日刊IWJガイド・非会員版「ウクライナのプロパガンダに利用されるカンヌ映画祭! サプライズでゼレンスキー大統領が演説!」2022.5.23号~No.3539号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ウクライナのプロパガンダに利用されるカンヌ映画祭の「ウクライナ・サポート」! オープニングセレモニーにサプライズでゼレンスキー大統領が演説!「ロシア軍に殺された」監督のドキュメンタリー映画は世界中の話題に!! 一方、ウクライナ政府によるドンバスのロシア系住民迫害を描いた作品はまったく扱われず!

■IWJの活動には市民の皆さまのご寄付・カンパが欠かせません! しかし今月5月は月半ばを過ぎた現在31%とまだ3割です! 昨年8月から4月末までの、第12期の9カ月間にわたる累積の不足金額309万5534円を、5月の未達成分264万9045円とあわせると574万4579円が5月末までに必要となります! IWJの財政はまだピンチです! 5月も、ぜひ、マスメディアとは一線を画し、ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJの活動をご寄付・カンパでご支援ください!

■【中継番組表】

■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月21日・22日(その1)、オーストラリアのスコット・モリソン首相の与党・保守連合(自由党、国民党)が労働党に敗北! 次期首相は労働党のアンソニー・アルバネーゼ党首、さっそく24日に東京で開催される「クアッド」への参加に意欲!? 手厚い住宅政策や医療支援を掲げるアルバネーゼ氏だが、外交・安全保障はこれまでの親米反中路線を継承するだけか!?

■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月21日・22日(その2)、粉ミルク問題に揺れる米国、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が「政府の責任」と批判! 国内問題を置き去りにしてウクライナ紛争への過剰介入を続けるバイデン政権にとって大きな痛手に!?

■ツイッター社がウクライナ紛争に対し「信頼できる情報筋」が「虚偽と判断した投稿」に警告ラベルを付け、リツイートできなくする新ルールを発表! ロシア側主張の言論封殺が加速か!?

■預言者かインサイダーか!? 極右団体副団長からゼレンスキー大統領のスポークスマンへ! オレクシー・アレストビッチ氏が2019年にロシアによるウクライナ侵攻のシナリオを完璧予測していた!! 元スイス参謀本部大佐ジャック・ボー氏は「NATOがウクライナを加盟させる長期的な計画の証拠」と指摘!! 不可解なのは、NATOに加盟するためにロシアと戦い、ロシアに勝利して戦争を終結させる必要がある、という倒錯した思考!! 何のために!?
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■はじめに~ウクライナのプロパガンダに利用されるカンヌ映画祭の「ウクライナ・サポート」! オープニングセレモニーにサプライズでゼレンスキー大統領が演説!「ロシア軍に殺された」監督のドキュメンタリー映画は世界中の話題に!! 一方、ウクライナ政府によるドンバスのロシア系住民迫害を描いた作品はまったく扱われず!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 5月17日に、フランスのカンヌで世界三大映画祭の一つ、第75回カンヌ国際映画祭が開幕しました。オープニングセレモニーでは、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が予告なしにキーウ(キエフ)から生中継で演説するなど、「ウクライナ・サポート」を強く押し出したものになっています。

 18日付け『映画.com』は、ゼレンスキー大統領の演説について、次のように報じています。

 「10分近くにわたるスピーチのなかでゼレンスキー大統領は、自身が強く影響を受けたチャールズ・チャップリンの『独裁者』について触れ、『この映画は当時、実際の独裁者を倒すことはなかったが、本作のおかげで、映画は“サイレント”でいることをやめたのです。あらゆる意味で。それは未来の勝利と自由への声だったのです』と語った。そして現在もロシア軍による惨状が続くウクライナの状況を訴え、『今再び、映画は“サイレント”であることをやめるべきです。我々は新しいチャップリンを必要としている。彼の言葉を思い出すべきです』と語り、『ウクライナに栄光あれ』と締めくくった」。

 『映画.com』によると、「映画祭ディレクターのティエリー・フレモーも、あらためてウクライナをサポートする意向を表明した」とのこと。さらに、出品作品については、ウクライナ情勢を反映した「政治色の濃い作品」として、以下のように紹介しています。

 「今年のオフィシャル・セレクションの中には、ある視点部門にウクライナの新人監督マクシム・ナコネチュニの初長編、『Butterfly Vision』があり注目を集めている」

 「最後の最後にアウト・オブ・コンペティションに追加されたのが、4月にウクライナのマリウポリでドキュメンタリーを撮影中に、ロシア軍により殺されたマンタス・クベダラビチュス監督の撮った映像を、編集者と監督の婚約者がまとめた『Mariupolis 2』」

 「最近軟禁を解かれてヨーロッパに移住したキリル・セレブレンニコフ監督によるロシア映画『Tchaikovsky’s Wife』(コンペティション)や、『ドンバス』『国葬』などで知られるウクライナ人監督セルゲイ・ロズニツァの新作『The Natural History of Destruction』(アウト・オブ・コンペティション)など」

