2023年3月21日、岸田政権の急激な原発回帰に抗して、「さようなら原発全国集会」が、東京渋谷区の代々木公園で開催され、IWJが中継した。集会には4700人(主催者発表)に上る参加者が集まった。
この集会は福島の原発事故以降、毎年3月を中心に開催されてきた(コロナ蔓延時は「首都圏集会」)。今回の副題は「岸田政権の新たな原発推進政策反対!フクシマを忘れない!再稼働を許さない!」。主催は「さようなら原発」一千万署名 市民の会である。
冒頭、呼びかけ人の一人で3月3日に亡くなった作家の大江健三郎氏をはじめ、鬼籍に入った関係者や震災・津波・原発事故の犠牲者に黙祷がささげられた。
トークライブでは、はじめに鎌田慧氏(ルポライター・呼びかけ人)と、澤地久枝氏(作家・呼びかけ人)が主催者挨拶を行った。
92歳の澤地久枝氏の杖をついての登壇には、一際大きな拍手が起こった。
澤地氏は「もし今日人が集まらなければ、岸田さんは『これが日本の世論だ』と言っただろう。一つ一つの集会は、とても大切だ」と、その意義を改めて強調。「もしも沈黙してしまえば、心の底では反対でも、政府はこれを押し切ってやるつもりだ」「岸田総理への反対を今こそはっきり言わなければならない」と改めて訴えた。
以下、原発立地の当事者報告から、GX推進政策の詳細な検証まで、様々な立場から原発回帰反対が訴えられた。
登壇者は、福島から佐藤和良氏(これ以上海を汚すな!市民会議共同代表)、熊本美禰子氏(避難の協同センター代表世話人)、阿部ゆりか氏(3.11子ども甲状腺がん訴訟支援者・福島避難者)、アサコハウスの熊谷厚子氏(大間原発に土地を売らなかった故・熊谷あさ子氏長女)、落合恵子氏(作家・呼びかけ人)、福島連帯キャラバンの皆さん、脱原発首長会議から三上元氏(元湖西市長)、原発現地から柏崎刈羽原発再稼働おことわりグループ、GX実行会議について松久保肇氏(原子力資料情報室事務局長)。
最後に藤本泰成氏(原水爆禁止日本国民会議共同代表)が閉会挨拶。その後、渋谷と原宿の2コースに分かれてデモが行われた。デモは大人数のため、全体が出発するまで数十分を要した。
集会の内容について詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。