mr.Kan Ito, Satoru Nagao, Michimi Muranushi)(日本のグランド・デザイン策定を行う公開教育、2022年3月22日)
https://youtu.be/uFsZuofBpXs

 この中で、伊藤氏は、ロシアのオリガルヒの富の起源について注目すべき発言を行っています。

 以下、その個所を引用します(YouTubeの19:12から)。

 「(前略)あともう一つ、重要なこと言いますけれども。1990年代のロシア政府の経済改革、あれは『ショックセラピー』と言われたでしょう。ショック療法と。それは何かっていうと非常に急速なロシア経済の民営化なんですね。

 あれは、あのプランを立てたのは、ハーバード大学を中心とするロシアから移ってきたあのエコノミスト。それからハーバード大学にもともといたハーバード大学の経済学者と。それからウォールストリートのゴールドマンサックスとか、それからあと、ヘッジファンド金融業者ですね。

 要するにアメリカ人が、アメリカのウォールストリートの金融業者とそれからハーバードの経済学の教授、特にローレンス・サマーズなんかなんですけれども、この連中が企画して。

 ロシアの自然資源、非常に豊かでしょ? それを国有財産を非常に短い期間にがんがん民営化して。それで濡れ手に粟で、少数の人間がロシアの自然資源を乗っ取って、巨額の富を得ようと、こういう計画を立てて、ロシア人、特にイスラエルのパスポートを持つロシア人ですね。ロシアとイスラエルの二重国籍者に焚き付けて、それでこのショックセラピーっていうのをやらせたんです」

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月28日、マリウポリ陥落後、ロシア軍が東部ドンバス地方に猛攻で、ウクライナ軍志願兵らが戦闘拒否? ダボス会議でのキッシンジャー氏とソロス氏の対決が話題! サイト「ミロットボレット(Mirotvorets)」はキッシンジャー氏を「ロシアの犯罪の共犯者」として「暗殺リスト」と言われるブラックリストに掲載! ロシアの歴史家兼ジャーナリスト、 イゴール・ホルモゴロフ氏はウクライナとロシアの切っても切れない関係を主張!ロシア国営メディア『RT』は、マリウポリ陥落で潮目が変わり「西側はウクライナを裏切る」との論説を発表! 元ウクライナ大統領のヤヌコビッチ氏が「ウクライナは主権の完全な喪失に直面しており、ポーランドと合併される可能性がある」と警鐘!

 IWJは、ツイッターアカウント「IWJ_Sokuho」で、ウクライナ情勢をツイートしています。テレビでは流れない情報や、石油・天然ガスなどの資源問題、ウクライナの実情もあわせて、多角的にウクライナ情勢をお伝えしています。ぜひ、一度御覧ください。

※IWJ速報@IWJ_Sokuho
https://twitter.com/IWJ_Sokuho

 米国の『ワシントン・ポスト』が26日、東部で戦うウクライナ軍の志願兵らが「見捨てられた」と感じ、戦闘拒否を宣言していると報じました。

 『ワシントン・ポスト』は、ウクライナ指導部は、SNSでの写真や動画の発信などで、ウクライナ軍と志願兵らが、まるで無敵であるかのようなイメージを作りあげてきた。Tシャツやポスター、切手などでも演出をしてきたが、一方、ウクライナ指導部は、ロシアと同様に、死亡者、負傷者、または軍装備品の紛失に関する情報をほとんど提供していない、と指摘しました。

※【速報7265】『Whasington Post』が26日、東部で戦うウクライナ軍の志願兵らが「見捨てられた」と感じ、戦闘拒否を宣言していると報じています。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530231730254544897

 現実には、ウクライナ東部の最も戦闘の激しい最前線に送り込まれた志願兵らは、訓練も十分ではなく、装備も古く、乏しい状態で、食料の配給も滞っている、と『ワシントン・ポスト』はその実態を報告しています。

 『ワシントン・ポスト』に、志願兵グループのリーダーが自分たちが置かれた状況について語りました。志願兵のグループを率いるセルヒ・ラプコ中隊長は、戦死、負傷、脱走などにより、3ヶ月で120人から54人に隊員が減った、と述べています。

 食料や武器のサポートがなくなり、ラプコ中隊長とクルス氏は「見捨てられた」と感じ、前線から離れたホテルに撤退した、といいます。そこで、二人は、彼らが軍法会議と軍事刑務所に入れられる可能性があることを知り、『ワシントン・ポスト』に事情を話しました。

 ラプコ中隊長の部隊以外でも、志願兵らが戦闘を拒否する宣言をSNSを通じて出しています。

 第115旅団第3大隊の小隊でも、兵士らが揃って「適切な武器、後方支援、および軍事的リーダーシップが不足しているため、もはや戦うことはない」と5月24日にテレグラムに投稿しました。

