日刊IWJガイド・非会員版「日本人は何度 #自民党に殺される のか!? 菅総理が後期高齢者の医療費を引き上げ、現在の1割負担から2割負担へ!」2020.12.04号~No.3004号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~日本人は何度 #自民党に殺される のか!? 菅総理が後期高齢者の医療費を引き上げ、現在の1割負担から2割負担へ!
■【中継番組表】
■新型コロナウイルスの抗体は少なくとも半年は持続する抗体調査結果を横浜市立大学が発表! 同様の抗体調査結果をニューヨークとカリフォルニアの共同研究プロジェクトも発表! 「ワクチン開発に期待が持てる」!
■重症者数が過去最多!そんなコロナ第3波の中、「改正予防接種法」が成立! 新型コロナウイルスワクチン接種の無料化へ向けて大きな一歩! しかし、これで副反応など健康被害の補償は製薬会社の代わりに国が負担することに! リスクを孕んだワクチン頼み一本槍にみえる日本政府の対応は「科学的」と言えるのか?
■黄之鋒氏は禁錮13月半、周庭氏は禁錮10月、林朗彦氏は禁錮7月! 国家安全法施行後、自由を奪われる香港の民主活動家3人に実刑判決!
■トランプ氏が2024年大統領選出馬を示唆! しかも、2021年1月20日に予定されているバイデン新大統領の就任演説の日に合わせて選挙活動を開始!? まだまだ波乱、米社会!!
■<本日の再配信>本日午後8時より「米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(前半)」を再配信します!
┠<ニュース・フラッシュ>
■【1】改正種苗法が参院で可決・成立! 安倍~菅売国政権で、種子法廃止、農業競争力強化支援法とあわせ、日本の食糧安全保障をグローバルアグリ企業に売り渡す3点セットが完成!
■【2】次々に明るみに出る自民党の政治の私物化! 河井案里参議院議員の公職選挙法違反をきっかけに東京地検特捜部が吉川貴盛元農水相を鶏卵業大手からの違法献金で捜査! 吉川元農水相は党役職を辞任して緊急入院!
■【3】中国の無人月面探査機「嫦娥5号」が月面着陸に成功! 土壌サンプル約2キロを地球に持ち帰る予定! 成功すれば、米ソに次ぐ3ヵ国目!
■【4】東京地検が捜査中の安倍前総理の「桜を見る会」前夜祭と全く同じ構図! 菅総理がホテルで開いたパーティーの会費が1500円! 政治資金規正法違反の収支報告書への不記載の言い訳は「主催は有志の実行委員会」だから!! 本日午前の総務大臣会見参加予定のIWJ記者に質問取りの広報担当者は、当たらない可能性を明言!
■【5】東京地検特捜部、安倍晋三前総理に任意の事情聴取を要請!「桜を見る会」前夜祭に、2015年から2019年までの5年間に900万円を「晋和会」が負担するも、収支報告書に記載せず!公設第1秘書に政治資金規正法違反の疑い!!
■【6】「米国では今後3ヶ月で20万人が死亡する」と米国CDC(アメリカ疾病予防センター)が衝撃的な発表!!
■<再公開記事紹介>パレスチナ問題のインタビューを続々再公開中です! 【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第2弾!】イスラエルの暴力的建国は公文書によって裏づけられた!ガザ弾圧の起源!~岩上安身によるインタビュー 第861回 ゲスト 東京経済大学 早尾貴紀准教授
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■はじめに~日本人は何度 #自民党に殺される のか!? 菅総理が後期高齢者の医療費を引き上げ、現在の1割負担から2割負担へ!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 12月に入って寒さは本格化していますが、そこに追い打ちをかけるよう、高齢者や高齢者を抱えて介護している世帯にとっては、凍りつくようなニュースが飛び込んできました。

 日本経済新聞は12月3日、75歳以上の高齢者の医療費負担について、菅総理が、現状の原則1割負担から2割負担へ引き上げる意向を固めたと速報で報じました。

※75歳以上の医療費 首相「2割負担」意向固める(日本経済新聞、2020年12月3日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66936280T01C20A2MM0000

 記事によると、与党は高齢者の負担増を懸念し、負担引き上げの先送りを求めていましたが、2022年度中の引き上げを断行。一定の所得がある高齢者に相応の負担を求める一方、現役世代の保険料負担を軽減するとのことです。

 しかし、保険・年金などの福祉というものは必ずしも本人のためだけにあるわけではありません。むしろ国が親の面倒を一部でも負担してくれることで子の世代が助かり、若い世代が経済を動かす原動力となる側面もあります。

 特に2022年頃に後期高齢者となるのは「団塊の世代」です。団塊の世代の生活が悪化すれば、その子ども世代の「団塊ジュニア」の生活にも影響します。そして、どちらの世代も人口が多く、日本の経済に与える影響は小さくありません。また「団塊ジュニア」は、働き盛りであるだけでなく、子育て世代でもあります。高齢者への負担増は、玉突きのように若年層にも影響を与えます。

 若年層の票を求めた安倍政権、それを引き継ぐ菅政権は高齢者に厳しくする一方で、若者に飴を与えるような「全世代型社会保障」を謳っていますが、そんな都合の良いものはありません。高齢者の負担が増加していけば、その子・孫世代に様々な形で必ず負担が増加します。貯蓄を増やす必要が生じるなど、消費にも必ずマイナス影響をもたらし、景気を冷え込ませます。

 この高齢者に対する痛めつけ対策は、コロナ・パンデミック・デフレの背中を後押しすることでしょう。なんと愚かで、冷酷で、寒々しい政権なのでしょうか。菅総理はその相貌の通り、本当に冷たい人物です。

 俗にいう「今だけ、金だけ、自分だけ」という社会性の欠片もない価値観と、それを利用する政治家たちが、「全世代型負担増」、そしてそれらがさらなる少子化やその結果としての高齢化率の上昇や人口減少、そして日本の国力の衰退の原因となっています。

 11月下旬にはツイッター上で #自民党に殺される というタグが広まり、安倍政権や菅政権の悪政の数々が批判されました。

※ツイッター #自民党に殺される
https://twitter.com/hashtag/%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%AB%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B?src=hashtag_click

 現在、日本を襲う医療機関の逼迫、中間層の可処分所得減、女性の失職・自殺の増加、コロナの蔓延には真剣に向き合わず「Go Toトラベル」キャンペーンを強行し、さらにはコロナ禍はおさまらないというのに外国人客をほぼノーチェックで入れて東京五輪を行うというに至っては正気の沙汰とは思えません。五輪後、日本は取り返しのつかないほどコロナ感染拡大に苦しむことになると思われます。こうした問題は、2日の岩上安身による田代秀敏氏インタビューで指摘されました。そこに、後期高齢者の医療負担増を始めとした、高齢者イジメが加わります。

 日本人はいったい何度、自民党に殺されれば良いのでしょうか?

