日刊IWJガイド「IWJは第11期最初の3ヶ月を経過し、運営に必要なご寄付・カンパが785万円以上も不足しています! 過去に例のない経済的ピンチです! このままではIWJが存続できなくなります! どうか、緊急のご支援をお願いいたします!」2020.11.13号~No.2983号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~IWJは今年8月1日から始まった第11期の第1四半期、最初の3ヶ月を経過し、経営に必要なご寄付・カンパ1350万円に対して785万円以上が不足しています! 過去に例のないほどの経済的なピンチです! このままではIWJが存続できなくなります! どうか、皆様からの緊急のご支援をお願いいたします!
■【中継番組表】
■<昨日の岩上安身によるインタビュー>米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし?米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!!
■<本日の録画配信>本日午後8時より、10月28日に行われた「日本外国特派員協会主催 グレン・S・フクシマ氏(米国先端政策研究所 上級研究員)による『2020年米国大統領選挙と日本』」を、日本外国特派員協会からの映像提供を受けて録画配信します!
■<新記事紹介1>IWJが独自に仮訳して紹介!「米国最高の知性」とも目される言語哲学者、ノーム・チョムスキー氏の米大統領選に関するインタビュー!! 過去40年間に90%の低所得層から超富裕層へ50兆ドル近くの富が移転された! トランプの共和党も、民主党のクリントン派も共犯!!
■<新記事紹介2>重要!! 英インペリアル・カレッジ・ロンドンが36.5万人調査の上、驚愕のレポート! コロナの抗体は時間経つと減少!! ワクチンは数か月しかもたない!? 抗体検査陽性でも免疫ないかも!? IWJが報告概要を仮翻訳!
■<新記事紹介3>コロナ急拡大のスイスから、現代詩人が現地報告! レストランは1テーブル4人以下! 映画館、劇場閉鎖、コンサートも聖歌隊も禁止! 一方で春より交通量が激増! コロナ禍が気候問題や世界情勢と結びついて人心悪化! 大企業減税に憤り!
┠ <ニュース・フラッシュ>
■【1】国内で増え続ける新型コロナ新規感染者! 日本医師会・中川俊男会長が「第3波」との認識を示すも、加藤勝信官房長官は「『GoToトラベル』で感染が広がったという報告はない」とキャンペーンを強行姿勢! 一方10日、史上2番目の新規感染者を出した大阪府の吉村洋文知事は「都構想」住民投票のどんちゃん騒ぎを棚に上げ「どんちゃん騒ぎを避けて」とツイート!
■【2】ついにここまで来た菅独裁! 国会答弁で日本学術会議の推薦前の候補者選定への人事介入を「違法」と指摘されても「問題ない」と強行突破!
■IWJサポート会員様より、新型コロナに関する田村憲久厚労大臣会見でのIWJ記者の質問内容について、ご質問がありましたので、岩上安身がお答えします。
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■はじめに~IWJは今年8月1日から始まった第11期の第1四半期、最初の3ヶ月を経過し、必要なご寄付・カンパ1350万円に対して785万円以上の不足となっています! 過去に例のないほどの経済的なピンチです! このままではこれまでのような活動を続けることが困難になります! どうか、皆様からの緊急のご支援をお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 いつもIWJをご支援・応援していただき、ありがとうございます。岩上安身とスタッフ一同、心より感謝申し上げます。

 本日はIWJの財政状況について、ご報告いたします。

 IWJは今年8月1日に、第11期をスタートしました。IWJは現在、活動費の半分を会員の皆様からの会費で、もう半分を皆様からのご寄付・カンパによって活動しています。今期は、前期、前々期に続き、事業規模を縮小し、緊縮予算を組んでいます。皆様からのご寄付・カンパは、月額450万円あれば、収支のバランスが取れる見通しでした。

 しかしながら、8月のご寄付・カンパは167万4160円にとどまりました。月間目標額の450万に到達するには遠く及ばず、282万5840円も不足しました。

 翌月の9月のご寄付・カンパは、187万2500円でした。9月も月間目標額450万円に到達せず、262万7500円不足となりました。

 10月のご寄付・カンパは210万1969円でした。やはり、月間目標額450万円に届かず、239万8031円も不足してしまいました。

 今期第11期の第1四半期にあたる、8月、9月、10月の3ヶ月の合計目標額1350万円に対し、ご寄付・カンパの総額は564万8629円です。この3ヶ月で不足となった金額は、785万1371円になります。

 IWJは現在、過去に例のないほど経済的なピンチに直面しています。

 IWJ代表である岩上安身は、IWJの緊縮財政にあわせ、前期、前々期から3期連続で、今期も役員報酬を50%カットし続けています。その上で、現在の財政ピンチに対処するため、今月個人の貯金から400万円をIWJに貸し付けました。岩上安身はこれまでにもIWJに貯金を貸し付けており、その貸付残高は593万円になります。

 岩上安身は富裕層でも資産家でもなく、IWJの財政危機を丸ごと救えるような私財があるわけではありません。

 加えて岩上安身は、11月7日に家の近くの路上で、左足を路面の窪みにとられて転倒。左足を骨折してしまいました。また、先日ご報告したように、総合病院での睡眠時無呼吸症候群の精密検査の結果、睡眠時にかなりの回数と長い時間、無呼吸状態になり、血中酸素飽和濃度が極端に低くなっていることがわかりました。

 これに対処するため、岩上安身は現在、CPAPという鼻から空気を送り込む装置を装着しての治療を開始しています。これほど睡眠が取れていないのでは、体調が悪いのは当然なのですが、そこに加えての転倒、骨折。弱り目に祟り目です。この体調の報告は、岩上安身が近々行う予定です。

