【IWJ号外】アンドリュー・コリブコ氏「プーチン大統領とトランプ大統領が和平交渉開始に合意した後、次に何が起こるのか」 2025.2.15

記事公開日:2025.2.15 テキスト

(文・IWJ編集部)

 トランプ大統領とプーチン大統領が電話会談を行った2月12日、同時並行で米国防長官と国務長官が重要な発言をしました。

はじめに~プーチン大統領とトランプ大統領が電話会談! CIAとUSAIDの影響大にあって、西側の新聞・テレビなどのオールドメディアや御用評論家らは、ウクライナ紛争の根本原因への言及を避け続けて、プロパガンダに徹してきたものの、今後は、両大統領間で、直接、交渉のテーマとされる可能性が高い!(日刊IWJガイド2025.2.14号)
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 ヘグゼス米国防長官は同日、ブリュッセルで開催された「ウクライナ防衛コンタクトグループ」の会合で、「ウクライナのNATO加盟は現実的ではない」、「ウクライナが2014年以前の国境を回復することは非現実的な目標だ」などと述べました。

 翌日13日、ルビオ米国務長官は、ウクライナの鉱物資源に関する取引で、米国がこれまでウクライナに対して提供してきた軍事支援の「返済」を期待している、と述べました。

ルビオ米国務長官「ウクライナの採掘権やあらゆる天然資源に関わる合弁事業など、同国との提携に関する何らかの朗報が近日中にもたらされることを期待している」

 ウクライナ紛争の終結、停戦交渉、和平のあり方を巡って、米国とロシアが動き始めた、と見える動きです。

 モスクワ在住の米国人・国際政治アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏は、13日、「プーチン大統領とトランプ大統領が和平交渉開始に合意した後、次に何が起こるのか」と題した論考を『サブスタック』で公開しました。

 コリブコ氏は、「2025年2月12日は、ウクライナにおけるNATOとロシアの代理戦争が、正式に終結し始めた日として歴史に残るだろう」と言いながら、今後の展開について「ロシアと米国が解決しなければならないデリケートな問題のため、今後の道のりは非常に困難となるだろう」との分析を示しています。

 以下に、コリブコ氏の考察を全文仮訳・粗訳しました。ぜひ、IWJの会員となって、全文をお読みください。


プーチン大統領とトランプ大統領が和平交渉開始に合意した後、次に何が起こるのか
アンドリュー・コリブコ
2025年2月13日

 今後の道のりは、ロシアと米国が解決しなければならないセンシティブな問題のために、非常に困難なものになるだろう。

 2025年2月12日は、ウクライナにおけるNATOとロシアの代理戦争が、公式に終結し始めた日として、歴史に刻まれるだろう。

 ピート・ヘグゼス国防長官は、次のように宣言し、すべてを開始した。

 「ウクライナはNATOに加盟しない。米国はウクライナが2014年以前の国境を回復できるとは考えていない。米国は紛争地域に軍隊を派遣しない。米国は代わりに欧州諸国に、現地における平和維持の責任をになってもらいたいと考えている。しかし、米国はEU軍に第5条の保証を及ぼすつもりはない」(※1)

 これに続いて、トランプ氏が政権に復帰して以来初めて、トランプ氏とプーチン氏は、電話会談を行った。

 両氏は、遅滞なく和平交渉を開始することで合意し、これを受けてトランプ氏はゼレンスキー大統領に電話して、この件について説明した。おそらく、トランプ大統領は、プーチン大統領に約束した譲歩を、ゼレンスキー大統領に求め、それを引き出したのであろう。

 トランプ大統領はまた、近いうちにサウジアラビアで、プーチン大統領と会談し、和平プロセスの一環として互いの国を訪問するかもしれないと、示唆した。

 以下は、より大きな文脈についての背景の説明である。

*1月3日:「創造的なエネルギー外交は、米露間の壮大な合意の基盤を築くことができる」(※2)

*1月17日:「非西側平和維持軍が管理する非武装の『トランス・ドニエプル』地域のメリット」(※3)

*2月3日:「領土譲歩は停戦に先立ち、ウクライナの新たな選挙につながる可能性がある」(※4)

*2月4日:「ウクライナの希土類鉱物に対するトランプ大統領の関心は、ゼレンスキー大統領にとって裏目に出るかもしれない」(※5)

*2月7日:「トランプ大統領の特使が上司のウクライナ和平計画について、さらに詳細を明らかに」(※6)

 「創造的エネルギー外交」に関する最初の分析には、双方の交渉を前進させるのに役立つ可能性のある、12件の妥協案が含まれている。

 実際のところ、米国がウクライナにおける(平和維持活動を担う)EU軍対して、(NATOの)第5条の保証を適用しない、という案は、現時点でのヘグゼス長官の政策となっているため、他の案もこれに追随する可能性がある。

 さらに、トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領がいかに不人気になったかについて言及したばかりである(※7)。これはトランプ大統領が(『RT』の)記事でも提案されていた、新たな選挙による「段階的な指導者の移行」を計画していることを示唆している。

 これらの他の提案のうち、どれがすぐに米国の政策になるかはまだわからない。ロシアが実施する可能性のあるもの、たとえばこのプロセスの終わりまでに作られる可能性のある、DMZ(非武装地帯)のロシア側における限定的な軍事制限に同意することなどについても、同様である。

 以下に、ロシアと米国の首脳、外交官、および補完的なトラックII協議を通じて、これに参加するよう招待される可能性のある専門家の間での、ウクライナに関するロシアと米国の和平交渉を形作る、5つの主要な問題を示す。

―――――――

1)領土のパラメータ

 最も差し迫った問題として解決しなければならないのは、ロシアとウクライナの新たな国境がどこに設定されるか、という問題である。「ウクライナは2014年以前の国境を回復できない」というヘグゼス国防長官の主張は、トランプ氏が、ゼレンスキー氏に少なくとも両国の紛争の領土問題の中心であるドンバス全域から撤退するよう強要するであろう可能性を示唆している。

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