日刊IWJガイド・非会員版「プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説!」2022.5.28号~No.3544号


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■はじめに~ツイッター「IWJ_Sokuho」5月26日・27日、ロシアがついにテクニカルデフォルトへ!? ロシアはお金もあるし払う気もあると米国の措置を批判し、ルーブル払いを主張! プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説! ユダヤ系投資家ジョージ・ソロス氏はダボス会議で「プーチン大統領をいち早く倒さなければならない」と発言! ゼレンスキー大統領はキッシンジャー氏に反論! ロシア軍はドネツク・ルハンスク州制圧目前、ハルキウに再攻撃! ベラルーシがウクライナ国境に基地設営、 マリウポリ港湾の開放始まる! ウクライナは欧米に武器供与を要求!

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■【中継番組表】

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■<IWJ取材報告>安保法制違憲・国賠訴訟控訴審で請求棄却! 弁護団「司法の役割を果たさず国会に押し付け、個人の信条問題にすり替え」「責任逃れ判決」と批判、上告へ!~5.24 安保法制違憲・国賠訴訟控訴審 判決言渡し期日後の記者会見
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■はじめに~ツイッター「IWJ_Sokuho」5月26日・27日、ロシアがついにテクニカルデフォルトへ!? ロシアはお金もあるし払う気もあると米国の措置を批判し、ルーブル払いを主張! プーチン大統領は、グローバル経済からロシアを排除するのは不可能だと演説! ユダヤ系投資家ジョージ・ソロス氏はダボス会議で「プーチン大統領をいち早く倒さなければならない」と発言! ゼレンスキー大統領はキッシンジャー氏に反論! ロシア軍はドネツク・ルハンスク州制圧目前、ハルキウに再攻撃! ベラルーシがウクライナ国境に基地設営、 マリウポリ港湾の開放始まる! ウクライナは欧米に武器供与を要求!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 IWJは、ツイッターアカウント「IWJ_Sokuho」で、ウクライナ情勢をツイートしています。テレビでは流れない情報や、石油・天然ガスなどの資源問題、ウクライナの実情もあわせて、多角的にウクライナ情勢をお伝えしています。ぜひ、一度御覧ください。

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 米国財務省は25日、ロシア国債の利払いをドルで支払いを受ける特例措置を延長しないことを明らかにしました。そのため、ロシアがテクニカルデフォルト(支払い能力はあるが条件違反などでデフォルトとなる)に陥る可能性が高くなりました。

 『ロイター』は、「ロシアから国債の元利払いを受け取ることを認める米財務省の特例措置が、米東部時間25日午前0時01分(日本時間午後1時01分)に失効。これによりロシアはデフォルトの瀬戸際に追い込まれている」と報じました。

※【速報7193】ロイター、26日「ロシアから国債の元利払いを受け取ることを認める米財務省の特例措置が、米東部時間25日午前0時01分(日本時間午後1時01分)に失効。これによりロシアはデフォルトの瀬戸際に追い込まれている」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530114595653681153

 ロシア国営メディア『TASS』は25日、ロシア財務省が、ロシアは、米国財務省が特例措置の更新を拒否したが、対外公的債務に対する義務を引き続き履行し、ルーブルで支払いが行われると述べた、と報じました。ロシア財務省は、「責任ある借り手として、すべての債務の返済と返済を継続する準備ができている」と述べています。

ロシア財務省「(米国の特例措置の停止を考慮し)、支払いは、ロシア連邦の通貨で行われ、その後、支払代理人を通じて債務の元の通貨に変換される可能性がある」

 シアノルフ財務相は「今、私たちはお金を持っており、支払う意欲もある。不親切な国によって人為的に作られたこの状況は、ロシア人の生活の質に影響を与えない」と述べています。「不親切な国」とはもちろん、米国のことです。

 ロシア側は、米国の特別措置の停止を予期してか、すでに21日に、27日締め切りのドル建て利払い分を支払い終わっています。

※【速報7189】TASS、25日「露財務省は水曜日の声明で、ロシアは、米国財務省が特例措置の更新を拒否したにもかかわらず、対外公的債務に対する義務を引き続き履行し、ルーブルで支払いが行われると述べた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530114449742344192

 急騰し、20年ぶりとされたロシアのインフレは、まだ高い水準になるとはいえ、落ち着きを取り戻しつつあります。ロシア中央銀行は臨時の政策決定会合で、主要政策金利を3%ポイント引き下げて、11%としました。経済の縮小が懸念される中、さらに年内に利下げする可能性があるとのことです。

 ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は、「ルーブル高により、力強いが一時的なディスインフレ支援が得られた」と発言し、金融の安定を守り、インフレスパイラルに歯止めをかけることが可能になっている、インフレ率は予想以上のペースで鈍化しており、インフレ進行のリスクは大幅に低下した、と述べました。

※【速報7197】ロイター、26日「ロシア中央銀行は臨時の政策決定会合で、主要政策金利を3%ポイント引き下げ11%とした。約20年ぶりの急速な物価高が一服し、経済の縮小が見込まれる中、年内に追加の利下げ余地があるとの見解を示した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530114763446816768

 プーチン大統領は26日、キルギスのビシュケクで開かれた「ユーラシア経済フォーラム(EEF)」でオンライン演説をしました。駐日ロシア連邦大使館が27日、ツイートしました。

 駐日ロシア連邦大使館によると、プーチン大統領の演説の要点は以下の通りです。

・制裁でロシアに危害を加えようとしている国々は、自国経済に危害を加えている。制裁は、すべての人に影響を及ぼす。先進国では、40年間このようなインフレはなかった。
・世界でますます多くの国が、独立した経済政策を追求するだろう。
・ロシアは、国の主権を確保するために、主要分野での輸入代替の重要なタスクを達成することができた。
・ロシアは、新しい国際環境において、「大ユーラシアパートナーシップ」のためのスペースを作る必要性を繰り返し述べてきた。
・ロシアがグローバル経済の舞台から出ていくことはなく、「我々を押し出すのは不可能である」。

 プーチン大統領は、ロシアを世界経済から切り離すことは不可能だとし、今は一時期損失があっても、「全て新しく構築できる、我々は強くなりつつある」と述べています。ウクライナ紛争と対露制裁を契機として、世界の経済・金融システムが大きな変化をとげつつあり、ロシアはその変化によって強くなるだろう、というのです。

