以下の記事でお伝えしたように、米国で5月11日の共和党のランド・ポール上院議員によるファウチ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長への上院Covid-19公聴会での追及を境に、Covid-19(新型コロナ)の起源に関して、米国内の論調に変化が生じてきた。
武漢ウイルス学研究所流出説が、米国内で再び急浮上しつつあるのである。
武漢ウイルス学研究所起源論、あるいは再調査必要論を形成しているのは、主に、共和党の政治家、科学者、科学ジャーナリスト、米国およびその同盟国のメディアである。
こうした科学ジャーナリストの一人に、ニューヨーク・タイムズ紙の元科学記者、ニコラス・ウェイド氏がいる。
ウェイド氏は、5月5日の時点で、『原子力科学者会報』(Bulletin of the Atomic Scientists)に寄稿し、証拠を検証して武漢ウイルス学研究所流出説を強く主張している。
このウェイド氏の武漢ウイルス学研究所流出説の根拠は、ウイルスのヒト細胞への感染力を高めるフリン切断部位(フリン切断部位とは、宿主のタンパク分解酵素フリンによって切断された新型コロナウイルスのスパイクタンパクに存在する開裂部位)にある。