日刊IWJガイド・連休特別公開版「本日、コロナ禍を悪用しての自民党改憲のための国民投票法「改悪」案の採決! IWJは、国民投票法「改悪」案採決に明白に反対します!皆さまからのご支援で活動を支えてください!」2021.05.06号~No.3157号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~本日、コロナ禍を悪用しての自民党改憲案のための国民投票法「改悪」案の採決! IWJは、国民投票法「改悪」案採決にも、自民党改憲案の中の危険な緊急事態条項にも反対します!4月のご寄付は暫定の集計で387万5000円でした。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかしながら、目標額まで62万5000円届きませんでした。 皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!
■【中継番組表】
■ブリンケン米国務長官がリードするG7外相会合で茂木敏充大臣は米国と口を揃えて中国の脅威を強調! しかし、米国内でも「自由で開かれたインド太平洋」戦略構想の有効性に疑義が! 中国事情に詳しいエコノミスト田代秀敏氏は、岩上安身のインタビューで、現在の中国の国力の勢いを語っています!
■中国通のエコノミスト、田代秀敏氏から岩上安身に送られてきた中国の現状!上海で巨大モーターショー開催、そして上海ディスニーランドの活況!
■国民投票法改正から改憲による緊急事態条項新設へ! その先に待つのは対米従属による「原発×戦争リスク」! IWJ関連コンテンツを期間限定でフルオープンします! 以下、一挙ご紹介します! ぜひ、御覧になってください!
■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 7・IWJ_YouTube Live】本日午後8時から「『自民党に入れたら必ず改憲される』――梓澤和幸弁護士が衆院選投開票日直前に緊急アピール! 米軍との一体化を可能にする9条3項加憲と緊急事態条項で日本は戦争に突き進み壊滅!?」を再配信します!
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■はじめに~本日、コロナ禍を悪用しての自民党改憲案のための国民投票法「改悪」案の採決! IWJは、国民投票法「改悪」案採決にも、自民党改憲案の中の危険な緊急事態条項にも反対します!4月のご寄付は暫定の集計で387万5000円でした。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかしながら、目標額まで62万5000円届きませんでした。 皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 いよいよ連休が明けました。今年の連休は、いかがでしたでしょうか。

 連休後の2つの懸念を、IWJは、繰り返しお伝えしてきました。

 ひとつは、変異株の感染状況です。連休中の大阪と東京の感染状況は、重症者の数こそ異なりますが、同期し始めた印象があります。それは従来株では感染が少ないとされてきた10代以下の感染者が、大阪も東京も、コンスタントに全感染者の約10%出るようになったことにも現れています。

 東京もN501Y変異を持つ変異株が急速に拡大していることが、この大阪と同じ10代以下の感染割合から推定されます。

 さらに、連休中の大阪の重症者の内訳を見ると、50代以下の若い人の重症者が急激に増えています。5月3日にはその割合は43%に達しました。しかも、30代の2人の重症者には基礎疾患はなく、40代が6人も重症になっています。このうち基礎疾患のある人は2人だけでした。もはや、N501Y変異を持つ変異株は、従来株とはまったく別の性質を持ったウイルスと考える必要があります。

 この1年余りの間にたくわえた旧来株の知見や経験値ではそいのまま役に立ちません。情報の更新が速やかに必要です!

 大阪で防げなかった変異株の感染拡大を、東京では防ぐことができるという現実的な根拠はまったく見当たりません。

 東京でも、至るところで若年層の陽性者が出ていますし、症状が重くなければ自宅待機です。ある保健所の関係者によると、「もう隔離先の施設の空きがない」とのことで、狭い家の中で家族と過ごさざるを得なくなり、その家族らのPCR検査も遅れ遅れになっています。

 病院に入院できた人や入院先が決まった人の割合を示す「入院率」を見ると、連休直前の4月27日時点で、大阪府は、10.5%で全国最下位でした。なんと、10人に1人しか入院できません。兵庫は15.6%、京都は19.9%です。東京は、連休前時点で31.8%です。連休後はさらなる病床の逼迫が懸念されます。

※都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)(2021年4月30日更新[PDF形式:644KB])(厚労省、2021年5月5日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html

 大阪では4月16日に1日の死亡数が10名を超えてから、1日あたりの死亡者数が増加し続けています。

 5月5日の国内の死亡者数は59名ですが、その半分近い25名の方が大阪で亡くなっています。

 大阪ではこの1週間で、4月29日44名、30日8名、5月1日41名、2日16名、3日19名、4日20名と、173名(7日間平均で24.7名)の方が亡くなっています。全国でこの1週間に亡くなられた方が422名ですから、約4割の方が大阪で亡くなられています。

※新型コロナウイルス国内感染の状況(東洋経済、2021年5月5日)
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 5月5日、大阪府では、実際に運用されている重傷者用病床361床を患者数372人が上回り、病床運用率が103%と、はじめて100%を超えました。そのほか、滋賀県の医療機関が1名を受け入れ、大阪府の要請に従って73人が軽症・中等症者用病床で治療中です。大阪の重症者数は446人になっていますが、十分な医療を受けられない状況です。

※新型コロナ 大阪の重症病床運用率初めて100%超える(NHK、2021年5月5日)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210505/2000045126.html

 大阪府によると、この1週間で陽性率も7.4%から10.3%へと大きく増加しています。新規陽性者数が668人に対して、PCR検査数と抗原検査数の両方をあわせても、6465件と圧倒的な検査不足の状態で、多くの感染者が捕捉されていないと推測されます。捕捉されないまま、無症状者が動き回って感染拡大を引き起こしたり、検査されないまま、亡くなって、別の死因がつけられておしまいとされる方がいてもおかしくはありません。その場合、医療関係者へも、感染が広がってゆくリスクが避けられません。

 テレビに連日出ずっぱりで、検査をさらに抑制し続けろと訴え続けているのが、大阪維新の会の創設者である橋下徹氏です。大阪市長と大阪府知事もつとめ、「政界引退」表明後も維新に対して強い影響力をもつ橋下氏の主張の通りに検査を抑制し続けてきて、今も抑制している大阪のこの惨状は、誰に責任があるのでしょう。

※新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について(大阪府、2021年5月5日)
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/0505.pdf

 大阪では多くの方々が必要な検査も治療も受けられない状況にあります。繰り返しますが、科学的な根拠のない間違った思い込みでPCR検査を抑制し続け、医療崩壊を招いた失政のツケは大阪だけではなく、日本国民全体の命と健康を脅かすことでしょう。

