【IWJ号外】ピーター・ティール氏率いるパランティアが発表したマニフェストは「テクノ・ファシズム」!(第4回)パランティアは、国家・軍の「神経系」と「脳」になろうとしている! 2026.6.14

記事公開日:2026.6.14 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 パランティアをめぐる問題の【IWJ号外】第4回です。

 ピーター・ティール氏とアレクサンダー・カープ氏らが創業したパランティア・テクノロジーズが、4月19日、X(旧ツイッター)にマニフェストを発表しました。

 これは、『テクノロジカル・リパブリック』の思想を要約した22箇条のマニフェストです。

 このマニフェストが、深刻な問題を含むとして、大きな反響を呼んでいます。

 すでにこのパランティアのポストは、3500万回以上の閲覧数を記録しています。

 以下に、このマニフェストをご紹介します。

 「テクノロジカル・リパブリック(技術共和国)、要約。

 1. シリコンバレーは、その台頭を可能にした国に対して道義的負債を負っている。シリコンバレーのエンジニアリング・エリートは、国家防衛への参加という積極的な義務を負っている。

 2. 私達は、アプリの専制に対して反乱を起こさなければならない。iPhoneは、私達の文明の最大の創造的成果、いや頂点の成果ではないのか? その物体は、私達の生活を変えたが、今や可能性の感覚を制限し、制約しているかもしれない。

 3. 無料のメールだけでは不十分だ。文化や文明、そしてその支配層の堕落は、その文化が公共のための経済成長と安全保障を提供できる場合にのみ許されるだろう。

 4. ソフトパワー、雄弁なレトリックだけの限界が露呈した。自由で民主的な社会が勝利するための能力には、道義的訴求以上のものが求められる。それはハードパワーを必要とし、この世紀のハードパワー(※軍事力)はソフトウェアによって構築されるだろう。

 5. 問題はAI兵器が作られるかどうかではなく、誰が作り、どのような目的で作るかだ。

 私達の敵対者は、軍事および国家安全保障に不可欠な技術の開発の功罪についての劇場的な議論に耽るために、一時停止しない。彼らは、進むだろう(※)。

(※)ここは、中国やロシア、イランなどの米国の敵対勢力は、AIの功罪に関する議論で立ち止まることなく、技術開発を止めないだろうということ。

 6. 国民奉仕は、普遍的な義務であるべきだ。私達は社会として、志願兵のみの軍隊から離れ、次なる戦争を戦う際には、全員がリスクとコストを共有するという条件を真剣に検討すべきだ。

 7. 米海兵隊員が、より良いライフルを求めれば、私達はそれを作らなければならない。ソフトウェアについても同じだ。私達は、国として、海外での軍事行動の適切性についての議論を続けつつ、危険な道に踏み込む者達への、揺るぎないコミットメントを維持しなければならない。

 8. 公務員は我々の司祭である必要はない。もし民間企業が連邦政府と同じやり方で従業員に報酬を与えるならば、その企業は存続するのに苦労するだろう。(※)

(※)要するに、政府は道徳的にも能力的にも、社会の中心ではない。これからの社会は、民間のテック・エリートが担うべきだという主張。
 これは大袈裟な話でなく、ピーター・ティールやカーティス・ヤーヴィンの影響を強く受けたヴァンス副大統領は、連邦官僚制度について、「行政国家に属する中間層の官僚を全員クビにして我々の人間と入れ替えろ」とトランプ大統領に助言したいと発言している。
 「すべての政府職員を退職させよ(Retire All Government Employees)」というヤーヴィンの提案は、「RAG E」と呼ばれる。ヤーヴィンは、「RAG E」を実現して、「全能の執行権力」によって、政府を「再起動」させることを求めてきた(「加速主義」木澤佐登志)。

 9. 公的な生活に身を投じた人々に対して、我々はもっと寛容であるべきだ。赦しの余地を完全に消し去ること──人間の心理が持つ複雑さや矛盾への寛容を捨て去ること──は、やがて、我々が後悔することになる人物達を指導者の座に就かせる結果を招くかもしれない。

 10. 現代政治の心理学化は、我々を誤った方向へ導いている。政治の舞台に魂の糧や自己確認を求め、自分の内面が──おそらく生涯会うこともない──人々の中に表現されることに過度に依存する者達は、やがて失望するだろう。(※)

(※)政治を政策や制度ではなく、感情・アイデンティティ・承認欲求でとらえる傾向を指す。政治を、自己確認や感情の満足のための場として扱うと、現実の政治とのギャップに必ず失望する。政治はあくまで制度と利害の問題であって、個人の内面を満たすものではないということ。

 11. 我々の社会は、敵の没落を急ぎ過ぎるようになり、しばしばそれを嬉々として喜ぶようになった。対戦相手を打ち負かした瞬間は、歓喜する時ではなく、立ち止まって考える時である。

 12. 原子力時代は、終わろうとしている。抑止の時代の一つである原子力時代が終わり、AIにもとづく、新たな抑止の時代が始まろうとしている。

 13. 世界の歴史上、これほど進歩的価値を推進した国は他にない。アメリカ合衆国は、完璧にほど遠い。しかし、この国に遺伝的エリートではない者達にとって、地球上のどの他の国よりもはるかに多くの機会が存在することを忘れやすい。

 14. 米国のパワーは、異常なほど長い平和を可能にした。多くの人々が忘れたか、あるいは当然視しているが、ほぼ1世紀にわたる何らかの平和のバージョンが、大国間の軍事紛争なしに世界で支配的だったことを。少なくとも3世代──数十億の人々とその子供達、そして今や孫達──は、世界大戦を知らない。

(…会員ページにつづく)

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