※第75回カンヌ国際映画祭開幕 ウクライナ、ゼレンスキー大統領のスピーチを中継(映画.com、2022年5月18日)
https://eiga.com/news/20220518/8/

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■IWJの活動には市民の皆さまのご寄付・カンパが欠かせません! しかし今月5月は月半ばを過ぎた現在31%とまだ3割です! 昨年8月から4月末までの、第12期の9カ月間にわたる累積の不足金額309万5534円を、5月の未達成分264万9045円とあわせると574万4579円が5月末までに必要となります! IWJの財政はまだピンチです! 5月も、ぜひ、マスメディアとは一線を画し、ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJの活動をご寄付・カンパでご支援ください!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、1カ月の間に必要なご寄付・カンパの目標額を月額400万円と見積もらせてもらっています。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、5月で10カ月目に入りました。

 今期スタートの8月1日から4月30日までの9カ月間の累計の不足分は、309万5534円となっています。

 5月は1日から20日までの20日間で、105件、135万955円、目標額の34%分に相当するご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! とはいえ、5月の3分の2を過ぎて月間目標の約3割強にとどまっており、IWJの財政は、今月すでにピンチとなりつつあります!!

 4月末までの不足分309万5534円に、5月の未達成分264万9045円を足し合わせると、5月末までに574万4579円が必要となります! 今月5月を含めて、7月末に迎える今期末までの残り3カ月で赤字を削って、不足分をゼロにできるかどうか、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!

 IWJの会員数は現在3241人です。そのうちサポート会員は1108人です(2022年4月30日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1773円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人5185円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 ロシアによるウクライナへの侵攻と、それに対する世界中からの反発・非難は、米英とNATOによる、ウクライナへの事実上の「参戦」という段階に至っています。

 米国の真の狙いは、実現できるかどうかは別として、恒久的に米軍が欧州を軍事的に支配し、ロシアを米国に抵抗できないレベルにまで弱体化することにあります。それが米国の単独覇権の維持・強化になると、一般の米国国民はともかくとして、少なくとも米国の一部、軍産複合体やネオコンらは思っているからです。

 ロシアのウクライナ侵攻は、その米国の単独覇権の維持・強化戦略を推し進めるための口実として、巧妙に利用されました。

 バイデン大統領は、5月3日、「ロシアとの戦いは、民主主義と中国などの専制主義との戦いの戦線のひとつに過ぎない」と指摘したと、『AFP』は伝えています。

 また、同日『RT』は、「中露に対する『文明の戦い』の最初の『実戦の戦闘』を戦っている」とバイデン大統領の言葉を伝えました。

 これらのバイデン大統領の言葉を、驚くべきことに日本のマスメディアはほとんど報じていませんが、これは重要な発言です。

 IWJは、侵攻直後から、このウクライナ侵攻から始まった動きが、極東に飛び火して、台湾をめぐる米中の対立と連動する可能性があると、散々、警鐘を鳴らしてきました。今回のバイデン発言は、対露戦線と対中戦線を直接、つなげるものです。2つの地域での戦争を連動させようとしている「主体」は米国なのです。ウクライナ危機も、台湾有事も、仕掛けている主役は米国です。

 これまで、侵攻された当事国であるウクライナと侵攻したロシアが「主体」で、米国を含む西側諸国は、「第三者」的立場でウクライナに連帯を表明し、加害国のロシアに抗議していたはずです。

 ところがバイデン大統領は、本音がぽろりとこぼれ出たのでしょう。「主体」は米国であり、「民主主義」対「専制政治」というイデオロギー上の戦いのために、中国とロシアに対する「文明の衝突」をこれから戦うというのです。そして、「ウクライナはその最初の実戦なのだ」というわけです。次の標的は中国です。当然、「実戦」は、これからも次々と続く予定なのでしょう。米国が勝手に決めた予定によれば、です。我々がつき合う必要性のない「予定」です。

 我々、IWJが当初から指摘して、批判してきたことがまた、その通りとなってきました。ウクライナ危機はまさしく「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」という戦争なのです。この言葉はレーガン政権時の外交アドバイザーだったダグ・バンドゥ氏の論文の秀逸なタイトルです。ぜひ御覧になってください。

※「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」!! 米国のレーガン政権で外交アドバイザーを務めた保守の論客・ダグ・バンドゥ氏が強烈にバイデン政権を批判する論文を発表! この戦争の主語は「ワシントン」であり、最後の1人まで戦わされるのは「ウクライナ」! これは「正義」の戦争なのか!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505301

 バイデン大統領は、彼が口にしている言葉通り、ロシアの次の標的は中国だ、と言わんばかりに、中国の排除を目的としたIPEFをひっさげて、アジアへやってきました。

 問題なのは、日本の岸田総理は、IPEFの中身が何なのか、わからない段階で、そしてTPPやRCEPなど、日本が既に参加している自由貿易協定のルールと、IPEFのルールが異なる場合、どちらを優先するのか、など、大切なことが国内で何も議論されていないうちから、参加を表明してしまっているのです。これは国会軽視もはなはだしいというべきでしょう。

