子どもと被災者を守れ! 原発事故子ども・被災者支援法の実施を求める市民の集い 2013.7.4

記事公開日:2013.7.4取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年7月4日(木)18時半から、福島県いわき市文化センターで「子どもと被災者を守れ! 原発事故子ども・被災者支援法の実施を求める市民の集い」が行われた。満田夏花氏は、新たな「原発安全神話」の構築を目指す国の姿勢を指摘し、原発事故子ども・被災者支援法を巡るこれまでの経緯や問題点などを解説した。

■ハイライト

  • 講演 満田夏花氏(FoE Japan理事、原発事故子ども・被災者支援法市民会議)
  • 主催 脱原発福島ネットワーク/ハイロアクション福島

 「国は、新しい安全神話を確立しようとしている」と指摘する満田氏は、ICRPですら低線量被曝の影響を否定し、疫学調査も数多く存在しているにもかかわらず、それらを無視して、放射線被曝100ミリシーベルト(以下mSv)以下での健康被害を認めない、国の姿勢を問題視した。

 次に、ウクライナのナショナルレポートを挙げて、原発事故後、さまざまな症状の病気が発症しているデータを示した上で、放射能の影響について甲状腺がん以外の疾患を認めない国の態度を疑問視した。続けて、福島県民健康管理調査について、予防原則が採用されていないこと、調査対象が福島県だけであること、福島県立医大がすべてのデータを保持し、第三者による検証が不可能なことを問題点として挙げた。

 また、原発事故子ども・被災者支援法を巡るこれまでの経緯を説明した。支援法成立から1年が経過しても、未だに具体的な施策がとられていない現状について、満田氏は「政府による基本方針が一向に作られず、替わりに復興庁による『支援施策パッケージ』が発表された」と述べて、このパッケージが、今までの政策の貼り合わせであり、避難者への支援が含まれていない点を指摘した。その上で、「支援法が理念法に過ぎず、健康被害はないかのように宣伝し、帰還を強いる政策がまかり通っている。政府は支援法を塩漬けにし、忘れさせようとしているのかもしれないが、このままでは済まされない。原発事故の被害は日本全体で考え、解決する必要があると思う」と語った。今後は、幅広い支援対象地域の設定、被害当事者、支援者の意見を聴取する常設機関の設置、健康管理体制の構築、賠償問題の時効を抜本的に解決するための特別立法を求めていくという。

 いわき市議会議員の佐藤かずよし氏は、「政権交代によって、支援法は確実に棚上げされており、それは許し難いことである。支援法に魂を入れるためには、被災者、支援者が立ち上がって声を上げないといけない」と述べた。

 最後に、満田氏は「住民の帰還を急かし、賠償を打ち切り、被曝の影響をないかのように見せようと、今の自民政権は動いている。暗い材料ばかりかもしれないが、さまざまな立場の人が立ち上がり、つながって声を上げ続けることが必要である」と話した。

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