 ここにきて、政府は4度目の緊急事態宣言の期限を5月11日から2週間から1ヶ月延長する方向で検討に入りました。

 当初より今回の緊急事態宣言の終了日は5月11日とされ、科学的根拠が乏しいと批判されてきましたが、やはりと言うべきか、延長に突入する可能性が濃厚となってきました。

 東京五輪開催を強硬に主張するIOCのバッハ会長が、5月16日に来日の予定ですが、その前にコロナ第4波を収束させたかった日本政府のもくろみは、ものの見事に外れました。

 もともと、無理な設定であり、第4波を抑え込むための、何らの対策も講じてこなかったのですから、当然の結果というべきです。いい加減な希望的観測にもとづいた失政のツケが次々と国民に回されてきます。

 このような政府に「緊急事態条項」で全権委任するなどということは、恐怖を通り越して、ブラックジョークのように思われてなりません。もちろん、菅政権は本気で事を進めようとしているのであり、冗談と思ってはいけないのですが。

※緊急事態宣言、2週間~1カ月延長で調整 週内にも決定(朝日新聞、2021年5月5日)
https://digital.asahi.com/articles/ASP556HG5P55UTFK002.html?iref=comtop_7_01

 もう一つの連休後の大きな懸念が、本日行われる可能性のある国民投票法改悪案の衆議院採決です。

 入院できず、入院できても若い人も重症化し、毎日バタバタと人が死んでいるこのコロナ禍で、こともあろうに、戦争のための戦時独裁体制を準備する、改憲による緊急事態条項の導入に「悪用」しようというとんでもない魂胆なのです。これは自民党によるショック・ドクトリンそのものです。チリのピノチェットのクーデターと独裁を思い出すべきです。

 チリには、米国のシカゴボーイズと呼ばれる、シカゴ大学の新自由主義者の元締め、ミルトン・フリードマンの弟子の経済学者らが入り込み、ショック・ドクトリンを推し進めました。米国は自らを自由・民主主義・人権の普遍的価値も守護者と自認しておきながら、自らの都合次第で他国の民主主義体制を覆し、独裁体制を支援してきたことを忘れてはなりません。

 この、惨事便乗型の改憲による独裁条項の導入画策で、自民党政治というものが、いったい誰のためのものなのか、はっきりと示されたと言えます。こんな悪だくみをしている暇があったら、大阪、兵庫、東京を助けることが先でしょう。

 まともな政治家、まともな政党、まともな民主主義者、まともな愛国者であれば、真っ先にそうしているはずです。比喩ではなく、庶民は菅政権によって落とさなくてもいい命を落とし、その上でこの悲劇を、次の悲劇の準備のための仕掛けに利用しようとしているのです。

 繰り返しお伝えしていますが、国民投票法改悪案の成立を急ぐ理由は、国民に真実を知らせないまま、戦時独裁体制の樹立につながる緊急事態条項の入った自民党改憲案を成立させるための手段です。IWJは、国民投票法「改悪」案採決に強く反対します! 

 さらに、これまで、米軍と自衛隊は国会のコントロールや、メディア、国民の監視の届かないところで、密かに垂直に統合され、対中国との戦争準備を重ねてきました。米中覇権争いの道具として自衛隊が使われ、日本列島が戦場となるというシナリオです。

 自民党改憲案の中に埋め込まれた「緊急事態条項」が、国会発議、国民投票を経て憲法に書き込まれ、発令されてしまえば、国内的には、戦時独裁体制の確立、対外的には、米国の手先として対中戦争に自発的に参戦させられ、日本が戦場となることを、IWJはこれまで多くのコンテンツを通じて指摘し続けてきました。

 しかも、日本は原発54基を抱えたまま、戦争に突入しなければならなくなるのです。日本列島が核汚染されれば、日本国民はこの列島に生きてゆくことができなくなります。

※コロナ禍に便乗した邪悪な改憲への悪質な誘導はもう始まっている! その先には独裁と「原発を抱えたまま破滅的な戦争への突入」が待っている!!(日刊IWJガイド、2021年5月4日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-5
 
 IWJは、衆院憲法審査会で与党が採決を目論む5月6月を見すえて、このGW中、この国民投票法改悪案の正体と緊急事態条項の危険性、対中国戦争の無謀さをお伝えする企画を連続してお送りしています。

 この5月は、コロナ禍を悪用して、米国に従属した属国のままの独裁へひた走る自民党のショック・ドクトリンとの「決戦」の時です! 民主主義、国民主権、平和と生命、人権を守るため、一歩も退くことはできません!

 民主主義は守り抜かなくてはならない。ナチスも顔負けの自民党の改憲案の最悪の「正体」について、広く、多くの方々に知っていただくため、この期間に会員向けのコンテンツを一部フルオープンにします。一人でも多くの方々に、我が身に迫る危機について、真実を知っていただくために、ぜひ皆さまひとりひとりのお力で、より多くの方々にIWJのコンテンツについて拡散してください!

 IWJは独立メディアとして、特定スポンサーに依存せず、権力におもねることも、媚びることもなく、活動し続けてきました。社名に独立を意味する「Independent」を入れたのは、日本の真の「自立」を願ってのことです。

 国家として「独立」することと、その国家の主権者は国民であること。「国民主権」は絶対に譲ってはならない。これはIWJの背骨を貫くポリシーです。

日刊ガイド4月21日号で岩上安身は「ナチスの聖火リレーをやめない自民党と公明党の菅政権は、その裏で、あろうことかナチスドイツのヒトラーの独裁体制を樹立した授権法(全権委任法)に匹敵する緊急事態条項を含んだ、改憲案を容易に成立させられるようにする国民投票法の改悪を可決しようとしています! しかもコロナ禍で国民が苦しんでいるただ中においてです」と書きました。
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48686

 コロナ禍と五輪の陰でこっそりと改憲へのステップを踏み、国家緊急権によって内閣による独裁が可能となる緊急事態条項の導入をしようとする企みは、国会(立法府)を空洞化し、国民から主権を奪うものです。この改憲が実現されれば、国会はフリーズされ、国民は半永久的に選挙の機会を失うでしょう。

 政府与党、衆議院の憲法審査会において、本日5月6日、改憲を容易にする国民投票法の改悪案が採決されようとしていますが、こんな暴挙は絶対に許してはなりません!

 新聞・テレビなどの他の大手マスメディア等はほとんどこの本日の採決のもつ意味やその危険性をクローズアップしません。それどころか、自民党改憲案の緊急事態条項の真の危険性を国民に伝えることを、あからさまにサボタージュしています!

 コロナ対策のためには国家権力の強化が必要だとする菅政権のデタラメな主張に対し、根本的な批判を加えることなく、この政治的なペテンに加担しています! しかし、マスメディアがいくらごまかしても、真の独立メディアであるIWJは、そんな政治的ペテンを見逃しません!

