【IWJ号外】ピーター・ティール氏率いるパランティアが発表したマニフェストは「テクノ・ファシズム」!(第3回)東浩紀氏は「自由とビジネスが両立した稀有な輝き」とトンチンカンな絶賛! 2026.6.6

記事公開日:2026.6.6 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 パランティアをめぐる問題の【IWJ号外】第3回です。

 テクノ・リバタリアンの思想は、ピーター・ティール氏に典型的なように、シオニズムと同型で、「終末加速主義」と重なります。

 後に、詳述しますが、その国家主義的な思想が端的に現れたものが、ピーター・ティール氏と並ぶパランティア創業者の一人で、同社のCEOのアレクサンダー・C・カープ氏がニコラ・W・ザミスカ氏と共著で出した『テクノロジカル・リパブリック』(日本語版2026年)です。

 政治的には、ピーター・ティール氏は、個人的な自由、経済的な自由の双方を極限まで重視するリバタリアンとして知られています。

 しかし、ピーター・ティール氏は、同時に、2000年代後半に思想家・エンジニアのカーティス・ヤーヴィン氏が展開した、新反動主義・暗黒啓蒙(反平等主義、反民主主義的な思想)の初期からの支持者でした。

 実際、ピーター・ティール氏自身、2009年4月、リバタリアン系シンクタンク「ケイトー研究所」の論壇誌「ケイトー・アンバウンド」に寄稿したエッセイ「あるリバタリアンの教育)」の中で、「私はもはや、自由と民主主義が両立可能だとは信じていない」と、自由至上主義を貫き、そのためには、個々人の人権と平等を志向する民主主義は「邪悪」であり、自由と両立しないとして、民主主義を否定する発言を行っています。

 これは、問題視し、十分に批判するに値する発言であり、思想です。

 このエッセイでは、「1920年以降、福祉受給者の大幅な増加と女性への参政権拡大により、『資本主義的民主主義』という概念は、形容矛盾になった」とも書いており、民主主義を「信頼できないもの」と位置づけ、「群衆は嫉妬と集団ヒステリーに駆られる」と決めつけています。

 それに対し、「創業者だけが、模倣的欲望(フランスの哲学者、ルネ・ジラールの、欲望は他者の欲望の模倣から始まるというミメーシス理論)の引力を超えて明晰に見通せる」という、エリートによる創業と富の独占と支配の欲望の世界観を展開しています。

 また、「女性の参政権の拡大」を問題視するように、彼は男女平等論者とはいえません。

 彼自身は、私生活においてはゲイであり、男性をパートナーとしています。

 ゲイであることを問題視しようとは少しも思いませんが、そうしたマイノリティーでもある人物が、女性の平等な参政権に批判的であり、大衆を「集団ヒステリー」の「群衆」とみなす鼻持ちならない差別意識の持ち主であることは看過できません。

 後に詳しく述べますが、ピーター・ティール氏は、2016年の大統領選挙キャンペーンにおいて、トランプ陣営に巨額献金を行って以降、トランプ政権と深い結びつきがあります。

 このように、パランティアは、民主主義を否定し、終末論的なシオニズムと深い関係を持つ、創業者のピーター・ティール氏から、色濃く思想的カラーを受け継いでいる企業であると言えます。

 このパランティアの中核製品が、軍・諜報機関のためのデータ統合・分析プラットフォーム「ゴッサム」です。

 ゴッサムは、衛星画像やドローン映像、通信傍受、人物データ・SNS、現場報告などの情報をひとつにまとめ、部隊配置の最適化、脅威の特定、ターゲット分析を行い、現場の意思決定を高速化するのに使用されています。

 ゴッサムは、すでに、米国防総省、CIA、NSA、FBIなど捜査機関にすでに投入され、ウクライナ軍、イスラエル政府とイスラエル軍などでも使用されています。特にイスラエル国防省との間では、バランティアは2024年1月に、戦略的パートナーシップを結んでいます。

 しかも、このゴッサムは、CIAから資金提供されて開発されたものです。つまり開発にかかった原資は、米国民の税金なのです。

 リバタリアン(自由至上主義者)で、タックス・ヘイブンへの規制強化は「反キリスト」であるなどと大げさに反対し、納税を少しでもケチりたいピーター・ティールが創業した会社が、米国民の納税者の血税の予算で開発した軍事技術を、米国政府やウクライナ政府、イスラエル政府などの納税者の血税によって買い上げられて、莫大な利益を上げているわけです。

典型的な「タックス・イーター(税金喰い)」でありながら、自らは「フリー・ライダー(税金のただ乗り)」でいたいというのですから、「リバタリアンの正体見たり、税金食い」と言うべきでしょう。

 3月11日付のインドの金融・経済メディア『デイリー・ブリーフ・バイ・ゼローダ』は、こう報じています。

 「パランティアは、CIAからシード資金(事業や技術がまだ初期段階=種の段階にあるときに投入される最初の資金)の提供を受けていた。

 同社は、それを用いて『ゴッサム』プラットフォームを構築した。

 このプラットフォームは、クレジットカード詐欺を検出するために用いられていたアルゴリズムを取り込み、それを軍事データに非常に効果的に適用したものである。

 それは、生のデータストリームを取り込み、それを人・場所・出来事・物といったオブジェクトの集合へと変換することができた。

 さらに重要なのは、それが非常に異なるデータセット同士を接続し、それらの間に存在する、表面には現れない関係性をマッピングできた点である。

 これは、干し草の山の中から針を見つけ出すことのできるマシーンであった」。

 ゴッサムの特徴の一つは、異なるデータセット同士を接続して「見えないネットワーク」を可視化できる機能にあります。

 これによって、テロリストや爆弾を支える人・資金・物資・通信のつながり全体を解明する分析や、戦場での標的選定、戦況のリアルタイム把握を行っているのです。

 ゴッサムは、膨大なデータから敵・関係・脅威を抽出し、戦争や治安の判断を支える分析OSと言えます。イスラエルにおいては、ハマスだけでなく、罪もないパレスチナ人を恣意的にピックアップし、攻撃を加える道具として使われているわけです。

 このピーター・ティール氏の率いるパランティアと、その企業理念について著された、『テクノロジカル・リパブリック』を絶賛している「知識人」がいます。

 たとえば、「思想家・哲学者」の東浩紀氏は、『テクノロジカル・リパブリック』をYouTube番組の中で、高く評価して、こう述べています。

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