【3】女系天皇の皇位継承は、養老律令で認められていた! 旧宮家子孫の皇籍取得を認める皇室典範改悪は、皇室の尊厳を踏みにじる! 男系男子絶対論者の虚偽を暴く! 岩上安身によるインタビュー第1228回ゲスト 神道学者、歴史家、天皇・皇室研究者 高森明勅氏 2026.7.27

記事公開日:2026.8.6取材地: テキスト動画独自
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・IWJ編集部)

特集 男系・男子絶対論者の「虚偽」を暴く!
※創業以来最大の財政危機! IWJ会員にご登録いただき、安定的な取材をお支えください!
 →ご登録はこちらから
※26/8/7 テキスト追加

 そもそも、今回皇室典範が改正された背景について、高森氏は以下のように解説した。

 「平成29年に、上皇陛下の退位を可能にする特例法ができました。

 その付帯決議の中で、『今後、政府は速やかに、安定的な皇位継承を確保するための方策、及び女性宮家について検討して、その検討結果を国会に報告しなさい』という課題を、政府に与えたのです。

 政府は有識者会議を立ち上げましたが、答えはまったく白紙、すなわち安定的な皇位継承について、まったく検討しなかった。

 女性宮家についても、検討しなかった。その代わりに、この無茶苦茶な2つの案を出してきた。

 『安定的な皇位継承を確保するための方策』というのは、具体的に言うと、女性天皇と女系天皇を認めるのか、認めないのか、ということなんです。これを、丸もバツもつけないで、まったく先送りをした」。

 高森氏は、皇位継承を男系男子に限定した明治の皇室典範と、それを引き継いだ現皇室典範を「前代未聞の欠陥ルール」だとした上で、飛鳥時代の大宝律令や、奈良時代の養老律令に、「男性皇族と女性天皇の子供は、一般皇族ではなくて、女性天皇の子供として位置付ける」「皇位継承資格もある」というルールがあったことを紹介した。

 「これは、女系です」と述べた高森氏は、「養老律令は、明治になるまで、基本法としての性格を失っていなかった」と明らかにした。

 さらに高森氏は、次のように述べている。

 「今の憲法は、皇位は世襲、天皇の血統(皇統)であると定めています。

 そして、その皇統には、男性も女性も含まれる、というのが、政府の見解です。

 要するに憲法が優先なのに、憲法が世襲としていて、皇室典範が男系男子に縛っていて、世襲の邪魔をしているわけです」。

 こうなってくると、今回の皇室典範の「改悪」は、「違憲」の疑いすら出てくる。

 また、高森氏は、旧宮家からの養子案について、「皇室と国民の厳格な区別をないがしろにする」と、厳しく批判している。

 戦後保守の理論家・思想家である葦津珍彦(あしづ うずひこ)氏は、著書の中で「一たび皇族の地位を去られし限り、これが皇族への復籍を認めないのは、我が皇室の古くからの法である」と述べ、「この不文の法は君臣の分議を厳かに守るために、極めて重要な意義を有するものであって、元皇族の復籍と云ふことは決して望むべきではない」と主張している。

 また、内閣法制局の前身である法制局は、現在の皇室典範が帝国議会で議論されていた1946年(昭和21年)に、想定問答集で「臣籍に降下したもの及びその子孫は、再び皇族となり、又は新たに皇族の身分を取得することがない」という原則について、「皇位継承資格の純粋性(君臣の別)を保つため」だとしている。

 明治40年に施行された明治の皇室典範の増補6条にも、「皇族の臣籍に入りたるものは、皇族に復するを得ず」と定められている。

 さらに、戦前の日本を代表する憲法学者の美濃部達吉は、1932年(昭和7年)の著書で「皇統とは、ただ皇族たる身分を有する者のみを意味し、既に臣籍に入りたる者を含まず」と論じている。

 高森氏は、「皇室と民間の、厳格な区別を求めているのが、今の皇室制度だったわけなんです。ところが、これを崩しちゃったのが、今回の改正です」と述べ、次のように続けた。

 「皇室は、神聖な、一般社会とは違う領域であるということです。

 経済的な利害であるとか、政治的な思惑であるとか、そういったものによって動いている世界とは違う世界であるがゆえに、(皇室は)国民統合の象徴である、あるいは日本国の象徴であられると理解いただいて、一線を設けないと」。

 高森氏は、「今、『旧宮家の皇籍復帰』という言葉がずさんに使われていますけども、今、養子の対象になっている人達は、生まれた時から、あるいはお父さんの代から『国民』なのです」と指摘し、「『復帰』という言葉は間違いで、皇籍を新たに『取得する』ことになる」のだと述べて、以下のように解説した。

 「この『君臣の別』という、昭和21年の古い言葉、帝国憲法下の言葉ですけども、要するに皇位継承資格の純粋性、これが重要なんです。

 誰でも、国民であっても、血筋がどこかでつながっていれば天皇になれる、ということでは困るよと。

 そこの線引きを厳格にしなきゃいけないから、養子も認めないし、婚姻以外は無理ですよというルールをわざわざ作っていた。

 一回(皇籍を)離れた人は、もう戻れません、ということを明文化したわけなんです。

 これを考えると、今の旧宮家案というのは、皇室の尊厳、皇位継承の純粋性を、いかにして守るかという先人の知恵を、踏みにじるものなんです」。

■【3】エッセンス版

<会員向け動画 特別公開中>

■【3】完全版

  • 日時 2026年7月27日(月)16:00~18:00
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です