 なぜ、平和で自由と民主主義とが根付いたはずの日本において、独裁体制を築こうとするのか。これは戦時体制を築くためです。何のため、どの国との戦争なのか。米国の思惑によって日本が「鉄砲玉」に仕立て上げられ、中国との戦争に駆り出されるためです。

 IWJは、この危険性を10年も前から見越して警告を発してきました。

 IWJは独裁にも、米国の従属にも、当然ながら中国への従属にも反対しています。日本は、独立した、真の主権国家であるべきです。この国の運命を決めるのは、この国の国民でなくてはなりません!

 「原発を抱えたまま破滅的な戦争」に突入することにも、もちろん反対です。このまま米国の「鉄砲玉」に、無自覚に仕立て上げられてはいけません。安倍政権と同様、菅政権も突き進む破滅的な対米従属の罠にはまってはなりません。我々は、民主的な主権国家の道に引き返すべきです。

 自由と民主主義・法の支配・人権を守り抜くだけでなく、極右・極左の両方の全体主義にも反対し、平和を維持しながら国民主権にもとづく日本国家の自立を求めるべく、IWJは報道・言論活動を行ってきました。

 そうした報道・言論活動をIWJ設立以来10年続けることができたのは、特定のスポンサーに頼らず、IWJの姿勢に共感してくださる一般市民の皆さまのご支援によって支えられてきたからです! 改めてそのことに感謝申し上げます。本当にありがとうございます!

 しかし、今後、そうした、権力の言いなりにならない、独立した報道・言論活動が続けていけるのか、今は、正念場です。

 4月のご寄付は、30日時点の暫定の集計で、196件、387万5000円となりました。これは、月間目標額である450万円の86%にあたります。

 IWJへのご支援をお寄せくださった皆さま、本当にありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝を申し上げます。

 しかしながら、暫定の集計では目標額まで、62万5000円、届きませんでした。この分は累積の不足分に加わります。

 昨年8月から今年3月までの、今期第11期・8ヶ月間のご寄付の実績は、目標額と比べてみますとマイナスで、3月末までの累積の不足分は497万円にのぼります。これに62万5000円が加わり、4月を含む累積の不足額は559万5000円となってしまいました。期末まであと3ヶ月、ずしりと重くのしかかります。このままでは、7月末の期末は大幅な赤字転落となってしまう危険性があります。

 IWJが真のジャーナリズムを今後も継続していくためには、皆さまの会費とご寄付・カンパによるご支援が欠かせませんが、IWJは今、どちらも不足しており、経済的に苦しい状況に直面しています。

 赤字が重なれば、これまでのような独立したジャーナリズム活動を維持して、IWJを存続させていくことは困難になってしまいます。

 現在、岩上安身は自身の報酬を100%カットし、今期末まで「ただ働き」のまま、「手弁当」どころか「持ち出し」で、日々の激務に取り組んでいます。しかし、岩上安身個人にしわ寄せをする「異常」な状況が続いては、この先、IWJが存続し、活動し続けることはできません。

 IWJは、岩上安身個人からこれまで993万5000円借り入れており、まったく返済できておりません。

 前期の第10期の期末の2020年7月末までは、岩上安身からの借入金残高は、233万5000円でした。

 その後、2度に分けて40万円を返済し、2020年9月末には岩上安身からの借入金の残高は193万5000円まで減らしていました。

 しかし、コロナ禍の急速な深まりとともに、会費が減り、ご寄付が減り、収入が急激に減ってしまって、資金繰りが非常に厳しくなってしまいました。

 そこで、2020年10月末と、明けて2021年1月20日にそれぞれ400万円ずつ岩上安身から借り入れを行い、残高は993万5000円にまで再び膨れ上がってしまいました。

 その後、IWJは岩上安身に返済できず、借入金残高は現時点まで、そのままの状態となっています。岩上安身が、IWJの危機に直面しても、これ以上私財を投入できないのは、すでに1000万円近い金額をIWJに貸しており、しかもIWJから報酬を得ることなく「ただ働き」で働き続けているので、これ以上は、貯金が底を尽いてしまうからです。

 先月3月末までに、多くの方々からご寄付・カンパをいただきましたが、それらはすべてIWJの運営にあて、岩上安身への返済には1円も回しておりません。

 岩上安身も一人の人間であり、生活者であり、扶養しなければならない家族もいます。老後の貯えを削ることにも限界があります。

 IWJが赤字転落した場合、岩上安身がこれ以上個人でIWJを支えるのは不可能です。

 経理が、現時点で様々な要素(支出を必死に切り詰めたり、岩上安身の報酬を全額カットしたことなども含めて)を考慮に入れ、改めて試算し直したところ、今期の赤字転落を避けるためには、今後、第11期の期末となる、7月末までの約4ヶ月の間に、寄付・カンパが最低でもあと1800万円必要であるという結果が出ました。

 ここに、4月のご寄付の合計金額387万5000円が加わりましたので、今期の残り3ヶ月間(92日間)のご寄付の目標額は、1412万5000円となりました。これを3ヶ月で割ると、5月、6月、7月で毎月470万8000円をご寄付・カンパでお願いしなければならなくなります。

 会費収入については、コロナ禍による会員の減少に伴い、前期比20%減の予想となっています。この現実は大変重くのしかかっています。

 前期の会費収入は8322万円でしたが、今期の予想はマイナス1672万円の6650万円になるだろうと予測しています。これは、あくまで現状で会員数が下げ止まり、維持されると仮定した予測です。会員数がさらに減れば、もっと状況は厳しくなるでしょう。

 会員数の減少に伴う会費の減少により、なおさら、ご寄付・カンパでのご支援が本当に重要になってきています。

 前述の通り、IWJが特定のスポンサーや権力に対して、顔色をうかがうことなく、独立した自由な報道と言論をこれまで展開できてきたのは、市民の皆さまのご支援があってのことです。

 私たちは、ご寄付や会費という形で、市民の皆さまから託された期待に、独立メディアとして使命を果たすことで、こたえたいと思っています。

 IWJは、岩上安身以下、スタッフ一同、IWJを必要としてくださる皆さまのご期待に沿えるように、これからも懸命に頑張ります! そのためにもIWJを支えてくださる市民の皆さまのご支援、ご協力が、どうしても必要です!

 ぜひ、ご支援、応援をよろしくお願いいたします!