 岩上安身自身は、「必ず、骨折も睡眠時無呼吸症候群も治して、また、バリバリと仕事をしますので、それまで、IWJをお支えください」と、決意を表明しています。

 ですが、経済状況がこのような状況ではIWJは、これまでのような活発な活動を継続することはできそうにありません。

 それでも、私たちは何としてもこれまでと同様、ジャーナリズム本来の志をまっとうした活動を継続し、できれば新たなネット環境にも適応する新しい技術にも挑戦し、独立市民メディアとしての使命を果たしていきたいと強く願っています。

 また、先日来お知らせしていますように、IWJでは現在、生き残りをかけて、全配信チャンネルをYouTubeへ移行する計画を進めています。そのためには、LiveUという機器の導入が必要となります。連日お伝えしてきた内容を以下の記事にまとめました。お時間のあるときにどうぞお目通しください。

※IWJの財政が本当にピンチです! 10月末は岩上安身個人から400万円を借り入れてしのぐことに! 他方、激変する情報環境の中で、生き残りをかけて新機材を導入、全チャンネルでYouTube Liveによる生中継を行えるように改革を断行します! IWJへのご支援を、ぜひ、よろしくお願いいたします! 2020.10.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483507

 IWJは政治的に権力におもねらず、大資本にも組み伏せられない、独立した自由な市民のためのインターネット報道メディアとして、時代の変化にあわせて柔軟な改革を進め、敏感に果断に対応していくことで生き延びていきたいと考えています。どうか、IWJの生き残りをかけた取り組みにご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします!

 コロナ禍の状況下で、誰もが経済的に苦しい状況であると思います。そんなただ中で皆様にご寄付・カンパのお願いを続けることは非常に心苦しいことではありますが、特定のスポンサーに頼らない独立市民メディアであるIWJが、活動を継続していくためには、市民の皆様の会費とご寄付・カンパによるご支援が欠かせません!

 ぜひ、会員登録と、ご寄付・カンパによる緊急のご支援を、よろしくお願いいたします!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、ご友人や知人にIWJの活動をお知らせいただき、ご支援の輪を広げていただけるようお願いいたします! ぜひ、みなさまのお力で、口コミやSNS等でIWJへご支援を呼びかけていただければと思います。10月31日時点で会員登録いただいている会員様の総数は、4296名です。この数を皆様とともに、ぜひ伸ばしていきたいと考えております!

 下記URLに、ご寄付・カンパくださった皆様のお名前を記して感謝の意を捧げております。ぜひ御覧いただければと存じます。

※いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。取材・報道活動にお力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げ、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告>
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/category/information/donation

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします! 1000円からクレジットカードの使用も可能です。ぜひご検討ください。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

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◆中継番組表◆

**2020.11.13 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】14:00~「第10回【核ごみに関する政府との会合】」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「福島みずほ事務所」、「核ごみ問題研究会」主催の「核ごみに関する政府との会合」を中継します。これまでIWJが報じてきた放射性廃棄物関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9
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【IWJ・Ch6】17:25頃~「茂木敏充 外務大臣 定例記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 茂木敏充 外務大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣記者会見関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【録画配信・IWJ_YouTube Live】20:00~「日本外国特派員協会主催 グレン・S・フクシマ氏(米国先端政策研究所 上級研究員)による『2020年米国大統領選挙と日本』(日本外国特派員協会・映像提供)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 10月28日に開催された「日本外国特派員協会」主催の記者会見を録画配信します。これまでIWJが報じてきたアメリカ大統領選挙関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/us-presidential-election

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◆中継番組表◆

**2020.11.14 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【録画配信・沖縄 IWJ_YouTube Live】17:00~「おきなわ憲政塾『目からウロコの憲法学』―登壇:高良鉄美 参議院議員」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 10月31日に開催された「おきなわ憲政塾実行委員会」主催の講演を録画配信します。これまでIWJが報じてきた沖縄関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B2%96%E7%B8%84
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【タイムリー再配信 793・IWJ_YouTube Live】20:00~「国民の声が日本の農家と食卓を守る!『種苗法』改定を廃案へ 多国籍企業に日本の種を支配させるな!! 岩上安身によるインタビュー 第997回 ゲスト『日本の種子を守る会』元農林水産大臣 山田正彦氏 後編(後半)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 5月24日に収録した、岩上安身による山田正彦氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた種苗法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%a8%ae%e8%8b%97%e6%b3%95

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/475177

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

観ずに書かれた「不敬」の見出し!作品と活動を圧殺される映画人 荒木太郎氏、いまおかしんじ氏の切なる訴え!~11.11映画公開中止をめぐる新潮社・大蔵映画(株)等に対する損害賠償等請求訴訟提訴
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484580

1週間フルオープン!【国会ハイライト】日本学術会議問題で政府が選考・推薦段階で政治介入していた新事実発覚! 共産党小池晃氏の追及に菅総理の答弁無能が露呈! 官僚のレクに野党から「自助!」と野次られ茂木外相にも笑われる始末!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484633

赤木雅子さんの裁判(人事院に対して黒塗りに示された部分の情報開示を求める裁判)の第2回口頭弁論後の記者会見、国側は「情報公開に1年を要する」と争う構え
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484570

米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身による東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484505

大沢真理氏「日本の生活保障システムは、『子育て』と『女性の労働』に対して、税・社会保障が『罰』を課している!!」~11.11大沢真理氏(東京大学社会科学研究所名誉教授)による講演 ―内容:社会保障について
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484597

コロナ急拡大のスイスから、現代詩人が現地報告! レストランは1テーブル4人以下! 映画館、劇場閉鎖、コンサートも聖歌隊も禁止! 一方で春より交通量が激増! コロナ禍が気候問題や世界情勢と結びついて人心悪化! 大企業減税に憤り!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484665

カマラ・ハリスの勝利演説は美しい理想論!? 米国の真の問題は新自由主義とグローバリゼーションによる労働者の二重の搾取構造!IWJはカマラ・ハリス氏の演説を全文仮訳!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484677

重要!! 英インペリアル・カレッジ・ロンドンが36.5万人調査の上、驚愕のレポート! コロナの抗体は時間経つと減少!! ワクチンは数か月しかもたない!? 抗体検査陽性でも免疫ないかも!? IWJが報告概要を仮翻訳!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484723

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

総理が学術会議人事に介入する法的根拠は? 野党側の「任命権はあるが人事権はないですよね?」の質問に、内閣府担当者は「法律上は『人事』という言葉はでてこない」~11.9 第9回学術会議任命拒否問題野党合同ヒアリング
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484442

当事者が知らない!? 処理済み汚染水の海洋放出決定を控え、IAEAが11月4日から福島第一原発近傍の海水や海底土、水産物の分析をするとの発表について東電は「情報を持ち合わせていない」!?~11.5東京電力 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484126

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■<昨日の岩上安身によるインタビュー>米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし?米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!!     