プーチン大統領「言うまでもなく、我々は経済先進諸国の大きな技術的優越性について理解している。我々は、それを自身から切り離すことはしない。我々をそこから押し出そうとする動きがあるが、現代の世界において、それは現実的ではない。不可能なのだ。

 一定の段階で損失があっても、全て新しく構築することができる。

 我々は強くなりつつある」。

※【速報7201】駐日ロシア連邦大使館、27日「プーチン大統領は26日、キルギスのビシュケクで開かれた「ユーラシア経済フォーラム」でオンライン演説した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530118532599451649

 ダボス会議の余波が、広がっています。

 『Mashup』は26日、ダボス会議で24日、ユダヤ系投資家のジョージ・ソロス氏が「ロシアによるウクライナへの侵攻は、第三次世界大戦の始まりとなる可能性を指摘し、文明の存続のためにプーチン大統領をいち早く倒さなければならないと語った」と報じました。

 ソロス氏は1930年、ハンガリーのブタペスト生まれのユダヤ人であり、オープン・ソサエティ財団の創設者で、ヘッジファンド黎明期をになった投資家です。

※【速報7215】Mashup(26日)「著名な投資家で大富豪のジョージ・ソロス氏は24日、ダボスで開催中の世界経済フォーラム年次総会で、 (続く)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530121681632567296

 ソロス氏の演説の一部を抜粋して紹介します。

 「前回のダボス会議以来、歴史の流れは劇的に変化した。

 ロシアは、ウクライナを侵略した。これはヨーロッパをその核心において揺さぶった。欧州連合は、そのようなことが起こらないようにするために設立された。最終的には戦闘が停止しても、状況が以前の状態に戻ることはない。

 侵略は第三次世界大戦の始まりであり、私たちの文明は、それを生き残ることができないかもしれない。それが今夜私が取り上げるテーマである」。

 ソロス氏は、ロシアのウクライナ侵攻は、第三次世界大戦の始まりであると明確に指摘しています。

 「私は1980年代に政治的慈善活動に従事するようになった。それは世界の大部分が共産主義の支配下にあった時代で、私は憤慨しており、抑圧と戦った人々を助けたかったのである。

 ソビエト連邦が崩壊するにつれて、私は当時のソビエト帝国に次々と財団を設立した。その努力は、私が思っていたよりも成功したことが明らかになった。

 それはエキサイティングな日々であった。(ソロス氏の)個人的な経済的成功の時期と一致し、1984年の300万ドルから3年後の3億ドル以上に年間寄付を増やすことができた」。

 ソロス氏は共産主義体制に対する、自らの活動について、「思っていたより成功した」と述べ、しかし、9.11によって、「閉じられた社会(中国とロシア)」が「開かれた社会」に対する脅威になったと述べました。

 ソロス氏は、その原因としてAIの発達を上げました。個人情報をどんどん収集する中国に対し、人権を尊重する米国ではAIの開発導入が遅れたといいます。

 「(AIの)開発は、広範囲にわたる結果をもたらした。それらは中国と米国の間の対立を激化させた。中国は、その技術プラットフォームを『国のチャンピオン(national champions)』にした。米国は、個人の自由への影響を懸念しているため、中国よりも(開発を)躊躇している。

 これら(中国と米国)の異なる態度は、米国と中国が代表する2つの異なる統治システム間の対立に新たな光を当てる。

 歴史上他のどの国よりも積極的に、市民の監視と管理のために個人データを収集する習近平の中国は、これらの発展から恩恵を受けるはずだ。しかし、今夜後で説明するように、本当はそうではない」。

 そして、中国の「ゼロコロナ政策」を批判し、ロシアの「特別軍事作戦」は、計画通りに展開しなかったと述べました。プーチンはロシア軍が「解放者としてウクライナのロシア語を話す人口によって歓迎される」と思っていたが、歓迎はされていない、と指摘しました。

 ソロス氏は、マリウポリでのウクライナ軍の粘り強い戦いぶりを称賛し、ブチャの残虐行為を批判し、欧米諸国による軍事支援と欧州の統合の促進を称賛しました。そして、プーチン大統領の辞任について言及しました。

 「プーチン大統領は、ウクライナに侵攻した際にひどい過ちを犯したことを認識したようだ。停戦交渉の場を準備している。しかし、彼は信頼できないので停戦は達成できない。プーチンは、彼が決してしなかった和平交渉を開始しなければならないだろう。それはプーチンの辞任を意味する」。

 ソロス氏は、プーチン大統領の立場が弱くなれば、プーチン氏は予測不可能になり、欧州へのガス供給を止めるかもしれないと述べました。そして、ウクライナ紛争のために気候変動との戦いが遅れているとし、そのため「私たちの文明が終わるかもしれない」と述べました。

 「したがって、戦争を早期に終わらせるために、私たちはすべての資源を動員しなければならない。私たちの文明を維持するための最良かつおそらく唯一の方法は、できるだけ早くプーチンを倒すことである。それが最終ラインだ」。

※【速報7217】ソロス氏のスピーチはこちらで読むことができます。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530121789472317440

 同じダボス会議で、元米国務長官で国際政治学者のヘンリー・キッシンジャー氏が、ウクライナが和平協定の締結にこぎ着けるためには、ロシアに領土を割譲するべきだという趣旨の発言をしました。

 キッシンジャー氏もドイツ生まれのユダヤ人ですが、彼の発言は、前出のジョージ・ソロス氏とまったく違います。ユダヤ人といえども決して一枚岩ではない、ということに留意する必要があります。

 「ユダヤ人が2人いたら、政党が3つできる」という格言もあります。ユダヤ人が議論好きで多くの政治党派に分かれる傾向があることを強調して伝えるものです。ユダヤ人は、一律で、不当で、一枚岩で、世界を一方的に動かしているとするユダヤ陰謀論は間違っているということを明らかにしておきたいと思います。

 ゼレンスキー大統領は25日、ビデオメッセージで、キッシンジャー氏の発言を、ナチス・ドイツに対する1938年の「宥和政策」のようだと厳しく批判しました。1938年9月ミュンヘン会議でナチス・ドイツによるチェコスロヴァキアのズデーデン地方の割譲を認めようと提唱したイギリスのチェンバレン首相の宥和政策のことを指しています。

