心理学者の富田隆氏が、メディアによる「プーチン悪玉論」の氾濫を、2022年3月13日の『MAG2NEWS』で批判している。
富田氏は、欧米や日本のメディアが、プーチン大統領を「『ヒトラーのような』独裁者」と見做す一方、ゼレンスキー大統領を「英雄」のように祭り上げ、ネオナチの「アゾフ連隊」を含むウクライナ軍の「『善戦』ぶりをフェイクニュースまで交えて大絶賛」していると指摘する。
マスメディアの「偏向」報道を、一般市民だけでなく、政治家や一部の有識者、一部のジャーナリストまで真に受けている者が多々見受けられるが、メディアリテラシーが欠如していると言わざるをえない。
こうしたリテラシーの欠如は、真剣に憂慮しなければならない。「ウクライナとロシアの揉めご事」を、他人事として深く考えずにマスメディアのたれ流すプロパガンダを受け入れていると、日本の置かれた状況の危うさにも気がつかなくなる。
「物事を極端に『単純化』することで『思考停止』」しており、それはまるで「『大本営発表』の時代に逆戻り」したようだという。富田教授のご指摘通り、メインストリームメディアは、ロシア=悪、ウクライナ=善の単純化された図式で、出来事を勧善懲悪ドラマのように見せており、非常に危うい状況だ。
ウクライナとNATOの集団的自衛権の問題は、日米安保と同じ構造である。ウクライナでの米国のふるまいを見れば、米国が核保有国と直接対決せず、傀儡国家に代理戦争させることは、容易に想像がつく。
単純な「善」と「悪」の物語に溺れて、リアリズムから遠ざかれば、日本人の多くは、日本が対中(あるいはそこにロシア、北朝鮮が加わるかもしれない)戦争に、なぜ巻き込まれ、どうして日本の国土が戦場と化してしまうのか、理解もできず、戦争に反対することもできなくなるだろう。
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