 昨日12日、菅義偉総理はジョー・バイデン次期米大統領と初めての電話会談を行いました。

 菅総理は「日米同盟は、厳しさを増す我が国周辺地域、そして国際社会の平和と繁栄にとって不可欠」だとして、一層の強化と「『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けての日米の連携」を伝えたとのことです。

 一方、バイデン氏は「日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする」との表明があったということです。

※バイデン次期米国大統領との電話会談についての会見(首相官邸、2020年11月12日)
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1112kaiken.html

 他方、外務省は11日、日米両政府がワシントンD.C.で、現地時間の9日と10日に在日米軍駐留経費に係る正式交渉、いわゆる「思いやり予算」についての交渉を行ったことを明らかにしました。

※日米による在日米軍駐留経費に係る正式交渉の開始(外務省、2020年11月11日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000361.html

 日本側の在日米軍駐留経費負担額を定める特別協定は、5年ごとに協議されています。現行の特別協定は、来年3月31日に期限を迎えます。政府は、来年度予算案の編成作業の必要性から早期の交渉妥結を目指す方針とのことです。

 一方で、在日米軍駐留経費負担の4倍増を求めていたトランプ大統領から、バイデン氏に大統領が変わることについて、産経新聞が「政府関係者の話」として、「仮に日本側負担額を増やす内容で合意したとしても、バイデン政権でやり直しになるかもしれず、今は突っ込んだ話はできない」と、伝えています。

 昨日11月12日、岩上安身による、東アジア共同体研究所上級研究員・須川清司氏の第3回インタビューを実施しました。

 まずは岩上安身が、話をこう切り出しました。

 「米中の軍事的な戦略について日本では報道されることもないし、実際に須川さんがお知り合いの外務省官僚とお話をしてもご存知ないと。びっくりするぐらい前提が共有されていないんですね。

 日本では中国・韓国・北朝鮮についてはめちゃくちゃな嘘が蔓延し、実態から程遠い話が氾濫しています。その実、日本の中で、アメリカを客体視した研究もまったく行われていない」

 この、岩上安身の問題提起に対して須川氏は「日本こそ、中国研究するための世界一のシンクタンクを作れと言ってきた」と応じました。

 続けて、岩上が「中国もアメリカも万が一ことを構えることがあれば、日本をバトルフィールドにすることを前提としています。米中開戦したら日本全土が戦場になります。今日のインタビューのタイトルラスト部分は『米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!!』スタッフがつけたのは『!?』でしたが私が『?』をとり、『!!』と断定調にしました」と報告しました。

 12日の午前中に、菅総理が初めてバイデン氏と電話会談したことが報じられました。

 この報道について、「尖閣諸島周辺域で『日米安全保障条約5条』を適用すると表明したことの意味を後でしっかりうかがいたいと思います」と岩上が述べると、須川氏は「2010年だったか、国務長官だったヒラリーが最初にこれを言って、国務長官が言ったと話題になったんですね。その後、オバマ大統領、トランプ大統領、バイデン氏が引き継いできたという流れがあります」と応じ、「安保5条適用」という言葉が、日本を守るため、米軍が即軍事行動を起こすかのような印象を与える決まり文句と化してきたプロセスを説明しました。

 さらに、同12日、日米政府が思いやり予算についてワシントンで交渉に入ったという報道もありました。

 これについて、須川氏は「今交渉する相手はトランプ政権。日本は現状でも(米軍の駐留経費の)8割を負担し、世界一負担が大きい。トランプ政権が言うように現状の4倍といえば、実費の何倍も払うことになる。日本が(米軍を)雇っているような状況になってしまうので、『やや増やす、ほどほど』ということでまとめるのではないかと思います。日米が合意できなければ、(駐留経費は)払われないですから。本当は日本政府が強気に出られる問題なんですね」と解説しました。

 そして、須川氏は「それよりも国防予算の総額、GDPの2%を要求してくるのかといった話の方が大きい。金額も莫大になります」と懸念を示しました。

※「“思いやり予算”大幅増要求で決裂の可能性」(日テレNEWS24、2020年11月12日)
https://www.news24.jp/articles/2020/11/12/04760048.html

 バイデン政権になれば、オバマ時代の国際協調路線のアメリカが戻ってくるという見方に対して、須川氏は懐疑的です。

須川氏「オバマさんの時代は、子ブッシュと比べて『国際協調主義』だというレッテルが貼られたんですね。しかし、当時実際に日本政府の中にいて感じたのは、それは間違いだということ。バイデン氏も『国際協調主義』だと見ると見誤るのではないかと思います。『国際協調』と言う方が都合が良ければそういうということであって。『同盟重視』というと、『同盟国を大事にする』という意味に聞こえるけれども、実際は同盟を『手段として重視する』という意味であって、経費の負担を増やすとかそういう意味だということ」

 前回(第2回インタビュー)の振り返りとして、岩上がトランプのアメリカとはなんだったのか、貧富の差を生んだ構造、ワシントン・コンセンサスへの「NO!」がトランプへの票になったのではないかと問いました。須川氏はそれに加えて「米国民の反中感情と重なっている部分も多い」と指摘しました。

