日本のマスメディアがほとんど報じない一大事!コロナ禍は「米中合作」!? 米中対立が激化してゆく中、新型コロナウイルス武漢ウイルス学研究所流出説が再び急浮上で米国内騒然! 米国のジョー・バイデン大統領は情報機関に再調査を指示! この動きに、どんな政治的思惑が!? 2021.6.26

記事公開日:2021.6.26 テキスト
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(翻訳、文・尾内達也 文責・岩上安身)

 米中対立が激化してゆく過程で、米国内で新型コロナウイルスの由来が改めて問題視されつつある。

 新型コロナウイルスが武漢ウイルス学研究所から流出したのではないかという説は、ドナルド・トランプ前大統領が、コロナ対策に失敗した責任を中国に転化するための大統領選向けのプロパガンダだと、これまで多くのメディアでは扱われてきた。

 WHOが現地調査を行い、2月9日に発表した報告書の中で、武漢ウイルス学研究所流出説を事実上否定したことで、この流出説の間違いは決定的となったかに見えた。

 ところが、今、米国内では、ジョー・バイデン大統領の再調査指示によって、再び、武漢ウイルス学研究所流出説が急浮上して大騒ぎとなっているのである。

▲武漢ウイルス学研究所のホームページ

 5月26日、バイデン米大統領は、中国で最初に集団感染が確認された新型コロナウイルスの起源に関する調査報告を90日以内にまとめるよう、米情報機関に指示した。

 5月25日付のワシントン・ポストは、この間の経緯を項目ごとに時系列でまとめている。1月20日のジョー・バイデン大統領就任から再調査指示に至るまでの、新しいエビデンスに関する時系列を以下に、まとめてみる。

記事目次

再び武漢ウイルス学研究所漏洩説が浮上するまでの経緯!

1月20日 ジョー・バイデン大統領就任

2月9日 WHOの報告書で武漢ウイルス学研究所流出説の事実上の否定

2月11日 テドロス・アダノムWHO事務局長、研究所流出説を除外することを拒否。

▲テドロス・アダノムWHO事務局長(Wikipediaより)

2月19日 バイデン政権のジェイク・サリバン国家安全保障担当顧問がWHOの報告書について次の声明を発表。

 「COVID19調査の結論がどのように伝えられ、どのような過程を経て結論に至ったのかについて、深い懸念を抱いています。この報告書は独立したものであり、専門家の知見が中国政府の介入や変更を受けないものであることが不可欠です。今回のパンデミックをよりよく理解し、次のパンデミックに備えるために、中国はパンデミック発生初期からのデータを公開する必要があります」

3月4日 世界の著名な科学者がWHOに宛てた公開書簡で、前回の調査には欠陥があったとして、ウイルスの起源に関する新たな調査を求める。

3月22日 (米国の同盟国で、中国包囲網クアッドの一員の)オーストラリアの新聞が、次のように報道。

 「コロナウイルスの研究をしている武漢ウイルス学研究所の複数の研究者が、2019年11月初旬にCovid-19と一致する症状で入院しており、米当局は最初のクラスターだったのではないかと疑っている」

3月28日  CBSのドキュメンタリー番組「60ミニッツ」で、コロナウイルスの起源に関する根強い疑問に関するレポートを放映。この番組の中で、マット・ポッティンジャー元国家安全保障副顧問は、機密解除された情報を引用して、「北京からすべてのウイルスサンプルを廃棄するようにとの直接の指示があり、彼らは遺伝子配列を自由に共有することを望まなかった」と述べる。

5月5日 ニューヨーク・タイムズ紙の元科学記者、ニコラス・ウェイド氏が、『原子力科学者会報』(Bulletin of the Atomic Scientists)に寄稿し、証拠を検証して武漢ウイルス学研究所流出説を強く主張。

 ウェイド氏が特に注目しているのは、ウイルスのヒト細胞への感染力を高めるフリン切断部位(フリン切断部位とは、宿主のタンパク分解酵素フリンによって切断された新型コロナウイルスのスパイクタンパクの部位のこと)。

ウェイド氏は、ウイルス学者で元カリフォルニア工科大学学長のデイビッド・ボルチモア氏の発言を次のように引用している。

 「ウイルスの配列の中で、アルギニンコドンを含むフリン切断部位を初めて見たとき、私は妻に、これはウイルスの起源を示す決定的な証拠だと言いました。これらの特徴は、新型コロナウイルスが自然由来であるという考えに強力な異議を唱えるものです」

5月14日 18人の著名な科学者が『サイエンス』に書簡を発表し「実験室からの偶発的な流出と動物から人間への感染による感染拡大の両方の説が存続しているため、新たな調査が必要である」と述べた。

5月17日 ニューヨーク・タイムズ紙の元科学記者、ドナルド・G・マクニールJr.も記事・動画投稿サイトのMediumに「なぜ心配するのを止めることにしたか、そして、なぜ研究所流出説を支持するか」という記事を投稿。

マクニールJr.は、2020年3月に『ネイチャー・メディシン』に掲載された書簡に署名したコロンビア大学のW・イアン・リプキンの言葉を引用し、新たな情報を踏まえて考えが変わったと述べる。

▲W・イアン・リプキンコロンビア大学教授(Wikipediaより)

 このように、時系列を追って、この問題の社会的認識の変化を追ってみると、米国では、科学者やメディアが「動員」され、「真実」かどうかはともかく、武漢ウイルス学研究所流出説が急浮上しつつあることがわかる。

 この「急変」が、純粋に真実を追求するアカデミックかつジャーナリスティックなものなのか、政治的に形成されつつある情報操作の一環なのかは、まだ判断できない。しかし、「中国敵視」という政治的目的に結果として利用される可能性は大いにある、ということだけは確かである。

ランド・ポール共和党議員によるファウチ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長への厳しい追及に注目が集まる!

 現在、この問題に関して、米国上院での、ランド・ポール共和党議員によるファウチ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長への厳しい追及に注目が集まっている。

▲アンソニー・ファウチNIAID所長(Wikipediaより)

 ランド・ポール上院議員のファウチ所長への追及は大きく分けて次の2点である。

 第1に、NIHは武漢ウイルス学研究所へウイルスの機能獲得研究のための資金提供したのではないか。

 第2に、ウイルスの機能獲得研究は米国内の研究所でも行われているのではないか。

(…会員ページにつづく)

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