 なお、2日に配信した田代秀敏氏インタビューは、近日中にアーカイブを掲載いたします。冒頭オープン部分は以下のURLで現在も公開中ですので、ぜひご視聴ください。

※米国の政権移行期の空白を突いて 中国は包囲網を突破!? バイデン政権で「ワシントン・コンセンサス」へ 回帰する米国の未来は復活か没落か 岩上安身による中国通エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー(2020年12月2日)
https://www.youtube.com/watch?v=ZaOH7S8oxfA

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◆中継番組表◆

**2020.12.4 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch6】10:45メド~「茂木敏充 外務大臣 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 茂木敏充 外務大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣記者会見関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B
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【IWJ・Ch7】10:55メド~「武田良太 総務大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch7

 武田良太 総務大臣 定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた総務大臣記者会見関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b7%8f%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3%e8%a8%98%e8%80%85%e4%bc%9a%e8%a6%8b
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【IWJ・Ch5】14:30~「船橋二和病院労働組合 記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「船橋二和病院労働組合 記者会見」を中継します。これまでIWJが報じてきた新型コロナウイルス関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
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【IWJ・エリアCh1・大阪】15:00~「国相手の大飯原発3・4号運転停止を求める裁判 ~設置変更許可の取り消しを求める~ 判決後の記者会見と報告集会」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 「おおい原発止めよう裁判の会」による判決後の記者会見と報告集会を中継します。これまでIWJが報じてきた大飯原発関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a4%a7%e9%a3%af%e5%8e%9f%e7%99%ba
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【タイムリー再配信 808・IWJ_YouTube Live】20:00~「米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(前半)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2019年6月に収録した、岩上安身による田岡俊次氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた田岡俊次氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%94%b0%e5%b2%a1%e4%bf%8a%e6%ac%a1

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/451041

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◆中継番組表◆

**2020.12.5 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh3・京都】18:30~「東アジアに平和を! 韓国と沖縄と連帯し武力なき平和をつくろう 2020 ZENKOスピーキング・ツアー(京都) ―講演:奥間政則氏(土木技術者)ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach3

 「ZENKO 平和と民主主義をめざす全国交歓会」主催の講演を中継します。これまでIWJが報じてきた奥間政則氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%A5%A5%E9%96%93%E6%94%BF%E5%89%87
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【タイムリー再配信 809・IWJ_YouTube Live】20:00~「米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(後編)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2019年6月に収録した、岩上安身による田岡俊次氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた田岡俊次氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%94%b0%e5%b2%a1%e4%bf%8a%e6%ac%a1

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/451041

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

いつもIWJをご支援いただき、まことにありがとうございます。取材・報道活動にお力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げ、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告(2020年11月)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/47878

本日参院本会議で種苗法『改悪』法案成立。「社民党はこの法案に反対です!自家増殖の種子の使用が許諾制になり、許諾料が莫大になる。種子は誰のものか? 間違いなく農民のもの!」~12.2社会民主党福島瑞穂党首定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485704

働きやすい差別も格差もない職場を!誰もが幸せな生活を!~11.7 2020年 働く女性の神奈川県集会 コロナパンデミックで女性に何が起こったか!?女性の声を集めジェンダー視点で暮らし・職場を安心できるものにしよう
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484314

【特集】生命の選別をする人たち https://iwj.co.jp/wj/open/life-screening-special サポート会員の方は、全編映像を無期限で御覧いただけます! IWJ存続のために、ぜひご検討、ご支援をお願いいたします。
会員登録⇒ http://bit.ly/1zCebcF

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■新型コロナウイルスの抗体は少なくとも半年は持続する抗体調査結果を横浜市立大学が発表! 同様の抗体調査結果をニューヨークとカリフォルニアの共同研究プロジェクトも発表! 「ワクチン開発に期待が持てる」!

 横浜市立大学の山中竹春教授をリーダーとする「抗体検査プロジェクト」チームが、新型コロナウイルスに感染した376人(平均年齢49歳、男女比1:1)を感染後半年後に調査した結果、新型コロナウイルスをブロックする働きのある「中和抗体」を98%の人が保有していたことがわかりました。

※日本初 中和抗体調査で何が分かる?リーダーに聞く(テレ朝news、2020年12月2日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000200115.html  

 6か月後の中和抗体の保有率は、無症状・軽症の人で97%、中等症・重症の人で100%、全体として98%の人が保有していました。

 山中教授によりますと、新型コロナウイルスに感染した場合、たくさんの種類の抗体ができますが、ウイルスをブロックできる「中和抗体」と呼ばれる抗体が、免疫上は重要になり、今回の抗体調査で、この「中和抗体」のすべてではないが、その一部をデータから特定できたといいます。

※ここから先は明日の日中に公開いたします。会員版の記事でお読みになってください!

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■重症者数が過去最多! そんなコロナ第3波の中、「改正予防接種法」が成立! 新型コロナウイルスワクチン接種の無料化へ向けて大きな一歩! しかし、これで副反応など健康被害の補償は製薬会社の代わりに国が負担することに! リスクを孕んだワクチン頼み一本槍にみえる日本政府の対応は「科学的」と言えるのか?