須川氏「中国がその構造に乗っかっていると見ているんですよ。中国に雇用を奪われたと。ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が3月に行った世論調査によると、中国にネガティブなのは共和党支持者で72%、民主党支持者で62%。10年前はどっちも3割ぐらいだったのに、近年反中感情が高まっています。

 これはヨーロッパなどでも同じです。冷静にみれば、今、中国が先にコロナを抑えて経済活動しているので、世界も米国も助かっているんですけどね」

 そして須川氏は、世界の動向を見るためには、ドイツをよく見ておく必要性を指摘しました。

須川氏「ドイツをよく見ておく必要があるかなと。欧州にあってアンカーの役割をしてきました。しかし、メルケルさんの任期が切れるんですね。再任はしないと言っています。メルケルさんの後継者も弱いんですね。

 もし、今の状況でドイツが『トランプ化』した場合、オーストリア、ハンガリー、イギリスなどの状況、フランスも難しい国でどうなるか。ドイツに中道的なリーダーシップを持った人がいなくなると、世界中見渡した時に『これはやばいな』と」

須川氏「コロナへの対応で、米中で大きく差がついた。米中覇権の分岐点になる可能性があります。そして、こうした世界的なコロナの感染拡大にもかかわらず、世界的にはむしろ軍事費が増えている状況があります。日本も防衛費を増やす方向に行き、福祉などが削減されるのではないでしょうか」

 以下、会員限定配信のインタビューの中で、中国が現在保有するミサイル数とその性能、第1列島線から第3列島線までの戦略ついてお話をうかがいました。

 須川氏によると、米軍、特に海兵隊は「スタンドアウト」戦略から「スタンドイン」戦略へ移行しつつあります。「スタンドイン」構想とは、米軍が第1列島線と第2列島線の間に中距離ミサイルを中国に撃ち込める小規模で移動型の部隊を、数多く配備し、ゲリラ戦のように戦うというものです。南西諸島はもちろん、日本列島本土もその範囲に含まれます。

 こうした米軍の対中国戦略の変更は、日本にとってどんな意味を持つのでしょうか。日本列島は米軍ゲリラの展開する「ジャングル」のようになるのでしょうか。そして、安倍前総理をはじめとして、自民党内からしきりに出てくる「敵基地攻撃能力保有論」と米軍「中距離ミサイルの日本配備・スタンドイン」戦略の関係は呼応しあっているのでしょうか。

 政府自民党は、12月に改定される新防衛大綱に「敵基地攻撃能力の保有」を明記するのは時期尚早であるとして、ひとまず取りやめました。

※敵基地攻撃能力の大綱明記見送り 防衛計画で政府・与党(日本経済新聞、2020年11月6日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65898020V01C20A1PP8000/

 しかし、米中間で有事となれば日本も否応なく巻き込まれていくことになります。詳しくはぜひ、IWJ会員となって、インタビュー全編を御覧ください。

※【岩上安身インタビュー】米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン氏になっても米軍の戦略に大きな変化はない! 変化なき米軍の戦略が中国にどう影響するのか! 日本列島が盾になる!? 両国のミサイル戦略を中心に岩上安身が東アジア共同体研究所須川清司上級研究員にインタビュー! 第3弾!
https://iwj.co.jp/wj/member/archives/420867

■<本日の録画配信>本日午後8時より、10月28日に行われた「日本外国特派員協会主催 グレン・S・フクシマ氏(米国先端政策研究所 上級研究員)による『2020年米国大統領選挙と日本』」を、日本外国特派員協会からの映像提供を受けて録画配信します!

 米大統領選が日米関係や東アジアの安全保障にどのような影響を与えるかという問題については、大統領選投票直前の10月28日に、日本外国特派員協会(FCCJ)で、米国先端政策研究所(Center for American Progress)の上級研究員、グレン・S・フクシマ氏がオンライン記者会見を行いました。

 フクシマ氏は、1970 年代にハーバード大学で、エドウィン・ライシャワー教授(1960年代の駐日米国大使)、エズラ・フォーゲル教授(『ジャパン・アズ・ナンバーワン』著者)、デビッド・リースマン教授(『孤独な群衆』著者)のティーチング・フェロー(教育助手・授業を行う大学院生)を務めました。

 その後、1980年代には米通商代表部で日本や中国との貿易交渉に従事。そして1990年から2012年まで東京を拠点に、欧州1社、米国4社の多国籍企業の経営者として、在日米国商工会議所会頭を務めました。

 2012年より、ワシントンDCにあるシンクタンク、米国先端政策研究所の上級研究員として、アメリカの対アジア政策の分析と提言を行っています。

 フクシマ氏は「2020年アメリカ大統領選挙と日本」というテーマで、オンラインで講演と質疑応答を行いました。

 「Make America Great Again (アメリカを再び偉大にする)」というスローガンを掲げたトランプ大統領に対し、バイデン前副大統領は「A Battle to Restore the Soul of America(アメリカの魂を取り戻す戦い)」というビジョンを掲げました。対照的なこの二人は、どちらが次の大統領になるかによって、米国の内政だけでなく、外交や世界における米国の役割にも大きな違いが生まれます。フクシマ氏は、大学、法律、政府、企業での長年のキャリアを踏まえて、その評価を語りました。

 詳しくは、本日午後8時からの録画配信をご視聴ください!

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【録画配信・IWJ_YouTube Live】20:00~
日本外国特派員協会主催 グレン・S・フクシマ氏(米国先端政策研究所 上級研究員)による「2020年米国大統領選挙と日本」(©日本外国特派員協会・映像提供)
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■<新記事紹介1>IWJが独自に仮訳して紹介!「米国最高の知性」とも目される言語哲学者、ノーム・チョムスキー氏の米大統領選に関するインタビュー!! 過去40年間に90%の低所得層から超富裕層へ50兆ドル近くの富が移転された! トランプの共和党も、民主党のクリントン派も共犯!!

