「システム内から批判しても公権力に力を与えるだけ」 ~福島第一原発事故で浮き彫りとなった構造的な問題を専門家が議論 2013.10.16

記事公開日:2013.10.16取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

 「保護と市民服従」をテーマに、原発事故で浮き彫りとなった日本の構造的な問題について議論する学術会議の2日目が10月16日、日仏会館で行われた。この日もアカデミックな視点から、福島の原発事故による様々な被害と影響が指摘された。

■ハイライト

  • 登壇者 アルノ・ミション (Arnaud Michon) 氏(『風任せ (Le Sens du Vent)』著者)/中手聖一氏(原発事故子ども・被災者支援法市民会議代表世話人)/武藤類子氏(脱原発福島ネットワーク、ハイロアクション)/鵜飼哲氏(一橋大学大学院言語社会研究科教授)
  • 司会 ティエリー・リボー氏(Clersé CNRS・リール第1大学)/浅沼=ブリス・セシル氏(日仏会館・フランス国立日本研究センター)

「不安を隠して普通の顔をして暮らしている」

 「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」代表世話人である中手聖一氏は、原発事故によって福島市から北海道へ移住するまでの経緯を、人々の心理的な面を含めて伝えた。

 「福島で行われた『安全宣伝キャンペーン』は洗脳に近い。毎月送られてくる広報には繰り返し『ここに住むのは安全』と執拗に書かれていた。こういった状況で福島の人は放射能について話すのを口ごもってしまった」。

 また、事故当時は話されていた避難や食べものの汚染を話題にしない現状について中手氏は、「普通の顔をして暮らしているだけなんだ」と、今現在も人々が不安を隠してながら生活していることを説明した。

福島県はすでに核の実験場なのか?

(…会員ページにつづく)

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