 日本における新型コロナウイルスの感染拡大は広がる一方です。最も懸念されるのは、重症者数が500人に到達しようとしていることです。これは第1波のピーク328人(4月30日)、第2波のピーク259人(8月23日)よりもはるかに多い数です。

 また、入院治療等を要する者の数は2万人を超えたまま高止まりしており、医療提供体制が逼迫してきています。

 医療の現状については、岩上安身による東京都医師会の尾崎治夫会長インタビューをぜひ御覧ください。

※新型コロナウイルス「秋の第3波」到来! 東京都医師会の緊急提言でGo Toキャンペーンを一部見直し! 冬場のコロナに日本は持ちこたえられるのか!? 岩上安身によるインタビュー 第1020回 ゲスト 東京都医師会会長・尾崎治夫氏 2020.11.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485271

 「秋の第3波」真っただ中の12月2日、「改正予防接種法」が参議院本会議で可決され、成立しました。これによって、新型コロナウイルスワクチンの接種が無料化されるようになります。一方、国は新型コロナウイルスワクチンの接種によって生じた健康被害の損害賠償を、製薬会社の代わりに国が負担する契約を、各製薬会社と結べるようになります。

 また、あわせて、新型コロナに感染した入国者の隔離入院措置について、来年2月以降最大1年延長できるよう、検疫法の改正もなされました。

※ワクチン接種を無料化 改正予防接種法が成立―新型コロナ(時事通信、2020年12月02日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120200165&g=pol

 厚生労働省は「予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について」で、改正法の趣旨を以下のように説明しています。

 「改正の趣旨 新型コロナウイルス感染症の発生の状況に対処するため、予防接種の実施体制の整備等を行うとともに、検疫法第34条の指定の期限を延長できることとするため、所要の措置を講ずる」

 改正の2つの概要のうち、「1.予防接種に係る実施体制の整備」については、「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について、予防接種法の臨時接種に関する特例を設け、厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力により、市町村において予防接種を実施するものとする」

 その詳細は「接種に係る費用は、国が負担する」こと、および「予防接種により健康被害が生じた場合の救済措置や副反応疑い報告等については、予防接種法の現行の規定を適用する」こととなっています。

 ただし、「接種の勧奨及び接種の努力義務については、予防接種の有効性及び安全性に関する情報等を踏まえ、政令で適用しないことができるものとする」としています。

 もうひとつの「2.損失補償契約の締結」については、「政府は、ワクチンの使用による健康被害に係る損害を賠償すること等によって生じた製造販売業者等の損失を補償することを約する契約を締結できることとする」とされています。

※予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について(厚生労働省、2020年12月3日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000688925.pdf

 新型コロナウイルスワクチンについては、開発競争でしのぎを削るモデルナ、ファイザー、アストラゼネカの株価の動きからワクチン開発の信頼性について分析した田代秀敏氏の、岩上安身による最新インタビューもぜひ御覧ください。アーカイブは現在準備中ですが、冒頭オープン部分は下記URLで公開中です。

※米国の政権移行期の空白を突いて 中国は包囲網を突破!? バイデン政権で「ワシントン・コンセンサス」へ 回帰する米国の未来は復活か没落か 岩上安身による中国通エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー(2020年12月2日)
https://www.youtube.com/watch?v=ZaOH7S8oxfA&feature=emb_logo

 今回の改正予防接種法について反対を表明したれいわ新撰組代表の山本太郎氏は、「過去の被害についても、これから起こりうる副反応に関しても徹底した救済が必要との問題提起のために、今回の法案には私は『反対』を提案した」と述べています。

 山本氏は、こう語ります。

 「残念ながら、これまでに国が勧めた予防接種において、副反応被害に対する責任を国は果たして来たとは言い難い。特に、子宮頸がんワクチンに関しても被害そのものを認めてこなかったケースがいくつもあり、現在も被害者とその家族は苦しみの中にいる」

※2020.12.2 山本太郎 代表談話『予防接種法について』
https://reiwa-shinsengumi.com/comment/6330/

 これまでの歴史を振り返っても、ワクチン接種によるとおもわれる有害事象および副反応(薬害の場合は副作用、ワクチンの場合は副反応と使い分けられています)で、ワクチン接種との因果関係を証明するハードルは決して低くはありません。

 少し古い資料になりますが、2013年6月に改訂された厚生労働省の「HPVワクチンQ&A」によると、「Q18.HPVワクチン接種後に副反応はありますか?」との質問に対して、「ワクチン接種後に見られる副反応が疑われる症状については、接種との因果関係を問わず収集しており、定期的に専門家が分析・評価しています。その中には、稀に重い症状の報告」があるとして、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎 (ADEM)、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)をあげています。

 子宮頸がんの95%以上の原因といわれるヒトパピローマウイルス(HPV)ですが、そのHPVワクチンが予防接種法にもとづき定期接種化されたのは2013年でした。HPVワクチンの接種後に「多様な症状」を呈する例が複数出たため、自治体から接種対象者に個別に接種を奨めるような積極的勧奨は中断されています。

 ただし、厚生労働省は必ずしもこうした症状とワクチン接種の関係を認めてはいません。次の「Q19.HPVワクチン接種後に報告されている『多様な症状』はどのようなものですか?」に対する回答の中で、厚生労働省は「HPVワクチン接種後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動等を中心とする『多様な症状』が起きたことが副反応疑い報告により報告されています」としつつも、ワクチン接種との因果関係は証明されていないとしています。

厚生労働省「『HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状を惹起したきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している症例は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい』と専門家により評価されています。(中略)

 このような『多様な症状』の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、『ワクチン接種との因果関係がある』という証明はされていません」。

※「HPVワクチンQ&A」(厚生労働省、2013年6月改訂版、2020年12月3日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

 ワクチンだけではありません。被曝や公害の問題でも、放射能や各種の産業廃棄物などと「多様な症状」の因果関係を証明することの難しさは異様なほどです。子宮頸がんワクチンの事例だけではなく、被爆者や被害者が一生を通じて訴訟を繰り返してきた過去の事例を見ると、新型コロナウイルスワクチンで「多様な症状」が出た場合、日本政府がどう対応するかは想像にかたくありません。

 多くの国民の不安の声を無視して、日本政府はずっとPCR検査を抑制してきました。その一方で、有効性や安全性も確認できないうちから、ワクチンの「予約」を全国民分進めるなど、「国民全員にワクチンを打ってしまえば大丈夫。オリンピックでもなんでもできる」と言わんばかりの対応です。

■黄之鋒氏は禁錮13月半、周庭氏は禁錮10月、林朗彦氏は禁錮7月! 国家安全法施行後、自由を奪われる香港の民主活動家3人に実刑判決!