 世界的に著名な米国の言語哲学者、認知科学者で、反戦論者、グローバル資本主義批判者としても知られるノーム・チョムスキー氏の独占インタビューが、米国のニュースサイト「truthout」に掲載されました。このインタビューの内容を、IWJが仮訳し、ご紹介します。インタビュアーは政治経済学者・政治学者のC.J.ポリクロニユー氏です。

 チョムスキー氏は1950年代、人間は生得的に「普遍文法」を備えるとする「生成文法論」を提唱して現代言語学に革命を起こしたとされます。マサチューセッツ工科大学の研究所教授兼名誉教授を務めながら、体制批判の発言を数多く行っています。

 インタビューのテーマである米大統領選では、バイデン氏が勝利したものの、トランプ氏も高い支持率を得ました。その理由についてチョムスキー氏は、伝統的に民主党支持だったテキサスの郡部でのトランプ氏の勝利は、バイデン氏が「地域経済の中心の化石燃料(石油)からの(再生可能エネルギーへの)移行」を示唆したため、と分析してます。

 背景として、保守的な共和党員の60%が、人間の活動が地球温暖化に「責任がない」と考えているといった、地球温暖化問題に関する懐疑的な社会風潮を挙げます。

 しかし、そうした傾向の原因は、「民主党が、生活や仕事を改善しながら環境の大惨事を回避するための真剣なプログラムを国民に提示できなかった」ためだと、民主党の責任をも指摘。しかも、その回避プログラムは存在するにもかかわらず、「民主党を牛耳っている献金者(大金を献金するグローバルな企業・資本・投資家を指す)志向のクリントン派の新自由主義者にはアピールしない」から提示しなかったというのです。

 チョムスキー氏は、トランプ氏が白人至上主義や外国人恐怖症を増幅させた一方で、新自由主義で虐げられた労働者や中間層の怒りを利用したとします。

 過去40年間に、90%の低所得層から超富裕層へ50兆ドル近い富が移転され、米国の労働者が低賃金国の労働者と競争させられながら、超富裕層は市場から保護されているという不公平があると指摘。

 ところが、民主党は労働者階級を見捨て、この不平等で不公正な構造の協力者となったのに対して、トランプ氏は「エリート」を罵倒することで(労働者階級の)支持を得たというわけです。実際には、トランプ氏は富裕層向け税制などで、民主党よりさらに労働者を傷つけているにもかかわらずです。

 「トランプ氏が最高裁で決着をつけようとしたらどうなる?」「国は戒厳令下に置かれる可能性は?」との問いに対して、チョムスキー氏は、トランプ氏が「彼が作らなかったものすべてを破壊する」という「イチかバチかの賭けに出る」可能性を示唆しています。

 「米国最高の知性」とも呼ばれるチョムスキー氏の貴重なインタビューを、下記でぜひご一読ください。

※IWJが独自に仮訳して紹介! 「米国最高の知性」とも目される言語哲学者、ノーム・チョムスキー氏の米大統領選に関するインタビュー!! 過去40年間に90%の低所得層から超富裕層へ50兆ドル近くの富が移転された! トランプの共和党も、クリントン派の民主党も共犯!!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484711

■<新記事紹介2>重要!! 英インペリアル・カレッジ・ロンドンが36.5万人調査の上、驚愕のレポート! コロナの抗体は時間経つと減少!! ワクチンは数か月しかもたない!? 抗体検査陽性でも免疫ないかも!? IWJが報告概要を仮翻訳!

 英国の世界最高位の理工系名門大学とされる、インペリアル・カレッジ・ロンドンが36.5万人を対象に行った大規模調査の結果、新型コロナ感染でできた抗体が、時間が経つと減少すると報告されました。

 フィンガープリック・テスト(指先から血液を採取して行う検査)を分析したところ、抗体検査で陽性反応を示した人の数は、調査期間中に26.5%減少し、ほぼ6%から4.4%になったことがわかったのです。

 これは衝撃的な意味を持ちます。

 ワクチンが完成しても、効果が数か月しかもたないことになるのです。

 また、抗体検査で陽性でも、免疫があるとは限らず、繰り返し感染する可能性もあります。

 今回の調査では、医療従事者は抗体が減少しないことや、75歳以上の高齢者は抗体が大きく減少していることも判明しました。

 さらに、少数民族や貧困層、大家族などが過去に最も感染しており、社会的な要因も重要であることも判明しています。

 今回の結果から、調査関係者は、ソーシャル・ディスタンス、PCR検査、マスクの重要性を改めて強調しています。

 IWJでは、このインペリアル・カレッジ・ロンドンの調査報告書の概要を、仮翻訳しました。ぜひ下記記事を御覧ください。

※重要!! 英インペリアル・カレッジ・ロンドンが36.5万人調査の上、驚愕のレポート! コロナの抗体は時間経つと減少!! ワクチンは数か月しかもたない!? 抗体検査陽性でも免疫ないかも!? IWJが報告概要を仮翻訳!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484723

■<新記事紹介3>コロナ急拡大のスイスから、現代詩人が現地報告! レストランは1テーブル4人以下! 映画館、劇場閉鎖、コンサートも聖歌隊も禁止! 一方で春より交通量が激増! コロナ禍が気候問題や世界情勢と結びついて人心悪化! 大企業減税に憤り!