 「ロシアが何をしようと『ロシアの利益を考慮しよう』と言う人が出てくる。今年のダボスでもそうした発言が聞かれた。

 ロシアはこれら全て(ミサイル攻撃、民間人の殺害、都市の破壊など)を欧州で行ってきた。それにもかかわらず、例えば今年のダボス会議ではキッシンジャー氏が遠い過去から現れ、ウクライナの一部をロシアに譲渡すべきだと主張している。

 キッシンジャー氏のカレンダーは2022年ではなく1938年のままであり、ダボスではなく当時のミュンヘンの聴衆に向け話をしていると考えているようだ。

 彼らが平和の錯覚と引き換えに譲渡を提案する土地には何百万人もの普通のウクライナ人が実際に暮らしている」。

 まさしくその1938年にナチスから難を逃れるため、米国に一家で移住したキッシンジャー氏に対し、ナチスを引き合いに出して痛烈に批判するゼレンスキー氏も、ウクライナ東部出身のユダヤ人であり、ロシア語話者です。彼は大統領選対策のためにウクライナ語を身に付け直したのだと言われます。ゼレンスキー大統領とジョージ・ソロス氏は、同じ方向を見ており、キッシンジャー氏とは同じユダヤ人ながら対立していることが見て取れます。

※【速報7218】Newsweek、26日「アメリカの元国務長官ヘンリー・キッシンジャーは、ウクライナが和平協定の締結にこぎ着けるためには、ロシアに領土を割譲するべきだという趣旨の発言(をした)」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530121866022514688

 ジョージ・ソロス氏の総括は正しかったのでしょうか? 必ずしもそうとは言えないことが、最近の戦況で明らかとなっています。ソロス氏はマリウポリでのウクライナ軍(大半はネオナチ部隊のアゾフ)の粘りを賞賛していましたが、5月20日、マリウポリは陥落しています。その後、「苦戦」しているとされていたロシア軍は東部ルガンスク州とドネツク州での攻撃を強めており、ドンバス地方全域がロシア軍によって制圧されるのは間近だと見られています。

 『時事通信』は26日、ウクライナ国営通信の情報として、ロシア軍がルガンスク州における、ウクライナ側最後の拠点セベロドネツクとその周辺の町に突入を試みている、と報じました。

 ルガンスク州の州都ルガンスクから北西に約50-60kmに位置する要衝、セベロドネツクの陥落は、ロシア軍によるルガンスク州全体の掌握につながります。ルガンスク州のガイダイ知事は25日、州の約95%がロシア軍の支配下に入ったと認めました。

※【速報7220】時事、26日「ウクライナの国営通信は26日、ロシア軍が東部ドンバス地方ルガンスク州で、ウクライナ側最後の拠点セベロドネツクとその周辺の町に突入を試みていると伝えた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530131524729061376

 また、ウクライナ国防省によると、ロシア軍がドネツク州の要衝リマンの制圧を目指して猛攻をかけています。『CNN』が26日、報じました。

 ドネツク州行政トップのパブロ・キリレンコ氏は24日時点で、リマンの状況は「非常に厳しい」と伝えていた、ということです。

 ウクライナ軍は26日、ロシア軍がドネツク州でさらに前進し、要衝の町バフムトから約16キロに位置する地区を奪取したと認めました。

※【速報7227】CNN、26日「ウクライナ国防省は、ロシア軍がドネツク州の要衝リマンの制圧を目指して猛攻をかけていると伝えた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530132330249129990

 ウクライナ軍が奪還したと発表したハリコフにも、ロシア軍が再度攻撃をかけています。ハリコフ奪還は「ウクライナ軍優勢」という説の根拠となっていましたが、それが覆されそうとしています。

 『TASS』は27日、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が26日、ウクライナとの国境に南軍作戦司令部を設置する必要があると述べたことを報じています。

 ベラルーシ軍がウクライナとの国境に作戦司令部を置けば、キエフやウクライナ西側にも圧力がかかります。東南部を制しつつあるロシア軍とで、中央部で展開しているウクライナ軍を北から挟み撃ちをすることも可能となるからです。

※【速報7231】共同、27日「 ウクライナ第2の都市、東部ハリコフ市の中心部で26日、ロシア軍の砲撃により7人が死亡、9歳の子ども1人を含む17人がけがをした。地元当局者が交流サイト(SNS)に投稿した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530141836089892866

※【速報7240】TASS、27日「ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、26日にウクライナとの国境に南軍作戦司令部を設置する必要があると述べた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530145172142833664

 ロシア軍が陥落させたマリウポリの港で、実質的に停止していた海上交易の再開が始まりそうです。これまで、ウクライナ側はロシア軍が海上交通を阻止していると主張、ロシア側は、ウクライナ側が機雷を設置し、海上交通を阻止していると主張していました。

 しかし、『AFP』(26日)によると、ロシア政府は25日、ウクライナ南東部マリウポリの港の再開を発表しました。ロシア国防省はこれまで、マリウポリの港湾の機雷除去を進めていると発表していました。

※【速報7234】AFP、26日「ロシア政府は25日、ウクライナ南東部マリウポリの港の再開を発表した。ロシアは先週、長期におよぶ包囲の末、マリウポリの制圧を宣言している。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530202116962537473

 『スプートニク』は27日、ミジンツェフ上級大将が「現在、港湾内は安全であり民間船舶も安全に使える状態だ」と語り、近くマリウポリ港で積み荷の発送や受け入れを始めるとした、と報じました。

 駐日ロシア連邦大使館は27日、「ロシア海軍はマリウポリの港は地雷撤去を完了した」と発表しました。

※【速報7236】スプートニク、27日「ミジンツェフ上級大将は、「現在、港湾内は安全であり民間船舶も安全に使える状態だ」と語り、近くマリウポリ港で積み荷の発送や受け入れを始めるとしている。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530142054210502657

 ロシア軍は、20日のマリウポリ陥落の後、東部ドンバス地方で、ルガンスク州、ドネツク州の全域制圧に王手をかけました。ロシア軍が優勢なのか、ウクライナ軍が優勢なのか、不透明な情勢が長く続きましたが、現時点ではロシア軍がじわじわと制圧範囲を広げています。

 ウクライナ軍が徐々に西側に後退している状況を受け、ゼレンスキー政権はより強力な武器の供与を求め、米国はその要求に応じる準備を進めています。

 『AFP』(26日)は、ゼレンスキー大統領は25日、東部ルガンスク州でロシア軍との激しい戦闘が続く中、西側諸国の支援が不十分だと非難した、と報じました。ゼレンスキー大統領は、ロシア軍は「どんな犠牲を払ってでも」ルガンスク州を掌握しようとしており「今後1週間が勝負の分かれ目になる」との見方を示しました。