 12月2日、香港の簡易裁判所は、昨年6月に香港政府の「逃亡犯条例」改正案への抗議デモを扇動したとして無許可集会の扇動罪で起訴されていた民主派活動家3人に実刑を言い渡しました。

 黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は禁錮13月半、周庭(アグネス・チョウ)氏は禁錮10月、林朗彦(アイバン・ラム)氏が禁錮7月の量刑となりました。

※香港の民主活動家3人に実刑判決 無許可集会扇動の罪で(BBC NEWS、2020年12月2日)
https://www.bbc.com/japanese/55157259

 実刑判決を受けて、黃之鋒氏は弁護士を介してツイッターで以下のようにコメントしています。

「それは戦いの終わりではありません。私たちの前には、もうひとつの挑戦的な戦場があります。

 私たちは今、多くの勇敢な抗議者たちと一緒に刑務所での戦いに参加しています。民主主義と香港の自由のための戦いでは、あまり目立たないものの不可欠です」(続く)

※ここから先は明日の日中に公開いたします。会員版の記事でお読みになってください!
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■トランプ氏が2024年大統領選出馬を示唆! しかも、2021年1月20日に予定されているバイデン新大統領の就任演説の日に合わせて選挙活動を開始!? まだまだ波乱、米社会!!

 波乱の米大統領選からちょうどひと月が経過しました。各州の得票数集計の結果、勝利が確定したバイデン陣営は、政権移行へ向けて着々と準備を進めています。各国のメディアにしても、視線は早くも、バイデン新政権の政策や今後の見通しに向けられているように思われます。

 一方、トランプ現大統領は、バイデン候補の勝利は民主党陣営が大掛かりな「いかさま(fraud)」を働いた結果であると主張し続けてきました。具体的には、ドミニオン・ヴォーティング・システムズが提供している電子投票機が、トランプ票を何百万票も不正に削除した、というものです。

※【米大統領選2020】 投票機のせいで票が減った? トランプ氏の主張を検証(BBC、2020年11月18日)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54969486

 そのトランプ氏が12月1日、2024年の大統領選への出馬を示唆する発言を公然と行っていたことが、AFP等の海外メディアで報じられています。

※Trump floats idea of 2024 White House run(AFP Jerome CARTILLIER(Yahoo!news、2020年12月3日)https://news.yahoo.com/trump-openly-floats-idea-2024-160802161.html?guce_referrer=aHR0cHM6Ly9zZWFyY2gueWFob28uY29tLw&guce_referrer_sig=AQAAAJpt2XrO2EEZajTUQzjGzst2OIQ11I0ECGEhbWR8dKMOhA6KOt3B-TNpSBc9Zr8nxBUe8_i3MAqxDGukU41GXdm-ffmnz9j1sS5RNpWZ3JlVj1uIZl0pyyeU9ofShTSrXZruZaINM9rP9_Dby37OfuYkz9LFIMY2p1SExthGd42F&guccounter=2

 トランプ政権が次政権に遺すことになる、種々の負の「レガシー」については、12月2日に皆様にお届けした岩上安身インタビューにご登場の、中国通エコノミスト田代秀敏氏が存分に語って下さいました。そこでも、バイデン新大統領の就任式にトランプ氏とその支持者らによる大きな動きがあるのではないかと、話題になりました。

 「もはや民主党と共和党の宗教戦争」(田代氏)の様相すら帯びてきた米社会。歴代の日本政府が追従路線を貫いてきた国であればこそ、米国の動きには今後も注視が必要と思われます。

※ここから先は明日の日中に公開いたします。会員版の記事でお読みになってください!
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 なお、2日に配信した田代秀敏氏インタビューは、近日中にアーカイブを掲載いたします。冒頭オープン部分は以下のURLで現在も公開中ですので、ぜひご視聴ください。

※米国の政権移行期の空白を突いて 中国は包囲網を突破!? バイデン政権で「ワシントン・コンセンサス」へ 回帰する米国の未来は復活か没落か 岩上安身による中国通エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー(2020年12月2日)
https://www.youtube.com/watch?v=ZaOH7S8oxfA

■<本日の再配信>本日午後8時より「米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(前半)」を再配信します!

 米大統領選はバイデン氏が勝利し、次期大統領の座を掴みました。一方、敗北したトランプ大統領は選挙に不正があったとの主張を続ける傍ら、その座を追われるまでの間に大統領の権力を最大限に利用し、自身の「レガシー」がバイデン政権で覆されぬよう強硬策を推進する怖れが指摘されています。

 中でも強い懸念が指摘されているのがイラン・イスラエルを巡る中東情勢です。

 トランプ大統領はイスラエルに近く、イランに対して敵対的な外交を繰り広げてきたため、近年はアメリカとイランの関係が急速に悪化してきました。

 先月11日にはトランプ大統領がイランの主要核施設を攻撃する選択肢を提示するよう側近に求めたものの、側近に説得されて最終的に実行に踏み切らない決定をしていたことが、米当局筋の話として報じられました。

※Trump Sought Options for Attacking Iran to Stop Its Growing Nuclear Program(New York Times、2020年11月16日)
https://www.nytimes.com/2020/11/16/us/politics/trump-iran-nuclear.html

 そこで本日は、昨年6月に収録した、岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビューを再配信します。

 昨年6月13日、イランとオマーンとの間にあるホルムズ海峡で、日本の海運会社「国華産業」が運航するタンカー(パナマ船籍)と、台湾の石油大手・台湾中油のタンカーが攻撃を受けました。

※Exclusive: President Trump Calls Alleged Iranian Attack on Oil Tankers ‘Very Minor‘(TIME、2019年6月18日)
https://time.com/5608787/iran-oil-tanker-attack-very-minor/

 このタンカー攻撃事件に対して、ポンペオ米国務長官は同日、「イランに責任がある」「イランは日本のタンカーを攻撃し、船員の命を脅かすことで日本を侮辱した」などと、露骨にイラン側を非難しました。そして米軍も同日、イラン海軍艇が攻撃を受けた日本のタンカーから不発の水雷を取り外している映像なるものを公開しました。

※U.S. Central Command
https://www.centcom.mil/MEDIA/VIDEO-AND-IMAGERY/VIDEOS/videoid/689676/

 こうした、米国務省による「イランによる対日攻撃」を示唆するような一方的な決めつけと、米軍がその証拠にあたる動画を公開という段取りには、ある種の「準備の良さ」を疑わせるものがあります。この問題を追及していくためには、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争など米国が関わってきた数々の戦争の歴史もあわせて考える必要があります。

 それらの戦争の開戦に際して米国は、どのような開戦の口実を用意していたでしょうか?なお当然ながら、日本は日米安保条約を結んでおり、集団的自衛権を容認してしまっていますから、そうした米国の戦争の歴史とこれからの国際的な緊張と無関係ではいられません。

 以上のイランをめぐる国際情勢、その背景を考える上で避けて通れない米国の対中東政策の歴史などについて、田岡氏に詳しくうかがっていきます。

 詳しくは午後8時からの再配信をご視聴ください!