 欧州でコロナ感染が急激に再拡大する中で、あまり報道されていないスイスの状況について、ベルン在住の現代詩人、ロミー・リーさんからの現地レポートがIWJ編集部に届きました。

 10月31日の日刊IWJガイドでもご紹介しましたが、改めて記事化しましたので、ぜひ御覧ください。

 リーさんの第1信では、学校をはじめ、バーやディスコなどの閉鎖、スポーツイベントは観衆なし、レストランは1テーブル4人以下とされるなど、さまざまな規制が伝えられ、「事態は春よりも深刻になるだろう」とリーさんは危惧しています。

 また、反政府デモが発生し、他の諸問題と悪い形で結びついて、極右の運動がこれに便乗しているといいます。コロナ禍が気候問題や世界情勢と関係づけられるなどしてストレスを高め、「人はさらに壊れやすくなっている」というのです。

 第2信では、映画館、劇場の閉鎖、コンサートも禁止、聖歌隊の練習も禁止されたことが伝えられました。一方、公共交通機関での接触を避けるためか、かえって交通量が急増し、車が購入されているといいます。

 一方、リーさんは、国際的な大企業が減税され、高額なコロナ対策費を国民の給与で賄うことに、憤りを感じています。

 また、リーさんはマスク着用への戸惑いを吐露しており、欧州人の典型的なマスク観がかいま見えます。

 しかし、スイスの感染者・死者数は、日本との人口比で見れば桁違いに多いのが現状です。

 欧州の現状をお届けするレポートは、下記で御覧いただけます。

※コロナ急拡大のスイスから、現代詩人が現地報告! レストランは1テーブル4人以下! 映画館、劇場閉鎖、コンサートも聖歌隊も禁止! 一方で春より交通量が激増! コロナ禍が気候問題や世界情勢と結びついて人心悪化! 大企業減税に憤り!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484665

<ニュース・フラッシュ>

■【1】国内で増え続ける新型コロナ新規感染者! 日本医師会・中川俊男会長が「第3波」との認識を示すも、加藤勝信官房長官は「『GoToトラベル』で感染が広がったという報告はない」とキャンペーンを強行姿勢! 一方10日、史上2番目の新規感染者を出した大阪府の吉村洋文知事は「都構想」住民投票のどんちゃん騒ぎを棚に上げ「どんちゃん騒ぎを避けて」とツイート!

 昨日12日、国内の新型コロナ新規感染者が、過去最多の1643人確認されました。

※ 新型コロナ、全国の一日の感染者 過去最多に(TBS NEWS、2020年11月12日)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4125547.html

 地域別では、北海道で過去最多の236人、神奈川県でも過去最多の147人が、兵庫県では2日連続の過去最多となる81人が確認されました。

※神奈川県で過去最多147人の感染確認(日テレNEWS24、2020年11月12日)
https://www.news24.jp/articles/2020/11/12/07760497.html

※新型コロナ 兵庫で過去最多、81人の感染確認(神戸新聞、2020年11月12日)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202011/0013859574.shtml

 また、東京都では12日、393人の感染が確認されました。東京で新たな感染者が390人を超えるのは、8月8日以来です。

※都内の最新感染動向(東京都)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 大阪府でも12日、新規感染者が231人と発表されました。大阪府では前日の11日に過去最多の256人が確認され、その前日にも226人が確認されて、3日連続の200人超えです。

※大阪府、12日の新規感染231人 3日連続200人超(日本経済新聞、2020年11月12日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66144850S0A111C2AC8000/

 欧米では冬に入る前に、日本よりも一足先に、第2波、第3波が襲い、春の第1波をはるかに上回る感染大爆発を見せています。ぜひ、下記記事中のIWJ作成の感染者数各国比較のグラフだけでもご覧になってください。日本でも急カーブを描いて、第3波が感染拡大していく可能性は否定できません。

※大統領選の真の主役は「コロナ」だった!「ただの風邪」とコロナ対策を軽視してきたトランプ大統領、コロナ第3波の渦中で大統領選を迎える!! しかし、誰が大統領になっても向き合わなくてはならない、世界ワースト1位を爆進する米国のコロナ禍の現実!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484220

※米欧で新型コロナ再感染爆発!フランスは1日の新規感染5万人超え! 陽性20倍!! 米国は1日の新規感染10万人突破で世界最高記録を更新中! 陽性310万人と第1波の3倍!! 日本も1日の陽性者が第1波超え! 「出入国制限の新たな緩和」に踏み切るのは危険!!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483939

 厚生労働省は、国内の新規感染者について、11日に1546人が確認されたと発表。この数字は、これまで最多だった今年8月7日の1596人に迫っています。また、これにより、国内の感染者の累計は11万1711名に、死者は1851名になりました。

※ 新型コロナウイルスに関連した患者等の発生について(11月11日各自治体公表資料集計分)(厚生労働省、2020年11月12日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14801.html

 国内で感染者が増加している新型コロナウイルスに関し、日本医師会の中川俊男会長は11日の定例記者会見で、「第3波と考えてもよいのではないか」との考えを表明しました。また、中川会長は、このまま感染者が増え続ければ「医療提供体制が全国で逼迫するのは明らかだ」と警告しました。

 一方、中川会長は、北海道で感染者が増えていることを指摘し、北海道を「Go To トラベル」キャンペーンから除外することを「柔軟に見直して考えてほしい」と述べました。

※新型コロナ感染拡大に「第3波」と日本医師会長 北海道の「Go To」除外検討にも言及
https://www.tokyo-np.co.jp/article/67831

 しかし、加藤勝信官房長官は、10日の記者会見で「『Go Toトラベル』キャンペーンを利用して新型コロナに感染したことが確認されたのは9日時点で131人」だと明らかにしつつも、「3138万人の利用者に起因して、旅行先のホテル、観光施設の従業員などに感染が広がったという報告は受けていない」として、「現状では北海道を事業の対象から外す状況にはない」と、表明しました。

※令和2年11月10日(火)午前 内閣官房長官記者会見(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202011/10_a.html

 新型コロナの感染者増については、9日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、「適切な防止策を取らなければ急速な感染拡大に至る可能性が高い」とする緊急提言をまとめています。

