2022年8月2日午前10時35分頃より、東京都千代田区の外務省にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
朝日新聞記者は、ナンシー・ペロシ米下院議長のアジア歴訪について、以下のように質問した。
「アジアを歴訪中の米国のペロシ下院議長が、今晩(2日夜)にも台湾を訪問すると報じられています。中国の反発は必至で、米中関係の緊迫化が予想されますけれども、大臣の受けとめをお願いします」。
これに対し、林大臣は「ペロシ下院議長の外遊につきまして、日本政府としてコメントする立場にないと考えております」とし、「その上で、一般論として申し上げますと、我が国としては、米中両国の関係の安定、これは国際社会にとっても、極めて重要であると考えております」と述べるにとどめた。
対中強硬派のペロシ氏の台湾への訪問が現実となれば、米中の軍事衝突に発展する可能性も指摘されている。
また、EU諸国では、世界第2位の経済大国である中国に対して、米国主導でロシアと同じように経済制裁を行うことを求められれば、悪化している経済状況がさらに悪化すると、懸念しているようである。
これらの懸念は日本にも同様に当てはまる。IWJ記者は、こうした経済リスクや、武力衝突に巻き込まれるリスクについて、日本政府・外務省は、ペロシ氏来日の際に直接伝えるなどの用意があるのかとの質問を用意していたが、指名されなかった。
会見冒頭、林大臣より、8月3日から6日までの3日間、「ASEAN(東南アジア諸国連合)関連外相会議」に出席するため、カンボジアの首都プノンペンを訪問する旨の報告があった。
林大臣は、8月4日に、日・ASEAN外相会議とASEAN+3外相会議、8月5日には、東アジア首脳会議、3カ国外相会議、そして、ASEAN地域フォーラム閣僚会合に出席する予定である。
一連の会議が対面形式で実施されるのは3年ぶりのことであり、林大臣は「来年の『日・ASEAN友好協力50周年』、これに向けまして、緊密な協力を確認したい」と抱負を述べた。
定例会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。