 米国の「同盟国」という名の「従属国」である日本は、国民の大多数が気づかないうちに、米国が段取りしたロシアと中国を相手に「世界大戦」を戦う「連合国」のメンバーに加えられています。日本国民はまず、1人でも多く、この事実に気づかなければなりません。

 極東まで米国が戦線を広げてきた場合、ウクライナや東欧・西欧がそうであるように、日本が米国にとって都合の良い対中ミサイル前線基地とさせられてしまう危険性があります。日本がウクライナのような運命をたどり、国土を戦場として提供して、米国の戦争の道具と化してしまうようなことは絶対に避けなければいけません!

 日本が台湾有事によって、米国の戦争に巻き込まれた時、中国だけでなく、北朝鮮やロシアをも同時に相手して、日本が戦わなくてはならない可能性が出てきます。しかもミサイル戦の時代であり、日本全土がミサイルの射程距離内に収まっているので、すぐに全土が戦場となります。

 米国の支援があっても、そんな戦いを現実に遂行できるのか、その上で、核を保有したその3カ国に勝つことができるのかといえば、誰が考えてもまったく不可能でしょう。

 勝敗以前に、日本は開戦早々、全土をミサイルで空爆されて、軍事拠点と重要なインフラを破壊されます。日本は現在のウクライナのような状態となり、経済や、国民生活は破綻します。

 ウクライナの今年のGDPは、現時点で昨年の半分となる予想です。日本も参戦した場合は、GDPはそうしたレベルにまで落ちるでしょう。

 そんな状態に陥ったとき、少子高齢化に直面している「老いた」日本国民が、過酷な現実を受け入れ、乗り切れるでしょうか。仮に敵国に対して、日本列島に配備された自前のミサイルによって一定の痛撃を与えることができたとしても、相手には最後の手段として、3カ国とも核攻撃というカードが残されています。日本に勝ち目はありません。

 米国から核弾頭をシェアリングされ、中距離ミサイルの弾頭を核弾頭に切り替えたとしても、核抑止が効くかどうか。

 日本に配備されたミサイルの弾頭を、通常弾頭から核弾頭に取り替え終わるまで、おとなしく待ってくれるほど、中・露・北朝鮮という、すでに核を保有済みの3カ国がお人よしだとは思えません。

 イスラエルのように沈黙のうちに、秘密裏に核武装を行うのではなく、元首相の安倍晋三氏のような人が、国民的雑誌『文藝春秋』5月号で「ニュークリアシェアリング(核共有)」の必要性を鐘や太鼓を鳴らすように宣伝しているのですから、始末におえません。かえって敵の先制攻撃を誘発してしまうリスクとなります。

※「核共有」の議論から逃げるな 中国・ロシア・北朝鮮からこの国を守るために(安倍晋三・文藝春秋2022年5月号
https://bungeishunju.com/n/n6dd51d4070f0

 しかも、日本は島国です。

 海上を封鎖されれば、エネルギー資源もなく、食糧自給もできない日本は、たちまち身動きもできなくなり、国民は飢餓に直面します。ウクライナ国民の多くは陸続きの隣国ポーランド等へと難を逃れましたが、日本国民の多くは陸伝いに「難民」になることもできません。海を越えていこうとしても、渡航の安全性は保証されていません。

 どこをどう考えても、米国と同調し、ロシアに制裁を下し、いたずらにロシアとの緊張を高めることは、日本にとって負担やリスクが増えるだけで、何もメリットがありません。

 同様に、米国に同調して中国に対していたずらに敵対的となり、ミサイル配備や、ニュークリアシェアリングの可能性を大声で喧伝して回るなど、自ら戦争リスクを高めるだけですし、日本が火ダルマになるだけで何のメリットもありません。

 日本には原発が51基(そのうち稼働中のものは9基、稼働していない原発もプールに燃料がたくわえられている)存在するのです。これらは核自爆装置のようなものです。自国にミサイルが飛んでくる可能性のある戦争を、日本は遂行できるような国ではないのです!

 IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、8年前、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。ぜひ、以下の特集を御覧ください。

※【特集】ウクライナ危機 2013年~2015年 ~ユーロ・マイダンクーデターからウクライナによるロシア語話者への迫害・殺戮まで~
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

 2022年の2月23日、それまで何の前提もなく突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。

 そこに至るプロセスがあります。独自取材を続けてきたIWJだからこそ、この事態に対してしっかりと客観視する視点をもつことができた、と自負しています。

 ロシア軍によるウクライナへの「侵攻前」のプロセスを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝える思考停止のイエローペーパーに頼っていては、真実は見えてきません。

 公平に見て、ウクライナと米国のプロパガンダは、ロシアのプロパガンダよりはるかに巧みで、大胆かつ強引であり、ウクライナをロマンチックに見せたり、ロシアを悪魔に仕立て上げたりして、ハリウッド映画のように、多くの人を惹きつけています。

