日刊IWJガイド・連休特別公開版「IWJは戦時独裁体制樹立の改憲につながる国民投票法改悪案採決に反対! 皆さまからのご支援で活動を支えてください!」2021.05.05号~No.3156号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~IWJは戦時独裁体制樹立の改憲につながる国民投票法「改悪」案採決に明白に反対します! 4月のご寄付は暫定の集計で387万5000円でした。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかしながら、目標額まで62万5000円届きませんでした。5月はコロナ禍を悪用する自民党のショック・ドクトリンとの「決戦」の時! 皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!
■【中継番組表】
■自民党・下村博文政調会長がコロナを緊急事態条項の対象にと発言! 菅総理も権力強化ばかりを口にして「お願い」を「命令」に変えようとする一方、必要な医療体制の拡充はなされないまま!
■国民投票法改正から改憲による緊急事態条項新設へ! その先に待つのは対米従属による「原発×戦争リスク」! IWJ関連コンテンツを期間限定でフルオープンします! 以下、一挙ご紹介します! 連休の後半にぜひ、御覧になってください!
■2013年に岩上安身によるインタビューで柳澤協二氏が指摘! 「3.11の教訓は、通常弾頭のノドンで、原発の周辺施設が破壊されれば、メルトダウンにまで至るということ」! 2014年には「日本は核弾頭5発で全滅」と明らかに!
■「Jアラート」で政府が北朝鮮の脅威を煽りまくった2017年、孫崎氏はミサイル防衛が不可能であることを詳述! 仮に命中すれば、真下はミサイルより大きな被害! PAC3配備は「北朝鮮に真剣に反応してるというイメージを国民に植え付けるため」!
■2017年、海上自衛隊が安保法制施行後初の米艦防護! 柳澤協二氏は米国の抑止力が戦争の脅威となるジレンマを指摘! 標的となるのは在日米軍基地と原発施設!
■2017年、河合弘之弁護士が北朝鮮のミサイル攻撃を想定した高浜原発運転停止訴訟の代理人に! 金正恩は原子力関連施設、軍事施設への攻撃で「広島・長崎とは比較にならない酷い災難を負う」と言及している!
■米中の覇権争奪戦のために対米従属一辺倒の日本は「鉄砲玉」として利用される! 戦争が始まれば戦場となるのは日本! 以下のコンテンツも期間限定でフルオープンにします! ぜひ御覧ください!
■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 6】ネット初出演の憲法学第一人者が、緊急事態条項はじめ、自民党改憲草案を逐一批判!! 本日午後8時から2016年収録「憲法学の『神様』がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授」を再配信します!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■はじめに~IWJは戦時独裁体制樹立の改憲につながる国民投票法「改悪」案採決に明白に反対します! 4月のご寄付は暫定の集計で387万5000円でした。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかしながら、目標額まで62万5000円届きませんでした。5月はコロナ禍を悪用する自民党のショック・ドクトリンとの「決戦」の時! 皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 IWJは、戦時独裁国家体制樹立につながる国民投票法「改悪」案採決に明白に反対します!

 IWJは、衆院憲法審査会で与党が採決を目論む5月6月を見すえて、このGW中、この国民投票法改悪案の正体と緊急事態条項の危険性、対中国戦争の無謀さをお伝えする企画を連続してお送りしています。

 この5月はコロナ禍を悪用して、米国に従属した属国のままの独裁へひた走る自民党のショック・ドクトリンとの「決戦」の時です! 民主主義、国民主権、平和と生命、人権を守るため、一歩も退くことはできません! 民主主義は守り抜かなくてはならない。ナチスも顔負けの自民党の改憲案の最悪の「正体」について、広く、多くの方々に知っていただくため、この期間に会員向けのコンテンツを一部フルオープンにします。一人でも多くの方々に、我が身に迫る危機について、真実を知っていただくために、ぜひ皆さまひとりひとりのお力で、より多くの方々にIWJのコンテンツについて拡散してください!

 IWJは独立メディアとして、特定スポンサーに依存せず、権力におもねることも、媚びることもなく、活動し続けてきました。社名に独立を意味する「Independent」を入れたのは、日本の真の「自立」を願ってのことです。

 国家として「独立」することと、その国家の主権者は国民であること。「国民主権」は絶対に譲ってはならない。これはIWJの背骨を貫くポリシーです。

日刊ガイド4月21日号で岩上安身は「ナチスの聖火リレーをやめない自民党と公明党の菅政権は、その裏で、あろうことかナチスドイツのヒトラーの独裁体制を樹立した授権法(全権委任法)に匹敵する緊急事態条項を含んだ、改憲案を容易に成立させられるようにする国民投票法の改悪を可決しようとしています! しかもコロナ禍で国民が苦しんでいるただ中においてです」と書きました。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210421
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48686

 コロナ禍と五輪の陰でこっそりと改憲へのステップを踏み、国家緊急権によって内閣による独裁が可能となる緊急事態条項の導入をしようとする企みは、国会(立法府)を空洞化し、国民から主権を奪うものです。この改憲が実現されれば、国会はフリーズされ、国民は半永久的に選挙の機会を失うでしょう。

 政府与党、衆議院憲法審査会は5月6日に改憲を容易にする国民投票法の改悪を採決しようとしていますが、こんな暴挙は絶対に許してはなりません!

 新聞・テレビなどの他の大手マスメディア等はほとんどこの5月6日の採決の危険性をクローズアップしませんし、あろうことか、自民党改憲案の緊急事態条項の真の危険性を国民に伝えることをあからさまにサボタージュしています! コロナ対策のためには国家権力の強化が必要だとする菅政権のデタラメな主張に根本的な批判を加えることなく、この政治的なペテンに加担しています! しかし、マスメディアがいくらごまかしても、真の独立メディアであるIWJはそんな政治的ペテンを見逃しません!

 なぜ、平和なはずの日本に、独裁体制を築こうとするのか。これは戦時体制を築くためです。何のため、どの国との戦争なのか。米国の思惑によって日本が「鉄砲玉」に仕立て上げられ、中国との戦争に駆り出されるためです。

 IWJは、この危険性を10年も前から見越して警告を発してきました。

 IWJは独裁にも、米国の従属にも、当然ながら中国への従属にも反対しています。日本は、独立した、真の主権国家であるべきです。この国の運命を決めるのは、この国の国民でなくてはなりません!

