2024年6月11日午後2時10分頃より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子外務大臣の定例会見が行われた。
会見冒頭、上川大臣より、本日ルクセンブルクのギヨーム皇太子と会談を実施する旨の報告があった。
大臣からの冒頭報告に続いて、各社記者との質疑応答が行われた。
IWJ記者は、「日露平和条約」について、以下の通り質問した。
「プーチン大統領は、5日、サンクトペテルブルグで、日露平和条約について、『我々は日本と話し合うことを拒否しないが、日本側が条件を整える必要がある』と述べ、ウクライナ紛争をめぐる日本の態度変更を明確に求めました。
日本は、中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれており、ロシアとの平和条約は、日本の安全保障にとって重要な意味を持ちます。政府、外務省は、このプーチン大統領の発言に、どのように応答するのでしょうか。
例えば、ウクライナ政府による、同国内のロシア語話者への差別、弾圧、殺戮といった民族浄化は、2014年のユーロマイダンクーデター時点から始まっており、2022年2月のロシア軍の軍事侵攻は、その帰結に他なりません。
紛争は、ロシア軍の軍事侵攻に始まるという認識を、上川大臣は繰り返してこられましたが、この認識を改めるおつもりはありますでしょうか」。
この質問に対して、上川大臣は以下の通り、答弁した。
「ロシアは、ウクライナ侵略開始の1ヶ月後の2022年3月に、日本の対露制裁等を理由に、日本との平和条約に関する交渉を継続するつもりはないと、一方的に発表をいたしました。
しかし、現下の事態は、すべてロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものでありまして、日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は、極めて不当でありまして、断じて受け入れることができないものであります。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であります。断じて認めることはできません。
ロシアの侵略によって、日露関係は、大変厳しい状況にあり、残念ながら現在平和条約交渉について、何か具体的に申し上げられる状況にはございませんが、政府としては、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持してまいりたいと考えております」。
他社の記者からは、「ロシアの凍結資産の活用」、「朝鮮半島情勢(南北間の応酬激化)」、「ガザ情勢(児童と武力紛争の年次事務総長報告書)」、「パレスチナの国家承認」、そして「日中関係(議員外交)」などについて、質問があった。
会見の詳細は、全編動画を御覧いただきたい。