 しかし、その米国とウクライナのプロパガンダを、日本のマスメディアまでが鵜呑みにして垂れ流ししているようでは、ジャーナリズムの本来の役割を放棄していると言わざるをえません。

 我々IWJは、どんなに石つぶてを投げられようとも、メディアの王道を歩み、客観的で、中立的で、事実にもとづいた、公正な報道をし続けます。

 米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国が、ゆるぎなく、軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではありません。

 既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアは、日本政府と同様、米国追従を続けていますから、それらに頼っていては、こうした現実は、まったく見えてきません。現実には記者クラブメディアは国民の目を真実からそらせるような情報操作ばかり行い続けています!

 IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府と、そのプロパガンダ機械と成り果てたマスメディアに対して、これでいいのか! と声を上げ続けていきます!

 こうしたことがIWJに可能なのは、市民の皆さまに直接、支えられているからです。特定のスポンサーに頼らずとも、活動することができる独立メディアだからです! 何者にも縛られず、権力に忖度せずに、真実をお伝えしてゆくことができるのは、市民の皆さまのご支援のおかげです!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパの両方によって、支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとして活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 本年、2022年は、参院選もあります。主権を外国に売り渡すがごとき、売国的な改憲勢力は、改憲による緊急事態条項の憲法への導入を狙っています。この緊急事態条項は、国民主権と議会制民主主義を根こそぎ奪うものです。その先には、終わりのないファシズムと、国民の声に一切耳を貸さない、問答無用の戦争が待ち受けています。今年は、本当に日本の分水嶺の年となります!

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからもお振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2022.5.23 Mon.**

<調整中>

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◆中継番組表◆

**2022.5.24 Tue.**

<調整中>

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◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

【号外第30弾】ウクライナ戦争の長期化で大儲けしているのは米国軍事産業だけではない! ウクライナのゼレンスキー大統領は、総資産8億5000万ドル(約1085億円)の大半を大統領就任後に獲得!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506161

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■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月21日・22日(その1)、オーストラリアのスコット・モリソン首相の与党・保守連合(自由党、国民党)が労働党に敗北! 次期首相は労働党のアンソニー・アルバネーゼ党首、さっそく24日に東京で開催される「クアッド」への参加に意欲!? 手厚い住宅政策や医療支援を掲げるアルバネーゼ氏だが、外交・安全保障はこれまでの親米反中路線を継承するだけか!?

 オーストラリアのスコット・モリソン首相は、21日の選挙後、まだ数百万票が未開の段階で、敗北を認めました。

 『ポリティコ』は21日、オーストラリアの首相は、24日に東京で開催される、米国・日本・インド・オーストラリアで構成する「クアッド」の首脳会談に出席しなければならないため、モリソン氏は迅速に行動した、と報じました。

※【速報6983】オーストラリアのスコット・モリソン首相は、21日の選挙後、まだ数百万票が未開の段階で、早々と敗北を認めた。(POLITICO、21日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528109589970898944

 豪・労働党は下院(定数151)の過半数である76議席のうち72議席を固め、勝利宣言。与党・保守連合(自由党、国民党)は現時点で51議席となっています。『スプートニク』が報じました。

 与党党首がほぼ自動的に首相に選出されるため、勝利を収めた労働党のアンソニー・アルバネーゼ(Anthony Albanese)党首が次期首相に就任するとみられています。

※【速報6988】豪・労働党は下院(定数151)の過半数である76議席のうち72議席を固め、勝利宣言。与党・保守連合(自由党、国民党)は現時点で51議席。(スプートニク、21日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528109784511021056

 『ポリティコ』は、労働党の勝因をインフレと貧困対策だと分析しています。労働党は、2001年以来となる最高のインフレと住宅価格の高騰が進む中で、多くの財政支援と強力な社会的セーフティーネット、最低賃金の引き上げなどを約束しています。

 他方、アルバネーゼ氏は、24日の「クアッド」に参加する意欲を示しています。経験不足が指摘されているアルバネーゼ氏が「クアッド」でどのような対応をするのかは未知数です。

 アルバネーゼ氏は、ソロモン諸島での中国の潜在的な軍事的影響力に対し、近隣の軍隊を訓練する太平洋防衛学校を設立することを提案しています。そんなところからは、外交安全保障面では、これまでオーストラリアがとってきた親米反中路線を継承することになるのでは、とみなされつつあります。

※【速報6987】労働党は外交安全保障策として、ソロモン諸島での中国の潜在的な軍事的影響力に対し、近隣の軍隊を訓練する太平洋防衛学校を設立することを提案。(POLITICO、21日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528109736767332352

 与党・保守連合政権が、9年ぶりに労働党政権に変わる大きな転換について、『ガーディアン』は21日、新しい政府は労働党が過半数を占め、「真っ赤になる可能性がある」と報じました。