 「原発を抱えたまま破滅的な戦争」に突入することにも、もちろん反対です。このまま米国の「鉄砲玉」に、無自覚に仕立て上げられてはいけません。安倍政権と同様、菅政権も突き進む破滅的な対米従属の罠にはまってはなりません。我々は、民主的な主権国家の道に引き返すべきです。

 自由と民主主義・法の支配・人権を守り抜くだけでなく、極右・極左の両方の全体主義にも反対し、平和を維持しながら国民主権にもとづく日本国家の自立を求めるべく、IWJは報道・言論活動を行ってきました。

 そうした報道・言論活動をIWJ設立以来10年続けることができたのは、特定のスポンサーに頼らず、IWJの姿勢に共感してくださる一般市民の皆さまのご支援によって支えられてきたからです! 改めてそのことに感謝申し上げます。本当にありがとうございます!

 しかし、今後、そうした、権力の言いなりにならない、独立した報道・言論活動が続けていけるのか、今は、正念場です。

 4月のご寄付は、30日時点の暫定の集計で、196件、387万5000円となりました。これは、月間目標額である450万円の86%にあたります。

 IWJへのご支援をお寄せくださった皆さま、本当にありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝を申し上げます。

 しかしながら、暫定の集計では目標額まで、62万5000円、届きませんでした。この分は累積の不足分に加わります。

 昨年8月から今年3月までの、今期第11期・8ヶ月間のご寄付の実績は、目標額と比べてみますとマイナスで、3月末までの累積の不足分は497万円にのぼります。これに62万5000円が加わり、4月を含む累積の不足額は559万5000円となってしまいました。期末まであと3ヶ月、ずしりと重くのしかかります。このままでは、7月末の期末は大幅な赤字転落となってしまう危険性があります。

 IWJが真のジャーナリズムを今後も継続していくためには、皆さまの会費とご寄付・カンパによるご支援が欠かせませんが、IWJは今、どちらも不足しており、経済的に苦しい状況に直面しています。

 赤字が重なれば、これまでのような独立したジャーナリズム活動を維持して、IWJを存続させていくことは困難になってしまいます。

 現在、岩上安身は自身の報酬を100%カットし、今期末まで「ただ働き」のまま、「手弁当」どころか「持ち出し」で、日々の激務に取り組んでいます。しかし、岩上安身個人にしわ寄せをする「異常」な状況が続いては、この先、IWJが存続し、活動し続けることはできません。

 IWJは、岩上安身個人からこれまで993万5000円借り入れており、まったく返済できておりません。

 前期の第10期の期末の2020年7月末までは、岩上安身からの借入金残高は、233万5000円でした。

 その後、2度に分けて40万円を返済し、2020年9月末には岩上安身からの借入金の残高は193万5000円まで減らしていました。

 しかし、コロナ禍の急速な深まりとともに、会費が減り、ご寄付が減り、収入が急激に減ってしまって、資金繰りが非常に厳しくなってしまいました。

 そこで、2020年10月末と、明けて2021年1月20日にそれぞれ400万円ずつ岩上安身から借り入れを行い、残高は993万5000円にまで再び膨れ上がってしまいました。

 その後、IWJは岩上安身に返済できず、借入金残高は現時点まで、そのままの状態となっています。岩上安身が、IWJの危機に直面しても、これ以上私財を投入できないのは、すでに1000万円近い金額をIWJに貸しており、これ以上は、貯金が底を尽いてしまうからです。

 先月3月末までに、多くの方々からご寄付・カンパをいただきましたが、それらはすべてIWJの運営にあて、岩上安身への返済には1円も回しておりません。

 岩上安身も一人の人間であり、生活者であり、扶養しなければならない家族もいます。老後の貯えを削ることにも限界があります。

 IWJが赤字転落した場合、岩上安身がこれ以上個人でIWJを支えるのは不可能です。

 経理が、現時点で様々な要素(支出を必死に切り詰めたり、岩上安身の報酬を全額カットしたことなども含めて)を考慮に入れ、改めて試算し直したところ、今期の赤字転落を避けるためには、今後、第11期の期末となる、7月末までの約4ヶ月の間に、寄付・カンパが最低でもあと1800万円必要であるという結果が出ました。

 ここに、4月のご寄付の合計金額387万5000円が加わりましたので、今期の残り3ヶ月間(92日間)のご寄付の目標額は、1412万5000円となりました。これを3ヶ月で割ると、5月、6月、7月で毎月470万8000円をご寄付・カンパでお願いしなければならなくなります。

 会費収入については、コロナ禍による会員の減少に伴い、前期比20%減の予想となっています。この現実は大変重くのしかかっています。

 前期の会費収入は8322万円でしたが、今期の予想はマイナス1672万円の6650万円になるだろうと予測しています。これは、あくまで現状で会員数が下げ止まり、維持されると仮定した予測です。会員数がさらに減れば、もっと状況は厳しくなるでしょう。

 会員数の減少に伴う会費の減少により、なおさら、ご寄付・カンパでのご支援が本当に重要になってきています。

 前述の通り、IWJが特定のスポンサーや権力に対して、顔色をうかがうことなく、独立した自由な報道と言論をこれまで展開できてきたのは、市民の皆さまのご支援があってのことです。

 私たちは、ご寄付や会費という形で、市民の皆さまから託された期待に、独立メディアとして使命を果たすことで、こたえたいと思っています。

 IWJは、岩上安身以下、スタッフ一同、IWJを必要としてくださる皆さまのご期待に沿えるように、これからも懸命に頑張ります! そのためにもIWJを支えてくださる市民の皆さまのご支援、ご協力が、どうしても必要です!

 ぜひ、ご支援、応援をよろしくお願いいたします!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※ご寄付・カンパは「note」のページからでも可能です。「note」内でお読みになりたい記事をクリックしますと、「記事を購入する」欄の下部に「気に入ったらサポート」という緑のアイコンがありますので、そちらをクリックしますと、ご寄付・カンパ欄が表示されますのでそちらからお願いいたします。

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。よろしくおねがいします。(クレジットカードの場合は、上記URLからお入りください)

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 また、IWJを安定的に存続させてゆくためには、皆さまからのご寄付・カンパとともに、会員の方々の会費収入がとても重要になってきます。

 ぜひ、皆さま、会員になって支えてくださるよう、お願いいたします! また、お知り合いの方にぜひIWJの存在や、他のマスコミとは一線を画したその報道姿勢を、口コミでもSNSででも、広めていただけるよう、ご協力をお願いいたします!

 一般会員にご登録いただくと、中継で見逃してしまったIWJの動画コンテンツを2ヶ月間、アーカイブでお好きな時に御覧いただけます! 入会金は無料。会費は月々1100円ですが、1年分まとめてお支払いいただければ1万1000円と2ヶ月分お得になっています!

