2022年参院選公示目前の6月20日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、「憲法9条改悪を絶対許すな!緊急集会」が村山首相談話の会主催で開催され、IWJが中継した。
開催主旨には「参議院選挙の結果で、自民・維新など改憲勢力が3分の2を取れば、彼らは、必ず、憲法9条改変に着手し、暴走を始める」と危機感が露わだ。そのために、政治評論家の森田実氏や元経産官僚の古賀茂明氏、元文部官僚の寺脇研氏、立憲民主党の奥野総一郎衆議院議員(憲法審査会野党筆頭理事)、日本共産党の吉良よし子参議院議員、社会民主党の服部良一幹事長など、著名論客や国会議員など17名もが登壇した。
開催主旨には「憲法9条は、原文のまま守り抜かなければならない」と9条護持がストレートだが、発言はバラエティに富んでいた。
政治経済学者の植草一秀氏は、「ウクライナでは、市民と最前線の兵士が犠牲者で、米国の軍産複合体が痛みを伴わず巨利を得ている」「同じことが極東でも計画され(中略)尖閣の棚上げ合意はなかったと日本が一方的に解釈変更したのは、日中間の緊張を高める米国の指令」と共通構造を指摘。選挙については、「米国は野党勢力分断に力を注いできた」として、野党分断を進める「大企業御用組連合」切り離しを訴えた。
山口大学名誉教授の纐纈厚氏は、「現行憲法は、攻められる前にどうするかが問題で、攻められてからを議論する必要はない」としながら、「それでも万が一攻められたらというなら、徹底的な非暴力・非協力。私にも家族があるが、人を殺すなら殺される方を選ぶ、とあえて言う。いつかその踏ん切りをつけない限り、暴力と戦争の連鎖は断ち切れない」と述べた。
ジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子氏は「卑近な側面から9条の意味を話したい」として、「日清、日露、日中、日米の戦争で、国費の7~8割が軍事費になった。そのとき、どうやって社会保障や日々の暮らしに必要なものを調達するのか」「9条は人を殺さない、殺されたくない決意とともに、国のお金を軍事費に流し込ませない防波堤の役割を果たしてきた」と論じた。
また、東京造形大教授の前田朗氏は、「私の9条改憲論」として「3項に『外国軍基地はこれを禁止する』、4項に『日本国および国民は核兵器廃絶のために全力を尽くす』を加えたい」と述べた。
上記以外の登壇者は以下である。藤田高景氏(村山首相談話の会・理事長、主催者)、福山真劫氏(市民連合)、内田雅敏氏(弁護士)、古今亭菊千代氏(落語家、芸人9条の会)、暉峻淑子氏(埼玉大学名誉教授)、羽場久美子氏(神奈川大学教授・青山学院大学名誉教授)、高梨晃嘉氏(かながわ歴史教育を考える市民の会事務局長)。
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