教育の内容を決めるのは国家ではない 〜自民党の憲法改正案についての鼎談 第4弾 2013.3.27

記事公開日:2013.3.27取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

特集 憲法改正|特集 前夜

 2013年3月27日(水)13時から、東京都内で「自民党の憲法改正案についての鼎談 第4弾」が行われた。現行憲法と自民党の改憲案を比較しながら、懸念すべき点を話し合う第4回目の鼎談は、はじめに、判決が出たばかりの一票の格差訴訟について、それぞれの所感を述べた。その後、自民党改憲案における、憲法第23条(学問の自由)、第26条(教育に関する権利と義務)について意見を交わした。

■イントロ

  • 出演 澤藤統一郎氏(弁護士)、梓澤和幸氏(弁護士)、岩上安身

 冒頭、一票の格差訴訟の、3月25日と26日に言い渡された選挙無効判決について、梓澤氏は「今まで、裁判所は『違憲状態』と言いながら、選挙無効の判断をしてこなかったが、今回初めて選挙無効判決を出した。司法官僚体制に風穴を開けたものだ」と一定の評価を示した。

 澤藤氏は「司法における、行き過ぎた消極主義を是正するものである」と評価をしながらも、「選挙というものは、正確に民意を反映するものでなければならない。現行の選挙制度は『民意の集約』の名の下に、強い政党に下駄をはかせ、弱い政党は切り捨てられる。政権の安定を保つということが言われているが、現行の選挙は多くの死票を作る制度である。小選挙区制の持つ根本的な問題に切り込んだ判決でなれば、不満が残る」と述べた。岩上も、『ゼロ増5減』では根本的な格差問題は解決しないことを指摘した。

 学問の自由を保障する憲法23条、26条について、澤藤氏は東大ポポロ事件(東大の学生団体のポポロ劇団が、政治的なテーマの公演を行なった際に私服警官が潜入し、身分がばれて学生に暴行された事件。学問の自由と大学自治の問題が論点となった)を例に挙げ、「学問の自由というのは、当時は大学教授などに特別に認められる権利だと考えられていた。大学というのは、中世の頃から最先端の学問をする場であり、宗教など、さまざまな権威を超えて、新しい時代を切り開く役割がある。権力を排除する場でなければならず、学生もその構成員である」と述べた。

 さらに、澤藤氏は「明治維新から敗戦まで、国民が国家にとって忠良な臣民になるよう、国家に都合の良い洗脳が行われていた。戦後、その過ちを繰り返さないために、国家が教育の内容に介入してはならないと、憲法で定めたものだ」と述べ、自民党の改憲案で26条に新設された『教育が国の未来を切り拓く』という文言に、「ナショナリズムを見てとれる」と懸念を表明した。

 岩上が、憲法24条について、自民党改憲案では『家族』が強調されている点を指摘すると、澤藤氏は「家族の強調は、戦前回帰的な保守主義と親和性がある。家族の中の身分秩序は、国の秩序に相似形があり、親に対しての『孝』を道徳化して、主君への『忠』に引き移す懸念がある」と述べた。

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