2021年8月26日、東京都千代田区の参議院議員会館で、立憲野党議員とメディア関係者らが、外務省、出入国在留管理庁の各担当者を招いて、ヒアリングを行った。
議題は2点で、1点目はアフガニスタン国内にとどまっている日本関係者の救援と保護について、もう1点は、名古屋出入国在留管理局に収容されていたウィシュマ・サンダマリさんが今年3月死亡した問題に関する「最終報告書」についてであった。
アフガニスタン情勢が悪化する中、現地に残る日本人と、日本大使館で働くアフガニスタン人のスタッフなどを退避させるため、日本政府は自衛隊の輸送機3機を現地に派遣した。
立憲民主党の阿部知子衆議院議員が、アフガニスタン国内にとどまっている日本関係者の救援と保護について「全体で何人おられて、何人と連絡とれたのか」と質問したのに対し、外務省の黒宮貴義国際協力局国別開発第三課長は「対象となる者の数は答えられない」と答えた。
これに対して立憲民主党の石橋通宏参議院議員は「人数を公表してしまうと、分母を公表してしまうと、最終的に何人を救援できたのか、と外務省が責められる、自分たちの実績にも関わる、だから分母は言わないということだ」と指摘し、公表を迫った。
また、ウィシュマさん死亡に関する「最終報告書」に関するヒアリングでは、名古屋入管で今年2月15日に実施されたウィシュマさんの尿検査の結果について、2月18日に入管処遇部門の非常勤看護師が、当日の庁内診療にあたった担当医師に伝えたとあるが、医師はこの結果を知っていたのかどうかが、問題となった。
医師でもある阿部知子議員は「医師は尿所見の結果は知ってたのか、伝わっていたのか」と質問し「もし伝わっていて無視されたのなら医療過誤だ」と追及した。
「最終報告書」では、当該医師は今回の死亡事案に関する調査チームの聴取に対し「2月18日の診療時に尿検査結果を把握したかどうかの記憶は定かではない」としている。