※ひと足先に冬に近づいて感染が拡大している欧米を追うように、東京都で新型コロナ新規感染者が「第2波」以降2番目に多い293人! 気温低下と空気の乾燥とともに全国で増え始めた新規感染者に新型コロナ分科会が「急速な感染拡大に至る可能性が高い」と警告! 他方大阪でも200人超の新規感染者!(日刊IWJガイド、2020年11月11日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/47769#idx-6

 そのような中、大阪府の吉村洋文知事は、10日の記者会見でこの日、大阪では過去最多である8月7日の255人につぎ、過去2番目の多さとなる226人の新規感染者が確認されたと発表した上で、「確実に増加傾向にある。今まさに第3波に入っている」との認識を示しました。

※大阪府の最新感染動向(大阪府)
https://covid19-osaka.info/

 吉村府知事は10日、この発表を報じたNHKの記事を引用し、次のようにリツイートしました。

 「確実に大阪でも新型コロナの陽性者数が増加しています。明日、詳細分析を含めた本部会議を開催しますが、今一度、マスク着用、手洗い、消毒、うがい等、基本的感染対策の徹底をお願いします。また、飲食の際は、どんちゃん騒ぎを避け、静かに楽しんで頂くようお願いします」

※吉村洋文大阪府知事のツイート(2020年11月10日)
https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1326099738282713090

 しかし大阪維新の会は、看板政策である「大阪都構想」と呼ぶ大阪市解体構想の住民投票を、感染が拡大する最中の11月1日に強行しました。感染者が増大する中、「不要不急」の住民投票を、何がなんでも強行した吉村府知事をはじめとした維新の面々こそ、「どんちゃん騒ぎをしている場合か」と批判されるべきではないでしょうか。

 IWJが報じた「大阪都構想」という名の大阪市解体構想については、ぜひ以下の記事もご一読ください!

※「大阪都構想」と称する「大阪市解体構想」! 住民投票を否決されたら投票は無効!? 「大阪市廃止で財政負担増」と報じた毎日新聞のスクープを「大誤報」と決めつける橋下徹氏の暴論を松井一郎維新代表は否定するも、一層深まる市財政局長への圧力疑惑! 2020.11.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483759

※大阪市廃止住民投票は1万7000票差で否決!維新代表松井一郎大阪市長は「政治家のけじめ」と言いながら引退するのは2年半後!? 「二重行政解消」のために2度の住民投票に100億円以上もかけた維新の責任は!? 2020.11.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483853

※「大阪都構想」住民投票再度否決の翌日に橋下徹氏がテレビ番組で「生まれた子供に一票を与えて親が行使するべき」と負け惜しみのトンデモ発言!弁護士の米山隆一氏が橋下氏に対して徹底批判! 2020.11.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483918

※維新の「デマ」と在阪メディアの「偏向報道」、そして維新支持者の「恫喝」に負けずに声を上げ続け、見事に「都構想否決」を勝ち取った大阪市民! 市民運動を続けたKakoponさんに、直接取材! 2020.11.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483965

■【2】ついにここまで来た菅独裁! 国会答弁で日本学術会議の推薦前の候補者選定への人事介入を「違法」と指摘されても「問題ない」と強行突破!

 菅義偉総理が日本学術会議が推薦した新規会員候補者のうち、6名を任命しなかった問題で、共同通信は11月8日、「複数の政府関係者の話」として、「6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断をしていたことが7日、分かった」と報じました。

※官邸、「反政府先導」懸念し拒否 学術会議、過去の言動を問題視か(共同通信、2020年11月8日)
https://www.47news.jp/5469465.html

 学術会議の6名の任命拒否をめぐっては、5日の参院予算委で加藤勝信官房長官が、立憲民主党の蓮舫議員への答弁で、6名の除外に直接関与したとされている杉田和博官房副長官と内閣府のやりとりが記録として保存されていることを明らかにし、菅総理も杉田官房副長官から任命除外に関する報告を受けたことを認めました。

 その一方で、加藤官房長官は「人事に関する記録だ」との理由で、記録の国会提出を拒否しています。

 また、5日の参院予算委では、菅総理が自民党の二之湯智議員の質問に対し、「以前は学術会議が正式の推薦名簿を提出する前に、様々な意見交換の中で、内閣府の事務局などと学術会議会長との間で一定の調整が行われていた」「(今回は)推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった者が生じた」と答弁したことから、この翌日6日の参院予算委では、「『一定の調整』とは何か?」「選考・推薦に介入したのか?」などと、日本共産党の小池晃議員が厳しく追及しました。

 これに対して菅総理は「学術会議から正式な推薦名簿が提出される前に、内閣府事務局と学術会議の会長との間で任命にあたっての考え方について意見交換が行われていた」と答弁を繰り返しました。

※【国会ハイライト】日本学術会議問題で政府が選考・推薦段階で政治介入していた新事実発覚! 共産党小池晃氏の追及に菅総理の答弁無能が露呈! 官僚のレクに野党から「自助!」と野次られ茂木外相にも笑われる始末! 2020.11.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484633

 ところが9日の野党合同ヒアリングに、日本学術会議の元会長で東京大学の大西隆名誉教授が出席。大西氏は、「推薦者について、官邸に全体の構成、男女比、地域分布を事前説明した」が、菅総理が予算委で答弁したような「事前調整」ではないと証言しました。

 また、内閣府の担当者は、「任命権は総理にある」としながら「法律上は『人事』という言葉はでてきません」と述べ、人事に介入する法的根拠がないことが明らかになっています。

※総理が学術会議人事に介入する法的根拠は? 野党側の「任命権はあるが人事権はないですよね?」の質問に、内閣府担当者は「法律上は『人事』という言葉はでてこない」~11.9 第9回学術会議任命拒否問題野党合同ヒアリング 2020.11.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484442

