2024年7月5日、午前10時40分頃より、東京都千代田区の厚生労働省にて、武見敬三厚生労働大臣の定例会見が行われた。
冒頭、武見大臣から、「死因究明等推進計画の変更について」、そして「武見大臣の海外出張について」の報告があった。
武見大臣からの報告後、大臣と各社記者との質疑応答となった。
フリー記者の高橋清隆氏が、「日本の保健政策はビル・ゲイツによって差配されていると理解していいか」との質問をぶつけ、食い下がり、武見大臣は「まったく邪推。まったくありません」と感情的に応答した。(全編動画6:03~)
IWJ記者はmRNAワクチン接種後の「シェディング」の問題について、以下のとおり、武見大臣に質問をした。
IWJ記者「『シェディング』の問題について質問します。
この場合の『シェディング』とは、mRNAワクチンを接種することにより産生(※1)されたmRNAやスパイクタンパク質が、エクソソーム(※2)によって、他者の細胞に伝播し、また、それが接種者の呼気などを介して非接種者に拡散されるという現象のことです。
(※1)産生とは細胞で物質が生成・合成されること
(※2)エクソソーム(Exosome:エキソソームとも呼ばれる)とは、細胞から放出される細胞外小胞の1種。タンパク質、DNA、RNAなどの生体物質を運んでおり、細胞間コミュニケーションに重要な役割を果たす。
この秋から接種開始予定の、「次世代mRNA」と呼ばれ、「自己増殖」するとも言われるレプリコンワクチンについて、SNS上などで、この『シェディング』について懸念・心配する声が非常に多く見受けられます。
そもそも、『シェディング』についての臨床試験は行われているのでしょうか? もし行われているのであれば、その臨床試験結果を公表し、『シェディング』の問題は杞憂なのかどうか、明確かつ科学的なデータをもって国民に示すべきだと考えますが、武見大臣のお考えをお聞かせください」
この質問に対して、武見大臣は次のように答弁した。
武見大臣「私、この、お尋ねの『シェディング』と呼ばれる現象というものが、その…『科学的知見』として、現在、存在するんだということについては、まったく承知をしておりませんのでお答えのしようがありません」
IWJ記者「この質問というのは。以前、武見大臣にもしたことがありまして、そのときには『ご指摘のような、ワクチンの被接種者から、当該ワクチンに含まれる物質などが他のものに伝播するような事象は今のところ確認されておりません』というお答えをいただいています」
武見大臣「私は 少なくとも、実際にそれ以上の知見はまったくございません」
IWJ記者「わかりました」
川田龍平参議院議員は、6月21日付で参議院議長宛に提出した「レプリコンワクチンに関する質問主意書」の中で、次のように質問しています。
「レプリコンワクチンを接種することにより産生されたmRNAやスパイクタンパク質が、エクソソームによって他の細胞へと伝播し、また、それが接種者の吐息などから非接種者に拡散され、何らかの影響を与えるシェディングと呼ばれる現象が発生する可能性を指摘する有識者もいる。
スパイクタンパク質の伝播についてこれまでどのような調査がされ、どのようなことが判明しているのか示されたい。また、他者への伝播の可能性について判明していないのであれば、判明するまでレプリコンワクチンの使用を中止するべきと考えるが政府の見解を示されたい」。
この質問主意書に対し、岸田文雄総理は、7月2日付で参院議長宛に、次のように答弁書を送付しています。
「御指摘の『スパイクタンパク質の伝播』の意味するところが必ずしも明らかではないが、ワクチンの被接種者から当該ワクチンの接種により産生された物質等が拡散されて他の者に影響を与える事象と解すれば、当該事象が生ずるとの科学的知見は現時点ではないことから、現時点で確認できる範囲では当該事象についての調査は行われていないものと承知している」。
※レプリコンワクチンに関する質問主意書(参議院)
尾辻議長「当該事象(シェディング)が生ずるとの科学的知見は現時点ではないことから、現時点で確認できる範囲では当該事象についての調査は行われていないものと承知している」
武見大臣は、「シェディング」の臨床試験が行われているのかという問いをはぐらかし、「『科学的知見』として、現在、存在するんだということについては、まったく承知をしておりませんのでお答えのしようがありません」と、「シェディング」のリスクを無視する答弁をした。
リスクとベネフィットの評価において、都合の悪いリスクを無視すれば、当然、ベネフィットがリスクを上回るのは必定であるが、そのような態度で国民の生命・健康を守る厚労行政の長が務まるのか、はなはだ疑問である。
会見の詳細についてはぜひ、全編動画でご確認ください。