2013年4月15日(月)14時から、東京都千代田区の主婦会館プラザエフにおいて「『原子力市民委員会』設立発表記者会見」が行われた。原子力市民委員会は、脱原発社会の構築に向けた広範な議論の場を設け、幅広い英知を結集した意見発信を目指すために、高木仁三郎市民科学基金が設立した。今後、委員会が取り組む課題として、被災地・被災者支援、使用済み燃料や核廃棄物の管理・処分、原発ゼロ社会構築の具体的行程、脱原発を前提とした原子力規制、の4つを挙げた。質疑応答では、過酷事故時の委員会としての対応、また、政府への対応などが問われた。
<参加委員>
- 荒木田岳氏(福島大学行政政策学類准教授)
- 井野博満氏(東京大学名誉教授)
- 大沼淳一氏(元愛知県環境調査センター主任研究員)
- 海渡雄一氏(弁護士、脱原発弁護団全国連絡会共同代表)
- 島薗進氏(上智大学神学部教授)
- 舩橋晴俊氏(法政大学社会学部教授)
- 吉岡斉氏(九州大学副学長、元政府原発事故調委員)
冒頭、高木仁三郎市民科学基金の代表理事である河合弘之氏が挨拶に立ち、「原発事故直後は、脱原発の声が日本国中に満ちていたが、2年が経過し、原発推進側の総反撃で、国民の雰囲気もだいぶ変わってきた。福島第一原発の恐ろしさと悲惨さを忘れつつあるのが現状と考えている。科学的な裏付け、それから高いインテリジェンスに支えられた脱原発の研究及び意見発信の場がどうしても必要であり、誰もが耳を傾けざるを得ないエネルギー政策として、脱原発政策を作り出すべきではないかということが、私たちの考えの基本である」と述べた。