立法事実も滅茶苦茶な入管法「改悪法」が成立!「難民問題は人権思想の問題、日本人にとっても「明日は我が身」!〜岩上安身によるインタビュー第1122回 ゲスト 社民党党首・福島みずほ参議院議員 2023.6.16

記事公開日:2023.6.18取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

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 岩上安身は6月16日金曜日、午後3時すぎから、9日に成立した入管法「改悪」法案の問題点について、社民党党首の福島みずほ参議院議員にインタビューを行った。

 6月9日の参議院本会議で、与党と一部の野党による強行採決によって可決・成立した、入管法の「改悪」。

 福島氏は、政治家となる前、一介の弁護士時代から、25年にわたって入管法の問題に取り組んでこられた。

 福島氏は今回の入管法の「改悪」について、2021年に一度廃案になった法案と「骨格がほぼ同じものを今回提出してきたことに激しい怒りを感じています」と、6月11日に、フェイスブックで表明した。

 福島氏は、参議院の法務委員会で審議を進めるうちに、「難民認定制度が機能していないことが日に日に明らかになってきました」と述べた。

福島氏「(日本の難民認定率は)もともと0.7%ですよ。(中略)すごく低いんですよ」

岩上「難民が自国にやってくるということは、世界中のいろんな国で起こっている普遍的な出来事であるにもかかわらず、日本は世界で一番、難民に門戸を閉ざしています。『難民になりたい』と申請する手続きは、形式上あるけれども、実際は認定をほとんど下ろさない」

 岩上が「どうして難民の波が入ることをそこまで恐れなければいけないのか」と問うと、福島氏は「難民がいる、とは思っていないのかもしれない」と答えた。

 岩上が、世界中に難民が溢れているのに「(日本政府は)井の中の蛙じゃないですか」というと、福島氏は「自民党の衆議院筆頭理事のひとりは、『難民が飛行機で来るわけはない』なんていうんですよ」と述べ、あまりにも認識が古い、「ボートピープル」の時代のことしか念頭にない、頭の中は「お花畑のまま」なんです、と述べた。

福島氏「例えばカナダは、トルコの(から逃れてきた)クルド人を、97%認定しています。

 外国では、何万人という規模で、さまざまな国から(難民を)受け入れている、でも日本は、去年はクルド難民を(受け入れた事例は)、国が敗訴した1件だけなんですよ。『クルド難民問題は存在しない』という考え方なんですよ」

岩上「おかしい、おかしい。何で『クルド難民問題は存在しない』と、日本の役所が勝手に決めるのか。世界中で『ある』と言っているのに」

福島氏「日本だけ、難民が来ないわけないでしょう」

 岩上は、ウクライナ紛争をめぐって、米国をはじめとする西側諸国は、しきりと、中国やロシアのような「権威主義国家」に対抗して、西側諸国は「自由と民主主義、人権、法の支配」など同じ価値観で結ばれた「民主主義国家の同盟」だと主張し、日本もそのグループに入っていると、誇らしげに岸田総理を筆頭に日本政府は言っているが、入管の問題を見る限り、まったく矛盾している、と批判した。

 福島氏は「(日本は)難民条約も批准している」と指摘し、「今年の12月には『グローバル難民フォーラムがジュネーブあるんですが、日本はその共同議長国なんですよ」と付け加えた。岩上は、あきれたように「よく(議長国なんかを)できますね!」と応じた。

福島氏「『難民はほとんどいません。クルド人で難民認定されたのは裁判で政府が負けた1件だけですって、世界に向かって叫んだらいい』っていう風に法務員会で言いましたよ。みんなびっくりしますよね。

 ドイツなんて、本当にクルド人難民を受け入れているじゃないですか」

 日本では、1997年以降、20人以上の方が入管施設内で、医療の不備や自殺などで亡くなっている。

 福島氏は、ウガンダの女性が帰国すれば、レズビアンであるために処刑される可能性があるというケースで、難民申請したが不認定となり、帰国させられ、殺される寸前だったところを、裁判でなんとか難民認定を勝ち取った事例を紹介した。

福島氏「日本の保守的な裁判所でさえ、難民認定をしているけれど、日本の入管の、難民認定制度の中では、難民認定されていないっていうこと(が問題)なんですよ。送り帰したら、大変なことになります」

 福島氏は、この入管法「改悪」の強行採決に抗議し、採決を阻止しようとして委員長席に飛びかかろうとしたれいわ新選組の山本太郎代表に対して、懲罰動議が出された件について、問題の本質は入管の「改悪」にある、と冷静に指摘した。

福島氏「何が問題かという本質が、入管法『改悪』法が問題なわけです。そっちが問題だという議論を、まさに、すべきだと思います」

 福島氏は、これまでも強行採決のたびに、野党側はみんなでスクラムを組んだり、さまざまな抵抗を可能な限りしてきたと述べ、ダイブして、ヒゲの隊長・自民党の佐藤正久議員に殴られた立憲民主党の小西洋之議員の例もあげた。

福島氏「もうひとつは、懲罰動議そのものが、多数派の少数派に対するいじめや弾圧として、地方議会でも使われているのです。明日は我が身、と。

 私たち、委員長席に詰め寄ったんですよ。手は出しません、マイクを奪ったり、紙を貼ったり、破ったり、叩いたりとかはしません。でも、それだって、次の瞬間には『ダメ』って言われるかもしれないじゃないですか」

 福島氏は、一番の問題は、悪法を強行に成立させていくことにあると述べた。

 福島氏が、入管法の問題に取り組み始めたきっかけは、25年前に遡るという。ミャンマーから逃れ、牛久入管に8ヶ月にわたって収容されていた少数民族のロヒンギャの青年からの手紙で助けを求められ、難民認定のための裁判を支援したのがはじめだったということである。

 また、福島氏は、世界のチェス王であった米国のボビー・フィッシャー氏が、牛久入管で長期収容されていたというケースにも関わった。日本を経由して、彼を受け入れてくれる第3国にたどりつけるよう、つないだケースである。

 フィッシャー氏は、ブッシュJr政権当時、米政権を強く批判し、米国籍を剥奪されていた(※IWJ注1)ことから、米国に送還すれば危険だとされていた。福島氏はチェスの人気が高いアイスランドへとフィッシャー氏をつなぐ支援をし、フィッシャー氏は無事、アイスランド市民権を得ることができた。

(※IWJ注1)ボビー・フィッシャー氏は、1992年、米国が経済制裁を科していたユーゴスラビアでチェスの試合を行なったために、米政府は「ユーゴスラビアに対する経済制裁措置に対する違反だ」としてフィッシャー氏を起訴し、フィッシャー氏の米国籍を剥奪した、とされる(wikipedia「ボビー・フィッシャー」)。

 フィッシャー氏は、ハンガリー、スイス、香港、マカオ、韓国などを点々とした後、2004年に成田空港からフィリピンに出国しようとしたところを、入国管理法違反の疑いで東京入国管理局成田空港支局に収容された。アイスランド市民権が与えられたため、フィッシャー氏は拘束から約8ヵ月後の2005年3月24日に釈放され、アイスランドで余生を送った。

 福島氏は、入管難民法改正の「立法事実は崩壊している。日本は難民制度を時間をかけて骨抜きにしてきた」と指摘した。

■ハイライト

  • 日時 2023年6月16日(金)15:00~16:00
  • 場所 福島瑞穂事務所(東京都千代田区)

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