 ゼレンスキー大統領は、国民に向けた毎日の定例演説で「我々はパートナー国の支援を必要としている。何よりも必要なのは武器だ。勝利するためには万全の支援が必要だ。例外や制限は不要だ」と述べました。

 クレバ外相は25日、ダボス会議で演説し、東部ドンバス地方をかけた戦いを、第2次世界大戦の戦闘になぞらえて、ロシア軍に対抗するために、ウクライナは多連装ロケットシステム(MLRS)を「切実に」必要としていると訴えました。

※【速報7243】AFP、26日「ゼレンスキー大統領は25日、東部ルガンスク州でロシア軍との激しい戦闘が続く中、西側諸国の支援が不十分だと非難した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530145290736791552

 『CNN』は26日、バイデン政権はウクライナに「ウクライナ側が今最も望む武器である先進の長距離ロケットシステム」を提供する準備を進めている、と報じました。ウクライナが求めているのは、数百キロの射程を持つ多連装ロケットシステムです。

・多連装ロケットシステム(MLRS
・高機動ロケット砲システム(HIMARS)

これまでウクライナに提供した武器よりはるかに長い射程であり、米国安全保障会議でも「ウクライナがこの武器をロシア国内への攻撃に利用する可能性がある」との懸念の声が上がっています。

※【速報7246】CNN、26日「バイデン米政権がウクライナに提供する武器の種類を強化する準備を進めていることがわかった。ウクライナ側が今最も望む武器である先進の長距離ロケットシステムが対象となる。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530145387767808000

 5月26日に岩上安身がインタビューした服部倫卓氏は「ウクライナ軍がロシア領内に攻勢をかける可能性は?」と岩上に質問され、「それはないと思う」と当惑した表情で語っておられましたが、専門家中の専門家である服部氏の慧眼をもってしても、ウクライナからロシアへの攻撃が可能になる長射程の武器の提供など予想もつかなかった、ということでしょう。それほど速い速度で事態は急展開しています。

 米国防総省は26日、47カ国が参加する軍事支援に関する国際会合をオンラインで開催しました。オースティン国務長官は、20カ国が新たな軍事支援を表明したと説明、デンマークが対艦ミサイル「ハープーン」の発射装置や本体の提供に合意したと発表しました。

※【速報7247】CNN、26日「米国防総省は26日までに、ロシアの侵攻を受けたウクライナへの軍事支援に関する国際会合で北欧デンマークが対艦ミサイル「ハープーン」の発射装置や本体の提供に合意したと発表した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530202770804207616

 ロシアメディア『スプートニク』は27日、米国が新たにウクライナに提供する軍事供与について「ロシア本土も攻撃可能な多連装ロケット砲が含まれる」とし、「ウクライナ側が関心を示す多連装ロケット砲「ハイマース」(HIMARS)の射程距離は300キロで、ロシア領内の標的も破壊可能となっている」と報じました。

※【速報7241】スプートニク、27日「米国は来週にもウクライナに対する新たな軍事供与について発表する。この軍事供与にはロシア本土も攻撃可能な多連装ロケット砲が含まれる。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530145214119440385

 ロシアのラブロフ外相は、米国をはじめとする西側諸国に対して、ロシア領地への攻撃が可能な兵器をウクライナに供給することは「受け入れがたい激化への重大な一歩」だと強く反発しています。

※【速報7250】ロイター、26日「ロシアのラブロフ外相は西側諸国に対し、ロシア領地への攻撃が可能な兵器をウクライナに供給することは「受け入れがたい激化への重大な一歩」と警告した。タス通信が26日報じた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530145540666949632

 『AFP』は27日、エスカレートする武器供与について、武器取引の専門家が懸念していると報じました。西側諸国がウクライナに供与している武器や弾薬が、「将来的に意図せざる勢力の手に落ち、国内外に拡散する可能性がある」と指摘しています。

 その理由について「ウクライナは1990年代、武器取引の拠点だった過去もあるためだ」と指摘しています。米シンクタンク、スティムソン・センターは、すでに3月に以下のように指摘していました。

 「我々は紛争で同盟の支援を意図した武器が思いも寄らない戦地の前線に流れるのを何度も目にしてきた。特に、多くの場合、武器は米国の利益と対立する勢力や個人の手に渡ってきた」

※【速報7252】AFP、27日「西側諸国がウクライナに供与している武器や弾薬が、将来的に意図せざる勢力の手に落ち、国内外に拡散する可能性があると武器取引の専門家は懸念している。ウクライナは1990年代、武器取引の拠点だった過去もあるためだ。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530151886044938240

※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く!~岩上安身によるインタビュー 第1070回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503870

※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く!第2弾~岩上安身によるインタビュー 第1071回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504186

※ブチャ市での民間人大量殺害事件を検証! 米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く! 第3弾~岩上安身によるインタビュー 第1073回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504401

 バイデン大統領とともに、日本を訪れていたブリンケン米国務長官が帰国後、26日にワシントンで対中政策について演説しました。ジョージワシントン大学で、45分に及ぶ演説だったということです。

 その中で、「中国は国際秩序を作り替える意図と、そのための経済力、外交力、軍事力、技術力を共に持つ唯一の国だ」と述べました。米国にとって最大の競争相手であることを改めて強調したかたちです。

 台湾有事が起これば米国が軍事力を用いると発言した、バイデン大統領の発言を念頭においてか、「バイデン大統領が言った通り、我々の政策に変更はない。我々は台湾の独立を支持しない」とも述べました。

 「私たちは紛争や新たな冷戦を探していません。それどころか、私たちは両方を避ける決意です」とも述べていますが、その発言と実際に米国政府がやっていることが一致しているとは到底思えません。むしろ「冷戦」どころか米国の外交は、ウクライナへの武器供与に見られるように、「熱戦」を強く望んでいるように思われます。その先にあるのは、ソロス氏がしきりに焚きつける「第三次世界大戦」です。

※【速報7253】読売、27日「米国のブリンケン国務長官は26日、ワシントンで対中政策について演説し、「中国は国際秩序を作り替える意図と、そのための経済力、外交力、軍事力、技術力を共に持つ唯一の国だ」と述べた。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530151917653229568

