「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、政府が『原発回帰』へ舵を切る中、稼働から47年が経過する老朽原発である東海第二原発の事故リスクについて訴える抗議行動!!~3.11 第80回日本原電本店抗議行動 2025.3.11

記事公開日:2025.3.14取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

※25/3/19テキスト追加

 東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故から14年目を迎える、2025年3月11日、正午より、東京都台東区の日本原電(日本原子力発電株式会社)本店前において、80回目の「日本原電本店抗議行動」が行われ、総勢117名が参加し、スピーチや音楽演奏、シュプレヒコール、行動提起などが行われた。

 開会のあいさつで、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の横田朔子氏が、福島の現状、そして、日本の原子力行政の現状などについて、次のように語った。

横田氏「14年前、3月11日の東京電力福島第一原発のあの大事故、世界に類を見ない大爆発を起こした福島。私達は決して、このことを忘れてはならないと思います。(中略)

 皆さん、今、福島は、どんな現状だと思いますか?いまだに全国で2万人と言われている避難者が、自分達の生まれ育った福島に帰れないでいます。そして、あちこちに避難をしながら、いじめを受けたり、様々な差別を受けたり、こんな理不尽な、何の悪いこともしていない、福島の人達、被災者が、そうした生活を余儀なくされています。

 決して福島は終わっていません。それどころか、福島の復興なんて、誰一人信じることができない状態です。

 皆さん、『第7次エネルギー基本計画(※)』が先月、閣議決定されました。(中略)今の石破政権は、岸田政権と同じように、『原発回帰』へ大暴走を進めています。『原発をできる限り逓減していく』という言葉を削除し、その上で、原発は『最大限活用する』。

 例えば、今、原発は、電源構成の中のわずか8パーセント越えといったところですけども、2040年にはこれを2割にする、というふうに閣議決定を行ないました。私達は決してこれを許すことができません。

 東京に一番近い、首都圏の、『東京の原発』と言われる東海第二原発の再稼働を何としても阻止して、そして、廃炉に追い込んでいく。(中略)私達はまだまだこの大東京ではそんなに大きな力ではないかもしれません。

 しかし、声を上げ続け、こうした闘いの積み重ねがなければ、廃炉というのはあり得ないのだと思います」。

 たんぽぽ舎の柳田真氏は、主催者スピーチの中で、東海第二原発の危険性を次のように指摘した。

柳田氏「私が一番心配しているのは、福島事故がもう一度起こるのではないか、そのことを今、一番心配しております。

 なぜか。

 福島事故を忘れたふりをして、どんどん原発を今、再稼働をしようとしています。あちこちで、原発再稼働を進めようとしている。

 そして、一番心配しているのが、この首都圏に一番近い原発、つまり、東海第二原発。これが一番心配なんです。もう47年も経った、おんぼろ原発です。(中略)

 原発は、大体30年が寿命ですから、老朽原発もいいところです。

 しかも、この日本原電は、お金がない。安全経費を削っています。お金が全然ないから、東海第二原発を再稼働するにあたって、借金の東電から、さらに2200億円を借りてやっています。

 これ、本当に返せるのか、返せないんじゃないかと思います。要するに、安全経費のためのお金がない。(中略)

 2回目の大惨事が起きるとしたら、茨城県にあるこの老朽おんぼろ原発。東海第二原発の事故が一番心配です(後略)」。

 2019年10月、東海第二原発の再稼働に向けて、東電は取締役会で、約2200億円を負担することを決めた。この際、国から8兆円を超える巨額の資金支援を受ける東電が他社の原発を支援することについて批判の声が上がった。

 抗議行動では、日本原電に対し、茨城県東海第二原発の再稼働を断念し、廃炉事業に専念することを求める申入書と要請書が、日本原電担当者に直接手渡された。

申入書


要請書

 抗議行動の詳細については、全編動画を御覧ください。

■全編動画

  • 日時 2025年3月11日(火)16:30〜17:50
  • 場所 日本原電本店前(東京都台東区)
  • 主催 とめよう!東海第二原発首都圏連絡会(詳細

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