現代の「保護」と「服従」は表裏一体か? ~福島第一原発事故で浮き彫りとなった構造的な問題を専門家が議論 2013.10.15

記事公開日:2013.10.16取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

 「保護と科学者服従」をテーマに15日、日仏会館フランス事務所が主催して学術会議が開かれた。福島の原発被害は、国、怪しいネットワーク、科学者、専門家、反専門家、「市民運動」や各種団体がいかにして「連鎖的に起った災害」の共同管理者となり、上位の利害のために、つまり「保護」するために働くようになったかを明らかにした。

 現代の「保護」とは「服従」と表裏一体ではないか?どのような曖昧な関係が「保護」と「服従」にはあるのか?という問いについて、様々な分野の大学教授やジャーナリストが論じ合った。

■ハイライト

様々な主従関係が明らかに

 後藤忍氏(福島大学准教授)は、「科学者服従に抗するための活動」をテーマに話した。福島第一原発事故後、「政府が市民を服従させる」、「科学者が市民を服従させる」、そして、「政府が科学者を服従させる」、「科学者が科学者を服従させる」などの事例が見られたことを報告。専門家の姿勢として、より科学的態度と倫理的態度が求められると語った。

考慮すべき社会的要因とは?

 影浦峡氏(東京大学教授)は、「本来考慮すべき社会的要因を捨象した上で、勝手な社会的思い込みを明示的に、あるいは背景に入れて議論することも少なからず見られた」と報告。「事故というものの複雑性を充分考慮するなら、(親が子の身を案ずるような)感情も考慮すべき」と述べた。

巨大な力を持つ「原子力ロビー」

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