「私達、被災者の意見を一体どこに反映したのか?」――。
福島第一原発事故の被災者の生活補償や、避難した住民の支援などを目的に制定された「子ども・被災者支援法」の基本方針案が、今週中にも閣議決定されるとみられている。この基本方針案をめぐって、「骨抜きではないか」との声が被災者からあがっている。
10月9日(水)、被災者らが復興庁への要望と記者会見を行い、「このまま閣議決定されるのは、到底認められない」と訴えた。
(IWJ・石川優)
「私達、被災者の意見を一体どこに反映したのか?」――。
福島第一原発事故の被災者の生活補償や、避難した住民の支援などを目的に制定された「子ども・被災者支援法」の基本方針案が、今週中にも閣議決定されるとみられている。この基本方針案をめぐって、「骨抜きではないか」との声が被災者からあがっている。
10月9日(水)、被災者らが復興庁への要望と記者会見を行い、「このまま閣議決定されるのは、到底認められない」と訴えた。
■ハイライト
今年8月30日、復興庁は「子ども被災者支援法基本方針(案)」を発表。しかしこの方針案では、被災者に対する医療・健康診断の支援が福島県内に限定され、福島県から他県へ避難した場合は支援の対象外とされていることから、被災者からは「我々の意見がどこに反映されているのか」との批判の声が多くあがっている。
被災者による復興庁への要望では、避難者のいる全国各地において説明会を開催し、彼らの意見を法案に反映する必要性を訴えた。
その後に行われた記者会見で、福島市から北海道へ避難している中手聖一氏は、「あれだけの災害があったが、政府は変わろうという意欲が感じられない」と政府・復興庁の対応を強く非難したうえで、「だからといって、諦めるわけにはいかない」と語った。
「子ども・被災者支援法」の第十四条では、「具体的な内容に被災者の意見を反映し」とはっきり明記されているにも関わらず、復興庁は反映する様子がないという。
郡山市から静岡県へ自主避難している長谷川克己氏は、復興庁が東京と福島で各一回ずつ説明会を開催したことについて、「突発的かつ平日に開催した説明会に果たしてどれくらいの人が参加できるのか?」と、その開催趣旨や方法に疑問を投げかけた。復興庁は被災者からの要望に応じた際に、「できるだけ急いで基本方針を閣議決定したい」と吐露するほど、焦りを見せているという。