【1】ベネズエラ侵攻でむき出しになったトランプの新帝国主義! 世界の石油資源支配を目指す動きの背景にシェール革命があった! 岩上安身によるインタビュー第1236回ゲスト JOGMEC調査部長・原田大輔氏 2026.9.8

記事公開日:2026.9.29取材地: テキスト動画独自
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(文:IWJ編集部)

特集 中東
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 岩上安身は2026年9月8日、JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査部長の原田大輔氏にインタビューを行った。

 2026年に入って、1月2日には米国による突然のベネズエラ侵攻が起き、2月28日には米・イスラエルによる対イラン侵略戦争が、イラン最高指導者の爆殺という形で始まった。

 イラン戦争によって、ホルムズ海峡が封鎖され、世界の石油供給の20%が失われ、世界的な石油危機が訪れている。

 現在は、日本をはじめとする世界各国が石油備蓄を取り崩して、石油危機のショックを吸収している。しかし、ホルムズ海峡は開戦前には戻っていないし、中東からのもうひとつの輸出ルートである紅海の南の出口、バブ・エル・マンデブ海峡も、サウジアラビアとフーシ派の争いが続き、いつでも封鎖されかねない、極めて不安定な状態にある。

 このままでは、いつか、世界の石油備蓄という「ショック・アブソーバー」も、底を尽く日がやってくる。

 岩上安身は「世界の石油備蓄が尽きる時、真の世界石油危機の日が訪れるのではないか」というテーマで、JOGMEC(独立行政法人エネルギー金属鉱物資源機構)調査部長である原田大輔氏に話を聞いた。

 岩上安身は、まず、石油資源の支配に深く結びついているように見えるトランプ政権の新植民地主義が引き起こしている状況について、原田氏の見解を求めた。

 原田氏は、エネルギーの側面から見れば、「トランプ大統領の出現」によって、「今まで隠されていたアメリカの野性本能」が出てきているように見える、と述べた。そして、それを可能にした要因は「シェール革命」だ、と指摘した。

原田氏「このシェール革命がなぜ起きたのかというのをちょっと紐解かせていただくと。
 
 90年代というのは、油の価格というのは、バレルあたりで13ドルとか、99年でも19ドルぐらいだったということで、すごく安かったわけです。

 これはアメリカにとっても、またはロシアにとっても良くないことですし、なんでこんな安かったんだろうというぐらい安かった。(中略)

 その後何が起きたかというと、これが我々が読めなかった、かつ、この25年間、四半世紀で起きていることですけれども、原油価格が上がり始めたということです。

 21世紀に入って、原油価格というのは最高値で、2008年に142ドルまでつけるようになったわけです」

 つまり、10年間ほどの間に、石油価格は7倍から8倍に高くなったことになる。

 原田氏は、石油価格が高騰した要因を3つあげた。ベネズエラの石油国有化に端を発する減産、中国の需要拡大、そして米国における先物市場が石油をターゲットにしたことである。

 シェールオイルは、1バレル65ドル以上でないと採算が取れないが、石油価格が高くなったことで、生産が可能になった。

原田氏「20ドルでも高いねと思っていたのが、いつの間にか先物、ベネズエラ、中国の需要という3つの要素から急に上がっていって、最終的に、2008年に142ドルをつけるわけなんですけれども、そこでシェール革命が起きちゃったわけです」

 原田氏は、この「シェール革命」がなければ、今のアメリカの立場はなく、今のこの世界もなかった、と付け加えた。

原田氏「ご存じの通り、ウクライナ戦争の背後にアメリカがいた。イラン戦争の背後にアメリカがいたというのは…」

岩上「これ(イラン)は背後というよりも、当事者ですよね」

原田氏「背後にいたことで、利益をどれくらい得られたかというと。

 例えば、ウクライナ戦争によって、ノルドストリーム(パイプライン)が破壊されたことによってですね、今、欧州というのは、アメリカからLNGを59%、欧州全体の市場の59%をアメリカから輸入しているんですね。

 これは前までは、2021年にどうだったかというと、5%だった。これが今、59%に膨れ上がった。つまり、ロシアの市場をアメリカがゲットしちゃったというのが、ウクライナ戦争だったですし」

岩上「本質ですね」

原田氏「イラン戦争でも、ホルムズ海峡が止まったことによって、今、日本はどこから原油を調達しているかというと、6割近くアメリカから調達しているわけですね。

 日本は喜んでもいいかもしれないでしょうけれども、その背後にあるアメリカの意図というのも考えないといけないということになるかと思います」

 つまり、米国はウクライナ戦争によって、ロシアから欧州市場を取り上げて米国産LNGを欧州に売り、イラン戦争によって、日本を含むアジア市場から中東産石油を取り上げて米国産シェールオイルを売っているというのである。

原田氏「2040年までは、アメリカというのは、石油、天然ガスは増産していく。世界最大の国になっているわけなんですけれども、さらに最大の輸出国にもなっていく可能性が高い」

 原田氏は、米国自身は、シェール革命によって十分な石油・ガスを持っているので、「ベネズエラの石油が欲しいから」というわけではなく、世界の石油供給を「コントロールしたい」のだろう、と分析した。

原田氏「ベネズエラとイランとグリーンランドを、これからどういう形になっていくかと思うんですけれども。

 そこの主眼というのは、資源というよりは、資源を使いたいというよりは、コントロールしたい。今後、将来的にですね」

 米国が豊富に持っているシェールオイル・シェールガスを売り続けるためには、世界の石油価格が下がりすぎないように、「コントロール」する必要がある、というのである。

 YouTubeメンバー限定動画では、ベネズエラ侵攻でむき出しになった米国・トランプ政権の新帝国主義、そして、アルゼンチンやロシアなど世界各地で進むシェール革命などについても、原田大輔氏に語っていただいた。

 会員向け完全版では、メンバー限定動画の内容に加え、さらに岩上安身が中学時代から大学時代にかけて体験したオイルショックとその影響を語っています。

■【1】エッセンス版

  • 日時 2026年9月8日(火)16:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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