2024年8月27日、午前10時40分頃より、東京都千代田区の厚生労働省にて、武見敬三 厚生労働大臣の定例会見が行われた。
冒頭、武見大臣より、人事案件(令和7年4月1日に設立となる国立健康危機管理研究機構(Japan Institute for Health Security(JIHS))理事長の指名)、令和6年版厚生労働白書の公表、食品衛生法施行規則の改正、自殺予防週間(9月10日~16日)、そして、武見厚労大臣のタイ・バンコクへの出張(8月28日~30日)についての報告があった。
- 「令和6年版厚生労働白書」を公表します(報道発表2024.8.27)
- 9月10日から9月16日は「自殺予防週間」です(報道発表2024.8.27)
大臣からの報告に続き、各社記者と大臣との質疑応答が行われた。
各社記者からは、「長崎の被爆体験者」、「障害者の『就労継続支援A型事業所』」、「元日本兵の戦争トラウマの実態調査」、そして、「厚労大臣の薬害についての認識」について質問が行われた。
IWJは、8月23日、「mRNAワクチン中止を求める国民連合」の主催により、日本外国特派員協会(FCCJ)にて開催された「レプリコン差し止め訴訟緊急記者会見」を録画取材した。
IWJ記者はその会見取材で得た情報にもとづき、「新型コロナワクチン接種と献血・輸血の問題」についての質問を準備してこのたびの厚労大臣の会見に臨んだが、時間切れとなり、残念ながら、指名されず、質問はかなわなかった。
同じく、8月23日、厚生労働省の前庭に建立されている「誓いの碑」の前で、全国薬害被害者団体連絡協議会主催により「薬害根絶の誓い」集会が開催された。
武見厚労大臣はその集会の中で「医薬品による悲惨な被害を再び発生させることがないようにする、その思いを一層強くした」と発言した。
フリー記者の藤江成光氏は、8月23日の集会での武見厚労大臣の発言を踏まえ、8月27日の定例記者会見において、「過去の薬害で被害者数・死亡者数が最も多い薬害は?」、そして「薬害を繰り返してしまう原因は?」という2つの質問を武見厚労大臣に投げかけた。
これに対し武見大臣は、「個々の事案の被害者数等については把握の仕方が非常に異なり複雑です。それによって状況が様々であり、一概に比較することは簡単なことではありません。また、その発生原因もそれぞれ異なり、人数の多寡に関わらず悲惨な被害を再び発生させないようにすることも大変重要なことだと思います」と述べ、藤江氏の質問に対して正面からの答弁を避けた。
藤江氏は、さらに「新型コロナのワクチンは厚労省が認定しているだけで777人の死亡事例があります。これは医薬品による悲惨な被害ではないとお考えでしょうか?」と質問した。
これに対し、武見大臣は「今申し上げた通り、コロナの薬害、…コロナの課題も含め、こうした課題に対して厚生労働省としては真摯にこれに向かい、そしてこうした課題を解決するために最大限の努力をするということを今申し上げたわけであり、その点について、私は、やはり前回の医薬品による悲惨な被害を再び発生させることがないようにするその思いを一層強くしたということを申し述べましたが、その気持ちは一貫して持っています」と答弁をした。
この2つ目の答弁の冒頭、武見大臣は、「コロナの薬害」と言い、それをすぐに「コロナの課題」と言い直している。新型コロナワクチンによる健康被害を「薬害」と呼ぶことは、当局側にとっては相当な問題なのであろう。厚労省ウェブサイトの「武見大臣会見概要」では、「コロナの薬害」の部分が削除されてしまっている。
いずれにせよ、新型コロナワクチンは現在進行形で未曽有の健康被害・死亡事例を生み出している。そして解決されるべき課題は山積みである。
その課題に対して、今後、厚生労働省が真摯に向き合い、解決に向けて最大限の努力をする過程を注視していかなくてはならない。
会見の詳細についてはぜひ、全編動画でご確認ください。