 そして、現在一般会員でいらっしゃる方はぜひサポート会員へのお切り替えをご検討ください! サポート会員の方は、過去のインタビューも含めすべてのIWJのコンテンツをいつでも御覧いただけます。

 さらに、サポート会員にご登録いただくと、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をすべて無料で閲覧することができます。「岩上安身のIWJ特報!」は、岩上安身によるインタビューを文字起こしし、詳細な注釈をつけたメルマガです。インタビュー動画を見る時間をなかなか取れない、インタビュー動画の内容をもっと詳しく知りたいという方には特におすすめです。

 4月30日時点の会員数は3847人、このうちサポート会員の方は1325人です。

 サポート会員へ移行してくださる方が増えれば、IWJの活動は今よりもずっと安定したものになります。サポート会員の人数が4000名に達すれば、それだけでご寄付やカンパをいただかなくても、活動資金をまかなえることになります。

 どうか、ぜひサポート会員になってIWJの活動をお支えいただけますよう、ご検討ください。

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※noteの記事からサポート(ご寄付)していただけるようになりました。

noteに会員登録し、IWJ記事の「気に入ったらサポート」からお手続きをお願いします。
https://note.com/iwjnote

 IWJでは、月払いをお選びいただいた会員の方の会費納入期限を、毎月15日に設定させていただいています。そのため、15日を過ぎた段階で、会費をお納めいただけなかった方に対し、やむをえず、会員の資格を一時停止する手続きを取らせていただいています。

 会員の皆さん、一部、会費を納め忘れている方がいらっしゃいます! ぜひ、急ぎお納めいただき、有効会員として「復活」してください!

 現在、会費未納等でいったん休眠会員となられている方も、 会員番号はすべて保存してありますので、会費をご納付いただければ、着金が確認され次第、いつでも再開できます! ぜひ、再開をお願いいたします!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2021.5.5 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh3・大阪】13:00~「入管法改悪NO!! 緊急アクション@大阪」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach3

 「入管事件を闘う大阪弁護士有志の会」主催の緊急アクションを中継します。これまでIWJが報じてきた入管法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%85%a5%e7%ae%a1%e6%b3%95
———————-

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 6・IWJ_YouTube Live】20:00~「憲法学の『神様』がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2016年2月に収録した、岩上安身による樋口陽一氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた憲法改正関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%86%b2%e6%b3%95%e6%94%b9%e6%ad%a3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287549

========

◆中継番組表◆

**2021.5.6 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 7・IWJ_YouTube Live】20:00~「『自民党に入れたら必ず改憲される』――梓澤和幸弁護士が衆院選投開票日直前に緊急アピール! 米軍との一体化を可能にする9条3項加憲と緊急事態条項で日本は戦争に突き進み壊滅!?」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2017年10月に収録した、梓澤和幸弁護士インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた緊急事態条項関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/402624

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日再アップした記事はこちらです◆

【IWJ検証レポート!】大スクープか!? 大誤報か!? 中国艦隊ハワイ沖大演習! 1月の演習を大きく伝えたのは産経等のみ! しかも半年以上経って! 防衛省は「事実関係含め、コメント控える」! すでに中国軍は米軍凌駕!! 日本列島はミサイル戦の戦場に!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485224

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■自民党・下村博文政調会長がコロナを緊急事態条項の対象にと発言! 菅総理も権力強化ばかりを口にして「お願い」を「命令」に変えようとする一方、必要な医療体制の拡充はなされないまま!

 5月3日の憲法記念日、改憲派の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開いた「公開憲法フォーラム」のウェブ会合に参加した、自民党の下村博文政調会長が、自民党の「憲法改正案4項目の一つに掲げる緊急事態条項の対象に、新型コロナウイルス感染症を含めるべきだ」との認識を示し、「『日本は今、国難だ。コロナのピンチを逆にチャンスに変えるべきだ』と強調した」と、4日、共同通信が批判を加えることなく、報じました。

※コロナのピンチをチャンスに 自民下村氏、改憲巡り(共同通信、2021年5月4日)
https://this.kiji.is/761967683903111168?c=39546741839462401

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を逆手に取って政治的に悪用し、改憲へとすり替えようとする下村氏の発言に対してSNS上などでは下村発言の内容に批判の声が噴出しています。

 下村氏はつい先月23日に『GDW興国論 幸福度世界一の国へ』と題した著書を出版。著書では改憲について訴えているほか、安倍前総理との対談も掲載されており、出版を報じた4月19日の共同通信の記事は「党総裁選を見据え、後ろ盾を得たい意図も透ける」などと伝えています。政局がらみの視点しかここにはなく、自民党の悪辣な手口の本質を射抜いていません。

※下村氏が著書、総裁選へ意欲か 「幸福度」重視を提唱(共同通信、2021年4月19日)
https://this.kiji.is/756820897059241984?c=39546741839462401

 下村氏の著書名にある「GDW」とは国内総生産(GDP)に替わる国内総充実(GDWのWは、Well-being)とのことですが、これまで国民の生活環境の悪化などおかまいないしに悪政を行い、今も国民投票法改悪を皮切りに、内閣独裁を可能とする緊急事態条項を含む身勝手な改憲を進めようとしている人物の「虚言」を誰が信じられるのでしょう。

 コロナ禍を悪用しての改憲や法の改悪により、政府の権力を不当に強めようとする発言を行ってるのは下村氏だけではありません。菅総理自身が、この卑劣で狡猾な自民党ショック・ドクトリンを主導する発言を記者会見で堂々と行っているのです!