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◆中継番組表◆

**2021.5.6 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 7・IWJ_YouTube Live】20:00~「『自民党に入れたら必ず改憲される』――梓澤和幸弁護士が衆院選投開票日直前に緊急アピール! 米軍との一体化を可能にする9条3項加憲と緊急事態条項で日本は戦争に突き進み壊滅!?」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2017年10月に収録した、IWJ記者による梓澤和幸弁護士インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた緊急事態条項関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b7%8a%e6%80%a5%e4%ba%8b%e6%85%8b%e6%9d%a1%e9%a0%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/402624

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◆中継番組表◆

**2021.5.7 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 8・IWJ_YouTube Live】20:00~「自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で『ナチスの手口』がいよいよ現実に!? ~岩上安身によるインタビュー 第795回 ゲスト 早稲田大学教授 長谷部恭男氏」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2017年9月に収録した、岩上安身による長谷部恭男氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた憲法改正関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%86%b2%e6%b3%95%e6%94%b9%e6%ad%a3

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/398845

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■ブリンケン米国務長官がリードするG7外相会合で茂木敏充大臣は米国と口を揃えて中国の脅威を強調! しかし、米国内でも「自由で開かれたインド太平洋」戦略構想の有効性に疑義が! 中国事情に詳しいエコノミスト田代秀敏氏は、岩上安身のインタビューで、現在の中国の国力の勢いを語っています!

 ロンドンで開催されているG7外相会合の2日目となる5月4日、茂木外務大臣は、中国の海警法の施行、東シナ海・南シナ海での活動、新疆ウイグル自治区での人権問題に関して深刻な懸念を表明しました。

※G7外相会合 茂木外相 中国に深刻な懸念表明(NHK、2021年5月5日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210505/k10013013041000.html

 ブルームバーグは今回のG7開催に先立って、米国が作成した文書が回覧されたと報じています。この文書の内容は明らかにされていませんが、4日はブリンケン米国務長官が主導する中国に関する話し合いで、米国は、中国に対するG7諸国の協調を呼びかけています。

※米、中国対応でG7協調を提案-経済的支配に対抗する枠組み求める(ブルームバーグ、2021年5月5日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-04/QSL67ET0AFB401

 G7(Group of Seven)は米、英、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本の7カ国ですが、その議題はその場に参加していない「中国」です。

 購買力平価GDPでみると、2014年以降は中国がすでに米国を上回っていることは、岩上安身のインタビューなどでも繰り返しお伝えしてきました。

 世界銀行による2020年の購買力平価GDP統計によれば、1位中国は24兆1428億3000万ドルで、2位の米国20兆9327億5000万ドルを大きく上回っています。第3位インドは8兆9071億1200万ドル、第4位日本は5兆3130億2000万ドルです。

 その他のG7参加国は、5位ドイツが4兆4967億8000万ドル、9位フランスが2兆9997億3000万ドル、10位英国が2兆9599億2000万ドル、12位イタリアが2兆4616億7000万ドル、15位カナダが1兆8500億7000万ドルです。

※世界の購買力平価GDP 国別ランキング・推移(IMF)(グローバルノート、2021年4月9日更新)
https://www.globalnote.jp/post-12801.html

 すなわち、G7を全部あわせるとすると40兆ドルを超え、中国を凌駕しますが、日米をあわせても26兆ドルでようやく中国を上回り、その他の5カ国は全部あわせても15兆ドル程で、ここに日本を入れても中国に及びません。

 また、輸出総額と輸入総額の差額、貿易収支を見ると、世界第1位の黒字国である中国は、5353億6900万ドル、第2位のドイツは2092億1200万ドル、7位のイタリアが732億2900万ドル、31位の日本は68億6200万ドルで、ここまでが、G7においてかろうじて黒字国となります。

 それ以外の国々、たとえばカナダはなんと209位で230億3800万ドルの赤字、フランスはさらにひどく214位で940億0700万ドルの赤字、中国包囲網である米日豪印のクアッドに参加することを検討しているとも言われる英国は216位で、2313億9100万ドルの赤字です。英国は、最近核弾頭数を大幅に増やし、艦船を東アジアへ送ると意気まいていますが、その前に軍拡で国が沈没しかねないでしょう。

 そして残るは世界最大の赤字国である米国です。217位の米国の赤字は9759億0700万ドルにものぼります。中国経済とデカップリングしようと、トランプ政権もバイデン政権もしていますが、中国が大量に保有している米国株を売り払ったら、米国経済は沈没することでしょう。その際、同じく米国株を大量に保有している日本は、売り遅れて大ダメージを食うに違いありません。G7全体で1兆ドル近く赤字を出しているというわけです。

※世界の貿易収支 国別ランキング・推移(グローバルノート、2021年4月20日更新)
https://www.globalnote.jp/post-3277.html

 貿易で稼いだ巨額の黒字が、中国政府がユーラシアおよびアフリカで進める「一帯一路」のプロジェクトの原動力になっています。日本経済新聞は、2019年末の時点で中国が過去10年間で投資した先は少なくとも18カ国・25案件、総投資額は1兆2000億円に達している、と報じています。ギリシャのピレウス港、G7のメンバーでもあるイタリアのバド港、オランダのロッテルダム港、ベルギーのセーブルージュ港などヨーロッパ各地の港湾に、さらに「アフリカの角」といわれるジブチのジブチ港、スリランカのコロンボ港などです。

※中国、海外港湾に1.2兆円投資 国有2社、一帯一路先導(日本経済新聞、2019年12月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53846620W9A221C1FFJ000/

 対する米国は、5月1日から正式にアフガニスタン撤退が始まったように、今の米国が支えるには拡大しすぎた世界展開を縮小する方向に向かおうとしています。『フォーリン・アフェアーズ』2021年4月号には、「インド太平洋戦略の幻想」と題する論文が巻頭に掲げられました。

 著者のビクトリア大学教授ヴァン・ジャクソン氏は、東アジアと太平洋こそ、米国が死守すべき「アジアにおけるアメリカのパワーと影響力にとっての中核地域」であり、「インド洋地域にはこれ(東アジアと太平洋)に匹敵するような同盟関係もなければ、責任や利益も有していない」と主張しています。

※ヴァン・ジャクソン「インド太平洋戦略の幻想」(『フォーリン・アフェアーズ』2021年4月号)

 米中の覇権交代が始まっており、それは不可逆的であると指摘したのは、ハーバード大学教授グレアム・アリソン氏の『米中戦争前夜』(2017)でした。すでに4年前の出版ですが、そのなかで、アリソン教授は「ほとんどの指標で、中国がとっくにアメリカを追い抜いている」と指摘しています。

 「2011年~13年に中国が製造・使用したセメントの量は、アメリカが20世紀全体で製造・使用した量よりも多かった」し、「2011年にはある中国企業が30階建てのビルをたったの15日間で建設した」し、「ヨーロッパの全住宅と同じ戸数の住宅を、やはり15日間で建設した」、「北京市は2015年11月、1300トンの三元橋をたった43時間で架け替え」、「中国は1996年から20年で、約420万キロの道路(高速道路11万キロを含む)を建設し、国内95の村を結んだ。その高速道路網はアメリカの1.5倍の長さとなり、世界一に躍り出た」と、アリソン教授は中国の建設力の膨大な規模と速度の驚嘆すべき事例を列挙しています。