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【IWJ_YouTube Live】20:00~
米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(前半)
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

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<ニュース・フラッシュ>

■【1】改正種苗法が参院で可決・成立! 安倍~菅売国政権で、種子法廃止、農業競争力強化支援法とあわせ、日本の食糧安全保障をグローバルアグリ企業に売り渡す3点セットが完成!

 一昨日2日、参議院本会議で種苗法改定案が可決・成立しました。参院農水委員会での審議を経たとはいえ、本会議では反対討論も行われず、15分ほどの間に行われた5本の法案採決のうちの一つでした。

※本会議(参議院インターネット審議中継、2020年12月2日)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

※種苗法の一部を改正する法律案(参議院)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/201/meisai/m201080201037.htm

 農水相はシャインマスカットなどの日本のブランド果実の苗や種子が海外に流出することを防ぐためだと説明していますが、海外流出は既存の法律で対処できるにもかかわらず、これまで政府は何の対応も講じてきませんでした。

 改正種苗法では、新品種の開発者は栽培地を限定することができ、違反者には差し止めを請求することができます。違反者には10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金が課せられます。違反者が法人であれば、罰金は3億円以下になります。共謀罪の適用対象にもなります。また、これまで農家に自由に認められてきた自家増殖は許諾性となり、農家が開発者に高額の許諾料を支払わなければならなくなる可能性が指摘されています。

 改正法は来年2021年4月に施行され、自家増殖の許諾性は2022年の4月からとなります。

 政府は2017年5月に農業競争力強化支援法を制定し、これまで都道府県などの公的な試験機関が持っていた種子生産に関する知見を民間企業に提供することを義務づけました。さらにこれまで米、麦、大豆といった基礎食糧の安定供給を国の義務と定めた主要農産物種子法の廃止法が2017年4月に成立し、2018年3月末をもって種子法は廃止されました。

 これら3つの法律により、グローバルアグリ企業は日本の種子を独占することが可能となります。

 IWJがこれまで報じてきた種苗法改定案については、以下の記事を御覧ください。

※コロナ禍のドサクサに検察庁法改正など悪法を次々成立させようとする安倍政権!「種苗法」改定阻止! 多国籍企業に日本の種を支配させるな!! 岩上安身によるインタビュー 第995回 ゲスト「日本の種子を守る会」元農林水産大臣 山田正彦氏 2020.5.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/474250

※国民の声が日本の農家と食卓を守る! 「種苗法」改定を廃案へ 多国籍企業に日本の種を支配させるな!! 岩上安身によるインタビュー 第997回 ゲスト「日本の種子を守る会」元農林水産大臣 山田正彦氏 後編 2020.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/475177

※種苗の自家増殖「原則禁止」!? 「家庭菜園では問題ない」と農水省は釈明するが? 山田正彦・元農水大臣らが追及! ~種苗法に関する緊急院内学習会 ~自家増殖禁止検討報道を受け6.18農水省職員へのヒアリング 2018.6.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/425027

※緊急院内集会!種苗法についての勉強会 2019.10.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/459095

※種苗法改定案が今国会に上程!自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!? 日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制! 2020.2.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468513

※種苗法改定は「改悪」! 「国産品種の流出防止」は農水省の怠慢をごまかす論点のすり替え! 「日本の種子を守る会」は農家を脅かす種苗法改悪の阻止を目指す!~10.26 種苗法改定案審議入り前 緊急院内集会 情報共有と意見交換会 2020.10.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483379

※【特別寄稿】菅売国政権が臨時国会でスピード成立を目論む種苗法改定に農家の悲鳴! 農水省がデッチ上げた「ペテン法改正」に「菅チルドレン」鈴木直道北海道知事も道内自民党議員も沈黙!? 2020.11.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484948

 また、以下の特集もぜひ、あわせて御覧ください。

※【特集】種子法廃止で日本が「遺伝子組換え作物」の氾濫国へ!「食料主権」を売り渡す安倍政権の売国政策を検証!
https://iwj.co.jp/wj/open/%e7%a8%ae%e5%ad%90%e6%b3%95

■【2】次々に明るみに出る自民党の政治の私物化! 河井案里参議院議員の公職選挙法違反をきっかけに東京地検特捜部が吉川貴盛元農水相を鶏卵業大手からの違法献金で捜査! 吉川元農水相は党役職を辞任して緊急入院!

 自民党の選挙対策委員長代理や二階派の事務総長をつとめる吉川貴盛元農水相(衆議院議員・北海道第二区)が2日、2年前の心筋梗塞による不整脈で入院。党の役職を辞任しました。

 吉川元農水相は、鶏卵生産大手で「日本養鶏協会」副会長や特別顧問などをつとめた「アキタフーズグループ」の元代表から500万円を受け取った疑いで、東京地検特捜部が捜査を進めています。

※吉川元農水相、鶏卵大手から現金か 複数回、東京地検が捜査(時事ドットコム、2020年12月2日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120101251&g=soc

 広島県福山市に本社のあるアキタフーズは、河井克行元法相・案里参議院議員の参院選をめぐる公職選挙法違反の買収の関与先として、今年7月に東京地検特捜部の家宅捜索を受けていました。

 吉川元農水相は2日、大手メディアに以下のようにコメントを出しています。

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本日の朝刊各紙に私の政治資金に関する記事が掲載されました。地元のみなさま、党関係者にはご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。

昨日までに報道機関からお問い合わせが事務所にありましたが、2年前心筋梗塞を起こし大学病院で手術し、現在も定期的に通院治療していたところ、先週不整脈となり急遽その病院に入院したことから対応することができませんでした。

しばらく検査の上、治療に専念しなければならない状況となっております。国会審議と党務の運営にご迷惑をおかけしたくない思いから、本日、党国会対策委員長に診断書を提出するとともに、党幹事長宛に選挙対策委員長代行をはじめとするすべての党役職を辞することをお伝えしました。

本日の件で当局から説明を求められることがあれば、現在入院治療中ではありますが誠実に対応させていただきます。

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※吉川元農水相が党役職を辞任 「しばらく治療に専念」(朝日新聞、2020年12月2日)
https://www.asahi.com/articles/ASND255HGND2UTFK00J.html

■【3】中国の無人月面探査機「嫦娥5号」が月面着陸に成功! 土壌サンプル約2キロを地球に持ち帰る予定! 成功すれば、米ソに次ぐ3ヵ国目!