 菅総理は4月23日の会見で「医療関係者に対しての政府の権限というのは現在、お願い、要請ベースでしかないというのが現実」と、PCR検査の極端な抑制策など、自らの無能ゆえの失政を棚に上げ政府の権限が限定的であるなどと筋違いな方向に話を誘導しました。

 あたかも、医療従事者らが政治家の言うことをきかないからコロナ禍が拡がっていると言わんばかりの物言いです。不当な言いがかりと言わなくてはなりません。

 さらに、「こうした緊急事態に対しての対応の法律を改正しなきゃならない」と問題と責任のありかをすり替えて、緊急事態時の法改正の必要性について言及。さらに「落ち着いたら、そうした緊急事態の際の特別措置というものを作らなきゃならない」などと発言しました。

※新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見(首相官邸、2021年4月23日)
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0423kaiken.html

 再三お伝えしてきたとおり、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以来、安倍・菅政権は、検査・隔離という感染症対策の基本をおざなりにし、検査を「異常」なまでに抑制して、感染拡大を抑え込むことに失敗し続けてきました。

 コロナ対策がうまくいかず、国民の不満の声が高まりつつあるのを察知すると、あろうことか、コロナとの戦いの最前線に立っている医療従事者らに対し、責任を転嫁し、ねぎらいのかわりに背後から刺すような卑劣なやり方で、政府に足りないのは、強権なのだと、法の改悪による権力の強化や改憲を持ち出し、医療従事者だけでなくすべての国民に対して、「命令」を下せる体制を作り出そうとしています。盗人猛々しいとは、まさにこのことです。

 4月22日収録の岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビューでは、小西議員が「日本のコロナ禍は安倍・菅政権の失政による『人災』」であると断じました。

※日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 菅政権はコロナ禍のドサクサに紛れて改憲のための国民投票法改悪採決を画策!「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! ~岩上安身によるインタビュー 第1038回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員(2021年4月22日)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491229

 小西議員は日本のコロナ禍が人災である理由として、第一に「2020年春、東京五輪のために欧米からの入国全面禁止措置が遅れ、欧米系ウイルスを蔓延させた」ことをあげました。

 2020年春、日本が欧米からの全面入国禁止措置を決めたのは3月27日。3月24日の東京五輪延期の発表を待ってからの決断は、他のアジア諸国に比べて大きく遅れ、武漢系統ではなく欧米系統のウイルスによる感染拡大を引き起こしました。小西議員は、第1~3波を起こした欧米系統のウイルスを入れたのは安倍政権であるとして、「万死に値する、本当の失政」と断じました。

 第二に、「誤った法解釈で都道府県知事に特措法31条を使わせず、医療体制の構築に失敗」したことがあげられました。

 厚生労働省が大阪府や埼玉県に「地域の医療が全滅するような事態でないと特措法は使えない」などと、間違った解釈を伝えたことにより、両府県は医療崩壊を防ぐ対策を医療機関に要請できなかった事実を小西議員は指摘しています。

 しかも厚労省が解釈を間違った理由は、コロナ対策ガイドラインの「誤読」によるというのです。ガイドラインが示す「地域」とは「患者一人一人の視点での近隣地域を指すもの」であることが2012年の政府資料でも特措法31条の例として示されているのですが、昨年、厚労省は「地域」を地図上の広い範囲を示すものと解釈していたのです。

 2020年12月16日の衆院内閣委員会でも西村大臣が「ガイドラインの規定に適合しない」ので使用できない、「(特措法31条にもとづき要請できるのは)ほとんどすべての医療機関が診療を休止する」ような場合、「現在の状況とは想定されている状況は異なっている」と回答しています。

 厚労省とのやりとりの結果については吉村洋文大阪府知事がツイッターで「結論として特措法31条は民間病院にコロナ対応を要請する条文としては使えないです」「かなり限定的な場面を特措法31条は想定してます」と明らかにしています。

※特措法31条のガイドラインに関する吉村大阪府知事のツイート(2021年1月15日)
https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1350020356237475840

 東京を超えるコロナ変異株大流行を引き起こした大阪府政ですが、政府による負のアシストがなければ、これほどの惨状には陥らずに済んだかもしれません。

 常日頃から国民生活を顧みず「上から目線」の政治を行っているせいで、このような法の条文の誤読に政府の誰も気付かなかったのでしょう。厚労省の職員が誤読に気づいたのは、今年になってから小西議員に電話で指摘された時とのことです。電話の向こうで「あっ」と気づいた職員の声が聞こえたというのですから、冗談のようですが、情けないことにこれが日本政府の現実です。

 第三に「さまざまな病気の中でコロナだけ、医療体制を構築するための特別法がいまだにない」ことを小西議員は指摘しました。あらゆる病気の中でコロナだけが医療体制を構築する「基本方針」が用意されていないため、機能しないというのです。

 小西議員によると、特措法・感染症法には医療体制作りの条文がなく、医療体制作りは医療法という一般法で定められているとのこと。しかしコロナの感染拡大を抑えるために検査体制を作る条文がないので「厚労省も県もやらない、誰も責任を負っていない」というのです。厚労省は都道府県への行政通知で体制作りを「お願い」しているとのことですが、あくまで事務連絡なので法的義務がないとのことです。

 野党は医療機関へ支援・賠償を行うために必要な立法措置を求めましたが、与党は取り合わず、特措法改正の付帯決議に加えるに留まることになりました。

※新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院、2021年2月3日)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/204/f063_020301.pdf

 付帯決議では政府が国の基本方針を作ることになっていますが、その後も菅政権は国の基本方針を作らないまま2回目の緊急事態宣言を解除するなど、無責任さが際立ちます。

 なお、菅総理は、2021年1月に、首相官邸に医療関係者を集め「協議会を作る」と表明しました。ところが2020年3月にはすでに厚労省が医療関係者による「協議会」を作るための行政通知を出していたのです。

 菅総理は、医療体制の構築や、そもそもコロナ対策自体に興味がないのではないでしょうか。

 興味があるのは、「宗主国」と彼らが思いこんでいる米国の、安保マフィアの歓心を買い、政権の後ろだてになってもらう(そう思い込んでいる)ことだけでしょう。米国の安保マフィアが描いた「絵」の通りに日本が、米国の勝手な都合で始める戦争に参戦できるよう戦時独裁体制を築く改憲をゴリ押ししようとしているのだとしか考えられません。

 菅総理や下村氏、与党・自民党の議員らは、コロナや日本の医療体制のことをよく知らず、政府でどうにかしようという気概も責任感もなく、国民の悲痛な訴えや不満の声を封じ込めなりゆき任せでそのための無謀な戦争の準備と独裁体制の構築へと突き進み国民に有無を言わせず命令を下せるように改憲へとひた走っているのが現実です。

 これでは日本はコロナ禍を脱することはできませんし、この先、一体どれだけの人々の命が、悪政の犠牲となるのかもわかりません。

■国民投票法改正から改憲による緊急事態条項新設へ! その先に待つのは対米従属による「原発×戦争リスク」! IWJ関連コンテンツを期間限定でフルオープンします! 以下、一挙ご紹介します! 連休の後半にぜひ、御覧になってください!

