CM規制を「投票前2週間」から「発議後」に拡大!? ネット広告は規制困難! 国際基準のファクトチェック団体が必要! 船田元議員、津田大介氏、堀潤氏、本間龍氏ら10名が激論!〜7.21 国民投票のルール改善を考える円卓会議 2022.7.21

記事公開日:2022.7.22取材地: テキスト動画
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(取材、文・木原匡康)

 2022年7月21日午後3時より、東京・参議院議員会館にて、「国民投票のルール改善を考える円卓会議」が、国民投票のルール改善を考え求める会の主催で行われ、IWJが中継した。

 開催主旨は、「重要な『ルール』を政党・議員まかせにせず、主権者国・国民の側から的確な提案・要望を出す。国民投票運動の公平性を確保し、言論・表現の自由をまもりつつ、フェイクや刷り込みを阻むルール設定を!」である。

 以下のメディア関係者、国会議員、国民投票のルール改善を考え求める会メンバーら計10名が、今井一氏の司会により、円卓形式で意見交換した。

船田元氏(衆議院議員、CM議連会長)
桜井充氏(参議院議員、CM議連副会長)
菅野志桜里氏(弁護士、前衆議院議員、元CM議連副会長)
堀潤氏(ジャーナリスト、8bitNews代表)
津田大介氏(ジャーナリスト、メディア・アクティビスト、ポリタス編集長)
本間龍氏(作家、元博報堂社員)
楊井人文氏(弁護士、FIJファクトチェック・イニシアティブ事務局長)
松下秀雄氏(朝日新聞「論座」編集長)
奥田信幸氏(MBS毎日放送報道情報局長)
今井一氏([国民投票/住民投票]情報室事務局長)

 会議冒頭で、各人が考える「現行ルールの問題点」が簡潔に発表された。

 菅野氏は「民放連の(CM規制反対の論拠である)『言論・表現の自由』より、国民にいかに良質な判断材料を供給できるか」が重要で、そのために「(短いCMより)一定の長さが必要で、一方向より双方向、多方向の情報提供を」と求め、「CM規制は現行の国民投票期日前14日以上にしてよい」と述べた。

 津田氏は、「広告費でマスコミ4媒体を上回ったネット広告について、枠組みの議論さえ始まっていない」、「しかし世界最大のネット広告のグーグルとフェイスブックをどう規制」するかと指摘。また、「2021年衆院選前に防衛省がインフルエンサーや芸能人にレクした。彼らの発言という、CMと異なるが影響力あるコンテンツへの対処も課題」だとした。

 船田議員は、国民投票法制定の経験を踏まえ、「議論材料のため、できるだけ制限をなくすべき」だとしながら、CM禁止期間を当初案の7日から14日に伸ばした経緯を紹介した。また、民放連が最初は量的規制のルール化を言いながら、結局頓挫したことを「残念」だと述べた。

 堀氏は、「発議後のネット広告や広告以外の発言の規制は困難」だと指摘して、「発議前から、憲法の議論に多くの人が関心を持って参加できる情報発信を増やすべき」だと訴えた。

 松下氏は「国民投票のルールに根本的疑問がある。憲法は国民が権力を縛るもののはずだが、権力側に有利な仕組みになっている」と問題提起した。

 本間氏は「民放連は『言論の自由』と言うが、『お金儲けの自由』しか考えてない。民放連や権力側の良心に期待するのは危険」だと痛烈に批判した。

 楊井氏は、「国際的基準で認証されたたファクトチェック団体が一つもない国は、G20中で中国、ロシア、サウジアラビア、日本の4ヶ国」だとして、本格的ファクトチェック団体の必要性を訴えた。

 奥田氏は、7年前の大阪都構想の住民投票の例をあげ、大阪は普段の選挙は50~30%の低い投票率だが、都構想は66.83%という高率を示したのは、「大阪市がなくなるかという興味関心と共に、メディアがかなりの時間を割いて伝えたから」だと指摘した。

 続いてテーマ別に、詳細な議論が行われた。

 国民投票法が定めるCM禁止期間「投票期日14日前から」を「憲法改正案発議の日から」に改める案や、ネットCMの同様の規制の是非について、番組出演者が賛成・反対のいずれかに偏らない配慮の要請について、さらに、公開討論会を放送する旨を国民投票法に加える案などについて、活発な意見が交わされた。

 当日配布資料(レジュメ)は下記からダウンロードいただける。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

 また、岩上安身は本間龍氏に国民投票制度の問題点に関して2017年にインタビューを行っている。あわせて御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2020年7月21日(木)15:00~17:30
  • 場所 参議院議員会館 会議室(東京都千代田区)
  • 主催 国民投票のルール改善を考え求める会(詳細

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