「対米従属ではなく、自主・主体的に(ロシアとウクライナ)両国の和平実現を後押しする外交へと転換する必要があるのでは?」IWJ記者の質問に対し、「(ウクライナ支援は)我が国独自の判断であって、米国の言うことを聞いたということではない」と開き直る岩屋毅外務新大臣!!~10.8 岩屋毅 外務大臣 定例記者会見 2024.10.8

記事公開日:2024.10.9取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2024年10月8日、午後6時55分より、東京都千代田区の外務省にて、岩屋毅 外務大臣の定例記者会見が行われた。

 会見冒頭、岩屋大臣より、衆・参両院における本会議開催を受けた所感、及びベトナム及びミャンマーへの緊急無償資金協力についての発言があった。(※)

 大臣の冒頭発言に続いて、記者と大臣との質疑応答の時間となった。

 他社記者からは、「パパロ米インド太平洋軍司令官による大臣表敬」、「在外選挙制度」、「ベトナム及びミャンマーへの緊急無償資金協力」、そして「衆議院議員選挙」についての質問があった。

 IWJ記者は、ウクライナ情勢および日本の外交方針について、以下のとおり質問した。

IWJ記者「ウクライナ紛争で岸田政権は、一方的にロシアを悪とし、ウクライナに肩入れする硬直した外交を展開してきました。

 ロシアによる侵攻までの8年間、ウクライナ東部のドンバスで、ロシア系住民への差別政策や民間人殺傷などの民族浄化があった事実を、上川外務大臣や林外務大臣は、まったくお認めになりませんでした。

 岸田政権の対露制裁と、ウクライナへ63億ドル、9015億円もの支援をしたことで、日本は、ロシアから敵視されています。

 一方、米国で、トランプ政権が成立すれば、米国のウクライナ政策が変更されることも予想されます。NATO内の対応も一様ではない現在、日本は、対米従属ではなく、自主・主体的に、両国の和平実現を後押しする外交へと転換する必要があると思われますが、岩屋大臣のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします」。

 この質問に対して、岩屋大臣は次のように答弁した。

岩屋大臣「これは、対米従属とか何とかいうことではないと思います。

 私も、就任時の会見で申し上げましたけれども、ロシアには、もちろん、ロシアの言い分があるんだろうと思いますけれども、どんな言い分があっても、国連の常任理事国が、白昼堂々、隣国の独立国を、力によって現状変更をするという行為は、これは許されない行為だと思っております。国際秩序の根幹を揺るがす行為と言わざるを得ないと考えております。

 こういう、力による一方的な現状変更というのは、どこであっても、許されてはならないと考えておりますので、それは、我が国独自の判断であって、何か米国の言うことを聞いたということではないと、ご理解をいただきたいと思います。

 そういう認識のもとに、国際社会全体の平和と安全のために、ロシアの侵略をやめさせて、一日も早く、公正かつ永続的な平和をウクライナに実現すべく、この問題に取り組んできたところでございまして、残念ながら、長期化しておりますけれども、これが一刻も早く解決していくように、我が国としては、ウクライナを、引き続き、支援していかなければいけないと思っております」。

 このIWJ記者の質問を、ロシアメディア『スプートニク日本』が、9日付で取り上げた。

 『スプートニク日本』は、質問の記者は「(前略)米国追従ではなく、露宇の和平実現を後押しする主体的外交への転換が必要ではないか」、「ウクライナ東部ドンバスでは紛争開始までの8年間、ウクライナ政府によるロシア系住民への差別、殺傷、民族浄化が行われていたにもかかわらず、その事実を上川、林両外相はまったく認めなかった」と、質問のほぼ全文を紹介している。

 会見内容の詳細については、全編動画を御覧ください。

■ハイライト

■IWJ記者質問シーン

  • 日時 2024年10月8日(火)18:55〜
  • 場所 外務本省会見室(東京都千代田区)

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