世界の中でも、際立って「多極化」をネガティブにとらえている日本! 世界の構造が「多極化」に向かっているという認識が必要! 岩上安身によるインタビュー第1190回ゲスト 琉球大学名誉教授、沖縄の風・参議院議員 高良鉄美氏 第2回! 2025.5.22

記事公開日:2025.5.15取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)


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 2025年5月22日、「世界の中でも、際立って『多極化』をネガティブにとらえている日本! 世界の構造が『多極化』に向かっているという認識が必要! 岩上安身によるインタビュー第1190回ゲスト 琉球大学名誉教授、沖縄の風・参議院議員 高良鉄美氏 第2回」を初配信した。

 第1回は、以下のURLから御覧いただきたい。

 高良議員は、2025年3月24日の参議院外交防衛委員会で、ミュンヘン安全保障会議(MSC)が報告書で、「日本は典型的な現状維持勢力」だと指摘したことを取り上げた、2月13日付『日刊IWJガイド』の記事を引用して、質疑を行った。

  • トランプ政権下のイーロン・マスク率いるDOGE(米政府効率化省)によって閉鎖された米政府機関USAID(その4)! 日本はUSAIDとそのバックのCIAによるプロパガンダ操作に対して世界で最も忠実な国だった! 主要官庁からほぼすべての主要マスメディアなど、616の機関がUSIDの事実上の支配下に! USAIDとJICA(国際協力機構)はズブズブの関係だった! JICAは、米国NATOのプロパガンダ機関であるUSAIDの「裏の顔」に池上彰氏を動員して協力! 他方、日本外務省もUSAIDとは連携! USAIDの人道支援の裏には、米国NATOによる「洗脳・操作」が、もれなくついている!
    (日刊IWJガイド、2025年3月13日)
    会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250213#idx-1
    非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54413#idx-1

※2025.3.24 参議院 外交防衛委員会 高良鉄美参議院議員(沖縄の風所属)

 「『トランプ関税』の問題を見ても、日本は米国に、やたら目を向け過ぎている。交渉のやり方を見ても、完全に優劣がある」と指摘する高良議員は、3月24日の質問でIWJの記事を引用した経緯について、インタビューの中で次のように述べた。

 「本来、『多極』というのは、マルチなもの。世界の中を見ても、そこを渡り歩くということが、日本の外交にとっても非常に重要だろうと思うんです。

 そういった意味合いもあり、それから、もちろんミュンヘン安全保障会議ですから、安全保障に関しても、マルチポラリゼーション(多極化)でいかないといけないだろうということから、このIWJの記事を引用して、質問しました。

 外交防衛委員会というのは、委員の半数以上が自民党の方々、答弁するのも、政府の参考人ですから、答えが非常に、日米関係に偏り過ぎている。情報もまた、偏り過ぎている。

 今、多極化の問題というのを、日本が意識してやらないといけない。

 これまでが、経済の問題も含めて、もう完全に2国間の問題として、日米安保が中心になっていた。それが何を生むのか、という問題ですね」。

 ミュンヘン安全保障会議の報告書は、2024年11月時点での11ヶ国を対象とした調査で、日本は45%が「米国が依然として支配的な超大国である世界に生きている」と答えたことを指摘している。

 ところが、同様の答えは、米国でさえ、 38%に過ぎなかった。

 この調査で日本は、「米国と中国が支配する世界に生きている」という「G2」世界観が25%。「米中以外の複数の大国が世界の問題に、強力かつ独立した影響力を持つ」という多極的世界観は、わずか9%。「わからない」と答えた割合が、11ヶ国中最多の21%だった。

 この結果について、高良議員は、「新聞やテレビの論調も含めて、日米関係が中心の情報の入れ方が、5人に1人が国際情勢がわからないという結果を生んだんじゃないか」との見方を示した。

 3月24日の外交防衛委員会での質問の意図について、高良議員は、インタビューで次のように述べた。

 「やはりこの多極化という問題自体が、ミュンヘン安全保障会議で、テーマとして選ばれるということは、そこの現実をしっかりと見ている、ということなんですよね。

 それに対して、日本の言論、例えば国際関係とか国際政治の研究をなさっている方々も、実はこのマルチポラリゼーションじゃなくて、まだ日米関係を重視している。特に、安全保障論を言う時には、必ず、アメリカの言い分を言うんです。