※グレアム・アリソン『米中戦争前夜』(2017年、ダイヤモンド社)

 アリソン教授が例に挙げた中国の爆発的な力とスピードは、昨年始まった新型コロナウイルスのパンデミックでも遺憾なく発揮されました。武漢で原因不明の肺炎患者が12月31日に確認されるや否や、1月7日に新型コロナウイルスのウイルス株の分離に成功、1月16日にPCR検査キットを完成、武漢の69カ所の病院で検査を始めました。

 「火神山」病院を10日間で建設、2月3日に運営を開始。「雷神山」病院も2月5日に運営開始しています。両院で2500床のコロナ専用病床を確保し、さらに既存施設の改修なども含めて5000床を確保、全国から4.2万人の医療スタッフを動員しています。

※火神山・雷神山医院10日間での建設全記録(ものつくり大学)
http://www.monotsukuri.net/daisinsai/kasinraisin.pdf

 1月14日に行われた岩上安身のインタビューで、中国事情に詳しいエコノミスト・田代秀敏氏は、「中国ではコロナはもう終わった話ですから。人口1658万の成都では、マスクなし、社会的距離なし、子供達が密になって雪を楽しんでいます」と述べています。

※「『アメリカンデモクラシー』の終焉、ヒットラーの亡霊が米議事堂に」!! バイデンは「世界最大のリスク」!? 尖閣めぐる安全保障政策は!?~岩上安身によるインタビュー 第1027回 ゲスト 中国通エコノミスト・田代秀敏氏インタビュー第5弾! 2021.1.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487706

 田代氏は、中国河北省の石家荘市でのコロナ感染拡大対策を紹介しています。人口1103万人の石家荘市では、1月14日に14人の感染者が確認されるや否や、ただちにロックダウンされ、検査場が5000箇所以上設置され、全住民PCR検査と全市ロックダウンが実施されました。

 2020年10月11日に、青島市で3名の感染者が確認されると、11日の夜には全住民900万人に対するPCR検査が始まり、5日間で検査を完了しています。感染症対策の基本「検査と隔離」に忠実に、しかもPCR検査の圧倒的なスピードと量で、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んでいます。

※中国・石家荘市でロックダウン 100人超が感染(BBC、 2021年1月8日)
https://www.bbc.com/japanese/55583614

※青島市、不眠不休で新型コロナ対策 全市民検査は人々の安心のため(AFP、2020年11月9日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3314697

 その結果、現在中国の累計感染者数は9万721人と世界96位、死亡者数も4636人と世界58位です。徹底的にPCR検査を忌避し、コロナ専用病棟の必要さえ認めてこなかった日本はついに第4波を迎え、累計感染者数が60万7626人(世界38位)、死亡者数も1万420人(世界41位)と中国をはるかに上回っています。

※COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC(worldometer、2021年5月5日閲覧)
https://www.worldometers.info/coronavirus/?fbclid=IwAR35ZFiRZJ8tyBCwazX2N-k7yJjZOLDQiZSA_MsJAfdK74s8f2a_Dgx4iVk

 新型コロナウイルスの押さえ込みにいち早く成功した中国には世界から企業と投資が集まっています。2020年11月20日に行われた岩上安身による田代氏へのインタビューで、田代氏は以下のように語っています。

田代氏「クアルコムは世界最高級の半導体を中国に売り込みたいから中国国際輸入博覧会で大攻勢かけました。GEもファイザーも中国に売り込みに行っています。GEはジェットエンジン展示しています。中国にエンジンを使ってくださいってことでしょう?

 中国はコロナの感染を抑え込んで、国内便の増便増発がすごいんです。需要が発生してるのは中国だけ。中国で売れるから、トヨタもホンダも9月は史上最大の生産台数なんですよ。で、何か制裁がありましたか?」

※コロナ再来に欧米日市場が乱高下!人民幣相場はドルに対して急上昇!急速に進化する「中国の現実」と 加速する米中逆転のシナリオ!? 岩上安身によるインタビュー 第1021回 ゲスト 中国通エコノミスト 田代秀敏氏 2020.11.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/485078

 いくら政治家が中国を敵対視しても、企業は利益を求めて中国に集まります。日本の政治と経済は、まったくちぐはぐで、分裂状態にあります。

田代氏「中国の自動車ブランド『紅旗』はトヨタやフォードなどと提携して技術を学び、今や独自の車を生産しています。(4月までにコロナを抑えて)5月から去年までの2倍の売り上げを伸ばしています」

 中国では、上海で2020年11月5日から10日まで、第3回となる国際輸入博覧会を開催しています。

田代氏「中国は今後10年で2300兆円買いますよと。これを聞いて売ろうと思わなかったら社長を辞めたほうがいい」
 
 2020年11月11日の『双十一』(独身の日)には、アリババが一大セールを展開。2019年の2倍となる8403億元(約13兆円)を売り上げたということです。

田代氏「30分で5.92兆円の取引があった。これは日本のデパートが1年で売り上げる金額です」

 また、世界7割のシェアを誇るドローン製造企業「DJI」の本社が深セン(センは土偏に川)にあります。

 2020年8月に開催された深セン40周年フェスティバルでは、19日にはショーで2020台のドローンが夜空に様々なアートが描き、26日には深センの歴史を夜空に描くドローンショーが繰り広げられました。

 5Gによる大量・精緻・瞬時の情報伝達技術の完成と、「群知能」(分権化し自己組織化されたシステムの集合的ふるまいの研究にもとづくAI技術)の確立が、こうして国内外に誇示されたことを、田代氏に教えていただきました。もちろん、こうしたドローン技術は軍事にも転用可能です。

※深セン経済特別区40周年記念ドローンショー詳細情報!(8/26)
https://www.shenzhen-fan.com/news-2020-08-26-shenzhen-40th-anniversary-drone-show/

 米国の研究者も「幻想」と指摘する「自由で開かれたインド太平洋」戦略構想に従い、衰えゆく米国の「安保マフィア」の言いなりとなって、自衛隊を自国周辺ではなく、インド洋にまで差し出し、「台湾海峡有事」にむけて、米国の戦争に自動参戦する集団的自衛権の行使を行うなどというクレージーな戯言(たわごと)を聞いている場合なのでしょうか。

 社会と経済は新しいフェーズに移行しているのに、日本においては政治と御用マスメディアだけが古い「幻想」の中にとどまっていて、現実逃避しているのです。

 本日、衆議院で採決されると言われている国民投票法の改正案ですが、このまま今国会を通ってしまえば、IWJが繰り返し指摘してきたように、CM規制を欠いた国民投票法改悪のあとには、自民党改憲案による改憲発議→豊富な資金力を持つ改憲勢力の改憲CMで国民を洗脳→国民投票→ナチス張りの緊急事態条項の発令→戦時ファシズム=国家総動員体制の樹立→集団的自衛権による米国のための戦争へ参戦まで一気に流れができてしまいます。

■中国通のエコノミスト、田代秀敏氏から岩上安身に送られてきた中国の現状!上海で巨大モーターショー開催、そして上海ディスニーランドの活況!

