2024年6月28日午前10時40分頃より、東京都千代田区の厚生労働省にて、武見敬三厚生労働大臣の定例会見が行われた。
冒頭、武見大臣から、厚生労働省人事異動(局長級以上)について、そして、5月の雇用統計について、説明があった。
続いて、武見大臣と各社記者との質疑応答が行われた。
IWJ記者は、新型コロナワクチンの「リスク」と「ベネフィット」、および「安全性」について、以下の通り質問した。
IWJ記者「JCHO東京山手メディカルセンターの呼吸器内科顧問、徳田均医師が、(医学サイト)『メディカル・トリビューン』に『ワクチンの複数回接種がコロナリスクを招く?!』という論考を寄稿されています。
その中で、徳田医師は、2022年の夏から秋、第7波・第8波を迎えた時に、日本のワクチン追加接種率は世界第1位であったにもかかわらず、新型コロナウイルスの新規感染者と死亡者数が世界最多を記録し続けた、という矛盾を指摘しています。
徳田氏は、また、米国を代表する非営利総合大学医療センターであるクリーブランド・クリニックが2022年に行った大規模追跡調査の報告の中で、『ワクチンの接種回数が増えるほどコロナに罹患しやすくなる』と結論を出したことを引用し、『日本の感染状況と接種率との不整合を考える上で参考になる』とも指摘しています。
厚労省はこれまで、新型コロナワクチンは『ベネフィットを踏まえると安全性は許容可能』だとして、特例承認のもとワクチン接種を進めてきましたが、『許容可能』の根拠は、このクリーブランド・クリニックの調査結果によってくつがえり、接種回数が多ければ多いほど、コロナに感染しやすくなる、というのが正しいのではないでしょうか?
反論するのであれば、同様の大規模調査を行い、エビデンスを示す必要があると思いますが、調査・検証をするお考えはおありでしょうか?
日本でしか承認されていない『レプリコンワクチン』の前に、mRNAワクチンの『リスク』が『ベネフィット』を上回っていたという調査結果に対し、真剣に向き合う必要があると思いますが、お考えをお聞かせ下さい」
この質問に対して、武見大臣は次のように答弁した。
武見大臣「まず、ご指摘のクリーブランド・クリニックの中で、2022年に行った大規模追跡調査の報告というのが、2023年4月に出ているということです。私もその報告書を見せていただきました。
で、その報告書の結論はですね、この報告書の、論文の筆者も、ワクチンの有効性そのものは、認めています。
ただ、それを認めた上で、ご指摘の米国の研究というのについては、そういう結論を下すに当たって、ワクチンの接種回数と感染リスクの相関関係をしたものであって、しかも、その結果に影響を与えるグループ間のさまざまな因子というものが、実際には調整されていないということから、接種回数と感染リスクの因果関係まで、それは明確にはまだしていない、不明である、というふうに、私は読んで、そう受けとめました。
しかも、この筆者自身は、この全体としての、その評価、ワクチンについては、それを肯定する結果をふまえておりますので、それをまずふまえた上での議論であったというのが、この論文に係る私の理解であります。
その上で、この新型コロナワクチンについては、国内外の複数の報告において、重症化予防効果などの公衆衛生上のベネフィットが、繰り返し認められているほか、ワクチン接種により、感染者数や死亡者数を抑制できたとする研究結果も、国内外から複数報告されているものと承知をしています。
そして、ワクチンの有効性に関する評価については、厚労科研の研究班によって、これも引き続き、研究調査実施することとしておりまして、今後ともこうしたワクチンの科学的知見の収集にはこれはしっかり取り組んでいくことが必要であるというふうに、私は理解をしております。
これが、とりあえず、私の答えです」
会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。