2025年3月13日午後3時頃より、東京都港区赤坂の在日米国大使館前にて、市民団体「#みちばた」の主催により、ゲリラ街宣が行われた。
IWJは、これまで「#みちばた」の甲斐まさやす氏と、「社会派YouTuber」でラッパーの活動家・川口智也(JT3 Reloaded)氏が、港区のニュー山王米軍センター(ニュー山王ホテル)前で行なっている「日米合同委員会廃止」抗議街宣を、3回取材してきた。
3月13日は、米国大使館前に場所を変え、作家の真田信秋氏と、女性活動家の「この母」氏の2名が参加し、総勢4名での街宣となった。真田氏は、ニコニコ動画に自身のチャンネル「真田信秋の日本国独立宣言論」を持ち、言論活動を行なっている。
当初、米国大使館前で予定されていた街宣は、警備の警察に阻まれ、押し問答となった。
主催側は、「米大使館前で抗議を行わせない法的根拠は? もし、ここで街宣を行なえば、逮捕されるのか?」と抗議したが、警察側は「法的根拠はないし、逮捕はできない。だが、許可はできない」と埒が開かず、最終的に米大使館から約500メートル離れた、共同通信会館前での街宣を余儀なくされた。
駅頭や街頭などでの街宣、ビラ配りやのぼりの掲揚などの行為は、憲法が定める言論・表現の自由(憲法第21条『集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する』)として、最大限に保障されているはずである。その言論・表現の自由が、不当に抑圧されたといえる。
甲斐氏は、「実質、この国は法治国家ではない」と、以下のようにスピーチした。
甲斐氏「今回の抗議、これは私(わたくし)的にですが、『日米軍事一体化』に対する抗議街宣というものを行わせていただければと思います。(中略)
ここ東京の空、航空法上の根拠規定はないといわれながらも、実質的に、日本の民間航空機は、この首都東京を含めた1都9県の空を勝手に飛ぶことができない状態になっております。民間航空機、調布飛行場は別ですよ。調布飛行場はどうやら横田空域には含まれていないそうですけれども、羽田・成田離発着の飛行機は、1都9県、勝手に飛ぶことができない。
それはなぜでしょうか? アメリカ大使館の中にいるCIAの皆さま、ぜひ聞いてください。この戦後従属の象徴である横田空域、そして、日米合同委員会、日米地位協定。私達は、この『在日米軍支配』、あなた方の支配に、徹底抗議をしております。
アメリカ大統領のトランプさん。今、日本にさまざまな揺さぶりをかけておりますね。『アメリカは日本のことを防衛しなければいけないが、日本はアメリカのことを防衛する必要はない。これはおかしな条約だ』。
トランプさん、どうせあなた方は、日本に対してそうやって揺さぶりをかけて、またさらに軍事費を増強させようと目論んでいるのはバレバレでございます」
- はじめに~米トランプ政権が、メキシコ・カナダに25%の高関税を発動! 中国には10%の追加関税で20%に! 即座に15%の報復追加関税を表明した中国は、「関税戦争であれ、貿易戦争であれ、あるいは他のいかなる種類の戦争であれ、我々は最後まで戦う用意がある」と表明! これに対して米国のヘグゼス国防長官は「(戦争への)準備はできている」と発言! 次期国防次官のコルビー氏は、日本の防衛費を「できるだけ早く3%以上に引き上げよ」と要求! トランプ大統領は、日米安保条約が片務的だと不満を表明! トランプ大統領は東アジアで日本や台湾を中国と戦争させるために、中国に高い関税をかけて挑発している!(日刊IWJガイド、2025年3月8日)
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続いて川口氏が、以下のようなスピーチを行った。
川口氏「私は、日本人の『健康に生きる権利』。水、種。それを多国籍企業に売却しようとしているトランプ政権、オバマ政権もそうですけれども、このトランプ政権を絶対に許すことができません。
日本人の水。日本人の種。日本の人達が安心・安全な食事を食べて、日本の子供達が健康にすくすく育つ。それは、国際社会でも認められている当たり前の権利です。そんな権利を多国籍企業に売り飛ばそうとしているのが、今のトランプ政権です。(中略)
私達が、なぜアメリカに抗議するのか。それは米軍の横暴だけではありません。私達の、絶対商業化してはいけない、民営化してはいけない、国民が守らないといけない、そのライフラインも、ハゲタカ投資家や、ウォール街や、多国籍企業に売り渡そうとしている。米軍がとっている、そのような政策が、日本人の健康、そして、日本人の貧困化を促進してきました。(中略)
ただ、アメリカのやっている外交政策が、日本の富や日本人の健康もろもろ、下手したら、アメリカ人の健康だって破壊しているから、私達は抗議せざるを得ないんです。
私達は、安全・安心な水を飲む権利がある。私達日本人は、ゲノム編集食品でもない、遺伝子組み換えでもない、安全な食べ物を、子供達に食べさせる権利がある。
当たり前のことを、当たり前のように主張しているだけなんです」
また、真田氏は、以下のように米国による日本支配に根拠がないことを指摘した。
真田氏「日米合同委員会による、この日本の支配というものは、おもての日米安保条約や地位協定、それだけではなく、『日米密約法体系』によって支配されているものであります。
しかし、この『密約法体系』というものは、愛銭利得者政党によって、積極的従属により、存在しているようにされているだけでありまして、本来何の根拠もありません。私達、主権者も、国会も、これを承認していません」
「この母」氏は、街宣中のスピーカーの面前に立ちはだかる警官隊に向かい、「あなた達は、どうしてお巡りさんになろうと思ったのですか? 日本を守ろうと思って、お巡りさんになったんじゃないんですか?(中略)それだったら、あなた達が向かなきゃいけないのは、私達の方じゃなくて、あっち(米国大使館側)でしょう」と訴えた。
街宣行動の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。