 この日刊IWJガイドで連日お伝えしているように、連休明けの明日5月6日に、衆院憲法審査会で国民投票法改正案の採決が行われる可能性があります。

 国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)は、憲法改正のための手続きを定めた法律です。現在、衆院憲法審査会で審議されているこの改正案が今国会で可決・成立すれば、次は憲法審査会で、憲法本体の審議が行われます。

 立憲民主党は、国民投票法にCM規制の規定がないことを問題視し、改正案に加えることを主張して採決に反対しています。共産党も、コロナ禍の今、憲法論議をしている場合ではないとして、採決に反対しています。

 これに対して自民、公明、維新、国民民主は、「改正案の中身については審議が尽くされた」と主張し、CM規制は憲法本体の審議と並行して行うことを提案し、早期の採決を求めています。

 与党側は、改正案を今国会会期中に成立させるに、5月6日の採決を目論んでいます。

 では、国民投票法改正案が成立した後に審議される「憲法の本体論議」とは何でしょうか?

 前述の下村博文氏の「公開憲法フォーラム」での発言で明らかなように、コロナ禍を利用して、緊急事態条項を憲法に盛り込むことです。同じ集会にビデオメッセージを寄せた菅総理も、憲法を改正して緊急事態条項を盛り込む必要性を訴えています。また、4月28日に開かれた参院での憲法審査会では、与党側の議員が口を揃えて「コロナ禍の今、緊急事態条項が必要だ」と主張しました。彼らの本音は今や明らかです!

※5月3日憲法記念日に菅総理は危険な「緊急事態条項」を創設する憲法改正へ意欲! 新聞各社の世論調査でも改憲派が増加!(日刊IWJガイド、2021年5月4日)
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210504#idx-4
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-4

※28日、参院でも憲法審査会が3年ぶりに開催される! コロナ禍をダシに憲法への緊急事態条項新設を主張する与党・維新議員に共産・山添拓議員は「感染拡大と医療崩壊の危険を招いているのは、憲法のせいではなく、無為無策で対応能力を欠く、菅政権」と指摘!「コロナに便乗して改憲論議を煽るのは、究極の火事場泥棒だ」と糾弾! 立憲・社民会派の小西洋之議員は安倍・菅政権下での悪政を列挙!「憲法審査会には違憲の法律の調査・審査の法的責務がある」と指摘!(日刊IWJガイド、2021年4月30日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48733#idx-4
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210430#idx-4

 そして、この緊急事態条項が、安倍政権によって容認された集団的自衛権、違憲の安保法制のもとで発動されれば、有無を言わせず米国の手先として戦争に参加させられ、日本が戦場となることを、IWJはこれまで多くのコンテンツを通じて指摘し続けてきました。日本は原発を抱えたまま、戦争に突入しなければならなくなるのです。

※コロナ禍に便乗した邪悪な改憲への悪質な誘導はもう始まっている! その先には独裁と「原発を抱えたまま破滅的な戦争への突入」が待っている!!(日刊IWJガイド、2021年5月4日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-5
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210504#idx-5

■2013年に岩上安身によるインタビューで柳澤協二氏が指摘! 「3.11の教訓は、通常弾頭のノドンで、原発の周辺施設が破壊されれば、メルトダウンにまで至るということ」! 2014年には「日本は核弾頭5発で全滅」と明らかに!

 2013年4月10日に行われた「岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビュー」では、すでに「原発×戦争リスク」がテーマとして取り上げられています。

 柳澤氏は、小泉政権、第一次安倍政権、福田政権、麻生政権の4代にわたり内閣官房副長官補を務め、自衛隊のイラク派遣にも関わってきた安全保障政策の専門家です。

 インタビュー当時、米韓の挑発的な合同演習に対して、北朝鮮がミサイルを発射するのではないかという情報が飛び交い、政府が市ヶ谷の防衛省敷地内に、地対空誘導パトリオット「PAC3」を配備するなど、軍事的な緊張が高まっていました。

 岩上安身が戦争になった場合を想定して「3.11以後、原発はメルトダウンが起こりうることが明らかになりました。まず、原発が狙われるのでは、と危惧しています」と述べると、柳澤氏は「3.11の教訓は、通常弾頭のノドンで、原発の周辺施設が破壊されれば、メルトダウンにまで至るということです」と明確に原発が攻撃目標となる危険性について答えています。

 これに対して岩上安身は「自民党政権は、改憲をして戦争をしようという方向に向かっています。原発を維持したまま戦争に乗り出すなど、自殺行為に等しい」と応じています。

 また、このインタビューでは海上自衛隊幹部学校で発表された論文「統合エアシー・バトル構想」についても語られています。この構想では日本列島全土が「バトルゾーン(戦場)」として想定された「ヤマサクラ」という日米合同軍事演習のシミュレーションが行われました。

 岩上安身が、自ら独自に入手した『ヤマサクラ』のパワーポイント資料の実物を示すと、柳澤氏は「『ヤマサクラ演習』には、私も参加しました」と述べて、この資料が本物であることを認めた上で「『統合エアシーバトル』を策定したシンクタンクの人によれば、この作戦はアメリカが勝つ前提で組まれているということでした。近年、中国の力が強くなっていることから、より遠くから、先に相手の主要な基地を叩くというものです」と明らかにしています(注・この米国の認識や戦略は、2013年当時のものであり、その後、中国の急速な国力の充実により、米軍が台湾有事で中国軍に勝利をおさめるのはもはや困難と米軍・米国自ら認めるようになり、「オフショア・コントロール」論が浮上。さらにバイデン政権に至って同盟国の動員を全面的に打ち出し、日米豪印のクアッドによる中国包囲網を画策していますが、これも水泡に帰す可能性が大です)。

 つまり、米軍は後方にいて、最前線に立たされるのは日本だということです。

※「日本は日米同盟を自己目的化している」イラク戦争時の自衛隊派遣責任者、自省を込めて語る~岩上安身による緊急インタビュー 第298回 ゲスト 元内閣官房副長官補・柳澤協二氏 2013.4.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/73357

 また、特定秘密保護法が強行採決された直後の2014年2月5日に行われた、岩上安身による柳澤氏へのインタビューでは、集団的自衛権の行使容認がテーマとなりました。

 このインタビューで、柳澤氏は「防衛研究所でスタディをやりましたが、国土が狭い日本は、核弾頭5発で全滅する」と明らかにし、「では中国を全滅させるのには何百発必要でしょうか。ですから、第二撃能力を持たなければ意味がないわけです」と述べて、日本が核武装することの非現実性を説いています。

 これに対して岩上安身は「原発を抱えているだけで、通常兵器でも被弾すれば、大変危険です」と述べ、「どうしても脱原発をさせないという勢力は、腹の中に核武装の思惑があるのではないか」と、指摘しました。

 柳澤氏は、「日本が核戦力を持つことは米国の国益とぶつかる」と指摘し、「核保有ができると思ってる人たちは、アメリカを敵に回す可能性について、どう計算しているのか。それを答える義務がある」と強調しました。

※安全保障のプロが語る、安倍「タカ派」外交の危険性~岩上安身によるインタビュー 第397回 ゲスト 元内閣官房副長官補・柳澤協二氏 2014.2.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/123724

■「Jアラート」で政府が北朝鮮の脅威を煽りまくった2017年、孫崎氏はミサイル防衛が不可能であることを詳述! 仮に命中すれば、真下はミサイルより大きな被害! PAC3配備は「北朝鮮に真剣に反応してるというイメージを国民に植え付けるため」!