※【速報7257】ロイター、26日「「私たちは紛争や新たな冷戦を探していません。それどころか、私たちは両方を避ける決意です」とブリンケンはジョージワシントン大学での45分間の演説で述べました。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530152086385889280

 『ポリティコ』は26日、ブリンケン長官の発言に対する駐米中国大使館の劉鵬宇報道官が、『ポリティコ』に語った声明を紹介しました。

劉報道官「中米関係は今、重要な岐路にある。我々は、米国側が中国と協力して、コミュニケーションを強化し、相違点を管理し、協力に焦点を当てるという(習近平とバイデンが)達した共通認識を真剣に実行し、両国関係を早期に健全で着実な発展の軌道に戻すことを期待している」。

※【速報7255】POLITICO、26日「「中米関係は今、重要な岐路にある」と、大使館の劉鵬宇報道官は声明でポリティコに語った。「我々は、米国側が中国と協力して、コミュニケーションを強化し、相違点を管理し、(続く)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530152013916667905

 中国もまた、米国が日本で発足を表明した「IPEF(アイペフ、インド太平洋経済枠組み)」に反発するかのように、太平洋に「進出」する動きを見せています。バイデン米政権が「対中包囲網」形成を進める動きに危機感をあらわにしています。

 『産経新聞』(26日)は、中国の王毅外相が、ソロモン諸島など南太平洋島嶼国7カ国と東ティモールの歴訪を始めた、と報じました。王毅外相の太平洋島嶼国ツアーは6月4日までの10日間に及ぶということです。

 王毅氏の訪問先は、ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールの計8カ国です。

※【速報7259】産経、26日「中国の王毅国務委員兼外相は26日、ソロモン諸島など南太平洋島嶼(とうしょ)国7カ国と東ティモールの歴訪を始めた。6月4日までの10日間。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530153445545869313

 王毅氏は、ソロモン諸島は中国と外交関係を樹立することで「誠実で信頼できるパートナー」を得たとの考えを示しました。「中国とソロモン諸島との関係が他の太平洋島しょ国の手本となることを期待する」とも語っています。

※【速報7262】ロイター、26日「中国の王毅外相は26日、中国とソロモン諸島との関係が他の太平洋島しょ国の手本となることを期待すると語った。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530153562348859395

 王毅氏の太平洋島嶼国ツアーに対し、米国務省のプライス報道官は25日、「不透明な形で各国と交渉を進め、協定を結ぶ可能性がある」と懸念を表明しています。

※【速報7261】共同、26日「米国務省のプライス報道官は25日の記者会見で、中国の王毅国務委員兼外相による太平洋島しょ国の歴訪について、不透明な形で各国と交渉を進め、協定を結ぶ可能性があると懸念を表明した。」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1530153519546007552

■IWJの活動には市民の皆さまのご寄付・カンパが欠かせません! 今月5月も残り4日ですが、28日の段階で41%とまだ4割強です! 昨年8月から4月末までの、第12期の9カ月間にわたる累積の不足金額309万5534円を、5月の未達成分237万4045円とあわせると546万9579円が5月末までに必要となります! IWJの財政はまだピンチです! 5月も、ぜひ、マスメディアとは一線を画し、ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJの活動をご寄付・カンパでご支援ください!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、1カ月の間に必要なご寄付・カンパの目標額を月額400万円と見積もらせてもらっています。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、5月で10カ月目に入りました。

 今期スタートの8月1日から4月30日までの9カ月間の累計の不足分は、309万5534円となっています。

 5月は1日から27日までの27日間で、134件、162万5955円、目標額の41%分に相当するご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! とはいえ、5月も残り4日ですが、月間目標の5割に届いておらず、IWJの財政は、今月すでにピンチとなりつつあります!!

 4月末までの不足分309万5534円に、5月の未達成分237万4045円を足し合わせると、5月末までに546万9579円が必要となります! 今月5月を含めて、7月末に迎える今期末までの残り2カ月と1週間で赤字を削って、不足分をゼロにできるかどうか、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!

 IWJの会員数は現在3241人です。そのうちサポート会員は1108人です(2022年4月30日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1688円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人4937円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 また、3月16日に宮城県・福島県で震度6強を記録した地震の際に大規模停電が起きて、その影響で、インタビューや動画配信に必要なIWJの設備が故障し、その修理費用が約70万円かかります。

 この故障を完全に修理することができないと、再配信ができません。現在、対応中ですが、いまだに再配信ができず、ご不便をおかけしていて、申し訳ありません。1日も早く復旧できるように、ご支援と、ご理解をたまわれればと思います。

 引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 ロシアによるウクライナへの侵攻と、それに対する世界中からの反発・非難は、米英とNATOによる、ウクライナへの事実上の「参戦」という段階に至っています。

 米国の真の狙いは、実現できるかどうかは別として、恒久的に米軍が欧州を軍事的に支配し、ロシアを米国に抵抗できないレベルにまで弱体化することにあります。それが米国の単独覇権の維持・強化になると、一般の米国国民はともかくとして、少なくとも米国の支配的な一部、軍産複合体やネオコンらは思っているからです。

 ロシアのウクライナ侵攻は、その米国の単独覇権の維持・強化戦略を推し進めるための口実として、巧妙に利用されました。

 バイデン大統領は、5月3日、「ロシアとの戦いは、民主主義と中国などの専制主義との戦いの戦線のひとつに過ぎない」と指摘したと、『AFP』は伝えています。

 また、同日『RT』は、「中露に対する『文明の戦い』の最初の『実戦の戦闘』を戦っている」とバイデン大統領の言葉を伝えました。

 これらのバイデン大統領の言葉を、驚くべきことに日本のマスメディアはほとんど報じていませんが、これは重要な発言です。

 バイデン大統領の本音が、ぽろりとこぼれ出たのでしょう。「主体」は米国であり、「民主主義」対「専制政治」というイデオロギー上の戦いのために、中国とロシアに対する「文明の衝突」をこれから戦うというのです。そして、「ウクライナはその最初の実戦なのだ」というわけです。

 次の標的は中国です。当然、「実戦」は、これからも続く予定なのでしょう。

 そして、さらに5月23日の訪日の際の記者会見で、バイデン大統領は「台湾を守るために軍事介入するか?」という記者の問いに対して、はっきりと「YES」と答え、「そう約束しましたから介入します」と明言しました。