 これに対し、ウクライナ軍側は、志願兵の投稿に反論、彼らは戦うために必要なすべてを持っていたはずだと主張しています。泥沼の論戦が展開中です。

 『ワシントン・ポスト』は、ラプコ氏とクルス氏にインタビューした数時間後、ウクライナの軍事安全保障サービスのメンバーが彼らのホテルに到着し、彼らの何人かを脱走の罪で拘束した、とも報じています。『ワシントンポスト』は、ラプコ氏は彼の部下の数十人が戦うことを拒否し、彼らは投獄されたと述べた、と追加しています。

 27日、28日の日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、ダボス会議でのキッシンジャー氏とソロス氏の対決が、話題になっています。

 キッシンジャー氏はロシアを排除せず、ウクライナは領土を割譲して戦争を終結させるべきと主張し、ソロス氏はプーチンとロシアに勝利することは文明を救うために必要だと主張しました。

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』は26日、ウォルター・ラッセル・ミード(Walter Russell Mead)氏による、「キッシンジャー対ソロス、ロシアで異論」という論説を発表しました。

 ミード氏は、キッシンジャー氏とソロス氏は、米国の価値観と利益にもとづき、欧州の平和を守ることが米国の外交政策の主な目標であり、紛争の長期化を懸念し、長期的にはロシアとの関係よりも米中関係の重要性の方がはるかに大きいという点で一致している、と指摘しました。

 一方、ミード氏の解釈によると、ソロス氏の立場はバイデン政権の立場と共通点があります。ウクライナ紛争は「世界における主な問題は民主主義と全体主義の闘争」だとし、ロシアによるウクライナへの攻撃は国際秩序の基本原則に対する攻撃であり、仮にもしロシアの攻撃が成功すれば、国際政治は弱肉強食の世界へと逆戻りすると主張しています。

 ミード氏は、キッシンジャー氏はソロス氏ほどイデオロギー的ではなく、米国は、最小限のリスクとコストで、バランス・オブ・パワー外交をすべきで、ロシアと中国を民主国家に転換させる任務はないと考えている、と分析しました。

 ミード氏は、両氏の議論について、「こうした推測的な研究は主に時間を持て余している人たちに任せ、ミセス・グラッセの料理本にある野ウサギのシチューのレシピ(『まずはウサギを捕まえよ』)を看過しないことを期待する」というウィンストン・チャーチルの言葉を引き、「我々はまだウサギを捕らえていない」と指摘、両氏の議論は、「まずウサギを捕まえる」ことで締め括られる、とまとめています。

 ミード氏が何を「ウサギ」と捉えているのかは、曖昧です。停戦を指しているのかもしれませんし、あるいは、米国にとっての主要な目的である、ロシアの打倒を指しているのかもしれませんが、判然とはしません。

 ミード氏は、記事の中でウクライナは西側の援助がなければ戦い続けることはできないと指摘、米議会は何回も400億ドルの追加支援を可決するだろうか、インフレと燃料価格の高騰に悩むEUは、どこまで経済的な支援を続けられるだろうか、と疑問を投げかけています。

 ミード氏は明確なビジョンを語っていませんが、米国内でもウクライナへの支援に限界があるという声が出てきていることが伝わってきます。

※【速報7276】ダボス会議において、ロシアを排除せずウクライナは領土を割譲して戦争を終結させるべきとするキッシンジャー氏と、ソロス氏のプーチンとロシアに勝利することは文明を救うために必要だと主張するソロス氏の違いが話題になっています。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530510450802446336

 ロシアメディアもこぞって、ダボス会議を取り上げています。『RT』も、『TASS』も、『RIA』も、いずれもキッシンジャー氏の主張を支持する内容です。

 『RT』は、キッシンジャー氏の主張を以下のように紹介しました。

 「ウクライナはヨーロッパとロシアの間の架け橋だったはずだが、今では関係が再形成されるにつれて、境界線が再描画され、ロシアが完全に孤立した空間に入る可能性がある」

 「私たちは今、ロシアがヨーロッパから完全に疎外され、他の場所で恒久的な同盟を求めることができる状況に直面している」

 「これは冷戦のような外交距離につながる可能性があり、それは私たちを数十年後退させるだろう。長期的な平和を目指して努力すべきだ」。

※【速報7286】キッシンジャー氏「ウクライナはヨーロッパとロシアの間の架け橋だったはずだが、今では関係が再形成されるにつれて、境界線が再描画され、ロシアが完全に孤立した空間に入る可能性がある」。(『RT』27日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530511030430105601