※文中で、中国の簡体字が機種依存文字にあたるため、日本漢字に変換しています。

 このゴールデンウィークにも、田代氏から中国の情報をメールで岩上に送っていただきました。それに対して岩上が回答をしています。

田代氏「世界最大の自動車市場である中国で最大のモーターショー、上海モーターショー(上海車展)が、4月21~28日に開催されました。

 中国のSNSには、上海モーターショーに参加する世界中の自動車会社のCM映像が、続々と投稿されています。

 日本のトヨタも、日本のメディアが喧伝する「中国包囲網」を突破して、中国市場向けCM映像を投稿し、漢蘭達(Highlander)の第4代を19日の開幕日に公開すると伝えています。

 それにしても、『中国包囲網』構築を激烈に唱える人達が、トヨタを叩かないのは、何とも不思議です。無知の故か、それとも、無恥の故か? どちらだと思われますか?」

岩上「無知と無恥の両方でしょう。スポンサーであるトヨタのことを批判できるマスコミなど存在しません。もちろん、与党も政府もトヨタにとって不都合な政策などは打てません。自動車と家電が日本の輸出の二本柱だったのははるか昔のことで、今は家電は壊滅、外貨を稼ぐのは自動車のみの一本足打法ですから。

 他方、米国の言われた通りに緊急事態条項を憲法に書き込み、中国との戦争準備を進めているものの、この政治と経済の分裂について、真面目に考えている人間は、政治家や官僚や財界や御用マスコミには誰もいないのではないでしょうか。原発を新増設しようという議連と、緊急事態条項を含めた改憲を進める議連のトップを安倍晋三前総理がつとめていても、誰も矛盾を指摘しません。『原発を抱えたまま戦争』すれば、日本は即、終わるのに、です」

田代氏「五一労働節(May Day)の上海迪士尼楽園(Shanghai Disney Land)の活況を、中国中央電視台CCTVが報じています。

 アメリカの象徴であるテーマ・パークの活況を、中国共産党の喉舌である国営テレビ局が、『”五一”仮期開啓,上海迪士尼楽園人気爆棚報』(メイデイ期間が始まり、上海ディズニーランドは人気爆発と報じられています」と肯定的に報じています。『米中新冷戦』は摩訶不思議な『戦争』です。米ソ冷戦の時も、モスクワ・ディズニーランドは、5月1日になると、ロシア人観光客で一杯だったのでしょうか?

 レポーターが2人の観光客をインタビューしています。2人とも上海ディズニーランドに来たのは初めてで、左の女性は西安から来て、右の女性は東北(旧満州)の辺境から来たと言っています。

 上海ディズニーランド傘下の2つのテーマ・ホテルは、5月1~5日の連休期間の前後は予約で満室ですけれど、連休期間中は5月1日だけが満室で5月4~5日は空室があります。

 『魔法使いホテル』は15789元(約26.6万円)、『ファンタジア・ホテル』は12339元(約20.8万円)と設定した連休期間特別宿泊料金(1泊)が、ちょっと高過ぎたようです。『上海ディズニーランドのホテルに、連休期間中なのに空室が出たのは中国経済崩壊の始まりだ』と西側メディアが欣喜雀躍と報じることでしょう」

田代氏「中国包囲網を突破して三井不動産が、ショッピングパーク『ららぽーと』を、上海で4月28日に開店しました。三井のショッピングパーク事業初の海外進出先が、米国ではなく中国であることは、象徴的です。

 ららぽーと上海金橋は、上海浦東新区の金橋にある自由貿易試験区にあり、2021年秋までに約180店舗が順次出店予定で、海外初の実物大(?)ガンダム立像が展示されています。自由貿易試験区には金融会社、IT企業が集積し、ららぽーと上海金橋から5km圏内に約85万人の高所得層が居住しています」

岩上「コロナ禍をすでに克服してしまった中国の豊かさは、ジェラシーを掻き立てられるだけなので、誰もその現実を直視しようとしない、したくないのでしょう。中国についてのニュースといえば、尖閣に船が何隻、侵入した、とか、ウイグルではジェノサイドが起きている、といったものばかり。

 そうした憎悪を掻き立てる報道の連続のうちに、多くの国民がもはや自分の中に蓄積されている中国への拒否感が何に由来するものなのか、わからなくなっています。報じている当事者であるマスコミも、対中ビジネスで儲ける企業の動きには片目をつぶって言及せず、他方で、米国の安保マフィアの言いなりになって、対中戦争の準備を怠らない与党政治家も、官僚も、もはや自分たちが何のために、何をしているのか、わからなくなっているのが実際の現実だと思います。

 戦争は軍備だけでなく、国力の差で決まります。その中国の国力の大きさと、頼みとしている米国の国力の凋落を冷静に理解している人はほとんどいないのではないかと思います」

■国民投票法改正から改憲による緊急事態条項新設へ! その先に待つのは対米従属による「原発×戦争リスク」! IWJ関連コンテンツを期間限定でフルオープンします! 以下、一挙ご紹介します! ぜひ、御覧になってください!

 この日刊IWJガイドで連日お伝えしているように、連休明けの本日5月6日に、衆院憲法審査会で国民投票法改正案の採決が行われる可能性があります。

 国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)は、憲法改正のための手続きを定めた法律です。現在、衆院憲法審査会で審議されているこの改正案が今国会で可決・成立すれば、次は憲法審査会で、憲法本体の審議が行われます。

 立憲民主党は、国民投票法にCM規制の規定がないことを問題視し、改正案に加えることを主張して採決に反対してきましたが、4月28日に修正案を提示し、この修正案を与党が呑むのであれば、採決と改正案に賛成すると態度を変えてきました。

 立憲民主党の修正案では、公正性を確保するうえで国民投票の際に政党などが流すCMの規制や外国人寄付の問題などについて「3年以内をめどに検討を加えて必要な法制上の措置を講じる」とした規定を附則に盛り込んでいます。

※立憲民主国民投票法改正案の修正案を自民に提示(ANN、2021年4月28日)
https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/ann_000214528.html

 与党は昨日5日、立憲民主党の修正案を受け入れることを決めました。これで、立憲民主党も国民投票法改正案の採決と改正案に賛成せざるを得なくなり、共産党だけが反対していますが、本日6日に衆議院で可決される見通しとなりました。