 中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」が、12月1日、月面着陸に成功しました。「嫦娥5号」は、月面に2日間滞在。月面の土壌サンプル採取を行い、地球へ帰還します。成功すれば中国は、米国、ソ連に続き、月からサンプルを持ち帰る3番目の国になります。

※中国の月面探査機、着陸に成功 月のサンプル採取へ(BBC、2020年12月2日)
https://www.bbc.com/japanese/55154978

 月面でのサンプル採取は1976年のソ連の「ルナ24号」以来44年ぶりです。「ルナ24号」が持ち帰ったサンプルは170.1グラムだったのに対し、「嫦娥5号」は約1.8キログラム以上のサンプル採取を目標にしています。ちなみに米国のアポロ計画では、「アポロ11号」から「アポロ17号」までで、合計381.7キログラムのサンプルを地球に持ち帰っています。

 米国のNASA(アメリカ航空宇宙局)は、中国探査機の月面着陸に祝福のメッセージを送り、「月でサンプルを採取し、地球に持ち帰った暁には、国際科学コミュニティーが進歩するよう、この貴重な積荷をみんなが研究できることを願っている」と述べました。

 中国の探査機が月面に着陸するのは3回目です。1回目は2013年の「嫦娥3号」。2回目となった2019年1月8日、この時、「嫦娥4号」は、世界で初めて、月の裏側に着陸し、660日を月の裏側で過ごしました。

※「嫦娥4号」の月探査任務、無事成功(Xinhua News、2019年1月12日)
http://jp.xinhuanet.com/2019-01/12/c_137737694.htm

※中国の月探査機「嫦娥4号」、月時間で23日目の活動終える(AFPBB、2020年10月26日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3311851

 このような宇宙開発は平和利用にとどまればよいのですが、軍事競争に発展するとの懸念もあります。

 対立する米中の軍事競争については東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員にインタビューを行っております。詳細は以下の記事を御覧ください!

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(1)自発的対米隷従国家・日本が対中ミサイル前線基地兼戦場に!?米国の対中戦略を読み解く!岩上安身によるインタビュー 第1013回 ゲスト東アジア共同体研究所 須川清司上級研究員 2020.10.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/482747

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484505

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし? 米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!! 岩上安身によるインタビュー 第1018回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.12
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484696

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(4)政治とメディアが煽り続けた安易な「中国脅威論」!~岩上安身によるインタビュー第1022回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485330

■【4】東京地検が捜査中の安倍前総理の「桜を見る会」前夜祭と全く同じ構図! 菅総理がホテルで開いたパーティーの会費が1500円! 政治資金規正法違反の収支報告書への不記載の言い訳は「主催は有志の実行委員会」だから!! 本日午前の総務大臣会見参加予定のIWJ記者に質問取りの広報担当者は、当たらない可能性を明言!

 自民党の政治の私物化については、安倍晋三前総理の周辺が「桜を見る会」前夜祭問題で東京地検特捜部の取り調べを受けていますが、11月27日発売の『週刊ポスト』12月11日号が、これとそっくりな菅義偉総理の疑惑を報じています。

※菅首相の2500人パーティー 政治資金報告書に不記載だった(NEWSポストセブン、2020年11月27日)
https://www.news-postseven.com/archives/20201127_1615789.html?DETAIL

 『週刊ポスト』によると、菅総理は官房長官時代の2014年4月19日に、横浜ロイヤルパークホテルの宴会場で「春の集い」を開催。地元の情報誌には「支持者ら約2500人が集まった」と報じられましたが、会費が一人1500円だったということです。「春の集い」はその後、2015年、2016年、2017年にも行われましたが、このうち2014年と2015年の収支について、菅総理が代表をつとめる自民党支部や資金管理団体の収支報告書に記載がありませんでした。

 さらに、このホテルの宴会場の料金は、『週刊ポスト』によれば、1500名で2時間のパーティーで一人1万5000円。また、しんぶん赤旗によれば、室料の定価は1日貸しで700万円とのこと。いずれにしても、1500円で2500人では375万円にしかならず、案内に「問い合わせ先」と記されている菅氏の事務所が補填したことが疑われます。

※菅首相にも疑惑 「桜」と酷似 大規模集会も収支不記載 14・15年 高級ホテルで会費1500円は可能?答える責任(しんぶん赤旗、2020年11月28日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-11-28/2020112815_01_1.html

 しかし、菅氏の事務所は、『週刊朝日』の問い合わせに「当初、地域の有志の方が設けていただいた歓談の場(実行委員会主催)に代議士が参加していました」「開催費用を補填したことはありません。また、有志の方々が主催する事業について、連絡先の提供など事務作業をお手伝いすることはあります」と答えています。

※菅にも「桜を見る会」と同じ疑惑が浮上 「政治資金規正法違反」専門家の指摘を菅事務所に直撃(AERA dot.、2020年11月30日)
https://dot.asahi.com/wa/2020112900010.html?page=1

 菅総理の事務所は「春の集い」以外にも「成田山初詣バスツアー」なども行っていますが、主催者は「成田山初詣実行委員会」。しかし、問い合わせ先は菅総理の事務所になっています。

 この件について、IWJ記者は本日午前の武田良太総務大臣定例会見で質問する予定です。総務省は政治資金規正法の所管省庁です。

 IWJの会見申し込みに対し、昨日3日夕方、総務省広報室から会見時間と場所の連絡とあわせて、「あらかじめ質問内容を教えて欲しい」との電話がありました。

 記者が「質問の内容によっては当たらないということですか?」とたずねると、担当者は「そういうことはありませんが、現時点ですでに質問が多く、時間が限られているため…」と言葉を濁しました。

