ロシア外務省が2022年4月25日(日本時間26日)に、国営テレビ『チャンネル・ワン』の番組『ビッグゲーム』で放送されたセルゲイ・ラブロフ外相へのインタビューを、テキストにしてホームページに掲載した。
- Интервью Министра иностранных дел Российской Федерации С.В.Лаврова программе <Большая игра> на <Первом канале>, Москва, 25 апреля 2022 года(ロシア外務省、2022年4月25日)
このインタビューで、ラブロフ外相が、「第三次世界大戦」「核戦争」の危機について語ったことだけは、日本も含めた西側メディアでもセンセーショナルに取り上げられた。
しかし、IWJが独自にこのインタビュー全文を仮訳してみたところ、西側メディアが一切報じていない、米国やNATO、ウクライナにとって不都合な真実が、数多く指摘されていることがわかった。
もちろん、ロシア国営テレビによるロシア外務大臣へのインタビューであるから、ロシア国民に向けてウクライナ侵攻を正当化するためのプロパガンダの側面があることは否定できない。
しかし、インタビューで語られたラブロフ外相の言葉の中には、歴史的な奥行きと視野の広さがあり、新たな知見も得られる。ロシアを「敵視」するならば、なおのこと、「敵」の思考を知らなければならない。
既にお届けしている第1回と、第2回では、バイデン政権との間で行われてきた戦略兵器削減条約の延長に関する話し合いを、米国側が放棄したことや、米国の単独覇権主義、米国だけは自分達の「ルール」のもと、国際法や国連に拘束されず何をしても許されるという「例外的な国家」観を有していることを、ラブロフ外相が批判している。
第3回の今回は、まず、米国やNATOの主張する「民主主義」が、搾取のためのご都合主義に過ぎないことがラブロフ外相によって指摘される。
ラブロフ外相は、国連が「民主主義国家」にも「権威主義的な国」にも、国家の持つ主権的平等に差別を設けていないことを指摘している。そして、国連安保理での常任5か国の拒否権について、「拒否権がなければ国連は国際連盟と同じ、消滅の運命にあった」と述べ、拒否権を切り下げて、大国が脅迫や強制によって多数を得ることを「危険な傾向」だと批判している。
また、バイデン大統領が「民主主義サミット」を通して、「反国連」組織を作ろうとしているなど、西側は国連に代わる様々な組織を「増殖」していると指摘。しかも「民主主義サミット」招待国には、民主主義的でないとされてきた国々が含まれ、彼らを都合よく米国が取り込み、利用しようとしているというのである。
一方、ウクライナとの交渉についてラブロフ外相は、2022年3月29日にトルコのイスタンブールで行われた対面での停戦交渉の舞台裏を明かした。
この中でラブロフ外相は、停戦交渉にのぞんだウクライナ側代表の交渉姿勢から、米英が紛争を長引かせようとしていることを見て取る。
さらにウクライナ側代表団が、ゼレンスキー大統領にロシア側の提案を見せていなかったことが明らかにされる。
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