2024年1月24日、午後7時より、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザホールにて、「『今こそ停戦を』呼びかける人たち(※)」の主催により、「Ceasefire Now!今こそ停戦を~Cease All Fire『2024を和平の年に』プレゼン&トーク」が開催された。
このたびは、スペシャルゲストとして、シンガーソングライターの加藤登紀子氏を迎え、元アフガン武装解除日本政府特別代表の伊勢崎賢治氏、東京大学名誉教授の和田春樹氏、青山学院大学名誉教授の羽場久美子氏、サステナ代表のマエキタミヤコ氏、そして、ピアニストで作曲家のウォン・ウィンツァン氏らが登壇した。s
イベントは、ウォン・ウィンツァン氏(ピアノ)と伊勢崎賢治氏(トランペット)の共演ライブで幕を開けた。
続いて、和田春樹氏がメッセージを読み上げ、その中で、「今、ウクライナからパレスチナへ拡大した戦争を、東アジア・東北アジアにまで拡大させ、第3次世界戦争にさせてはならない」とした上で、次のように訴えた。
和田氏「今の戦争を第3次世界戦争にさせてはならない。絶対にです。ソ連時代、市民の抵抗精神が高まる中で、多くの、ギターを弾く、シンガーソングライターがあられました。私はその中の一人、オクジャワ(※)の歌が好きでした。オクジャワの歌の中に、『私の人生の歌』というのがあります。
※ブラート・シャルヴォヴィッチ・オクジャワ(ソ連・ロシアの詩人、歌手、小説家)(Wikipediaより)
その歌はこういうものです。
『最初の戦争は、誰の責任でもないだろう。
第2の戦争は、誰かの責任だ。
だが、第3の戦争が起これば、それは私の責任だ。
それは誰にとっても明らかだ』
第3次世界戦争を止められなければ、それは私たち全員の責任です。まず、ウクライナ戦争を直ちに止めましょう」。
イベント後半の質疑応答では、会場の参加者からの質問に答える中で、加藤登紀子氏から、パレスチナの現状について、次のような発言があった。
加藤氏「あまり報道されないことの中に、ヨルダン川西岸。ヨルダン川西岸は、自治政府、一応、その、穏健派の政府が自治政府を、一応、イスラエルとの関係で平和共存を目指した地域があって、それに平和共存を拒否したハマスの側がそのガザ地区にいるという構図があったわけですけど、実は、このガザの侵攻が起こっていると同時に、ヨルダン川西岸におけるパレスチナ人に対する猛烈な虐殺に近いようなものとか、逮捕とかということが起こっている。
つまり、平和共存している最後の地域が抹殺されるのではないかというような恐ろしい事態が起こっているんですね。だから、もうそれは、皆さんもネタニヤフの演説を聞いていると、そういうふうに理解できると、この国から一切そのパレスチナ人がいなくなることを目指していくというような…。
それは、そういうこと自体はどうなんですか? どうなんですか? という…。考えられないですね。考えられないほどの暴挙ですね。1948年に、イスラエルという国が突然建国されて、ほとんど、恐らく80%ぐらいがアラブ人、パレスチナ人だった国に、イスラエルが入植してきて、現在に至っている」。
これを受け、羽場久美子氏が、次のように解説をした。
羽場氏「登紀子さんの言われたこと、本当に重要なことだと思うので、少し事実を申し上げたいと思うんですけれども、いわゆるイギリスの『三枚舌』外交ということで、その『三枚舌』の一番最初にイギリスが言ったことは、『オスマントルコが崩壊した後、アラブの国をつくる』っていうことだったんですね。
アラブの国をつくるということは実現されないで、イスラエルの国家だけつくられてしまった、ということが一つ。
それから、第2次世界大戦後の国連の要求の中で、47年にはアラブ・パレスチナとイスラエルが二国共存の国家をつくるということが、国連の181条で承認されました。にもかかわらず、今、登紀子さんが言われたように、翌年には、イスラエルの国だけができて、そして、イスラエルは人口的には3割ぐらいだったのに、7割ぐらいの領土を取って、いまだにイスラエルだけが国家を建設しているんですね。
でも一方で、パレスチナは国家宣言をしていて、実に、国連の131カ国が、パレスチナの国家を承認しています。にもかかわらず、承認してないのが、先進国のアメリカやヨーロッパや日本なんですね。このちょっとねじれの構造をぜひ理解していただきたい」。
イベントの詳細については、動画をご確認ください。