2023年11月15日午後3時より、「超党派WCH議員連盟設立総会『WHOのパンデミック条約、世界保健規則改正の危険性を知り声をあげよう』」が、東京都千代田区の参議院議員会館にて開催された。
超党派WCH議員連盟の共同代表の一人、立憲民主党の原口一博衆議院議員は、この議連の設立について、以下のように述べた。
原口議員「ワールド・カウンシル・フォー・ヘルス(World Council for Health、WCH)というのは、2021年9月にイギリスで、アメリカ、カナダ、イギリス、南アメリカ、ドイツから集まったお医者さん、科学者、法律家や人権擁護家の皆さんによって設立されました。
今、各国の国会では、『パンデミック条約』と『世界保健規則(International Health Regulations、IHR)』について、活発に議論されていますが、まだ日本はこれからということです。
この会を発足したのは、これから超党派で勉強して、次のパンデミックに備えていこうじゃないかと。
そして、私たち、この日本の、まさか『主権』の上に何かがあるなんていうことはありませんから、これは党派関係なく、みんなで勉強していこうじゃないかということでスタートいたしました。
WCHジャパンの柳澤さんもお見えでございます。ありがとうございます。
- WCHジャパン https://wch-japan.org/
世界45ケ国、200以上の団体が賛同する、健康をめぐるよりよい方法を目指した、各分野におけるトップレベルの専門家の草の根の活動でございます。
これを機に、パンデミックという人類に共通した危機においても、個人の尊厳や基本的人権は、最大限に尊重されなければなりません。人権と個人の健康に関する自由な選択を確保するために、どのような仕組みが適切か、私たちは、共に考えていきたいというふうに思います。
より良い人類の未来と命と健康を守るために、何が必要か学び続けて、行動し、理念を共有するWCHの活動を、共に歩んでいきたいというふうに思います。(中略)
ただ、時間はそんなにないんですね。パンデミック条約が、これが決するというのが、来年(2024年)の5月だと言われています。
本来であれば、この11月中に、ドラフトについての意見を各国が述べるということでしたけども、そのドラフトもまだ出ていません。
ただ、来年の1月には、その成案ができるという。私がずっと見ていても、まだわからないことだらけなんですね。
わからないことだらけなんだけど、私たちが最も大事な主権、人間の尊厳、あるいは命にかかわることが、私たちと違う――私たち(政治家)は選ばれています。国民から選ばれているわけですけれども――選ばれていない人たちが決めるというのは、それはどうかなというのが、今、各国の議論であります」。
設立総会の後半には、WHOによる「国際保健規則改定」と「パンデミック条約策定」について、外務省、厚生労働省それぞれの担当官が出席し、ヒアリングが行われた。
その中で、日野市議会議員の池田利恵氏から、以下のような質問があった。
池田氏「『国際保健規則』の改定が、来年の5月に法案が提出されるというようなお話でしたけれども、これに関する最終的な国内のプロセスというのは、民主的な方法で行われるのか?
例えば、国会審議というものがなされるのか?
それとも、首相や大臣の一任ということで、最終的に決まっていくのか?」
この質問に対して、厚生労働省の担当官は、次のように答弁した。
厚労省担当官「(前略)国会審議がなされるのかは、IHRの改正内容が、例えば感染症法とか、国内に適用される国内法の改正が必要であれば、当然審議されますし、そうじゃなくて、IHRの改正が、既に国内法で担保されている内容であれば、そもそもそういう(国会審議をする)必要はないと思う」。
IWJ記者は、11月14日の武見敬三厚生労働大臣の定例記者会見において、『2024年5月のWHO総会に向け、改定・策定の具体的な内容について、我々国民はどの段階で知ることができるのでしょうか?』と質問した。
それに対し、武見大臣は『WHOのホームぺージ、外務省の特設ページで情報提供されている。交渉自体は非公開となっておりまして、その詳細についてご説明するのは、これは難しい』と述べ、国民が具体的な改定・策定内容をいつ知ることができるか、という問いには答えなかった。
WHOでの交渉内容が非公開であり、改定・策定内容について、国民に明確な形で提示される予定もない状態で、国会審議の要・不要について、国民が意見できるはずもない。
武見大臣は「今後とも可能な限り、丁寧に必要な情報提供に努めていきたいと思っている」とも述べたが、今後の厚労省、外務省の動向を注視していく必要がある。
IWJは、厚労大臣会見に参加し、WHOパンデミック条約関連の質問を繰り返している。こちらも、ぜひ注目していただきたい。
IWJのWHOパンデミック条約関連の記事は以下のとおり。
質疑応答の内容など、設立総会の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。