リベラル・革新の政党・政治団体のネットワーク強化を後押しする「共同テーブル」発足の記者会見から10日後に当たる、2021年8月28日、東京・星稜会館で、「8.28シンポジウム いのちの安全保障を考える-『共同テーブル』からの提案」が行われた。
「共同テーブル」は、立憲民主党に合流しなかった社民党が、新社会党、緑の党グリーンズジャパンなど「基本政策が一致するリベラル・革新の、多くの政党・政治団体・市民団体と日本の政治を変えるためにネットワークを強化する」と表明したことを受けて発足した。
今回のシンポジウムのプログラムと登壇者は、以下の通り。
1. 開会あいさつ
白石孝氏(NPO法人・官製ワーキングプア研究会理事長)
2. 「共同テーブル」からの提案 発起人を代表して
佐高信氏(評論家)
3. シンポジウム「憲法・非正規社会・原発・安保と平和」
パネリスト・植野妙実子氏(中央大学名誉教授)、竹信三恵子氏(和光大学名誉教授)、神田香織氏(講談師)、山城博治氏(沖縄平和運動センター議長)、コーディネーター・佐高信氏
4. 市民の意見、市民の希望を語る
「女性」三浦まり氏(上智大学教授)、「若者」元山仁四郎氏(「辺野古」県民投票の会元代表)、「アフガニスタン問題」西谷文和氏(ジャーナリスト)、「地域から」太田あゆみ氏(高松市議会議員)
5. 地域にも「共同テーブル」を
「近畿共生連帯」の皆さんとエール交換(ZOOM)、山元一英・共生連帯近畿事務局長、難波希美子氏(大阪能勢町議会議員)
6. 連帯あいさつ「政治を変える」
福島みずほ氏(社会民主党党首)、岡崎宏美氏(新社会党委員長)、漢人あき子氏(緑の党運営委員)、
7. まとめと閉会挨拶
白石孝氏(NPO法人・官製ワーキングプア研究会理事長)
各プログラムで、上記の評論家、弁護士、大学教授らが登壇し、日本が抱える問題を訴えた。
発起人を代表してスピーチを行った、評論家の佐高信氏は、以下のように語った。
「7月10日だったと思いますけども、大阪の関西生コンか、むのたけじ賞(むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞)の集会で1時間ほど話しまして、その時に、ふと思いついて、オリンピックを止められないなら戦争を止められないんじゃないかという話をしてしまいました。
後で参加者からドキッとしたと言われたんですけども。本当にそのオリンピックを止められないなら戦争を止められないんじゃないかっていうのは、私の今の実感です。
そして、オリンピックをやれば、これだけ感染者が広がるというのは、かなり政府あたりから圧力を受けている尾身さんでさえ、さえという言い方はちょっと良くないかもしれないけれども、言ってたわけですよ。
そのオリンピックについて、最初からきっちりと反対する野党はいたのかということ。ここを考えたときに、やっぱりもっと重心の低い野党が必要であると、あるいは野党に重心を低くさせることが必要だと。
で、今、パラリンピックが始まってますが、オリンピックやって良かったみたいな感じになってきているわけですけども、しかしやっぱりこういう状況の中でも、オリンピックはやるべきではなかったときちっと主張する、そういう野党が必要なんだというふうに思うわけです」。
また、社民党からは、新社会党と緑の党グリーンズジャパンに統一名簿への呼びかけがあったとのこと。
「地域に根ざした市民運動、社会運動とつながっていく政党でありたい」と訴える社民党の福島みずほ氏に対し、新社会党の岡崎宏美氏は、「今の政治を変えるために共に戦うことを放棄することは、運動の自滅を意味する、そのように思っております。社民党も新社会党もともに次の時代に責任を持つために協力をする、それが統一名簿方式なのだというふうに受け止めました」と前向きな姿勢を見せた。
一方、緑の党運営委員の漢人あき子氏は、自身が7月の都議選で当選できたのは、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、東京生活者ネットワーク、新社会、緑の党グリーンズジャパンという6つの政党・政治団体の野党統一候補だったことだけではなく、これまで小金井市議として活動してきた中で「市民参加、市民自治のさまざまな仕組みを作る取り組みを積み上げてきたから実現できた」と述べた。
漢人氏は「共同テーブル」に対し「(社民党、新社会党、緑の党だけでなく)ぜひ、今後は他の野党に対しても、このテーブルへの参加の可能性について求めていくことを期待したい」と訴えた。
その上で漢人氏は、社民党からの統一名簿への呼びかけについて「残念ながらまだこれについては、私たちとしては大きなハードルがいくつかある。まだ党内での議論も十分にできていません。むしろその具体的なイメージができない中で、党内での議論ができないという状況にもなっている」と、回答を保留した。