2022年5月26日午後1時より、東京・新宿駅西口小田急デパート前にて、れいわ新選組の山本太郎代表による街頭記者会見が開催された。
この街頭記者会見では、6月22日公示、7月10日投開票予定の第26回参議院選挙の比例区候補予定者として、山本代表から、お笑いタレント・漫才師・著述家・コメンテーターの水道橋博士(本名・小野正芳)氏が紹介された。
水道橋氏は、現在、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長から名誉毀損で告訴されており、それをきっかけとして、「スラップ訴訟」の実態を世の中に伝え、広めるために、このたびの出馬を決意したとのこと。
会見は冒頭から質疑応答の形で進められ、IWJ記者は以下のとおり、2つの質問をした。
IWJ記者「水道橋博士さんは、このたび、参院選出馬の目的として、先ほどもご説明頂きましたけれども、世の中に『スラップ訴訟』の実態を伝え、広めること、また、もう一つは、日本でも『反スラップ訴訟法』を作ることとおっしゃっています。
水道橋さんが当選されたあかつきには、資金や権力を持った者が、市民・市民団体・ジャーナリストなどによる批判や反対運動を封じ込める目的で訴訟を乱発し、言論の自由を侵害する『スラップ訴訟』を規制する法整備について、どのように進めていくか、可能であれば具体的なビジョンをお聞かせ願えますでしょうか?」
水道橋博士氏「公示後に、僕自身が描いている法律を進める方法については、文書で提出します。もちろん、山本代表に、その方法論については、経験的なものは少ないので聞いていきます。
国会に法律を出すために、あるいは、党の勢い、まだ結果はわからないので、そういうことも含めてですね、ほかの国会議員との連携、話し合いをしていきます。問いかけます。
賛同を得て、多くの、与党そのものが、スラップ法案を出している方なので、与党側は、多分、賛同を得ないのではないか。でも、与党の中にも心ある議員の方が、『あ、これおかしい』と思われる方もいるかもしれません。
党議拘束を抜けてですね、そこも賛成して投票してくださる可能性もあると思います。左右どちらから見たって、『反スラップ法案』というのは賛成しやすい法案だと、僕は思っています」。
ここで山本代表から、補足の発言があった。
山本代表「今回の、水道橋さんが私たちれいわ新選組から立候補する予定になったということのきっかけは、すべては、維新の松井一郎さんが、水道橋博士さんのネット上での引用リツイートを訴えるという、損害賠償請求する、内容を見てみると、損害賠償請求されるようなものではないんですけど、ある意味でこれは、権力側が『お前、黙れ』ということで、潰しにくるやり方なんですね。
これっていうのは、皆さんにリスクがあることなんです。誰しもが、その立場に、水道橋さんのような立場に置かれる可能性があるということ。そんな、権力者のやりたい放題でいいんですか? その賛同を広めていくのが一番だと思います。
つまりは、国会の中の硬直した状態を、まず参議院選挙で数を入れ替えていく。何よりも、その『スラップ裁判』というようなことで、権力側のやりたい放題が許されていいのかということを、お一人お一人に考えて頂くために、全国を回りながら、水道橋さんがお話していくことなんだろうと、その話が広がっていきながら、皆さんの中に、『ヤバいよな、そんなこと』というような考えが共有された時にこの話は進んでいくんだろうと。
何も、国会の中だけの力関係のみのことではない。私はそう考えています。まずは民意。そういうことだと思います」。
水道橋氏「現状ですね、スラップ裁判って『SLAPP』、略語です。で、概念上は、アメリカにあります。法律がどんどん施行されたのは90年代からで、調べたら、今31州でしたね。30州とあと1地区。31州で採用されています。
ですから、どんどんとオーストラリアでも採用されて、世界でこの『反スラップ法案』というのは採用されています。僕が、日本で広がりにくいと思うのは、『スラップ』という言葉です。
意味が分からないという方が多くいると思います。
あと、有権者の中の20代の方、裁判にも接することはないし、とても危機感がない方もいると思うんですね。そういう方々にどうやって広げていくかということも、その言葉の使い方も含めて、話し合いながら、遊説しながら、もう空中戦ですね。
ユーチューバーの方にですね、僕はYouTubeにどんどん出ますから。特に20代のユーチューバーで政治に興味がある方、どんどん僕をYouTubeに呼んで下さい。ユーチューバーで影響力のある方、そこで、僕は10代、20代の方がわかるような話をしていきたいと思っています」。
IWJ記者の2つ目の質問は、次のとおり。
IWJ記者「博士は、5月18日の阿佐ヶ谷ロフトAでのイベントの質疑応答の時に、女性の政治参加の促進や、パワハラやセクハラの問題を例に挙げて、『民主国家の中の不公平な構造』、それに加えて、それを政治が進めている、というお話をされていて、そのことについて、今、お話して頂けますでしょうか?」
水道橋氏「これはもう、政策提言のような形で、まあもちろんすり合わせるんですが、最初の出馬表明にも書いていますけれども、議会における女性の数を(男性と)同一にするということに対して、具体的にプランを進めていくということに関して、もし国会に入れば、議連にも参加するし、具体的な法案を出していきたいと思います。
例えば、この、供託金を女性のほうをより下げるということなどはひとつではないでしょうか? 600万かかるということに対して、躊躇するのが男性か女性かというと、女性の方が躊躇しますよ。それに関しては、女性は50万でいい、であるとか。
まあ、供託金そのものをなくしてもいいわけですよ。そういうような、目に見える形でやるべきであるし、とにかく、本当に日本の報道の姿勢自体は、本当にどんどんと後退しているんですよ。
マスコミの人たちは自分たちで恥ずかしいと思いません、それを? 報道姿勢に自由がないということのランキング何位ですか? 69位? 71位? そんなランキングですよ。こんな先進国だと言われているのに、それを本当に、マスコミの中にいる人も記者の人、一人ひとりも、考えてくださいよ。
僕のスラップ裁判が起きた時に、報道してくれたのは、赤旗と東京新聞だけですよ。そのほかの新聞は一切、テレビも無視しました。なぜですか、それって? みんなが上の芸能界の偉い人、あるいは、スポンサーの偉い人の(顔色を)窺っているだけで、本当にひどくないですか? 恥ずかしくないですか?
本当に、マスコミにいる方に、本当に目を見て訴えたいです。それ、恥ずかしくないですか?」
山本代表「おそらく、報道の現場にいらっしゃる方々は、それぞれが事実を伝えたいということで、闘ってらっしゃると思います。でも、実際は報道の自由が認められるのは、スポーツ新聞とフリーライターの間だけなのかなという感想を、私自身は持ちます」。
街頭記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。