 「北朝鮮から飛んでくるミサイルを撃ち落とすのは不可能だ」という孫崎氏の説明は、2017年に行われた岩上安身によるインタビューで、詳しく述べられています。

 この年、北朝鮮のミサイル発射実験が活発化し、安倍政権はミサイルが日本に落下する可能性がある場合、「Jアラート」で緊急情報が流し、物陰に隠れる等の避難訓練をうながしました。北朝鮮のミサイルの脅威を宣伝し、あからさまに政治利用する露骨なプロパガンダです。

 孫崎氏はイラン・イラク戦争当時、参事官としてイラクに赴任していたことからミサイル攻撃を経験しています。当時、イランは北朝鮮からテポドンを買い入れ、対戦国のイラクに撃ち込んでいました。

 2017年4月22日に行われた岩上安身のインタビューの中で、孫崎氏は、この時のテポドン体験について生々しく語っています。孫崎氏は「日本大使館にも着弾するかもしれない、その時どうするか。どうにもできない。せめてガラスのそばから離れよう」と、リアルな戦時下の経験を語りました。

※北朝鮮の弾道ミサイル、上空から日本への着弾までわずか3秒!? トランプ政権の変質と緊迫するシリア・北朝鮮情勢に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第744回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2017.4.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/375108

 さらに、2017年の8月12日に行われた岩上安身によるインタビューでは、孫崎氏は「(北朝鮮から)日本に来るノドンは200発から300発、もう実戦配備されています」と指摘。「日本に向かっているミサイルは、決して撃沈できない」と断言しています。

 これに対して岩上安身は、当時にわかに自民党内から持ち出されてきた「敵基地攻撃論」をあげ、「仮に発射前にでも、基地あたりにミサイルをぶち込んだとするじゃないですか。当然、残存核戦力が残りますよね。そして、その残存核戦力は日本に対して容赦ない核報復攻撃を行うわけですよね」と答えています。

 インタビューでは敵基地攻撃論者の小野寺五典氏に対し、北朝鮮の金正恩委員長が「日本列島を瞬時に焦土化できる」「日本列島が太平洋列島に沈没するかもしれないことをはっきり理解するべきである」と批判していることも取り上げています。「瞬時に焦土化」されるのは、当然、在日米軍基地、大都市、そして原発です。

 孫崎氏は「問題は、敵基地攻撃論というのは、ICBMを発射するときには、かなりまだ、液体燃料を使ったり、発射することがわかる状況なんです。だから、先制的に攻撃をしようと。撃つ前に先制攻撃をしようという」ことだと指摘し、「非常に重要なポイントは、この敵基地は、日本向けにある基地を攻撃するのでは、まったくないということですよね。仮に日本がICBMをやったとしても、それに参画したら、当然、報復を我々が受ける」と説明しました。

 さらに孫崎氏は、「どこに行くかわからないミサイルは、もう防衛ができない」と述べ、ミサイル防衛システムが役に立たないことを、次のように解説しました。

 「(ミサイルは)目的地がはっきりしてないときに、秒速2000メートルから3000メートルで落ちてくるんですよね。このPAC3は、言われているのは、マッハ5なんです。マッハ5っていうのは、秒速1800メートルなんです。1800メートルが追いかけて、落ちてくるのが2000メートルから3000メートルだから、こんなものはまずないんです。どこに来るかわからないから、ミサイル軌道計算ができないから撃ち落とすってことはありえない。これはまず第一。

 その次に、PAC3は射程距離が15キロしかないんですよ。15キロだから当たることはないんだけども、仮に当たったとすると、15キロの射程で上がっていくわけですね。ということは、上に向かって15キロですから、守っているところ(半径)というのは2キロぐらいしかないんです。

 上に行くわけだから、そうすると、上に向かってるわけだからね、守っているところというのは、ほんのわずかの1、2キロなんですよ。だから、自衛隊が配備したと言ったら、(当たる範囲は)その駐屯地(の上空)だけぐらいなんですよ。仮にうまくいったとしても。

 もう一つ言われるのは、落ちてくるときに、仮に当たったとしましょうか。15キロの上空、10キロぐらいのところで当たったとしましょうか。消えてなくならないんです。それ(ミサイルとPAC3の破片)が、バラバラに落ちてくるんです。バラバラに落ちてくるときの被害は、ミサイルが落ちるよりは、はるかにでかいんです」。

 「PAC3は何の意味もない」という孫崎氏は、PAC3の配備の理由を「一つはアメリカの軍需産業が喜ぶから。もう1つは、こういうようなものをやることによって、安倍政権は、北朝鮮のミサイルに対して、真剣に反応してるというイメージを国民に植えつけるため」と、ミサイル防衛が、その実、「政治的な芝居」でしかないことを明らかにしています。

※「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? ~岩上安身によるインタビュー 第778回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2017.8.12
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/395300

 孫崎氏には、2019年9月27日にも、米国による日本への中距離ミサイル配備構想についてお話をうかがっています。

※嫌韓騒動の裏で進行する米国による日本への中距離核ミサイル配備構想!? イラン敵視・イスラエル偏愛政策を進めるトランプ米政権と緊迫する中東情勢! ~岩上安身によるインタビュー 第962回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2019.9.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/457990

■2017年、海上自衛隊が安保法制施行後初の米艦防護! 柳澤協二氏は米国の抑止力が戦争の脅威となるジレンマを指摘! 標的となるのは在日米軍基地と原発施設!

