皇位の継承について、2006年の衆院予算委員会で、当時の小泉純一郎内閣の官房長官だった安倍晋三氏は、「憲法第2条に規定する世襲は、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承するということと解され、男系、女系、両方がこの憲法においては含まれる」と答弁している。
しかも、この時の質問者は、現在の総理である高市早苗氏だった。
また、内閣法制局も、「皇位継承権者の男系女系の別または男性女性の別については、(憲法で)規定していない」としている。
つまり、「女系も皇統に含まれる」というのが、政府の一貫した公式見解なのである。この政府見解は、高市内閣であろうが、変わりない。
これは、学会の通説も同じである。
高森氏は、「直系優先で考えると、当然、次の皇位継承者は、愛子さま・敬宮殿下になるというのが、世襲の原則です。ただ、今の皇室典範が欠陥ルールで、男系男子に限定しているので、(愛子さまが)外れている。この欠陥ルールを是正すれば、すぐ、直系の長子として、皇位継承資格者になる」とした上で、それは「秋篠宮家に不敬だ」という論調があることを示した。
これに対して高森氏は、「秋篠宮殿下ご自身が、ご高齢での即位を辞退される可能性について、言及されたことが報じられている」と、2019年(平成31年)の朝日新聞の報道を示し、「(天皇になることは)思ったこともない」という、秋篠宮殿下の発言を紹介した。
高森氏によると、「秋篠宮殿下が即位を辞退する(皇位継承順序を変える)ことは、皇室典範第3条により、制度上可能」とのことである。
さらに高森氏は、「『秋篠宮皇嗣殿下』という言われ方をしていますが、『皇嗣』というのは、その時に、皇位継承順位が、暫定的に1位の方という意味」だと述べ、将来の天皇になることが確定している地位を示す「皇太子」に類似した称号を、政府が用意しようとしていたことに対して、「ご本人が辞退された」と明らかにした。
高森氏は、「本当であれば、内廷に入って『秋篠宮』(という宮家)がなくなるはずだった」のに、「(秋篠宮殿下)ご本人の強い意志で残した」ことも明らかにし、「秋篠宮殿下は、自分は直系ではなく、傍系であるという看板を、ずっと掲げている。これは、政治的な発言が制約されている皇族としては、極めて明確な意思の表示なんです」と、強調した。
高森氏は、「秋篠宮殿下は、自分が傍系であることにアイデンティティを感じておられるし、自分の次の世代も、秋篠宮は残したいと思っておられるはずなんです」と述べ、「秋篠宮という宮号を名乗っていること自体が、即位の辞退を織り込んだメッセージであることが、見落とされているのではないか」と語った。
さらに高森氏は、2020年(令和2年)に行われた「立皇嗣の礼」について、「帝国憲法下では行わないルールだったにも関わらず、天皇の国事行為、すなわち内閣の助言と承認ということで、拒絶できない形で、本人が望んでいないセレモニーをやってしまった」「あれは、内閣の意志でやったセレモニー」だと明らかにした。
また、高森氏は、「記者会見で率直に真正面からお答えになる秋篠宮殿下が、毎年繰り返される『悠仁さまに、皇位継承者として、どのような教育をなさっていますか?』という質問に対してだけは、『姉達と同じように』という言い方をされて、決して真正面から答えない」ことも、「今、皇室を論ずる方々が見落としがちな点」だと指摘した。
「今の皇室典範では、皇位継承資格をお持ちでない『姉達と同じように』ということは、『皇位継承者に対する、いわゆる帝王学ではない』というエクスキューズを付けながら、お話をされている」のだと、高森氏は解説した。
高森氏は、「(秋篠宮殿下は)皇位は直系で継承されるべきだ、というお考えで、天皇皇后両陛下に現にお子様がいらっしゃるのに、その方が女性だからといって(皇位継承資格から)外され、自分が天皇になったり、自分の息子が天皇になったりというのは考えられない、という、はっきりとしたご見識、信念を持っていらっしゃる」のだと強調した。
■【5】エッセンス版
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