 モリソン首相の与党・保守連合(自由党、国民党)はハスラック、スワン、ピアス、タングニーを失い、10議席から5議席になりました。上記4選挙区は、いずれもオーストラリア南西の突端付近の沿岸部に位置しています。

 『ガーディアン』は、これらの選挙区で労働党が勝利した理由として、コロナ対策をあげています。オーストラリア西部の西オーストラリア(WA)州では、東部とまったく違った厳格なコロナ対策をしていました。モリソン首相は「ゼロコロナ」を批判し、WA州民を「(原始的な)洞窟人」に例えて、嘲る発言もしていました。

 労働党のマーク・マクガワン(Mark McGowan)WA州首相が2年間、厳しい水際対策でパンデミックを防ぎ、WA州を守ってきましたが、モリソン政権は、厳しい水際対策を廃止しようとする、自由党のクライブ・パルマー氏を支援してきました。

 しかし、そうしたモリソン政権の政策が、今回の選挙では裏目に出たことを自由党のミカリア・キャッシュ上院議員は認めました。

 マクガワンWA州首相のパンデミックへの対処は、彼をオーストラリアで最も人気のある州首相の一人にした、と『ガーディアン』は評価しています。

※【速報6990】『Guardian』は21日、西オーストラリア州は、労働党が過半数を占める政府となり「真っ赤」になる可能性があると報じている。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528109856149757952

 アルバネーゼ氏は、労働党のマニフェスト「より良い未来」の中でも、特に住宅政策に積極的だと、『デイリー・メール』が21日報じました。

 アルバネーゼ氏は、収入5万ポンド以下の人々が不動産を購入できるように、年間1万戸までの住宅に政府が40%出資する「Help To Buy(購入支援)」制度を提案しています。

 また、56億ポンドの「オーストラリア住宅未来基金(Housing Australia Future Fund)」を設立し、最初の5年間で3万戸の社会住宅と手頃な価格の住宅を建設し、若者がより簡単に不動産を手に入れられるようにすることを約束しています。

 インフレや低賃金に苦しむ人々への支援策が、労働党への追い風になった部分もありそうです。

※【速報6996】アルバネーゼ氏は、労働党のマニフェスト「より良い未来」の中でも、特に住宅政策に積極的である。(DailyMail、21日)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528110081723670529

 『CNN』は21日、アルバネーゼ氏は母子家庭で育ったと指摘しています。アルバネーゼ氏の母親は、1960年代に公営住宅で彼を一人で育てている間、関節リウマチに苦しみ、障害者の恩恵を受けて暮らしていた」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528110153924345856

 英国の統一地方選挙でも、労働党が議席を増やしました。

 ボリス・ジョンソン英首相は、コロナ禍やインフレで英国社会が疲弊しても、貧困に苦しむ国民の生活を救済する有効な方向を打ち出せないでいます。にもかかわらず、巨額の支援をウクライナに送り、紛争を長期化させています。

 エマニュエル・マクロン大統領も、極右的な言動を抑えて庶民の生活に寄り添う方針を打ち出したルペン氏に追い上げられました。

 新自由主義的な政策で疲弊した欧米社会で、大きな地盤変化が起きつつあります。こうした反・新自由主義の「波」は、6月22日公示の参議院選挙までに日本に押し寄せるのでしょうか?

■ツイッター「IWJ_Sokuho」5月21日・22日(その2)、粉ミルク問題に揺れる米国、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が「政府の責任」と批判! 国内問題を置き去りにしてウクライナ紛争への過剰介入を続けるバイデン政権にとって大きな痛手に!?

 全米で粉ミルクの供給不足が長引き、大きな問題になっています。

 米国内が粉ミルク問題に揺れる中、バイデン大統領は21日、ソウルでウクライナへの400億ドル(5兆円規模)の追加支援法案にサインしました。

 バイデン大統領は同時に、粉ミルクへのアクセスを増やすための法案にもサインしましたが、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は「粉ミルク不足は政府の責任」だと声を上げました。支持率が低迷しているバイデン大統領にとって、さらなるマイナス要素になる可能性があります。

 『CNN』は11日、「メーカーはフル稼働で、可能な限り多くの粉ミルクを製造中だとしているが、それでも現在の需要を十分に満たせていない」と指摘しました。

 粉ミルク不足は今、急に始まった問題ではありません。

 2021年春頃に不足が始まり、7月に急上昇、2021年11月から2022年4月までの間に、欠品率が31%に跳ね上がりました。さらに現在までの間に欠品率は上昇を続け、現在は40%になっています。1年間もの間、政府は手をこまねいていたのか、という怒りが有権者の中に広がりつつあります。

 統計をとったデータセンブリーのベン・ライヒ最高経営責任者(CEO)は「この問題はサプライチェーン(供給網)問題、製品リコール(回収)、歴史的なインフレによってさらに深刻化している」と分析しています。