 『RT』は27日、「キッシンジャーは99歳になり、ウクライナによって『敵』と宣言された」という記事を発表し、キッシンジャー氏はロシアの「犯罪の共犯者」と宣言された、と報じました。

 同様の内容を『TASS』も28日に報じました。

 『RT』によると、キッシンジャー氏は、ダボス会議での発言のために「ミロットボレット(Mirotvorets)」(「ピースメイカー」運営)の、暗殺リストと言われるブラックリストに掲載されました。「ミロットボレット」は、ウクライナ語で書かれた、「親ロシアのテロリスト、分離主義者、傭兵、戦争犯罪者、殺人者」、つまりウクライナの「敵」を目指しする公的に検索可能なデータベースです。『RT』は、「ミロットボレット」を運営しているのはウクライナ保安庁(SBU)だと一般には信じられている、と説明しています。

※【速報7280】『RT』は27日、「キッシンジャーは99歳になり、ウクライナによって「敵」と宣言された」と題する記事を発表。キッシンジャー氏はロシアの「犯罪の共犯者」と宣言された、と報じました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530510724312989696

※【速報7289】米国の元国務長官兼大統領国家安全保障補佐官のヘンリー・キッシンジャーは、ウクライナの悪名高いウェブサイトMirotvorets(ピースメイカー)によって「ロシアのウクライナに対する特別情報作戦への参加」でブラックリストに載せられた。(TASS、28日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530511232574562306

 「ミロットボレット」のサイトを開くと、トップページに残酷な殺され方をしたロシア兵の遺体の写真のコラージュが掲げられていました。暴力的な意図を感じる演出になっています。

 サイトの運営者「ピースメイカー」は、「ウクライナの国家安全保障、平和、人道に対する罪および国際法に対する犯罪の兆候の研究センター」であり、「ウクライナの国家安全保障、平和、人類に対する犯罪の兆候の研究センター、および執行当局のための国際法情報、および親ロシアのテロリスト、分離主義者、傭兵、戦争犯罪者、殺人者に関する特別サービス」をしているとサイトで自己紹介をしています。

 IWJは、確認のため検索してみましたが、キッシンジャー氏がどのリストに掲載されているのか、見つけることはできませんでした。

※【速報7283】「ミロットボレット(Mirotvorets)」のサイトは以下です。トップページには残酷な殺され方をしたロシア兵の遺体の写真が掲げられています。閲覧にはご注意ください。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530510844156866560

 ロシアメディア『RIA』は26日、「キッシンジャー対ソロス:現実主義者対グローバリスト」と題する論説を出しました。

 『RIA』(26日)は、「キッシンジャーの立場はソロスの立場よりもはるかに現実的」だ、なぜなら「西側には(利害関係が異なる)ロシアを打ち負かす力がない」からだとし、中露の戦略的選択による関係は壊せないと論じました。

※【速報7290】『RIA』(26日)は、「キッシンジャー対ソロス:現実主義者対グローバリスト」と題する論説を出しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530511325876846592

 『RT』は27日、ロシアの歴史家兼ジャーナリスト、 イゴール・ホルモゴロフ氏の論説「ロシアがウクライナを手放すことができない理由は歴史の絡み合ったルーツが説明する」を掲載しました。

 ウクライナとロシアの歴史を振り返る長大な論考が含まれていますが、ここでは、ソ連崩壊後のウクライナとロシアに関する考察をご紹介します。

 ホルモゴロフ氏は、ロシアとウクライナを切り離せない第一の理由は、「個人的な繋がり」だと指摘しています。

ホルモゴロフ氏「多くのロシア人がウクライナに親戚を持っている。ウクライナとの家族関係がまったくないロシア市民を見つけることはほとんど不可能だ」。

 ホルモゴロフ氏は、現在のウクライナ東部の高い産業密度はソ連時代の恩恵であり、独立後のウクライナの政治的経済的エリートは、彼らが受け継いだ遺産を育てるのではなく収奪することしかできなかったと指摘しています。

 この点は、オリガルヒによる収奪しか行わなかった独立後のウクライナの歴史を客観視すれば、妥当な評価であると思われます。コロモイスキ―氏のようなユダヤ系オリガルヒが栄え、彼がユダヤ系で支援したコメディアンのゼレンスキー氏が大統領となり、就任後に1000億円を超える富をタックスヘイブンに蓄財する一方で、一般のウクライナ国民は平均賃金が月に2.3万円程度しかなく、欧州の最貧国にまで転落してしまいました。