 IWJは、侵攻直後から、このウクライナ侵攻から始まった動きが、極東に飛び火して、台湾をめぐる米中の対立と連動する可能性があると、散々、警鐘を鳴らしてきました。バイデン大統領の一連の発言は、対露戦線と対中戦線を直接、つなげるものです。2つの地域での戦争を連動させようとしている「主体」は米国なのです。

 バイデン大統領は、彼が口にしている言葉通り、ロシアの次の標的は中国だ、と言わんばかりに、中国の排除を目的としたIPEFをひっさげて、アジアへやってきました。

 問題なのは、日本の岸田総理はIPEFの中身が何なのか、まだわからない段階で参加を表明してしまっていることです。しかも、TPPやRCEPなど、日本が既に参加している自由貿易協定のルールと、IPEFのルールが異なる場合、どちらを優先するのか、など、大切なことが国内で何も議論されていないうちから、バイデン政権の方針に盲従を表明してしまっているのです。これは、国会軽視もはなはだしいというべきでしょう。

 米国の「同盟国」という名の「従属国」である日本は、国民の大多数が気づかないうちに、米国が段取りしたロシアと中国を相手に「世界大戦(もしくは代理戦争)」を戦う「連合国」のメンバーに加えられています。日本国民はまず、1人でも多く、この事実に気づかなければなりません。

 極東まで米国が戦線を広げてきた場合、ウクライナや東欧・西欧がそうであるように、日本が米国にとって都合の良い対中ミサイル最前線基地とさせられてしまう危険性があります。自民党が提言している「敵基地攻撃能力」改め「反撃能力」という名称での、中国本土に届く中距離ミサイル配備計画は、その一環です。

 日本がウクライナのような運命をたどり、国土を戦場として提供して、米国の「代理戦争」の道具と化してしまうようなことは絶対に避けなければいけません!

 日本が台湾有事によって、米国の戦争に巻き込まれた時、中国だけでなく、北朝鮮やロシアをも同時に相手して、日本が戦わなくてはならない可能性が出てきます。しかもミサイル戦の時代であり、日本全土がミサイルの射程距離内に収まっているので、すぐに列島全土が戦場となりえます。

 米国の支援があっても、そんな戦いを現実に遂行できるのか、その上で、核を保有したその3カ国に勝つことができるのかといえば、誰が考えてもまったく不可能でしょう。

 勝敗以前に、日本は開戦早々、全土をミサイルで空爆されて、軍事拠点と重要なインフラを破壊されます。日本は現在のウクライナのような状態となり、経済や、国民生活は破綻します。

 ウクライナの今年のGDPは、現時点で昨年の半分となる予想です。日本も参戦した場合は、GDPはそうしたレベルにまで落ちるでしょう。

 そんな状態に陥ったとき、少子高齢化に直面している「老いた」日本国民が、過酷な現実を受け入れ、乗り切れるでしょうか。仮に敵国に対して、日本列島に配備された自前のミサイルによって一時的に一定の痛撃を与えることができたとしても、相手には最後の手段として、3カ国とも核攻撃というカードが残されています。日本に勝ち目はありません。

 米国から核弾頭をシェアリングされ、中距離ミサイルの弾頭を核弾頭に切り替えたとしても、核抑止が効くかどうか。

 日本に配備されたミサイルの弾頭を、通常弾頭から核弾頭に取り替え終わるまで、中・露・北朝鮮という、すでに核を保有済みの3カ国が、おとなしく待っているほどお人よしだとは思えません。

 イスラエルのように沈黙のうちに、秘密裏に核武装を行うのではなく、元首相の安倍晋三氏のような人が、国民的雑誌『文藝春秋』5月号で「ニュークリアシェアリング(核共有)」の必要性を鐘や太鼓を鳴らすように宣伝しているのですから、始末におえません。かえって敵の先制攻撃を誘発してしまうリスクとなります。

※「核共有」の議論から逃げるな 中国・ロシア・北朝鮮からこの国を守るために(安倍晋三・文藝春秋2022年5月号
https://bungeishunju.com/n/n6dd51d4070f0

 しかも、日本は島国です。

 海上を封鎖されれば、エネルギー資源もなく、食糧自給もできない日本は、たちまち身動きもできなくなり、国民は飢餓に直面します。ウクライナ国民の多くは陸続きの隣国ポーランド等へと難を逃れましたが、日本国民の多くは陸伝いに「難民」になることもできません。海を越えていこうとしても、渡航の安全性は保証されていません。

 どこをどう考えても、米国と同調し、ロシアに制裁を下し、いたずらにロシアとの緊張を高めることは、日本にとって負担やリスクが増えるだけで、何もメリットがありません。

 同様に、米国に同調して、中国に対していたずらに敵対的となり、ミサイル配備や、ニュークリアシェアリングの可能性を大声で喧伝して回るなど、自ら戦争リスクを高めるだけですし、日本が火ダルマになるだけで何のメリットもありません。

 日本には原発が54基(そのうち稼働中のものは9基、稼働していない原発もプールに燃料がたくわえられている)存在するのです。これらは核自爆装置のようなものです。自国にミサイルが飛んでくる可能性のある戦争を、日本は遂行できるような国ではないのです!

 IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、8年前、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。ぜひ、以下の特集を御覧ください。

※【特集】ウクライナ危機 2013年~2015年 ~ユーロ・マイダンクーデターからウクライナによるロシア語話者への迫害・殺戮まで~
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

 2022年の2月23日、それまで何の前提もなく突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。

 そこに至るプロセスがあります。独自取材を続けてきたIWJだからこそ、この事態に対してしっかりと客観視する視点をもつことができた、と自負しています。

 ロシア軍によるウクライナへの「侵攻前」のプロセスを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝える思考停止のイエローペーパーに頼っていては、真実は見えてきません。

 公平に見て、ウクライナと米国のプロパガンダは、ロシアのプロパガンダよりはるかに巧みで、大胆かつ強引であり、ウクライナをロマンチックに見せたり、ロシアを悪魔に仕立て上げたりして、ハリウッド映画のように、多くの人を惹きつけています。

 しかし、その米国とウクライナのプロパガンダを、日本のマスメディアまでが鵜呑みにして垂れ流ししているようでは、ジャーナリズムの本来の役割を放棄していると言わざるをえません。

 我々IWJは、どんなに石つぶてを投げられようとも、メディアの王道を歩み、客観的で、中立的で、事実にもとづいた、公正な報道をし続けます。

 米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国が、ゆるぎなく、軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではありません。

 既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアは、日本政府と同様、米国追従を続けていますから、それらに頼っていては、こうした現実は、まったく見えてきません。現実には記者クラブメディアは国民の目を真実からそらせるような情報操作ばかり行い続けています!

 IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府と、そのプロパガンダ機械と成り果てたマスメディアに対して、これでいいのか! と声を上げ続けていきます!

 こうしたことがIWJに可能なのは、市民の皆さまに直接、支えられているからです。特定のスポンサーに頼らずとも、活動することができる独立メディアだからです! 何者にも縛られず、権力に忖度せずに、真実をお伝えしてゆくことができるのは、市民の皆さまのご支援のおかげです!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパの両方によって、支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとして活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 本年、2022年は、7月に参院選もあります。主権を外国に売り渡すがごとき、売国的な改憲勢力は、改憲による緊急事態条項の憲法への導入を狙っています。この緊急事態条項は、国民主権と議会制民主主義を根こそぎ奪うものです。その先には、終わりのないファシズムと、国民の声に一切耳を貸さない、問答無用の戦争が待ち受けています。今年は、本当に日本の分水嶺の年となります!

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからもお振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

■「日本の主要メディアが余りにも稚拙で一方的な報道をしており、恐ろしいのはそれが世論を形成し動かしているということ」「どうぞ、いかなる時も今の姿勢で私達に本当のジャーナリストの気概を見せ続けて下さい」! ご寄付をくださった皆さまからの温かい応援・激励メッセージ、ありがとうございます! 岩上安身がお一人ずつ丁寧にご回答致します!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、温かい応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていただき、岩上安身がご回答させていただきます!

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 日本の主要メディアが余りにも稚拙で一方的な報道をしており、恐ろしいのはそれが世論を形成し動かしているということです。そうした風潮に情けなく、絶望的な気持ちにさえなります。私はFBで主要メディアとは異なる事実、見方や意見等をピックアップして載せていますが、今の状況でそれは大きなストレスを伴うことでもあります。

 物事の詳細な調査、研究による事実の報道をこれからも困難を乗り越えして頂きたいとの思いでゆうちょ口座にて寄付をさせて頂きました。どうぞ、いかなる時も今の姿勢で私達に本当のジャーナリストの気概を見せ続けて下さい。応援しています。(K.Y.様)

K.Y.様

 ありがとうございます。

 財政は厳しくなる一方ですが、他方で皆様が支えてくださることで、なんとか活動を維持できています。感謝しかありません。本当に会員の皆さま、ご寄付・カンパでご支援くださる皆さまありがとうございます!

 日本のマスメディアは、この3ヶ月、侵攻したロシアを非難し、ウクライナを支持・応援する偏向報道・論表のみをたれ流してきました。喧嘩には、どちらにも言い分があるのが常です。今回ばかりは10対0で、侵攻したロシアに言い分などなく、ロシアがすべて悪い、ウクライナは何も非がないのに、一方的に侵略の被害にあっている、という決めつけが横行していますが、それは正しくありません。ウクライナは、親欧米派の政権(ポロシェンコ政権、ゼレンスキー政権)が成立してから、ロシア語を公用語から外し、ロシア語話者に対して、激しい弾圧を加えてきました。その事実がまったく省略されてしまっています。

 ロシアが侵攻に踏み切らざるをえなかった理由を、私たちは知り、理解する必要があります。侵略を肯定するためでなくロシアを擁護するためでもありません。戦争がどのようなメカニズムで誘発され、それを各国の政府や日本を含む西側のマスメディアがどのように歪めて伝えたのかを理解し、同じような手口で、日本に戦争の災厄がもたらされることを防ぐためです。

 ウクライナの惨状に同情し、「応援のエール」として、メディアが戦況を「ウクライナ有利」に歪めて伝えているのでは話になりません。メディアはあくまで一方のサイドに肩入れするのではなく、客観的に事実を伝えなくてはなりません。

 そもそも、戦争は起こしてはならなかったのです。

 侵攻の口実を与えるような挑発を行ってはならなかったのです。

 日本人がウクライナの惨状を目の当たりにして、教訓を得るとすれば、まさにそこにあります。

 米国のような強大な軍事力をもつ国家と同盟を結べば安心だ、大丈夫だ、という考えも、時には命取りになります。ウクライナがNATOに加盟し、国内にNATO軍の戦力が配備されることは、ロシアにとってはのど先に剣を突きつけられるようなものです。

 「仮想敵」となり相手国の心理まで理解して、どこまでなら安全か、どのラインを踏み越えれば、挑発となり、「仮想敵」国の暴発を招いてしまうのか、リアリズムで考える必要があります。ウクライナは米国とNATOを「頼みの綱」とするあまり、ロシアに背を向けて、足蹴にすることのリスクを甘く見積もりました。同じような失敗を、日本が繰り返してはいけません。

 日々、ロシア・ウクライナ情勢をお伝えしながらも、常に日本のことを考えながら、お伝えしています。お汲み取りいただければ幸いです。

 今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いします。

岩上安身

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◆中継番組表◆

**2022.5.28 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.5.29 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

松井一郎・大阪市長から告訴された水道橋博士が、れいわ新選組から参院選出馬を表明!「スラップ訴訟という言葉の使い方も含めて、遊説しながら、もう空中戦ですね!」~5.26 れいわ新選組 山本太郎代表 街頭記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506297

安保法制違憲・国賠訴訟控訴審で請求棄却! 弁護団「司法の役割を果たさず国会に押し付け、個人の信条問題にすり替え」「責任逃れ判決」と批判、上告へ!~5.24 安保法制違憲・国賠訴訟控訴審 判決言渡し期日後の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506215

原告の切実な意見陳述で会場全体からすすり泣き!「法廷が『被害者の声なんか聴く必要がない』なんて言えるような雰囲気ではなくなった」!~5.26「311子ども甲状腺がん裁判」第1回口頭弁論期日 報告集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506300

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■シリーズ<オリガルヒとは誰か>その1 そもそも、オリガルヒとは? その驚くべき起源と強欲! ロシアのオリガルヒの一人、ロマン・アブラモヴィッチ氏がイングランド・プレミアリーグのチェルシー売却!? それもとも、チェルシー消滅!? ロシア・ウクライナのオリガルヒに共通する三大特徴とは?