 さらに具合が悪い事に、粉ミルクの大手メーカー、アボット・ニュートリションの製品のうち粉ミルク3種が米食品医薬品局(FDA)によって、サルモネラ菌など細菌感染の恐れがあるとして2月にリコールされ、ミシガン州スタージスにある工場施設が閉鎖されたことが、粉ミルク不足に拍車をかけています。

 アボットの元従業員が「スタージス工場は安全問題を隠している」とFDAに内部告発したことから、この工場で製造されたミルクを飲んだ乳児4人が、「クロノバクター・サカザキ菌」による、稀な感染症にかかったとされ、リコールに至りました。内部告発によると、乳児2人が死亡したということです。

※全米で粉ミルク不足が深刻化、購入数制限も(CNN、2022年5月11日)
https://www.cnn.co.jp/business/35187243.html

 アボット社は、米市場の42%を占めている粉ミルクの最大手です。他の大手メーカー3社(ペリゴ、ネスレ、ミード・ジョンソン)は、アボット社の工場停止を補えるほど迅速に生産量を増やすことができていません。

※【速報7061】米市場の42%を占めるアボット社は、同社の粉ミルクを飲んだ乳児4人が重体に陥ったことからミシガン州の工場を閉鎖、粉ミルクの供給不足を招いた。(WSJ、20日)
https://jp.wsj.com/articles/the-baby-formula-shortage-was-made-in-washington-11653033158

 『ロイター』は12日、米国内の小売り業者、ターゲット、CVSヘルス、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスなどは現在、店頭やオンラインでの粉ミルクの購入に制限をかけている、と報じていました。

※米下院委員会、乳児用粉ミルク不足問題で25日に公聴会へ(ロイター、2022年5月12日)
https://jp.reuters.com/article/supply-chain-baby-formula-idJPKCN2MY03C

 トランプ前大統領は13日、400億ドル規模のウクライナ追加軍事支援に対し、「アメリカで親たちが自分の子どもに対して満足に栄養を与えることもできない中で」と否定的な考えを表明しました。

※はじめに~バイデン米大統領、「IPEF(アイペフ、インド太平洋経済枠組み)」をひっさげて就任以来の初来日! IPEFは中国に対抗し、中国を排除することを目的とする? 日本にとって最大の貿易相手国である中国への敵視は日本の国益になるのか!?(日刊IWJガイド、5月22日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50826#idx-1

 『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』編集部は20日、「米国の粉ミルク不足、責任は政府にあり」とする社説を出しました。粉ミルク不足の原因は政府の政策にあると指摘しています。

※【速報7060】WSJ、20日(米国の乳児用粉ミルク不足問題について)「粉ミルク不足を解決するには、その原因を生んだ政府の政策を修正する必要がある」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528269872056369152

 バイデン大統領は18日、本来ならば、戦時の軍需品の調達に用いられる国防生産法(DPA)を発動し、粉ミルクの原料調達を最優先課題にしました。政府専用機で国外から粉ミルクを輸送することも計画しています。

 DPAは、民間企業を動員して国防用の製品を生産させ、サプライチェーン(供給網)を再整理し、一部の顧客を他の顧客より優先させる権限を政府に与える法です。

 しかし、こうしたバイデン政権の政策について、『WSJ』は「粉ミルクの原料は不足していないようだ。また、輸送に問題があるわけでもない。供給増加を主に阻んでいるのは、規制だ」と批判しました。

 『WSJ』は粉ミルク不足の原因となっている貿易保護主義的な規制を示しています。

1)最大17.5%の関税
2)食品医薬品局(FDA)の表示・成分要件が競争を制限している

 「米国の乳児用粉ミルクの約98%は国産だが、欧州やオーストラリア製のものと安全性は変わらない」(WSJ)にもかかわらず、貿易保護主義的な政策のために輸入品の競争力が削がれ、輸入が拡大しにくいのです。

 『WSJ』は「解決策は、関税を一時停止し、信頼できる貿易相手国に対して表示・成分要件を緩和することだ」と提案しています。

※【速報7065】WSJ、20日「解決策は、関税を一時停止し、信頼できる貿易相手国に対して表示・成分要件を緩和することだ。(略)関税によって輸入品の競争力は低くなっている」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528270033956524032

 『WSJ』は、もうひとつ、「もっと有用なのは、粉ミルク不足の際には、低所得者の女性や乳児、子ども向けの食料配給プログラム(WIC)の規則を撤廃できる権限を農務長官に与える法案だ」と指摘しています。

 現行の規制では、新生児の母親は、WICが管理する各州の独占契約業者からしか粉ミルクを購入できない、というのです。

 「州の独占契約は事実上、粉ミルクの供給業者に独占販売権」を与えており、米国の粉ミルク市場の約半分を占めるアボットと、ミード・ジョンソンの2社との契約で「乳児の87%がカバーされている」と、『WSJ』は指摘しています。

※【速報7067】WSJ、20日「(現行の)規則では、新生児の母親はWICが管理する各州の独占契約業者からしか粉ミルクを購入できない。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1528270102512431105