 先日陥落したマリウポリのアゾフスタリ製鉄所が欧州有数の規模を持つものの、地下要塞を含むその多くの部分が、ソ連時代に構築されたものであり、独裁後のウクライナで建造されたものではない事実が、ホルモゴロフ氏の指摘を裏付けるように見えます。

 ホルモゴロフ氏は、ソ連時代に築かれた強力なガス輸送システムに対してウクライナの指導者は「恐喝のための道具」と見なしたとも指摘しています。

ホルモゴロフ氏の「ノードストリーム2の建設に対するウクライナのエリートのヒステリックな反応を、西側諸国が支持し、ヨーロッパ史上最大のガス危機につながった」という指摘も、妥当な指摘であると思われます。

※【速報7292】『RT』(27日)は、ロシアの歴史家兼ジャーナリスト、 イゴール・ホルモゴロフ氏の論説「ロシアがウクライナを手放すことができない理由は歴史の絡み合ったルーツが説明する」を掲載しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530511397343600640

 「ノルドストリーム2」の建設に繰り返し制裁をかけたのは米国議会ですが、その米国議会に膨大な金額に上る献金をし、「ノルドストリーム2」の建設を止めるようにロビイングをウクライナ・ロビーが展開していたことは、IWJも報じました。

※日本のマスコミが報じない米政界の現実! 米国内でウクライナのロビーイスト達がバイデン政権と議会に対し、前例のないロビイングを展開中!「ロシアがウクライナに侵攻する」とは、欧露を結ぶ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」阻止のための口実に過ぎない!(日刊IWJガイド、2022年2月15日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50243#idx-6

※IWJ検証レポート! 「米国が狙った独露間の天然ガスパイプラインノルドストリームの阻止!! その1」~ウクライナ危機の背景には、ユーラシアに安定と繁栄をもたらす欧露間の天然ガスパイプラインでの結びつきを嫌い、仲を引き裂く米国の戦略が! 米国の狙い通り、ドイツとロシアを結ぶ新パイプライン「ノルドストリーム2」の認可が停止に! 2022.4.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505188

 ホルモゴロフ氏は、ロシアから見たNATOの東方拡大、ウクライナへの関与を以下のように説明しています。

 「ロシアに住むロシア人も、ウクライナに住むロシア人も、NATOがウクライナの土地を使用すべき理由を理解できない。ロシアでは、ウクライナが米国主導の軍事ブロックに加盟する可能性は、自国の安全保障上の利益のために国が自由に選択したものではなく、西側がモスクワへの直接攻撃を開始するための前線基地を構築する手段として解釈される」。

 そして、ロシアとウクライナの関係を、反抗期の子供とその両親にたとえて説明します。そこにNATOが介入すると、ロシア人からはどう見えるのか、以下のようにホルモゴロフ氏は説明しています。

 「現代ウクライナの独特なアイデンティティ感覚にアピールする西側のトリックは、紛争を引き起こすという点でさらに危険だ。西側のトリックに対するロシア人の反応は、反抗的な子供を誘拐された両親の反応と似ている」

 ホルモゴロフ氏は「ロシア人は常に、ウクライナをロシアから分離することを含むあらゆる世界秩序を敵対的であると見なす」のであり、「残忍な力を除いて、ウクライナがどういうわけか分離していることをロシア人に受け入れさせる方法はない」と主張し、「『独立したウクライナ』を支援することにより、西側は常にロシアとロシア人にたゆまぬ、執拗な敵を抱えることになる」と警鐘を鳴らしました。

 ホルモゴロフ氏は「問題は、なぜこれ(NATO、西側のウクライナへの介入)が必要なのか、そして誰が利益を得るのかということである」と問うています。

 この2つの問いは、意外に簡単ではないでしょうか。最初の問いの答えは、主権国家としてのロシアが弱体化して、従属国のようになることであり、2番目の問いの答えは大規模な戦争を起こすことで利益を得られる者がいる、ということです。いすれもロシア人であれ、ウクライナ人であれ普通の平和な生活を隣人との友好を望む市民にとって、無関係な欲望です。

※【速報7297】ホルモゴロフ氏「ロシアに住むロシア人もウクライナに住むロシア人も、NATOがウクライナの土地を使用すべき理由を理解できない」。(RT、27日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530511699048288262

 ビクトリア・ニキフォロワ氏による「西側はキーウを裏切る準備をしている」という論説が『RIA』(27日)に掲載されました。

 ニキフォロワ氏は、マリウポリの陥落後、西側メディアは「ウクライナ紛争」をトップで扱うことをやめ、キッシンジャー氏は早期停戦を求め、パトリック・ブキャナン氏は紛争の長期化に何の利益も見出しておらず、ダボス会議でのゼレンスキー氏の発言はもはやほとんど引用されていないと指摘しています。