 長期化が懸念されているウクライナ戦争を戦うロシアとウクライナには、その社会に複数の共通点があります。

 その一つがソ連崩壊後に現れた新興財閥、オリガルヒの存在です。オリガルヒは、ロシアとウクライナの権力構造に深く大きな影響を与えてきました。

 ウクライナ紛争は、NATOの東方拡大問題やロシア語話者に対する民族浄化の問題とともに、オリガルヒの存在を正しく認識することが大切です。

 ロシアのプーチン政権においては、プーチン氏の出身母体であるKGBに代表されるシロヴィキ(情報・治安・軍事権力)が、オリガルヒと戦い、これをねじ伏せました。オリガルヒが悪どい金儲けをしていようと、政治権力を握ろうとしない限り、お目こぼしをする。しかし、政治権力獲得への野心を見せたり、国富を際限なく国外に持ち出して、国家の存立を危うくするというような場合は、容赦なく取り締まるというのが、プーチン政権の方針でした。実際に、巨大エネルギー企業ユコス社のトップだったミハイル・ホドルコフスキー氏ら、主にユダヤ系のオリガルヒが逮捕されるなどして、実権を失ってきました。

 しかし、ソ連から独立したウクライナにおいては、ロシアのような力のあるシロヴィキや独立した国民・国家を統治する経験や知恵をもった政治家・官僚群がほとんど存在しませんでした。ウクライナは古代のキエフ・ルーツを除き、近世・近現代において、常にどこかの帝国に属していた経験しかなく、独立した国民国家であったことがありませんでした。独立国家としての経験がなかったことも影響していると思います。

 国家の統治は、営利追求が目的の企業経営とは違います。法の支配がなくなり、利潤動機だけで動けば、国中が闇社会と化し、いたるところでマフィアと詐欺師ら同士の闘争が繰り広げられる、「万人の万人に対する闘争」状態になります。まさに独立後のウクライナはそうした状態にあり、経済マフィアによって、国有・公有財産が次々と私物化されていきました。オリガルヒの支配というのは、こうしてできたものでしょう。支配権力は底なしの汚職で腐敗していきました。

 ウクライナの2004年のオレンジ革命、2014年のユーロマイダン・クーデターにおいて、2度に渡る米国政府の関与を招いたのは、汚職に対する民衆の大きな不満でした。しかし、残念なことに、そのたびにより腐敗した、しかも外国のコントロールを受けやすい政権が生まれてしまったのです。

 5月4日付の東スポWebが、サッカーの話題として、イングランド・プレミアリーグの名門、チェルシーのオーナーで、ロシアのオリガルヒの一人、ロマン・アブラモヴィッチ氏について伝えています。

※チェルシーに再び消滅危機 アブラモビッチ氏がクラブへの融資回収の意向浮上で=英紙報道(東スポWeb、2022年5月4日)
https://www.tokyo-sports.co.jp/soccer/world/4170014/

 東スポは、2月24日以来のロシアのウクライナ侵攻によって、プーチン大統領に近いアブラモヴィッチ氏の資産が英国政府に凍結され、アブラモヴィッチ氏がオーナーのチェルシーの売却が進んでいると報じています。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■<IWJ取材報告>安保法制違憲・国賠訴訟控訴審で請求棄却! 弁護団「司法の役割を果たさず国会に押し付け、個人の信条問題にすり替え」「責任逃れ判決」と批判、上告へ!~5.24 安保法制違憲・国賠訴訟控訴審 判決言渡し期日後の記者会見

 5月24日、東京都千代田区の司法記者クラブで、「安保法制違憲・国家賠償請求訴訟」の控訴審判決言渡し期日後の記者会見を、原告側弁護団が行いました。

 同訴訟は、安保法制の閣議決定と国会での可決成立、および自衛隊の駆け付け警護のための南スーダン派遣、海上自衛隊護衛艦による米海軍艦船の武器等防護が、憲法前文、9条、96条等に違反し、これらにより「平和的生存権」「人格権」及び「憲法改正・決定権」が侵害され、精神的苦痛を被ったとして、国に対して原告それぞれに慰謝料10万円(+延滞損害金)の支払いを求めて東京地裁に提訴されたものです。

 2016年4月26日に第1次提訴(原告計457名)、同年11月22日に第2次提訴(原告計865名)、2017年8月10日に第3次提訴(原告計268名)が行われましたが、2019年11月7日の判決で請求は棄却されました。

 このため、2019年11月20日に、慰謝料各1万円(+延滞損害金)として堀尾輝久氏ほか872名が東京高裁に控訴しました。しかし2022年5月24日当日の東京高裁の控訴審判決で、請求は棄却されました。

 会見では、古川健三弁護士の司会で、岡田尚弁護士、福田護弁護士、棚橋桂介弁護士、伊藤真弁護士が登壇。上訴することを明言しました。

 福田弁護士は「今日の判決は、一言でいうと責任逃れ判決」だと批判した。「司法の役割を自分で果たさずに、国会に押し付ける」「(各人の)信念の問題だということで、法律問題ではないとしてしまっている」と指摘。「安保法制の法律に正面から向き合う姿勢を取らずに、他の国民、原告や国会にボールを投げてしまっている」と断じました。

 さらに福田弁護士は、この訴訟で国家賠償請求を求める根拠とした「平和的生存権」「人格権」「憲法改正決定権」について、判決は、いずれも「侵害されていない」と判断したとして、詳述しました。

 たとえば、安保法制で「戦争への恐怖と不安」に直面させられることが、「人格権」の「平穏生活権」の侵害だとする主張に対して、判決は「憲法9条によって保障されてきた平穏な生活が破壊されたと原告ら控訴人らは感じていると主張しているが」「政治的な信条、あるいはそういう強い信念を傷つけられる、そういう精神的苦痛だと、原告らの主張は理解される」としました。

 だから、人によって違うので、代表民主制の多数決原理では「社会的に受忍すべきもの」だというのです。

 福田弁護士は、「憲法問題ではなくて、個人の受け止め方、考え方の問題」と「代表民主制の問題」に「すり替えられて」しまっていると批判しました。

 会見内容について詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※安保法制違憲・国賠訴訟控訴審で請求棄却! 弁護団「司法の役割を果たさず国会に押し付け、個人の信条問題にすり替え」「責任逃れ判決」と批判、上告へ!~5.24 安保法制違憲・国賠訴訟控訴審 判決言渡し期日後の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/506215

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20220528

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、城石裕幸、尾内達也、木原匡康、中村尚貴)

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