※国民投票法、立憲の修正案を受け入れ 自民・公明が会談(朝日新聞、2021年5月5日)
https://www.asahi.com/articles/ASP556T1JP55UTFK00G.html

 立憲民主党は、CM規制について議論をしている間は、憲法本体の改正について議論をしない構えですが、衆参両議院で改憲派が3分の2を超えている現状では、いつ改憲発議が出てきてもおかしくはありません。

 共産党志位委員長は、国民投票法改正案が今国会会期中に通過すれば、解散総選挙、あるいは衆議院の任期満了までに改憲発議が行われる可能性があるため、「(緊急事態条項を含む)こんな恐ろしい憲法改定を、コロナ危機のどさくさに紛れておこなう。最悪の火事場泥棒は許してはならない」と、採決自体に強く反対しています。

※国民投票法改定案 断固止めよう(しんぶん赤旗、2021年5月4日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-05-04/2021050401_02_1.html

 小西洋之参議院議員は、岩上安身による4月29日のインタビューの最後(3時間10分過ぎ)に、衆議院の憲法審査会は「甘い」が、参議院の憲法審査会は様々な「ファイアーウォール」を築いてきており、できるかぎりの手段を尽くして、今国会内の可決を避けたいと述べました。

 例えば、付帯決議には『立憲主義及び憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義に基づいて、徹底的に審議を尽くす』と入れてあり、基本的人権を奪うような改憲議論はできないようにしているといいます。

 それでもやはり5月6日に衆議院を通ってしまうと、参議院の憲法審査会が少なくとも6回開かれ、十分に審議をしたと会期内の採決を余儀なくされる、衆議院が1日でも2日でも採決を遅らせてくれれば、と小西議員は語っています。

 このまま5月6日に国民投票法改正案が衆議院で可決されれば、厳しい情勢になります。

※5月6日の連休明けにコロナ禍のドサクサに紛れて国民投票法改悪案が衆議院で可決!? 日本は「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 「不要不急」の改憲の目的はナチスばりの戦時独裁体制の樹立!~岩上安身によるインタビュー 第1039回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員 2021.4.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491497

 では、国民投票法改正案が成立した後に審議される「憲法の本体論議」とは何でしょうか?

 昨日の日刊ガイドで取り上げた、5月3日の「公開憲法フォーラム」での下村博文氏の発言で明らかなように、コロナ禍を利用して、緊急事態条項を憲法に盛り込むことです。同じ集会にビデオメッセージを寄せた菅総理も、憲法を改正して緊急事態条項を盛り込む必要性を訴えています。また、4月28日に開かれた参院での憲法審査会では、与党側の議員が口を揃えて「コロナ禍の今、緊急事態条項が必要だ」と主張しました。彼らの本音は今や明らかです!

※5月3日憲法記念日に菅総理は危険な「緊急事態条項」を創設する憲法改正へ意欲! 新聞各社の世論調査でも改憲派が増加!(日刊IWJガイド、2021年5月4日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-4

※28日、参院でも憲法審査会が3年ぶりに開催される! コロナ禍をダシに憲法への緊急事態条項新設を主張する与党・維新議員に共産・山添拓議員は「感染拡大と医療崩壊の危険を招いているのは、憲法のせいではなく、無為無策で対応能力を欠く、菅政権」と指摘!「コロナに便乗して改憲論議を煽るのは、究極の火事場泥棒だ」と糾弾! 立憲・社民会派の小西洋之議員は安倍・菅政権下での悪政を列挙!「憲法審査会には違憲の法律の調査・審査の法的責務がある」と指摘!(日刊IWJガイド、2021年4月30日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48733#idx-4

 そして、この緊急事態条項が、安倍政権によって容認された集団的自衛権、違憲の安保法制のもとで発動されれば、有無を言わせず米国の手先として戦争に参加させられ、日本が戦場となることを、IWJはこれまで多くのコンテンツを通じて指摘し続けてきました。日本は原発を抱えたまま、戦争に突入しなければならなくなるのです。

※コロナ禍に便乗した邪悪な改憲への悪質な誘導はもう始まっている! その先には独裁と「原発を抱えたまま破滅的な戦争への突入」が待っている!!(日刊IWJガイド、2021年5月4日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-5

■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 7・IWJ_YouTube Live】本日午後8時から「『自民党に入れたら必ず改憲される』――梓澤和幸弁護士が衆院選投開票日直前に緊急アピール! 米軍との一体化を可能にする9条3項加憲と緊急事態条項で日本は戦争に突き進み壊滅!?」を再配信します!

 本日5月6日、衆院憲法審査会で、自民、公明、維新が提出した国民投票法改正案の採決が行われる可能性があります。国民投票法は憲法改正の手続きを定めた法律で、与党は今国会の会期中に法案を成立させることを目論んでいます。

 IWJでは、この国民投票法「改悪」を阻止すべく、世論喚起のために、連日「コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!!」と題する緊急シリーズ特集をお届けしてきました。

 いよいよ採決の恐れがある5月6日となった本日は、2017年10月21日に収録した、『改憲 どう考える緊急事態条項・九条自衛隊明記』著者で弁護士の梓澤和幸氏にIWJ記者が行ったインタビューを再配信します。

 インタビュー収録当日は、2017年10月22日に行われた衆院選の前日でした。梓澤弁護士は「どうしても選挙前に訴えたいことがある」ということでインタビューが実現しました。

※日刊IWJガイド・日曜版「本日、憲法改正のかかった運命の投開票日!投票に行こう!/広告宣伝の制限なし!『異常に自由』な国民投票制度――憲法改正国民投票は改憲派に有利!岩上安身によるノンフィクション作家・元博報堂社員本間龍氏インタビュー!」2017.10.22日号~No.1864号(日刊IWJガイド、2017年10月22日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/32865

 なお梓澤弁護士には、改憲・緊急事態条項に関する問題点についてご寄稿も頂いています。以下の関連コンテンツも、ぜひ再配信とあわせて御覧ください。

※【緊急寄稿】「要警戒 安倍改憲の動き」~緊急事態条項の危険性をいち早く訴え続けてきた梓澤和幸弁護士がIWJに緊急投稿! 2017.9.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/398399

※【IWJブログ・特別寄稿】「改憲問題は憲法審査会で」との首相発言は緊急事態条項改憲を隠すものだ!(弁護士・梓澤和幸) 2016.7.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/314191

 梓澤弁護士はインタビューの冒頭、「今度の選挙で自民党の候補が一番強調しているのは『北朝鮮が攻めてくる』、『北朝鮮と戦うためには安倍に任せてもらいたい』という言い方」であり、「憲法を改正して9条改憲・緊急事態条項創設を行うことを政策には載せているものの、演説やテレビ放送では隠されている」ことを指摘。「その点をきちんと把握したうえで、選挙における投票行動をお考えいただきたい」と訴えます。