 ニキフォロワ氏は、ソロスだけはまだ戦争キャンペーン中だが、実行不可能だと多くの人が不満を述べている、人々の意識は転換点に来た、と分析しています。

 ニキフォロワ氏は、ロシアに対する超現実的な制裁は、民主党の軍事ヒステリーであり、米国を新たな大恐慌へと駆り立てていると指摘し、(米国の)中間選挙で勝つためにはウクライナを統合する必要があると主張しました。
 
 マリウポリの陥落で潮目が変わった、というニキフォロワ氏の分析は間違ってはいませんが、これまで膨大な軍事支援をしてきた欧米諸国が簡単にあきらめるとは到底思えません。まさにソロス氏のように第三次世界大戦を辞さない強硬な勢力も間違いなく存在します。

 ソロス氏を「時代を見直す賢人」であるかのように持ち上げるメディアは数限りなく存在しますが、その本質は、「博打打ち」です。彼は自分の賭けた采の目が出るように「預言者」のごとく叫んでいるだけにしか見えません。「第3次世界大戦」にならず、平和のうちにこの紛争が収まったら、彼は賭け金をすって破産してしまうのではないでしょうか。そうでなければ、あれだけヒステリックに叫ぶことはできないでしょう。

※【速報7306】『RIA』(27日)は、ビクトリア・ニキフォロワ氏による「西側はキーウを裏切る準備をしている」という論説を発表しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530512105476337666

 ロシアメディアの間で、元ウクライナ大統領のヤヌコビッチ氏のある発言が話題になっています。ヤヌコビッチ氏は、2013年から2014年にかけて起こった、ユーロマイダン・クーデターで、政権を転覆され、大統領の地位を奪われました。

 『RT』は27日、「ウクライナは主権の完全な喪失に直面しており、ポーランドと合併される潜在的な可能性があると、ヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領が警告した」と報じました。ヤヌコビッチ氏のメッセージは、ユーリ・キラシル氏によってFacebookに投稿されました。

ヤヌコビッチ氏「2014年にはすでに、ウクライナは特定の西側諸国によって、ロシアの完全な弱体化が始まるべき領土として指定されていました。正確には領土としてであり、独立国家としてではなく、ロシア排除せず、すべての近隣諸国と平和に暮らしたいと願う人々としてではない」。

 ヤヌコビッチ氏は「現在の紛争は国に致命的な結果をもたらすかもしれない」、「ウクライナは、『南と東の』広大な領土を(ロシアに占拠されて)失うだけでなく、その主権の『完全な破壊』の危険にさらされている」と信じている、と『RT』(27日)は報じました。

 ヤヌコビッチ氏によれば、「(ウクライナの主権に対する)脅威は、軍事紛争自体だけでなく、ウクライナの西隣のポーランドに寄り添うためのウクライナ当局の努力からも」生じています。

 「今月初め、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、両国の間に『国境がなくなる』ことへの期待を表明し、キーウ(キエフ)はポーランド国民に特別な法的地位を与える計画を発表した。ウクライナとポーランドの関係の強化は、ウクライナの『ヨーロッパの夢』をこれ以上近づけることはなく、むしろポーランドとの『合併』を脅かすと、ヤヌコビッチは警告した」(『RT』27日)

 『TASS』によると、5月22日、ゼレンスキー大統領は、両国の国境通過規則を緩和するために、ポーランドと合意が成立したことをヴェルホフナ・ラダ(議会)に発表しています。
 
※【速報7310】RT、27日「ウクライナは主権の完全な喪失に直面しており、ポーランドと合併される潜在的な可能性がある、ヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領が警告した」。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530517927677820928

※【速報7317】RIA(27日)は、ヤヌコビッチ氏のメッセージは、ユーリ・キラシル氏によってFacebookに投稿された、と報じています。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530518199070236675

※【速報7321】TASS、25日「日曜日(22日)、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は、両国の国境通過規則を緩和するためにポーランドと合意が成立したことをヴェルホフナ・ラダ(議会)に発表した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530518331945795584

 『スプートニク』は28日、ヤヌコビッチ氏の言葉を以下のように紹介しました。

 「今日、このようなことを書くのは心苦しいが、ウクライナの国家としての地位は極めて危険な状態にある。全滅の危機に瀕している。南部や東部の広大な領土を失うリスクだけではない」

 「ポーランドとの現在の状況的な和解は、ウクライナが経済的に主権を守れなくなる恐れがあるため、事実上、合併せざるを得ない状況になる可能性がある」

 「ロシアについては、ウクライナはロシアとの交渉の席に着くことになる。米国などの西側諸国がこれを促す。何事も永遠には続くことはなく、ウクライナへの兵器供給もこの例外ではない」

