東電は事故処理と再稼働申請の2つのベクトルに引き裂かれている~原子力市民委員会「事故収束と汚染水対策の取り組み体制についての緊急提言」に関する記者会見 2013.8.28

記事公開日:2013.8.28取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 2013年8月28日(水)11時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館において、原子力市民委員会が記者会見を開いた。「東電の、これまでの汚染水対策は破綻している」と指摘し、事故収拾を含めた取り組み体制の構築には、「政府が政治的責任を持ち、新たな事業体を立ち上げ、そこが主導するべき」と提言した。

記事目次

■ハイライト

  • 原子力市民委員会
  • 座長 舩橋晴俊氏(法政大学教授)
  • 座長代理 吉岡斉氏(九州大学副学長、元政府事故調委員)
  • 規制部会長 井野博満氏(東京大学名誉教授、元ストレステスト意見聴取会委員)
  • 規制部会 川井康郎氏(プラント技術者の会)
  • 規制部会 後藤政志氏(APAST理事長、元東芝・原子炉設計技術者)
  • 規制部会 奈良本英佑氏(法政大学名誉教授)

事故収拾の体制、汚染水処理の改善を提言

 舩橋氏は冒頭、「原子力市民委員会は、今年の4月に発足した。本来の目的は、原子力政策について、長期的、大局的な視点から政策提言することである」と説明した上で、「しかし、緊急事態についても提言しなければならない、という判断に至った」と述べた。そして、「今回の汚染水問題の悪化は、国際的にも非常に注目され、批判されている問題で、東京電力の不始末というレベルの話ではない。日本社会全体の見識や責任が問われている。市民の視点からも、この問題について発言しなければならない」と、緊急提言に至った経緯を説明した。

 緊急提言の内容に関して「論点は2つ」とし、「まず、社会的、組織的な取り組み体制の構築に失敗している。この改善。もうひとつは、汚染水処理の技術的な対応における、内在的な不備の改善である」と述べた。さらに、提言は4点にまとめたとして、「第1に、汚染水問題がこれだけ深刻化したのは、日本政府の福島原発事故に対する政策的指導性の欠如である。国民に情報を公開して、オールジャパンの英知を集めて対処する。そういう取り組み体制を作る政治的責任が、政府にはある」と述べた。

事故処理と再稼働、相反するベクトル

 続けて、「第2は、直接的に事故収束にあたっている事業体の組織構造の問題。東電は、事故処理問題と再稼働という2つの相反するベクトルに引き裂かれている。したがって、効果的な取り組み体制になっていない。事故収束にあたる独立の事業体を作り、効果的、機動的に汚染水対策をしていくべきである」と説明した。

 第3点として、「汚染水対策は、応急的な汚水処理システムから恒久的なシステムに変えていき、実効性のある海洋流出防止策を取らなければならない。今までの方針を根本的に強化する、技術的対応策を提言する」と述べた。さらに第4点目は、「東京電力という組織の長期的なあり方についても、再度、国民世論のもとで考え直す必要がある」とした。

汚染水に対処できる体制が必須

(…会員ページにつづく)

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「東電は事故処理と再稼働申請の2つのベクトルに引き裂かれている~原子力市民委員会「事故収束と汚染水対策の取り組み体制についての緊急提言」に関する記者会見」への1件のフィードバック

  1. 三宅勇次 より:

    最悪の事態を予測した手段を用意すべきです

    例えば
    事前に巨大なプールを地上に設置し、落とした燃料棒を無人ブルドーザーで落とし込む

    これは できることです
    できることを 用意するのが常識です

    絶対に大丈夫といった規制委員は 全員立ち合うべきです

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