 そこでIWJ記者が、「それは、同じような質問であれば、当てないということですか?」と聞くと、担当者は「整理して同じ質問が重ならないようにします」と答えました。

 IWJ記者は「週刊誌等で報じられている、菅総理の2014年、15年のホテルでのパーティーについて、政治資金規正法を所管する総務省の原則的な法律の考え方について」とだけ伝えました。本日の会見で当てられるかどうか、わかりませんが、大臣会見の前に総務省とIWJ記者との間にこうしたやりとりがあったことは、皆様にお伝えしておきます。

 武田良太総務大臣定例会見は、本日午前10時55分めどの予定です。以下のチャンネルで生配信し、詳細な結果は明日のこの日刊IWJガイドで、また、IWJのサイト上の記事でお伝えいたします。

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【IWJ・Ch7】10:55メド〜
武田良太 総務大臣 定例会見
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch7

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■【5】東京地検特捜部、安倍晋三前総理に任意の事情聴取を要請! 「桜を見る会」前夜祭に、2015年から2019年までの5年間に900万円を「晋和会」が負担するも、収支報告書に記載せず! 公設第1秘書に政治資金規正法違反の疑い!!

 政治団体「安倍晋三後援会」が東京都内のホテルで主催してきた「桜を見る会」前夜祭。その費用を安倍氏の関連団体が負担していたと見られる件で、東京地検特捜部が安倍晋三前総理に任意の事情聴取を要請したことがわかりました。

※安倍前首相の任意聴取要請 桜「前夜祭」巡り東京地検 公設秘書立件へ、規正法違反容疑で (日本経済新聞、2020年12月3日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66941490T01C20A2MM0000

 「桜を見る会」前夜祭参加者は各自5000円の会費を負担していましたが、その会費だけでは開催費に見合わないことから、安倍氏側が負担したとみられています。

 会場となったホテルは、安倍氏が代表を務める資金管理団体「晋和会」あてに領収書を発行しており、2015年から2019年までの5年間におよそ900万円を「晋和会」が負担していたことがわかっています。しかし、その間、安倍氏の関連団体の収支報告書に該当する記載はありませんでした。

 主催の「安倍晋三後援会」は、安倍氏の公設第1秘書が代表を務める政治団体です。

 東京地検特捜部は、公設第1秘書を任意で事情聴取し、公設第1秘書はすでに安倍氏側の費用負担と、収支報告書に記載する必要性を理解していたことを認めています。

 特捜部は政治資金規正法違反(不記載)容疑を視野に、この公設第1秘書の立件に向けて捜査しています。

 同じく、2020年12月3日15時30分より、東京都千代田区の衆議院本館第4控室にて、第37回 総理主催「桜を見る会」追及本部ヒアリングが開かれました。

 桜を見る会「前夜祭」に関する安倍前総理による国会での虚偽答弁、政治資金規正法違反、公職選挙法違反の疑惑について 、郷原信郎弁護士(Zoom出席)、法務省、総務省よりヒアリングを行いました。

 詳しくは、以下のリンクから御覧ください。

※「総理大臣が国会を騙し、国民を騙してきた」! 説明責任を果たさなければ国民の信頼は回復できない!秘書に騙されたという言い逃れは許されない~12.3 第37回 総理主催「桜を見る会」追及本部ヒアリング 2020.12.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485766

 「桜を見る会」の疑惑についてはIWJでも取材を重ねてきました。直近の取材を以下に紹介いたします。これまでの経緯を振り返ることができますので、どうぞ御覧ください。

※共産党・田村智子参議院議員「詐欺容疑で逮捕されステージが変わった」「やっぱり再調査が必要でしょ」!! ジャパンライフ被害者も出席!!~9.24野党による、第35回 総理主催「桜を見る会」追及本部 2020.9.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/481600

※ジャパンライフ元会長・山口隆祥容疑者はじめ14名が詐欺容疑で逮捕!「桜を見る会」がジャパンライフと詐欺被害者を結びつけた!政府は再調査はしない方針?~9.18野党による第34回総理主催「桜を見る会」追及本部 2020.9.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/481259

※安倍総理と安倍晋三後援会の代表者ら2名を被告発人として、弁護士、法学者ら662名が告発!~5.21「『桜を見る会』を追及する法律家の会」による、「桜を見る会」告発状提出 2020.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/474924

※「桜を見る会」、「森友文書改ざん」、「自衛隊中東派兵」、「辺野古埋立て」、「復興五輪」。数々の暴挙を行い、改憲・戦争に向かう安倍政権に怒りの声を!~3.22 改憲とめる!戦争させない!アベたおせ!3.22新宿デモ 2020.3.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/470530

※【シリーズ・崩壊する安倍総理の国会答弁07】「桜を見る会」前夜祭で会場を提供したANAホテルが政権に「忖度ゼロ」の回答!安倍総理の虚偽答弁の可能性が濃厚になり自民党はホテル側に「圧力」をかけるも、市民のリテラシーが冷静に状況分析! 2020.2.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468317

 また、岩上安身による、安倍政権の「権力の私物化」に怒る郷原信郎弁護士のインタビューもぜひあわせて御覧ください。

※郷原信郎弁護士が怒る!!「検察は『権力ヤクザ』どころかヤクザ以下の『ゴロツキ』!!」黒川検事長定年延長問題からゴーン氏事件、下関市立大学問題まで「桜を見る会」と同根の「権力の私物化」!! 岩上安身によるインタビュー 第983回 ゲスト 郷原信郎弁護士 2020.2.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/467538

■【6】「米国では今後3ヶ月で20万人が死亡する」と米国CDC(アメリカ疾病予防センター)が衝撃的な発表!!