 2017年は緊迫化する北朝鮮情勢を受けて、岩上安身は柳澤協二氏にもインタビューを行っています。このインタビューでは2017年5月に、安保法制の施行後初めて海上自衛隊が米艦防護を行ったことを取り上げました。

 柳澤氏は、「日本が米国と一体化して北朝鮮側に『脅威』を与え続けることが、逆に戦争を招き寄せてしまうのではないか」と、「抑止力のジレンマ」について繰り返し言及しました。北朝鮮が真っ先に狙う可能性がある青森県の米軍三沢基地周辺には、大間原発、東通原発、さらには六ケ所村再処理工場が、そして京都の経ヶ岬Xバンドレーダー基地のすぐ近くには若狭湾の「原発銀座」が存在します。

 米国と歩調をあわせて北朝鮮の「脅威」を煽るというのは、こうした核施設に核ミサイルが着弾するリスクを覚悟することと同義なのです。安倍氏や日本の右派には、はたしてこうした「覚悟」があるでしょうか?

※戦場は日本列島!緊迫化する北朝鮮情勢、安倍政権に核ミサイル着弾の「覚悟」はあるか~岩上安身によるインタビュー 第749回 ゲスト 元内閣官房副長官補・柳澤協二氏 2017.5.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/377549

■2017年、河合弘之弁護士が北朝鮮のミサイル攻撃を想定した高浜原発運転停止訴訟の代理人に! 金正恩は原子力関連施設、軍事施設への攻撃で「広島・長崎とは比較にならない酷い災難を負う」と言及している!

 原発へ北朝鮮がミサイルを打ち込む脅威については、脱原発弁護士の河合弘之氏が、2017年に「北朝鮮のミサイル攻撃を想定し高浜原発運転停止」を求めて大阪地検に提訴した代理人となりました。

 岩上安身は2017年9月15日に、河合弁護士にインタビューを行いました。

 インタビューで河合弁護士は「北朝鮮は日本の原子力関連施設を攻撃したら、もう日本はギブ・アップだということをよく知っている」と述べ、朝鮮労働党中央委員会の機関紙である北朝鮮労働新聞に掲載された記事の一節を紹介しました。

 記事には「日本領土には数多くの米軍核基地、原子力関連施設、軍事施設が各所に存在している。日本の20世紀40年代(1940年代)に負った核惨禍(長崎・広島原爆)とは、比較にならない程、酷い災難を負うことは避けることができない」と書かれています。

 河合弁護士は、この記事を読んで、北朝鮮は原子力発電所が日本の弱みであることを明確に意識していることを知り、恐ろしさに震えたといいます。河合氏は「(北朝鮮の)脅しではあるが、嘘ではない」と語りました。

 河合氏は「普通の原発を一年間運転すると、広島を襲った原爆の千倍の放射性物質が1基の原発の中に溜め込まれる。それがミサイルの直撃で破壊された場合、広島の原爆の千倍のセシウム137(内部被曝をもたらす物質)が放出される。つまり、(核ミサイルではなく)通常兵器であっても原発を攻撃すれば、原爆よりもひどい被害が出る」と解説し、原発は「敵国のための核弾頭」もしくは「自国のみに向けられた核兵器」だと訴えました。

※「真の愛国者ならミサイル危機を案じ、原発停止を主張すべきだ」~北朝鮮のミサイル攻撃を想定し高浜原発運転停止を訴える!~岩上安身によるインタビュー 第792回 ゲスト 河合弘之弁護士 2017.9.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/398232

※原発直撃で広島原爆千倍のセシウム放出の危険性! 北朝鮮の弾道ミサイルが発射された日、電力9社はどう対応したのか?~「真の愛国者なら『今、原発を止めろ!』と声をあげるべき」河合弘之弁護士 2017.9.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/398490

 河合氏には、今年2021年4月14日にもインタビューを行っています。

東海第2原発運転差止訴訟の勝訴をもたらした「歴史的判決」から、政府はトリチウム汚染水の海洋放出の問題、原発×戦争リスクまで! ~岩上安身によるインタビュー第1036回 ゲスト 東海第2原発運転差止訴訟・弁護団長河合弘之弁護士 2021.4.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491024

■米中の覇権争奪戦のために対米従属一辺倒の日本は「鉄砲玉」として利用される! 戦争が始まれば戦場となるのは日本! 以下のコンテンツも期間限定でフルオープンにします! ぜひ御覧ください!

 米中の覇権争いの中で、日本が対米従属を深め、戦争の前線に立たされる危機については、以下の岩上安身によるインタビューもぜひ、あわせて御覧ください。期間限定でフルオープンします!

※祝1000回記念!21世紀最大のテーマ「覇権をめぐる米中衝突」が現実に!常時臨戦国の「正体」を露わにした米国と属国日本!「朝鮮戦争の正体」が見せる真実!岩上安身によるインタビュー 元外務省情報局長・孫崎享氏 前編 2020.6.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/476496

※21世紀最大のテーマ「覇権をめぐる米中衝突」が現実に! 常時臨戦国の「正体」を露わにした米国と属国日本!「朝鮮戦争の正体」が見せる真実!岩上安身によるインタビュー 第1004回 ゲスト 元外務省情報局長・孫崎享氏 後編 2020.7.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/477967

※バイデン新政権始動! 強硬な対中国政策と「同盟再強化」は東アジアでの戦争発火へつながるのか? そのとき日本はもはや傍観できない~岩上安身による第1028回 ゲスト 元外務省情報局長・孫崎享氏 連続インタビュー第1回 2021.2.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/488564

※バイデン新政権始動! 強硬な対中国政策と「同盟再強化」は東アジアでの戦争発火へつながるのか?~岩上安身による第1030回 ゲスト 元外務省情報局長 孫崎享氏 連続インタビュー第2回 2021.2.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/488829

※バイデン新政権始動! 強硬な対中国政策と「同盟再強化」は東アジアでの戦争発火へつながるのか? 岩上安身によるインタビュー 第1032回 ゲスト 元外務省情報局長 孫崎享氏 連続インタビュー第3回 2021.3.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/489590

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(1) 自発的対米隷従国家・日本が対中ミサイル前線基地兼戦場に!? 米国の対中戦略を読み解く! 岩上安身によるインタビュー 第1013回 ゲスト 東アジア共同体研究所 須川清司上級研究員 2020.10.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/482747

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(2) バイデン新大統領の誕生で米中関係は? 米中覇権交代がコロナ禍で加速か!? 自発的対米隷従国家・日本はどうする!? 岩上安身によるインタビュー 第1017回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484505

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし? 米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!! 岩上安身によるインタビュー 第1018回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.12
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484696

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(4)政治とメディアが煽り続けた安易な「中国脅威論」!~岩上安身によるインタビュー第1022回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485330

 東アジア共同体研究所上級研究員の須川清司氏には、2020年の10月6日に日米豪印外相会合、10月19日に日豪防衛相会談での中国包囲網の強化に関してコメントをいただき、テキスト記事にしています。

 こちらもフルオープンにします。この機会に、ぜひ、あわせてご一読ください。

※自衛隊によるオーストラリア軍に対する武器等防護問題についてIWJが有識者へメールで直撃質問! 有識者の回答2 東アジア共同体研究所上級研究員・須川清司氏「日本に対米隷従を強いるというよりも、日本が自ら駒になって喜んでいるように見える」!! 2020.10.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483220

■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 6】ネット初出演の憲法学第一人者が、緊急事態条項はじめ、自民党改憲草案を逐一批判!! 本日午後8時から2016年収録「憲法学の『神様』がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授」を再配信します!

