2022年1月21日、東京都千代田区の参議院議員会館で、第36回 難民問題に関する議員懇談会総会が行われた。
会合では、2021年3月に名古屋出入国在留管理局の施設で収容中に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの居室に設置された監視カメラのビデオ映像を視聴した野党議員らが、それぞれの感想や見解を述べた。遺族のポールニマさん(ウィシュマさんの妹)も出席した。
映像は、出入国在留管理庁により2021年12月24日の衆議院法務委員会で開示された。これに続き、27日には参議院法務委員会でも、議員らに開示された。
国会で開示された映像は、2月22日からウィシュマさんが亡くなった3月6日当日までの13日分、計295時間の映像を約6時間半に編集されたもの。
映像を見た階猛・立憲民主党衆議院議員は「私たちの見たのは全体の2%、6時間半だが、これを見ただけでも、とてつもないことがわかってきた」と述べ、「記録に撮られた一番古い方の2月24日、午前4時から4時59分の間で(ウィシュマさんが)『担当さん、口から血、鼻から血』と訴え、その後尋常でないうめき声が続いた」と内容を披露した。
続けて階猛議員は、看護日誌の中には「3月3日に看護師さんがウィシュマさんと明日病院に行って、こういうことをやります、ウィシュマさんから『実は私結婚したいんです』と話しがあった、といった内容のやり取りがあるが、実はその部分のビデオを我々は見ていない」と述べた。
さらに、階猛議員は「3月3日の状況でこのようなやり取りが本当にあったか疑問だ」と述べ、記録は「あたかも3月3日の時点でもまったく死ぬ気配はなかった、という事を言わんがためにそういう記述があるような気がする」と、提供されたビデオについても恣意的な選択が行われている可能性を示唆した。
ウィシュマさんの遺族・ポールニマさんは「姉は死にかけているのに放っておかれたという事は、皆さんはわかっていると思う」「入管に収容されている外国人に2度とこういうことが起きないよう、制度を変えてほしい」と訴えた。
詳しくはぜひ全編動画を御覧いただきたい。