 ウクライナが民主主義国家であるならば、その主権はウクライナ国民の手に握られていなければならないはずです。もちろん、ウクライナ国民の中には、ウクライナ語話者だけでなはなく、ロシア語話者も含まれるはずです。その不可分の国民の一部を迫害し、弾圧し、あげくロシアに攻め込まれ、ユダヤ人であるゼレンスキーに独裁を許してしまい、そのゼレンスキーは、本来は自分のものではなく、国民から信託されたに過ぎないウクライナの「主権」をウクライナ西部ガリツィアの、かつての支配者であるポーランドにプレゼントしようとしているということになります。

 そんな「非国民的」なゼレンスキーに対して日本を含む西側の、「にわかウクライナ勝手連」が、歴史的背景も実情も知らず拍手喝采をしているわけです。

 何重にもにも悲劇的であるとしか言いようがありません。 

※【速報7318】ヤヌコビッチ氏「今日、このようなことを書くのは心苦しいが、ウクライナの国家としての地位は極めて危険な状態にある。全滅の危機に瀕している。南部や東部の広大な領土を失うリスクだけではない」(スプートニク、28日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530518229650898944

 日本のテレビや新聞は、ロシア・メディアの報道をほとんど紹介しません。しかし、ロシアの側から見たウクライナ紛争の姿も、理解する必要があるのではないでしょうか。相手の主張を嘘だと決めつけていては、対立が深まるばかりです。

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 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 IWJの財政は、またまた大ピンチとなりつつあります!!

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、1カ月の間に必要なご寄付・カンパの目標額を月額400万円と見積もらせてもらっています。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、5月で10カ月目に入りました。

 今期スタートの8月1日から4月30日までの9カ月間の累計の不足分は、309万5534円となっています。

 5月は1日から27日までの27日間で、134件、162万5955円、目標額の41%分に相当するご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! とはいえ、5月も残り3日ですが、月間目標の5割にも届いておらず、5月の未達成分は237万4045円となります。

 4月末までの不足分309万5534円と、足し合わせると、5月末までに546万9579円が必要となります!

 今月5月を含めて、7月末に迎える今期末までの残り2カ月と3日間でこの赤字を削って、不足分をゼロにできるかどうか、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!

 IWJの会員数は現在3241人です。そのうちサポート会員は1108人です(2022年4月30日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1688円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人4937円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 また、3月16日に宮城県・福島県で震度6強を記録した地震の際に大規模停電が起きて、その影響で、インタビューや動画配信に必要なIWJの設備が故障し、その修理費用が約70万円かかります。

 この故障を完全に修理することができないと、再配信ができません。現在、対応中ですが、いまだに再配信ができず、ご不便をおかけしていて、申し訳ありません。1日も早く復旧できるように、ご支援と、ご理解をたまわれればと思います。

 引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
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※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからもお振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2022.5.29 Sun.**

調整中

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◆中継番組表2◆

**2022.5.30 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・大阪】11:00~「松井一郎・大阪市長による水道橋博士への名誉棄損訴訟・第1回 口頭弁論後の記者会見―登壇:水道橋博士、米山隆一弁護士」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 松井一郎大阪市長による水道橋博士への名誉棄損訴訟・第1回口頭弁論後の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた水道橋博士関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%b0%b4%e9%81%93%e6%a9%8b%e5%8d%9a%e5%a3%ab
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【IWJ_YouTube Live】14:00~「第4回 食品添加物の無添加・不使用表示について 国会議員を招いての意見交換会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「食品表示問題ネットワーク」主催の意見交換会を中継します。これまでIWJが報じてきた食の安全関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%a3%9f%e3%81%ae%e5%ae%89%e5%85%a8
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【IWJ_YouTube Live】18:30~「岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた田代秀敏氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%94%b0%e4%bb%a3%e7%a7%80%e6%95%8f

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506300

経済格差を浮き彫りにしたコロナ・パンデミック! 安定した住宅確保のため国からの家賃補助制度を早期に実現すべし!――5.17 院内集会「家賃補助制度の実現へ~住居確保給付金を基礎に~参議院選挙と各政党の住宅政策」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505959

【IWJ速報5月26日・27日】ロシアがついにテクニカルデフォルトへ!? ロシアはお金もあるし払う気もあると米国の措置を批判し、ルーブル払いを主張!プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説!ユダヤ系投資家ジョージ・ソロス氏はダボス会議で「プーチン大統領をいち早く倒さなければならない」と発言!ゼレンスキー大統領はキッシンジャー氏に反論! ロシア軍はドネツク・ルハンスク州制圧目前、ハルキウに再攻撃!ベラルーシがウクライナ国境に基地設営、 マリウポリ港湾の開放始まる! ウクライナは欧米に武器供与を要求!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506522