 米国放送局のABCが、日本時間、昨日午前8時半から放映したニュースを、NHKが午前8時43分に日本語訳をつけてBS-1で放送しました。

 これを視聴した、エコノミストの田代秀敏氏は、IWJに、下記のようにコメントしました。

 「『米国では今後3ヶ月で20万人が死亡する』という見通しを米国CDCが発表しています。CDC長官は『米国の公衆衛生史上で最も困難な3ヶ月になる』と述べています」

 「1918〜19年のインフルエンザ・パンデミックの際に米国では67.5万人がインフルエンザで死亡したとCDCは記しています。その時を超える勢いで、今後3ヶ月間、感染が爆発することをCDC長官は示唆していることになります」と述べました。

■<再公開記事紹介>パレスチナ問題のインタビューを続々再公開中です! 【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第2弾!】イスラエルの暴力的建国は公文書によって裏づけられた! ガザ弾圧の起源!~岩上安身によるインタビュー 第861回 ゲスト 東京経済大学 早尾貴紀准教授

 米国大統領選の結果、大統領就任が確実になったバイデン氏の中東政策が、今後の日本の安全保障に重大な意味を持つことは、自衛隊の中東派遣の例からも明らかです。

 バイデン氏は中東政策をどう進めるのでしょう? イスラエルの代表的メディア、ハアレツ(Haaretz)は、バイデン氏は、イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が平和安全に共存する「二国家解決」を支持しており、イスラエルのパレスチナ入植に反対する一方で、トランプ大統領がエルサレムに移した米国大使館をテルアビブに戻す意志はない、と断言したと伝えています。詳しくは、IWJがハアレツの記事を仮訳した下記を御覧ください。

※米大統領選バイデン氏勝利を見通し、イスラエル紙ハアレツが分析記事を掲載! IWJが仮訳!! バイデンはイスラエルのパレスチナ入植に反対だが大使館はテルアビブに戻さない!? イラン核合意には復帰するだろう!(2020年11月10日)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484544

 中東情勢における最重要ファクターの一つが、イスラエルとパレスチナの問題であることは言うまでもありません。しかし、その歴史を知らなければ、バイデン政権の政策の意味を正確にとらえることはできません。

 こうした観点にもとづき、IWJでは、12月3日から連日、岩上安身による中東・パレスチナ問題に関するインタビューの再公開を進めています。

 岩上安身は、これまでさまざまな専門家に、パレスチナ問題に関してインタビューを重ねてきました。現在、IWJのサイト上の大がかりな整理作業の影響で、それらのコンテンツの一部が閲覧できない状態となっていますが、重要性に鑑み、東京経済大学 早尾貴紀准教授、および「パレスチナの平和を考える会」事務局長・役重善洋氏等へのインタビューを順次、先行して再公開していきます。

 第1弾として、2018年1月25日に行った早尾准教授へのインタビューを再公開しました。

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第1弾!】パレスチナ問題の原点であるイスラエルによる「民族浄化」の真実を暴く!~岩上安身によるインタビュー 第842回 ゲスト 東京経済大学 早尾貴紀准教授(2018年1月25日)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/410412

 そして第2弾として、2018年4月14日に行った早尾准教授へのインタビューを再公開いたしました。

 このインタビューは同日の午後1時半から行われましたが、直前に緊迫した速報が飛び込みました。

 午前10時過ぎ(日本時間)、トランプ米大統領が、シリアでアサド政権によって化学兵器が使用され、多数の死傷者が出たと断定。国連安保理による決議がないまま英・仏と攻撃に踏み切り、ミサイル攻撃したのです。しかも、OPCW=化学兵器禁止機関の調査チームが14日から現地調査を始める前に攻撃したため、「アサド政権が化学兵器を使用」という嘘がばれないようにするためだと、シリア側は主張しました。

 これについて早尾氏は、日本で中東全般について報道される場合は常に西側のバイアスがかかっているとして、米国側の主張を鵜呑みにすることがないように注意を喚起しました。

 さらに早尾准教授は、こうした事態が発生した際に、日本が集団的自衛権のもと、米国の攻撃に追随する可能性について指摘。「国連中心の『集団安全保障』の考え方と、米国中心の『集団的自衛権』はまったく別概念で、場合によっては対立する。国連軽視をすれば、米国が地球の裏側で攻撃する際に自衛隊が加担する可能性を危惧する」と述べました。

 また、インタビューの約2週間前の3月30日に、パレスチナ人のデモ隊をイスラエル軍が暴力的に排除、死者多数を出した、ガザの「土地の日」デモ事件について詳しく解説いただきました。

 インタビュー本編では、第1回に続き、パレスチナ問題発生の根本的原因であるイスラエル建国の実像についてお話いただきました。

 早尾准教授は、英エクセター大学教授のイラン・パペ氏の『パレスチナの民族浄化~イスラエル建国の暴力』(http://amzn.to/2GcoUGQ)を共翻訳されています。パペ氏はイスラエル人でありながら、イスラエルの犯した「罪」を直視し、著書の中で、シオニストたちによるパレスチナ人への、目をそむけたくなるような残虐な行いを、詳細な記録にもとづき、描き出しています。

 そこでは、1948年のイスラエル建国時にアラブ人などが国を追われて「パレスチナ難民」となった「ナクバ(アラビア語で『大災厄』)」に関して、イスラエル側による、パレスチナ人が自発的に立ち去ったとの主張は虚構で、イスラエルによる「組織的かつ計画的な軍事攻撃」による「民族浄化」だったと語られます。

 早尾准教授は、パペ氏の著作等で明らかになったこうした経緯は、当時の公文書が50~60年後に公開されたことによって、明らかになったとして、そのことの重要性を訴えました。シオニスト的な歴史家でさえ、それら公文書を見れば、暴力や組織的な追放があったと認めざるを得ないというのです。

 これに対して岩上安身が日本における安倍政権による公文書改竄問題を指摘すると、早尾氏は「森友問題のように、公文書の改竄が進められたら、検証のしようがなくなる。怖い」と語りました。

 早尾氏は、パレスチナ問題発生の歴史的要因がイギリスの狡猾で暴力的な植民地政策にあり、ユダヤ人の民兵組織編制を促したことや、第2次世界大戦後は米国がイスラエルを支援し、トランプ大統領によるエルサレムへの米国大使館移転につながることなどについて詳しく解説しました。

 また、イスラエルの占領地域で、イスラエル企業による農業プランテーションをつくり、パレスチナ人を雇用する計画によって、占領体制の固定化が図られ、それに日本の資本も関わっているという実情が語られます。

 21世紀の世界情勢に強烈な影響を及ぼし続けるパレスチナ問題について、その根本的構造を解き明かすインタビューを、ぜひ御覧ください!

※【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第2弾!】イスラエルの暴力的建国は公文書によって裏づけられた!ガザ弾圧の起源!~岩上安身によるインタビュー 第861回 ゲスト 東京経済大学 早尾貴紀准教授(2018年4月14日)
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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。
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IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸、尾内達也、木原匡康、塩澤由子、辻部亮子、仲川正紀、中村尚貴、六反田千恵)
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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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