 しかし菅総理は、10日の衆院本会議で菅総理は、立憲民主党の中島克仁議員への答弁で、「事前調整」を「会員候補の選定前のすり合わせ」に修正したうえで、「擦り合わせに至ったとしても、それをふまえた具体的な推薦は、学術会議が行うものだ」と答弁し、「事前調整は違法な介入」との批判に対して「問題ない」との認識を示しました。

※2020年11月10日本会議(衆議院インターネット審議中継)
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=50812&media_type=

 法解釈を政権の都合のいいように勝手にねじ曲げ、詭弁を弄してて「違法ではない」と主張する姿は、まさに独裁者そのものです。

■IWJサポート会員様より、新型コロナに関する田村憲久厚労大臣会見でのIWJ記者の質問内容について、ご質問がありましたので、岩上安身がお答えします。

 IWJ記者が取材し、生配信を行った田村憲久厚生労働大臣定例会見での、IWJ記者の質問について、IWJサポート会員の茨城OS様より、「IWJらしくない。違和感を感じる」とのご指摘をいただきました。

 このご指摘に、岩上安身がお答えいたしますので、あらためて経緯をご説明いたします。

 今年9月25日に行われた田村憲久厚生労働大臣定例会見で、IWJ記者は以下のように質問しました。

IWJ記者「現在、新型コロナウイルスの存在自体を否定するような、感染について『恐れるに足りない』であるとか、そういう主張をする人、それからマスク着用、飛沫感染防止やソーシャルディスタンシングを否定する方々というのがおられます。

 個人的な意見のレベルをちょっと超えて、例えば先の都知事選に立候補された国民主権党というグループの平塚正幸さん、最近も6月17日に厚労省のこの部屋で会見を行った、日野市の市議会議員の池田としえさん、そして徳島大学名誉教授の大橋眞さんという方々がいらっしゃったりして、先の8月24日にも参議院会館で(ノーマスクで)300人を集める新型コロナウイルスの感染ですとか脅威を否定するような集会を行っておりますけれども、こういう方々や、その考え方について厚労省や大臣はどうお考えでしょうか?

 個人の思想とか発想のレベルを超えて、社会に対する脅威となる可能性もあると思うのですが、そのご対応をどうお考えでしょうか?」

 このIWJ記者の質問に対し、田村大臣は以下のように答えました。

 「ちょっと、そういう主張があるということは知らなかったので、何ともお答えしかねる。それは科学的ではないし、一般的な考え方ではない。そのような指針に沿う国はないと承知している。6月にここでそのような会見が行われたことも、当時私は大臣ではなかったので把握していない」

 そこで、IWJ記者は次のように質問を重ねました。

IWJ記者「その方々の、例えばソーシャルディスタンシングすることを無視したり、それから飛沫感染のマスク着用を拒否したり、それから感染し得るような行動をとられ、それをアピールするということを、行うことに対しての厚労省としての対応やお考えはありますでしょうか?」

 これについて、田村大臣は、「日本は法的に行動を制限することなしに、お願いと協力によって新型コロナ感染症に対し、比較的うまく対応してきた。そのような方々に対しても周知と呼びかけによってやっていくほかない」と、答えました。

※厚労副大臣に三原じゅん子氏が就任!IWJ記者は新型コロナ感染症否定論者に関して、厚労省の見解・対応を問うが、田村大臣は「把握していない」「周知とお願いのみ」との回答!~9.25 田村憲久 厚生労働大臣 定例会見 2020.9.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/481641

 これを御覧になられたサポート会員の茨城OS様より、メールで以下のようなご質問をいただきました。

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 この質問は当局者の取り締まりを誘うような内容になっていて、IWJらしくないと思いました。

 IWJが大橋眞氏の動きに批判的な目を向けていることは承知しています。

 しかし、それにしても、この質問には違和感を感じてしまいます。

 この質問の妥当性についてIWJは現在どう考えているか、お聞かせ下さい。

茨城OS 様

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 茨城OS様に、この質問の日刊IWJガイドへの掲載のご承諾をいただきましたので、ここに岩上安身より、ご回答させていただきます。

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 妥当な質問だったと思います。

 個人の自由・権利は尊重すべきですが、公衆衛生に関わり、他の人の健康という、人権を侵す可能性のある行動、たとえばマスクをつけないで人の密集している場所に行く、という行動に権利行使の正当性はないと思います。

 そうした行動は、自分も感染リスクを負いますが、他人にも感染リスクを高めることになります。

 マスクをしない権利があるとすれば、それはあくまで、誰もいないところで行使すべき権利です。

 「コロナウイルスは存在しない」と、科学的なエビデンスも示さずに断言する大橋名誉教授はYoutubeを通じた情報拡散で一定の支持を得ており、その上でネット上だけでなく、議員会館内という公的な場所で300人もの人々を集めて、全員ノーマスクで集会を行いました。しかも、これを機会に「コロナウイルスは存在しない」「マスク着用は不要である」という運動を広げていこうと呼びかけています。この運動に自民党の市会議員が賛同し、司会までしていることも見逃せません。

 ネット上だけでなく、こうした非科学な言論や、感染可能性のあるリアルの室内で実際にノーマスクで密集する行動をとっているこれを看過するわけにはいきません。

 マスクをつけないで、コロナ軽視の風潮を社会に広げていこう、ということは他者の権利・人権の確信犯的な侵害行為を広めようということに等しいと思われます。

 うっかりマスクをし忘れた、というのではなく、コロナの脅威を科学的根拠もなく、低く見つもり、集団で行動を起こす、というのは反社会的行動といっても過言でありません。

 そうした行動への認識と、規制強化を政府が考えていけるかというか、問いただすことは、自分たちの、そして他の人々の人権を守る上で必要であり、質問に値すると思います。

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 茨城OS様、ご理解いただけましたでしょうか。

 これからもどうぞ、引き続きIWJへのご支援をよろしくお願いいたします。

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、木原匡康、城石裕幸、塩澤由子)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/