 『WSJ』は、民主党の政治家には、粉ミルク不足問題に関する大規模は是正策に取り組む熱意はない、と批判しています。

 ナンシー・ペロシ下院議長は、連邦議員の怠慢をよそに、企業経営者の責任を問い、起訴する姿勢すら見せている、と『WSJ』は強く批判しています。

 『WSJ』は、保護主義的な政策がサプライチェーンを脆弱にし、「最終的に消費者がそのつけを払わされることになったことを、米政治家は教訓にすべきだ」としています。

 北米メディアなどが、米国の粉ミルク不足を報じています。小売店の棚がガラ空きなのがよくわかります。

※U.S. scrambles to address baby formula shortage(CBC News、2022年5月20日)
https://www.youtube.com/watch?v=_vcuyjdprhI

※Baby formula shortage now the subject of a congressional investigation(Good Morning America、2022年5月16日)
https://www.youtube.com/watch?v=naYIb4DyIAI

 先に行われた英国の統一地方選挙では、労働党が躍進し、オーストラリアは労働党政権が誕生する見込みです。米国でも、左派のバーニー・サンダース氏が大統領選の予備選で人気を集め、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスのような左派議員も人気を集めています。彼らのすべてが、外交・安全保障問題に関して、これまでの政府と違う路線に切り換えるかどうかはわかりませんが、国内の諸問題、特に貧困や格差の問題に、より注力するであろうことは確実だと思われます。

 「自由と民主主義」という大義名分を掲げて、実際にはゼレンスキー独裁のもと「自由も民主主義」もないウクライナのために、400億ドルもの追加支援を投入する一方で、粉ミルク不足という切実な問題に、これまで真剣に取り組んでこなかったバイデン政権への批判がさらに高まる可能性があります。

■ツイッター社がウクライナ紛争に対し「信頼できる情報筋」が「虚偽と判断した投稿」に警告ラベルを付け、リツイートできなくする新ルールを発表! ロシア側主張の言論封殺が加速か!?

 20日付け共同通信は、「ツイッター、誤情報の拡散防止へ」と題し、ツイッター社が19日に発表した「誤情報の拡散防止策」を報じています。

 記事によると、「紛争などの危機下で、誤解を招く内容の投稿には、閲覧する前に警告ラベルを表示し、注意を促す。リツイート(転載)や「いいね」などの機能は無効となる」とのこと。

 このルールは「ロシアによるウクライナ侵攻から適用」され、「虚偽の報道や、武力行使、戦争犯罪に関する虚偽の申し立てなど」について、「複数の信頼できる情報源から誤解を招く可能性があるとの証拠が得られ次第」適用されると、共同通信の記事は報じています。

 「国営メディアや政府公式アカウントに優先的に」警告ラベルを付けるとのことなので、ロシア国営『RT』や『スプートニク』その他のメディアや、ロシア政府機関や大使館による発表など、ウクライナや西側の言い分への反論や主張が、一方的に「誤解を招く可能性がある」と断じられ、リツイートや「いいね」ができなくなる可能性があります。これは地球大のレベルでの言論の自由に対する侵害であり、検閲行為ではないでしょうか。

※ツイッター、誤情報の拡散防止へ 紛争時、閲覧前に警告ラベル表示(共同通信、2022年5月20日)
https://nordot.app/900271499845091328?c=39546741839462401

 19日付けロイターも、警告ラベルを付ける投稿について「人道団体など信頼できる筋が虚偽と判断した投稿」とし、「警告するが、閲覧やコメントは可能。リツイートはできない」と報じています。

※ツイッター、ウクライナ侵攻巡る偽情報に警告ラベル(ロイター、2022年5月20日)
https://www.reuters.com/article/ukraine-crisis-twitter-idJPKCN2N608R

 両記事とも、虚偽かどうかを判断する「複数の信頼できる情報源」「人道団体など信頼できる筋」については、どのような立場のどういった団体かなど、何の情報も報じていません。

 虚偽かどうかを判断する者は「ブラックボックス」の中にいる、という手法自体が、検閲の「内面化」を促進させるものとなりそうです。

 判断する主体や、判断の根拠、判断する者の責任を、可視化させなければいけません。

 この問題は、もっと議論の対象となるべきテーマです。

■預言者かインサイダーか!? 極右団体副団長からゼレンスキー大統領のスポークスマンへ! オレクシー・アレストビッチ氏が2019年にロシアによるウクライナ侵攻のシナリオを完璧予測していた!! 元スイス参謀本部大佐ジャック・ボー氏は「NATOがウクライナを加盟させる長期的な計画の証拠」と指摘!! 不可解なのは、NATOに加盟するためにロシアと戦い、ロシアに勝利して戦争を終結させる必要がある、という倒錯した思考!! 何のために!?