 改憲へつながる、国民投票法の採決が5月6日に迫る中、本日午後8時から、2016年2月17日に収録した、岩上安身による樋口陽一東京大学名誉教授インタビューを再配信します。

 インタビュー冒頭で岩上が「あらゆる憲法学者の方々は、共通して先生を第一人者と頌(しょう)しておられました」と語ったように、樋口名誉教授は「憲法学の神様」とまで言われれる、日本の憲法学を代表する碩学です。

 それとともに、御本人が、出るのは「新聞か街頭のみ」と語られたように、新聞以外のメディアには登場されておらず、ネットへの出演は、この岩上安身によるIWJでのインタビューで初めて実現した貴重な動画です。なお「街頭」とは、国会前での「戦争立法」反対の抗議行動等への参加を指します。

※【緊急アップ!】樋口陽一氏「この国の今と未来にもう一度自信を持ちました」 雨の国会前に若者ら2500人が集結! ~6.19 SEALDs主催「戦争立法」反対抗議 2015.6.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/249886

 自民党は2012年に「日本国憲法改正草案」を発表しました。そこに盛り込まれた「緊急事態条項」をはじめとする条文が大きな批判を巻き起こし、IWJでも繰り返し批判を行ってきました。2016年に収録されたこの貴重なインタビューでは、この2012年の自民党改憲草案の98、99条の緊急事態条項と、改憲草案の全体について、樋口名誉教授にお話をうかがったものです。

 自民党が、その後2018年に発表した「改憲たたき台素案」では、緊急事態条項の表現は12年版に比べて表向きソフトにされ、それによって、社会からの注目や批判は薄らぎました。しかし、それが社会の目を欺くカモフラージュであり、実は「旧案よりはるかに危険になっている」ことは、5月3日と5月4日に連続再配信した、岩上安身による永井幸寿弁護士インタビューで明らかにされています。永井弁護士へのインタビューは、下記から御覧いただけます。期間限定でフルオープンにします。

※【第396-401号】岩上安身のIWJ特報!いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(前編) 2018.11.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/434774

※いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21 岩上安身によるインタビュー 第872回 ゲスト 永井幸寿弁護士 2018.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982

 一方、2018年の「改憲たたき台素案」でカモフラージュされた、自民党が目指す憲法改悪の意図は、2012年の「日本国憲法改正草案」には、より生々しい形で随所に盛り込まれていました。それらを逐一批判いただいた点でも、この樋口氏へのインタビューは必見です。現在でも改憲派は、決して2012年に込めた意図や方向性を捨て去ってはいないのですから。

 インタビューで樋口氏は、自民党改憲草案の危険性と法的矛盾を、次々と論破していきました。

 まず、現行憲法の「権力を縛ること」を逆転させたのが自民党憲法改正草案だと指摘。「憲法とは、国民主権や国民の自由を保障するものだ。ただし、その自由には例外があり、それを法律で制限し、適切かどうかを裁判所が判断する。あくまでも憲法の本領は権力を縛ることにある。国家緊急権(緊急事態条項)は、縛られる側が、縛りを緩めてくれという話だ」と述べました。

 そして、安倍総理らの他国の憲法にはどこにでもあるという根拠には、「それぞれの国は、背景も環境も違う。強権的国家も、独裁体制もある国と、一緒に議論することは慎んでもらいたい」と釘を刺し、ヒトラーが独裁政権を成し遂げた経緯や、フランスのパリ同時多発テロで適用された国家緊急権の実態などを説明しました。

 また、樋口氏は、「日本国憲法の中で、一番の要の条文は、『すべて国民は、個人として尊重される。~公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする』の13条だ」とし、「近代思想の核心が『個人』だ。『人』になってもらうということは、(個人よりも)動物、生物的なニュアンスが強い」と述べ、自民党改憲草案で、その『個人』が『人』に書き換えられていることへの法的な重大さを説きました。

 そして、改憲草案前文などに散見される日本の伝統回帰に関しても、「『和』『助け合い』『家族』という言葉が、日本の長い歴史のなかで、どういう役割を演じてきたかが、法的観点からみると大事」だと指摘します。

 「『助け合い』は、戦争体験者にとって、隣組、相互監視を連想させ、『和』は、『議論してはいけない。長いものには巻かれろ』。家族はもっと深刻で、戦前まで女性に対してどういう扱いをしてきたのか(家長である男性への女性の服従)」と看破しました。

 ところが「前文には『活力ある経済活動による成長』という言葉も登場し、『岩盤をドリルで壊す』ように、古き良き日本は、砕かれていく」と指摘。その上で、次のように批判します。

 「現行憲法22条は、『何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する』と経済活動の自由を保障してあるが、経済活動を闇雲に自由にすると、労働基本権、25条の生存権を損なう恐れがあるので、『公共の福祉に反しない限り』の文言を加えた」

 「ところが改憲草案では、22条『何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する』とだけにして、『公共の福祉に反しない限り』を切り捨てた。その代わりに、12条(国民の責務)、13条(人としての尊重等)、21条(表現の自由)には、『公益及び公の秩序に反してはならない』を書き入れている」

 つまり改憲草案には、「伝統回帰と新自由主義の思想の矛盾する2本柱が書かれている」と、改憲草案の矛盾を指摘しました。改憲草案はご都合主義の内容であり、「それらが巡り巡って、『緊急事態条項』で帰結する。決して緊急事態の対処ではないことを、真剣に考えなければいけない」と、樋口氏は最後まで鋭く批判を展開しました。

 ぜひ本日午後8時からの、樋口陽一東京大学名誉教授インタビューの再配信を御覧ください!

——-

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 6・IWJ_YouTube Live】20:00~
憲法学の「神様」がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授
[視聴URL] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

——-

 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、城石裕幸、木原匡康、仲川正紀、中村尚貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/