 そういう前提になっているので、ウクライナの問題ももちろんそうでしょうし、それと同じような構造を東アジアで言われたら、『そうなんだ』と思ってしまって、それを持ち込んでくる。

 そして、持ち込んできた時に、実はアメリカが問題だったんだ、という、そこに行かなきゃいけないのに、中国を警戒する、というところに来ているんですね。

 そこがやっぱり、多極化というところを見ていかないといけないということ」。

 高良議員は、3月24日の外交防衛委員会での質問で、IWJの記事から以下の論評部分を引用して読み上げた。

 「米国民よりも、米国信者となってしまい、米国に依存し、米国一極支配から多極化となると、不安で仕方ない日本人。米国追随を刷り込み続けてきて、米国への奴隷根性からメンタル面も、知的にも、制度面にも、抜け出せなくなっている」。

 「また、投資リスクを分散せず、米国の一極覇権維持だけに、深く投資してきたために、多極化に対して、舵を切れない経済状況である」。

 「これは、かなり強調しましたね」と述べた高良議員は、インタビュアーの岩上安身に、以下のように語った。

 「『米国民よりも、米国信者』という言葉は、今の日本人の状況をよくあらわしている。

 そのような状況を想像したら、日本国民ももちろんそうですけれども、日本国内のいろいろな場面で携わっている方々も、そこを考えないといけないと思うんですよね。

 『もしかしたら、自分もそう考えていたかもしれないな』と。

 アメリカのいろいろなシステムが一番いいんだ、というふうに思ってしまうけれども、そこから抜け出していかないといけない。

 これは『グッド・オブ・デイ』というんですか、昔の良かった時のアメリカに対する安心感が、今も残っているのかもしれないですけど、現状の世界は、そうではないんだということを、はっきり見据えた上で、日本の国民がどうすべきか、どういう政治をすべきか、どういう経済をすべきか、どういう外交をすべきかと、そういうことをすごく表すキーワードだと思うんです」。

 高良議員は、3月24日の外交防衛委員会で、岩屋外務大臣に「日本人の世界認識が、世界の現実から立ち遅れている」と指摘した。

 この指摘について、高良議員はインタビューの中で、以下のように述べている。

 「政府の方が、認識が(国民よりも)遅れているので、『政府は多極化という認識を持っているか?』とお聞きしたんですけど、大臣だけが(多極化への認識を)持っていても仕方がない。政府全体がそういう認識を持っているかというのは、非常に怪しい。

 特に、外務省の役人と、政治家、岩屋さんのような外務大臣とは、ちょっとまた、そこにもギャップがあるんですよね。

 外交の問題については、岩屋さんは、基本的には、多極化ということをちゃんと見てはいる。アジアの1国として。

 では、『防衛はどうですか?』と、中谷元防衛大臣に質問すると、それもそういうふうに見ているというような答えにはなるんでしょうが、実際には日米安保基軸にしかなっていない。

 全然、これが違うものなんです。

 要するに、『外交と防衛が両輪』と、自分達は言っているけれども、これは全然大きさが違っていて、予算がもう、何十倍も違う。そうなってくると、やはり見る方向が、ずれてくる。

 日本の外交と防衛は、きちんと同じ方向を向いてないといけない。なのに、『多極化に向けて、外交と防衛をやらなきゃいけない』ということに、なっていないんです。

 これがもう完全に、日米同盟基軸ということに、いつまでもなっている。それは、やっぱり大きく変わらなければ。

 本来の日本の、多方面に目を向ける外交、それこそマルチな外交を行うということと、防衛も同じように、周り(の国々)と協力をすることによって(安全保障を実現すべきだ)」。

 詳しくは、ぜひ全編動画をご視聴いただきたい。

■3.24 参議院 外交防衛委員会 高良鉄美参議院議員

■4.22 参議院 外交防衛委員会 高良鉄美参議院議員

  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

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