 梓澤弁護士は、「比喩的な表現になるかもしれない」と前置きしたうえで「選挙の最大の争点は、憲法9条を変えて良いのかどうか。9条を変えたい人は自民党へ、変えたくない人は自民党以外の党へ、ということが本当の争点」と2017年の衆院選を位置付けます。

 そして「他の党は憲法9条を変えるということをはっきりと政策に掲げてはいません」としたものの、公明党については「集団的自衛権を2014年7月に公明党も一緒になって認めたように、公明党もきっと9条の改正にはおそらく乗ってくる」として、「自民、公明、維新、希望は皆、9条改憲勢力。緊急事態条項についても改正に持っていく勢力」との見解を示します。

 この2017年の衆院選は、結果として自民・公明連立与党が、衆議院の3分の2を超える313議席を獲得し、大勝しました。議席数はその後変化していますが、維新や希望の党から分裂した国民民主党などを合わせれば、改憲発議に必要な3分の2議席は優に超えています。

 しかし、国民が改憲に同意したわけでも、自民党が示す改憲案に納得したわけでもありません。2017年の選挙は「北朝鮮への恐怖心」を過剰に煽り、国民の正常な判断力を奪って行なわれたものでした。本日お届けする再配信における梓澤弁護士がお話しする真実をもっと広く、多くの国民が知っていれば選挙は違う結果になったはずです。

※会派名及び会派別所属議員数(衆議院HP、2021年4月27日現在)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/kaiha_m.htm

 梓澤弁護士は、2017年9月20日の国連総会において安倍総理が行った演説について、「もう北朝鮮に騙されるな」「必要なのは対話より圧力と対決だ」ということを非常に強調していたことを懸念。「朝鮮半島危機は今回で3回目ですが、1回目と2回目の時に戦争の危機になった時に、収まって、当面の妥協・合意が成立した。その度に国際社会側が騙されてきたんだというのが演説の原稿の流れ」と指摘します。

※第72回国連総会における安倍内閣総理大臣一般討論演説(2017年9月20日)
https://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2017/0920enzetsu.html

 そして「1993年以降、『北朝鮮だけを責めているだけではこの問題は解決しないのではないか』というのが事実の経過としてある」としたうえで、「自民党が選挙で『北朝鮮のことをどうする?』と言うが、歴史の流れに沿って、アメリカが朝鮮半島で何をやってきたかをよく点検しながら考えなければならない」と訴えます。

 また、衆院選に際して自民党が作った動画について「『北朝鮮危ないぞ』『ミサイルが飛んで来ているじゃないか』という不安感を、演説している側もそれを聴いている側も、具体的な経過の検証なしに心を掴まれてしまっている」事態を「今度の選挙の特徴」と指摘します。

 梓澤弁護士は「戦争の危機が迫っているというなら、どうしたら戦争の危機を避けられるか、どうして今この危機が起きているのかを検討して、それを解決することが大事なのに、『煽る』ことが行われている」、「私は一人一人の国民が理性的に判断して、これからの政治の行方について判断を示すのが選挙ですから、今の狂信的なファナティックな雰囲気は非常に危ない」との懸念を示します。

 そして、「1970年代から80年代、そして90年代にかけてアメリカと韓国の非常に激しい合同軍事演習が行われてきたことについて事実を認識すべき」と訴えます。

 米韓合同軍事演習について、梓澤弁護士は「2017年も同じ」としたうえで、「毎年韓国側から28~29万人、アメリカから約1万~1万5000人規模の合同軍事演習が行なわれている」、「陸上兵力以外にB-52という核兵器を積める爆撃機、上陸用舟艇などを積み1300人の海兵隊員を乗せることが可能と言われる強襲揚陸艦、原子力潜水艦も参加し、毎年60~90日の間、北朝鮮を包囲できる戦力を展開している」と、その規模の大きさを明らかにします。

 そして、合同演習が行われている60~90日の間、「北朝鮮側は防衛体制に入り、文化活動は停止され、いわゆる非常事態になる」、「そのように(北朝鮮は)押し込められて、ついに1993年には核兵器の開発とその後ミサイルの開発に乗り出さざるを得なかった」と追い詰められた北朝鮮が核・ミサイル開発に至った経緯について解説します。

 梓澤弁護士は被爆国である日本国民のひとりとして、「核兵器を開発したり核実験を行ったりするのはどこの国であろうと非常に非人道的なので、心の底からそれに対して憎しみを覚えるし、そういうことは良くないと思う」とご自身の気持ちを吐露したうえで、「しかし、北朝鮮をそこまで追い込んでしまうアメリカと韓国の合同軍事訓練というのは、それはどうなのか、それは準戦争体制と言っても誇張ではないんじゃないだろうか」との考えを述べました。

 インタビューはさらに続き、2017年8月と9月に実施された「Jアラート」は、国民保護法にもとづく保護警報として出される要件を満たしていないことや、憲法9条への自衛隊明記の意味するところ、そして自民党の憲法改正公約にある「緊急事態条項(緊急事態対応)」「国家緊急権」についてもお話をうかがいました。

 梓澤弁護士は日本の現憲法では緊急事態条項がないことについて、「かつてのドイツの経験を参考にしている」と述べます。

 ドイツのワイマール憲法には48条の緊急事態条項があり、表現の自由や結社の自由など人権を停止できる条文があります。それがなんと266回も使われました。

 1933年2月の国会議事堂放火事件の際、当時首相だったヒトラーはヒンデンブルク大統領に迫って緊急事態を宣言させ、共産党と社民党の活動を非合法化して禁止させました。そのうえで国会において権力をナチスに集中させる「全権委任法」を成立させ、権力を掌握したのです。

 このような独裁を認めることになる「緊急事態条項」について、それを含めて改憲で検討することが自民党の憲法改正公約に謳われました。梓澤弁護士は「旧民主党の中にもそのようなこと(緊急事態条項の検討)を言う人がいるので、よく考えなければいけない」と注意を促します。

 詳しくは、午後8時からの再配信をご視聴ください! 再配信は公共性に鑑み、どなたでも御覧いただけるフルオープンで配信します。

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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!! 7・IWJ_YouTube Live】20:00~
「自民党に入れたら必ず改憲される」――梓澤和幸弁護士が衆院選投開票日直前に緊急アピール! 米軍との一体化を可能にする9条3項加憲と緊急事態条項で日本は戦争に突き進み壊滅!?
[視聴URL] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、塩澤由子、六反田千恵、仲川正紀、尾内達也、木原匡康)

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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