2026年2月8日に行われた第51回衆議院選挙で、高市早苗総理が率いる自民党が、総定数465議席のうち3分の2を超える316議席を単独で獲得し、歴史的な勝利を収めた。

▲高市早苗 第105代内閣総理大臣(首相官邸HPより)https://www.kantei.go.jp/jp/rekidainaikaku/105.html
前回の衆院選からわずか1年4ヶ月。高市総理は、任期4年の折り返しにも達していない1月23日に衆議院を電撃解散し、野党からは「大義なき解散」という批判の声が上がった。投開票日までは戦後最短の16日間。投票率は56.26パーセントで、戦後5番目の低水準であった。
2月5日、東京都内のIWJ事務所にて、岩上安身はエコノミストの田代秀敏氏に緊急インタビューを行い、高市政権が日本経済にどのような影響を及ぼすことになるのか、独自の視点で語っていただいた。その様子は投票日直前の2月7日、2回に分けて配信した。

▲田代秀敏氏(2026年2月5日、IWJ撮影)https://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2026/03/IMG_1328.jpg
※日本株は今や海外投資家の投機商品!「日経平均株価史上最高値」は歴史的円安・国債価格急落の裏返し! 岩上安身によるインタビュー第1211回ゲスト エコノミスト 田代秀敏氏(その1)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/530445
※高市リスクから高市クライシスへ! 現在は、幕末、第二次大戦末期に匹敵する歴史的分岐点!~岩上安身によるインタビュー第1211回ゲスト エコノミスト 田代秀敏氏(その2) 2026.2.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/530446
2月3日の東京株式市場では、日経平均株価が一時、史上最高値を更新した。しかし、田代氏は以前から、株価だけを見て日本経済は好調だと誤解してはいけない、と警鐘を鳴らし続けてきた。
「日本の株式というのは、円ドル為替相場に影響されます。日本の株価は、その時の為替レートでドルに変換されて(外国の金融機関に)表示される。そうすると、日本円建ての株価に変化がなくても、円安が進行してドル表示の株価が下がれば、(AIによって)買いが自動的に入るので、株価が上昇します」。
このように解説した田代氏は、「円安で、日本の輸出企業の業績アップが好感され、その株が買われて日経平均株価が上がる」という図式は、「今やファンタジー」なのだと言う。
そして、今の円安は、高市氏が自由民主党の総裁に選ばれた時から始まっていると指摘し、海外メディアはこれを「円の危機」「タカイチ・タンブル(高市転落)」と報じていると述べた。
解散総選挙において、高市総理は具体的な政策の中身を言わず、生放送で各党党首と議論を交わす唯一の機会であったNHK『日曜討論』をドタキャンした。この「敵前逃亡」の理由は、前日の選挙演説中、「円安で、外国為替資金特別会計(外為特会)の運用もホクホク状態だ」と発言して批判を浴びたからだといわれている。
田代氏は、「これは、本当に腰が抜けるような発言。外為特会というのは、いざという時に大規模な為替介入をするために、ドルを積み立てているところです。そのドルは、日本国債を発行して集めた資金で、多くが(現金ではなく)米国債。それが円安で、日本円建ての評価額が増えたからといって、何かいいことがあったんですか? 逆に、そこで積み上げた外貨を使う時期が近づいているのなら、怖い話ですよ」と眉をひそめた。
そして、「この人(高市総理)は、通貨防衛という意味をわかっているんだろうか」と疑問を呈し、「やすやすと為替レートについて言及すること自体、すでに総理大臣の資質が疑われる。国の制度を理解していないんじゃないか」と断じた。
このインタビューの中で田代氏は、「覇権国の1人当たりGDP(購買力平価建て)に対する日本の比率」という超長期の経済統計グラフを示した。覇権国とは、1904年までが英国で、1905年からは米国である。
歴史的に、覇権国に対する日本のGDP比率が40パーセント前後まで下がると、国の体制が覆るほどの劇的な変化が起きている。幕末から明治維新、真珠湾攻撃から敗戦などが、それに相当する。そして今、GDP比率は60パーセントまで下げてきているが、昨今の円安を考えると、もっと下がるだろうと田代氏は予想し、「だから本当に、日本は歴史的局面にあるんです」と警告した。
岩上安身は、「高市早苗さんのミーハー的な人気に乗っかって、日本国民全体がとんでもないチョイスをすると、それは日本国民の責任になりますから、言い訳は効きません。一人ひとりが責任のある投票行動をしていただきたい」と視聴者に呼びかけた。





