 22日付け時事通信は「ウクライナのゼレンスキー大統領は21日に報じられたテレビインタビューで、ロシア軍がウクライナへの本格侵攻を開始した2月24日以前の領土を取り戻すことができれば『ウクライナにとっての勝利とみなす』と表明した」と報じました。

※侵攻前の領土回復で「勝利」 ウクライナ大統領が表明(時事ドットコム、2022年5月22日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052200103&g=int

 マリウポリを制圧したロシア国防省は20日、マリウポリでの全面勝利を宣言しましたが、16日付けCNNは「北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は15日、ビデオ通話を通じた記者会見で、『ウクライナはこの戦争に勝利できる』と述べた」と報じています。

※ウクライナは「この戦争に勝利できる」 NATO事務総長(CNN、2022年5月16日)
https://www.cnn.co.jp/world/35187536.html

 ウクライナは戦争を有利に進め、ロシアは苦戦し始めている、という報道が、日本を含む西側のマスコミによって連日、なされていますが、これは戦況報道として正しいといえるのでしょうか?

 マスメディアの偏向した報道はおかしいと声をあげる人が、最近は出始めてきました。

 戦況報道についても、マスコミの報道に疑問を呈する論者が登場しています。22日付け『マネー・ボイス』で、コンサルタントの高島康司氏は、これまでIWJでも発言を報じてきた元スイス参謀本部の大佐、ジャック・ボー氏や、元米海兵隊情報将校のスコット・リッター氏、日本ではあまりなじみのない「東欧のエネルギー政策の専門家。(中略)米国の外交官として10年間勤務した。現在は、米・ウクライナの脱炭素企業『エニー』のマネージング・ディレクター」であるスリア・ジャランティ氏の言説を引いて、「ウクライナが勝利しているとは、到底言い切れない状況」だと指摘しています。

※「ウクライナ勝ち確」は本当か?日本メディアが報じない、海外専門家3名が語る戦況=高島康司(マネー・ボイス、2022年5月22日)
https://www.mag2.com/p/money/1190398

 その中で高島氏は「ところでジャック・ボーは、オレクシイ・アレストビッチという人物による2019年のインタビューを紹介している。これはほとんど知られていない情報なので、少し詳しく紹介する」と、ウクライナ大統領府の顧問で「戦況報告を毎日行っている」という「ブロガー、俳優、政治および軍事コラムニスト」のオレクシイ・アレストビッチ氏について、次のように書いています。

 「アレストビッチの名前が有名になったのは、ロシアのウクライナ侵攻を公の場で予測していたからだ。2019年、ゼレンスキーが大統領選挙に勝利する少し前、彼はウクライナの放送局のインタビューで、ロシアの侵攻がどのようなものになるか詳細に説明した。

 国境からのロシア軍の侵攻、ドネツクとルハンスクへの侵攻、キエフの包囲、クリミア経由のロシア軍の移動、クリミアに水を供給するためのカホフカ貯水池の奪取。さらに、ベラルーシ領からの攻撃、新たな『人民共和国』の設置、重要インフラへの攻撃、落下傘部隊の活用のような大きな戦争になると述べ、2022年を最も可能性の高い年とした。

 そしてこのインタビューでは、この戦争がNATOの長期的な計画の一部であるようなニュアンスを匂わせた。NATOには、紛争地域になっている国は加盟できないという規定がある。そのためウクライナがNATOに加盟するためには、戦争でロシアを敗退させ、紛争がない状態を作るしかない。そのためにはロシアと本格的な戦争が必要だという」。

 これは実に奇妙なロジックです。紛争地域となったらNATOに入れないなら、はじめから紛争の起きていない状態でNATOに入ればよさそうなものです。もっとも、ロシアは認めないでしょうが。そこで、ロシアと戦い、ロシアに勝利し、晴れてめでたくNATOに加盟できるというわけですが、ロシアに単独で勝つ力があるならば、NATOに加盟する必要などないはずです。集団安全保障に依存する必要性がないからです。なぜ、何のためにNATOに加盟しようとしていたのか、これでは意味がわからなくなります。

 いったん話を高島氏の記事に戻します。

 高島氏はこの記事の中で、「NATO内部からウクライナをモニターしてきたジャック・ボーは、2022年前後にロシア軍の侵攻をいわば予言したアレストビッチの発言を、NATOにはウクライナを加盟させる長期的な計画がある証拠だとしている」として、英語の字幕付きのインタビューの一部の動画(1分37秒)を紹介しています。

 戦況報道が歪んでいるのではないか、実はウクライナ軍の勝利はたいしたものではなく、ロシア軍は手堅く勝ち進んでいるのではないか、という疑問については、高島氏の記事をぜひお読みになってください。

 我々は、一つ別の注目ポイントを見出しました。

 高島氏の記事で紹介されているのは、「RuCz Subs」というアカウントの、英語字幕付きYouTube動画です。この動画からさらにたどっていくと、興味深い記事にたどり着きます。

※Oleksiy Arestovych and his prediction of Russian aggression (2019) – EN subtitles(RuCz Subs、2022年3月14日)
https://youtu.be/DwcwGSFPqIo

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、城石裕幸、中村尚貴)

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