2018年7月19日、IWJ上杉記者は小田川の堤防決壊により甚大な浸水被害に見舞われた岡山県倉敷市真備町を取材した。
堤防が決壊したのは、小田川とその支流の合計8か所。小田川は一級河川の高梁(たかはし)川と合流するが、合流か所は高梁川が大きく湾曲している。このため、増水した川の水がスムーズに流れず、支流である小田川の水が滞る「バックウォーター」と呼ばれる現象を起こした。しかも、上杉記者が合流地点で見たのは、まるで森のように木が鬱蒼と生えた中洲だった。これではなおさら、支流である小田川の増水した水が、スムーズに本流である高梁川へ流れ込むわけがない。
地元の人の話では、浚渫(しゅんせつ)もしていないため、川底に土砂がたまり、どんどん浅くなる、そこへ上流からの泥がたまる、木が生える、ゴミが引っかかる、増水した時に流れが滞るという悪循環だったようで、問題視する声が以前からあったという。
小田川の合流に関しては、川の合流地点を付け替えて流れをスムーズにする計画があり、来年度から工事が始まる予定だった。
上杉記者は、子供の頃からこの辺りに住んでいたという地元の女性に話を聞いた。今は岡山市内に引っ越したが、住んでいた家を道具置き場として畑仕事のために通っているそうだ。この女性は、「昔から水害は多く、子供の頃は水に浸かると舟で学校に行ったこともある」と語った。国が増水時に水を汲み上げるポンプを設置してからは、水に浸かるような大きな被害はなかったそうだ。
それだけに昔を知らない住人には危機感がなかったのだろうか、真備町在住で工務店を経営しているという堤防復旧の工事現場の監督は、「ハザードマップはあるにはあったがピンとこなかった。岡山は大きな災害がなかったので危機感も持たずにいた」と語った。
道には3メートルほどの高さで泥だらけの流出物が積み上げられ、自衛隊の重機がそれを片付けていた。上杉記者はその流出物の量に圧倒されていたが、それでも半分にまで減ったということだ。
【西日本豪雨取材報告】堤防決壊で浸水した倉敷市真備町からレポート! 「昔は水に浸かると舟で学校に行った」という旧住民。「災害がないので危機感がなかった」という在住者。小田川の本流との合流か所はまるで鬱蒼とした森のよう!? https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427821 … @iwakamiyasumi
誤った治水政策の産物。
https://twitter.com/55kurosuke/status/1021145982384332801