2026年7月17日に国会で可決・成立した改正皇室典範では、女性皇族の婚姻時の皇籍離脱を定めた12条を削除し、女性皇族は、結婚後も皇族として残ることが可能になった。
また、養子を禁じた現行の皇室典範9条を修正し、「養子皇族男子」の章が新設された。これにより、養子本人は皇位継承権を持たないが、養子の子孫が男子なら、皇位継承権を持つことになった。
養子となることができるのは、1947年(昭和22年)10月に皇籍を離脱した、11の旧宮家である。国会での政府答弁では、皇籍を離脱した元皇族は、今の天皇から、36親等から38親等も離れていることが明らかにされている。さかのぼること、室町時代にまで至らなければ、皇室との血統が確認できない。
これについて高森氏は、「今回、養子の対象とされているのは、そのお孫さんとかひ孫さんの世代。さらにそれ(36親等から38親等)プラス、2親等、3親等離れているという方々で、言ってみれば、男系の血縁で言えば、(現在の皇室とは)まったく赤の他人」だと断じた。
さらに高森氏は、「一般国民だった人間が、養子という手続きで皇族になったということが(歴史上)ない。これまでまったく前例のないことをやろうとしている」と強調し、「明治の皇室典範でも今の典範でも、皇室の聖域性というものを考え、重要な生命の結合である婚姻以外では民間人は皇室に入れない、という厳格なルールを作っていたのを、今回破った」と、厳しく批判した。
高森氏は、「立法府の取りまとめでは、『内親王(天皇の子供や孫=2親等以内の女性皇族)・女王(3親等以上の女性皇族)が、婚姻後も皇族の身分を保持する』ということについては、明記していたが、養子案については、『慎重に制度設計を図る』としていたものを、政府が立法府の意思を裏切って、第6章を新設して恒久制度にしてしまった」と明らかにした上で、以下のように続けた。
「養子本人は、皇族になっても皇位継承資格を持たないが、その子供については、立法府の取りまとめでは、合意ができなかったから空欄になっていたのに、政府は『皇位継承資格を持つ』と勝手に書き込んだ。
これは、木原内閣官房長官も国会答弁で、『ただ現行の皇室典範のルールを当てはめただけで、新しい制度を作ったわけじゃない』とか言っていましたけど、大嘘です。
というのは、『養子皇族男子』などという存在が、今の典範にないわけですから、その今の典範にない存在の子供をどうするかということは、今の現行法を適用したってどうしようもないわけです。
『養子皇族男子であっても、その子供は皇位継承資格を認める』という、今までにない新しい制度を作っているんです」。
また、高森氏によると、現在の皇室典範では、天皇の子供や孫を除く男性皇族、内親王、女王は、15歳以上であれば、自らの意思で皇籍離脱ができるのに、この改正典範では、一度養子になると、皇籍離脱ができないルールになっているとのこと。
さらに高森氏は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できる点についても、以下のように問題点を解説した。
「『結婚した後も皇族の身分を保持する』というのは、明治時代の男尊女卑に違和感を感じる、現代の感覚では当たり前なんですけど、しかし当然、身分を保持されるのであれば、結婚された配偶者も皇族にする、お子さんが生まれれば、お子さんも皇族にするというのが、今の普通の家族の姿です。(中略)
明治時代に、男性皇族と結婚した国民女性は皇族になる、男性国民と結婚した女性皇族は国民になる、と決められた。家族は同じ身分という原則ができた。
そうであれば、皇族としての身分を保持される内親王・女王と結婚される国民男性は、当然家族ですから、同じ身分にならなきゃいけない。すなわち皇族にならなきゃいけない。
内親王・女王が、皇族の身分を保持されるのであれば、当然、その配偶者やお子様も皇族にする。同じ家族は同じ身分という原則が貫かれねばならないはずなのに、今回の改正皇室典範では、ご本人以外は全部国民という、前代未聞の家族を作ったんです」。
高森氏は、「現在の内親王・女王については、皇族の身分に残るか、それとも国民になるか選んでいただくという制度設計になってる」とした上で、「これでは、皇室に残るということが、ものすごく選びにくい。残っていただきたいから、こういう制度を作ったはずなのに、ご結婚のハードルを上げてしまう」との見方を示し、「21世紀にできたとは思えない、野蛮国のような法律」だと批判した。
■【1】エッセンス版


































