ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が、自身の部隊を率いて首都モスクワに向かって北上。その後、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介により、反乱が終結するという「プリゴジンの乱」からちょうど2ヶ月。
2023年8月23日に、モスクワの北西部にあるトベリ州で、プリゴジン氏とワグネル幹部を乗せたビジネスジェット機が墜落し、乗員乗客10人全員の死亡が確認された。
西側の大手メディアは、プリゴジン氏の死亡を、ロシアのプーチン大統領による「粛清(暗殺)」で間違いないかのように報じている。しかし、ロシア大統領府は、こうした憶測を「まったくの嘘だ」と、完全に否定している。
岩上安身は6月23日に起きた「プリゴジンの乱」の直後、6月28日に、元外務省国際情報局長・孫崎享氏にインタビューを行なった。この『岩上安身のIWJ特報!』では、そのインタビューをテキスト化し、連載中であるが、今回は事態の急展開を受け、特別編として、このジェット機墜落事故を検証する。
そこでは、「プーチン大統領による遅すぎた粛清」などと一斉に報道した西側の大手メディアへの違和感を検証し、戦争研究所による、「S300ミサイル2発による撃墜」などといった発表における疑問や矛盾を複数指摘している。
さらに、IWJは、この墜落事故について、孫崎享氏に直撃取材し、ずばり「犯人は誰か」について質問した。加えて、元国連査察官のスコット・リッター氏による犯人像の仮説もご紹介する。いずれも十分に検討する価値のある説得力あるものである。ぜひ、お読みいただきたい。