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■<IWJ取材報告>原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会

 5月26日、東京都千代田区の日比谷コンベンションホール大ホールで、同日実施された「311子ども甲状腺がん裁判」の第1回口頭弁論の報告集会が行われました。

 「311子ども甲状腺がん裁判」は、東京電力福島第一原子力発電所事故当時、福島県内に居住し、現在、福島県と首都圏在住の男女6人が、事故に伴う放射線被曝により甲状腺がんを発症したとして、東京電力に損害賠償を求めて2022年1月27日に東京地裁に提訴した裁判です。

※「福島原発事故が原因で甲状腺がんになったと声を上げると、バッシングを受け、社会的にずっと孤立してきた。因果関係がないというなら立証すべきだ!」~1.19小児甲状腺がん患者による東電提訴についての記者会見 2022.1.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501322

※「がんが原発事故と何の因果関係もないと断言されたときの気持ちは忘れられない! 周囲の目が怖く何もできないまま10年が経った」原告女性が訴え~1.27 「311子ども甲状腺がん裁判」提訴集会~入廷行進とその後の記者会見 2022.1.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501607

※11年経たねば起こせなかった訴え! 声を上げた勇気ある6人の若者を支えたい!!「311子ども甲状腺がん裁判」市民活動グループ、国会議員らの支援の輪~1.27「311子ども甲状腺がん裁判」提訴集会(支援集会) 2022.1.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501611

 原告は事故当時6歳から16歳(現在17歳〜27歳)。6人のうち4人は、再発に伴う手術で甲状腺を全摘し、生涯、ホルモン薬を服用しなければならない状態だといいます。がん発症や手術、薬の服用などが、若い原告たちの進学や就職にも影響し、大きな損害が発生。原発事故の放射線被曝による損害について、公衆(原発作業員以外)が同社を訴える集団訴訟は、本訴訟が初とされています。

 福島県実施の甲状腺検査では現在までに約300人の小児性甲状腺がんの発症が確認されています。

※311甲状腺がん子ども支援ネットワーク
https://www.311support.net/

 報告集会では、弁護団による口頭弁論の報告とともに、原告の一人が前日行った、意見陳述の練習の約17分に及ぶ音声が流されました。

 陳述内容は、中学校の卒業式で震災に遭遇してから、甲状腺がんの検査、診断、3回にわたる手術などの、過酷な体験と、その時々の気持ちが詳細につづられています。

 弁護団の中野宏典弁護士は、意見陳述により「会場全体からすすり泣きが聞こえるような、切実な思いをお話しいただいた」と報告しました。音声が流された報告集会も同様の状況でした。

 弁護団副団長の河合弘之弁護士は、「裁判官は『意見陳述は初めの1回は認めるが、後は制限したい』との意向だったが、陳述を聞いた後は、『よく考えましょう』という態度に変わった」と指摘。東京電力も「『科学的裁判』のためには、被害者の声を聴いて感情的な訴えを聴く必要はない」と言っていたのが、陳述により「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」として、意見陳述に法廷を動かす大きな力があったことを指摘しました。

 ぜひこの意見陳述(22:06頃から)を含めて、報告集会の内容を、全編動画で御覧ください。

※原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506300

■<今週の新記事振り返り>

【号外第30弾】ウクライナ戦争の長期化で大儲けしているのは米国軍事産業だけではない! ウクライナのゼレンスキー大統領は、総資産8億5000万ドル(約1085億円)の大半を大統領就任後に獲得! 2022.5.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506161

科学的合理的根拠を盾に救済を拒まれてきた『黒い雨』被爆者の方々~5.21 講演会「広島・長崎から福島へ続く核被害~内部被ばくの危険性を考える」―登壇:高東征二氏(黒い雨訴訟原告)、小山美砂氏(毎日新聞大阪社会部) 2022.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506145

「米国の代理戦争が引き起こす食料・エネルギー不足により『狂乱物価』の大波が日本を襲う! 」(第3回)~岩上安身によるインタビュー第1076回 ゲスト エコノミスト田代秀敏氏 2022.5.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506112

テレ朝「アゾフ連隊」司令官インタビューは「アゾフはネオナチでない」との誤った放送! 岩上安身が批判ツイート連投!「ネオナチではないと。では、この司令官の胸のマークは何だ?」そこにはナチスの紋章が! 2022.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506221

バイデン米大統領が台湾有事への軍事的関与を表明!「自衛隊も参戦するということか?」とのIWJ記者の質問に、岸大臣は「拡大抑止の重要性について、すでに両首脳間で合意・一致している」~5.24岸信夫 防衛大臣 定例会見 2022.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506212

経済安保法を背景に起きた大川原化工機事件! 岸田政権の目玉政策であるこの法律は更なる冤罪事件を増やす可能性がある!?~5.19 経済安保法の危険な本質を暴く!「共同テーブル」緊急シンポジウム 2022.5.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506039

【YouTube Live】5/26(木)午後7時より 岩上安身によるロシアNIS経済研究所所長 服部倫卓氏インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

【号外第31弾】ゼレンスキー大統領の資産8億5000万ドル(約1085億円)を追求する後編。配当金を得ていたゼレンスキー大統領! 調査報告書「パンドラ文書が大統領らのオフショア資産を暴く」(後編)! 2022.5.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506284

「環境により遺伝子の発現パターンが変わってしまい、子や孫の世代まで伝わってしまう場合がある」~5.21 新ちょぼゼミシリーズ「オルタナティブな日本をめざして」第75回『化学物質とエピジェネティクス』―講師:澁谷徹氏 2022.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506143

「杉田水脈議員という、非常に影響力のある人物による言葉が研究者に対して発せられたのに、まったくの一般人から発せられたかのような解釈による問題ある判決」~5.25 フェミ科研費裁判 判決言い渡し後の支援者集会 2022.5.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506269

松井一郎・大阪市長から告訴された水道橋博士が、れいわ新選組から参院選出馬を表明!「スラップ訴訟という言葉の使い方も含めて、遊説しながら、もう空中戦ですね!」~5.26 れいわ新選組 山本太郎代表 街頭記者会見 2022.5.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506297

安保法制違憲・国賠訴訟控訴審で請求棄却! 弁護団「司法の役割を果たさず国会に押し付け、個人の信条問題にすり替え」「責任逃れ判決」と批判、上告へ!~5.24 安保法制違憲・国賠訴訟控訴審 判決言渡し期日後の記者会見 2022.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506215

原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会 2022.5.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506300

経済格差を浮き彫りにしたコロナ・パンデミック! 安定した住宅確保のため国からの家賃補助制度を早期に実現すべし!――5.17 院内集会「家賃補助制度の実現へ~住居確保給付金を基礎に~参議院選挙と各政党の住宅政策」 2022.5.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505959

【IWJ速報5月26日・27日】ロシアがついにテクニカルデフォルトへ!? ロシアはお金もあるし払う気もあると米国の措置を批判し、ルーブル払いを主張! プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説! ユダヤ系投資家ジョージ・ソロス氏はダボス会議で「プーチン大統領をいち早く倒さなければならない」と発言! ゼレンスキー大統領はキッシンジャー氏に反論! ロシア軍はドネツク・ルハンスク州制圧目前、ハルキウに再攻撃! ベラルーシがウクライナ国境に基地設営、 マリウポリ港湾の開放始まる! ウクライナは欧米に武器供与を要求! 2022.5.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506522

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

日刊IWJガイド「バイデン米大統領、『IPEF(インド太平洋経済枠組み)』をひっさげて初来日! 日本の最大の貿易相手・中国への敵視は国益になるのか」2022.5.22号~No.3538号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50826

日刊IWJガイド「ウクライナのプロパガンダに利用されるカンヌ映画祭! サプライズでゼレンスキー大統領が演説!」2022.5.23号~No.3539号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50831

日刊IWJガイド「日米首脳会談後の共同会見で、バイデン米大統領が台湾有事での武力行使を明言!! ロイターは『戦略的曖昧さからの逸脱』と指摘!」2022.5.24号~No.3540号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50833

日刊IWJガイド「日米豪印『クアッド』首脳会合の共同声明に『中国』『台湾』の文字はなし! 岸田総理は『日本はオーカス参加を考えていない』とも明言!!」2022.5.25号~No.3541号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50836

日刊IWJガイド「侵攻から3ヶ月、対露制裁が及ぼす影響は? 本日夜7時~岩上安身によるロシアNIS経済研究所 所長・服部倫卓氏インタビューを中継します」2022.5.26号~No.3542号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50841

ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/50402

日刊IWJガイド「『ウクライナ紛争は戦争はまだまだ続く』! 岩上安身によるロシアNIS経済研究所 所長・服部倫卓氏インタビュー報告」2022.5.27号~No.3543号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50849

日刊IWJガイド「プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説!」2022.5.28号~No.3544号
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50852

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20220529

IWJ編集部(岩上安身、木原匡康、六反田千恵、富樫航)

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