日刊IWJガイド・非会員版「子ども未来戦略方針を閣議決定し、岸田文雄総理が記者会見! 20~25年前に対策していれば第三次ベビーブームは起きていたはず!」2023.6.14号~No.3926号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~子ども未来戦略方針を閣議決定したことを踏まえ岸田文雄総理が記者会見! これだけの少子化対策を実際に実行すれば、実効性が期待できるものの、20~25年前にこれだけの対策を行っていれば第三次ベビーブームが起きていたはず! なぜ半世紀もの間、与党・自民党と日本政府は、少子化問題に取り組もうとしなかったのか!? 不作為の極み! 少子化は人災である!

■IWJは緊急事態が続いています! 5月のご寄付額は182万3000円でした! 5月の月間目標額の47%、207万7000円の不足でした! IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします! 新規の会員登録、会員の再開もお待ちしています!

■「IWJがなくなると、かなり困ります」「とにかく、まともな報道を続けてください」ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

■【中継番組表】

■<【IWJ号外】を出しました!>ウクライナの戦場がネオナチの培養装置となっている! 外国人志願兵として戦闘に参加し、帰国したネオナチが、世界中にネットワークを作り、テロを拡散!『RT』の検証記事をIWJが全文仮訳!

■れいわ新選組の山本太郎代表に懲罰動議提出!「真に罰を与えられるべきなのは、立法事実が崩壊した政府の入管法案に賛成し、可決させ、死刑執行のタイマーを進めてしまった議員たちです」!「懲罰制度とは議会制民主主義を殺す力のある恐ろしい制度」! 反対署名運動の声明に記された、重要な指摘!

■【本日のニュースの連撃! 3連弾!!】★カナダで安楽死死亡者数が記録的な増加! 国家が認めた自殺者も35%増加! ★BRICSグループの新開発銀行(NDB)への参加をホンジュラスが正式要請! ★刑法改正! 日本でレイプの罪名が「強制性交」から「不同意性交」に!!
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■はじめに~子ども未来戦略方針を閣議決定したことを踏まえ岸田文雄総理が記者会見! これだけの少子化対策を実際に実行すれば、実効性が期待できるものの、20~25年前にこれだけの対策を行っていれば第三次ベビーブームが起きていたはず! なぜ半世紀もの間、与党・自民党と日本政府は、少子化問題に取り組もうとしなかったのか!? 不作為の極み! 少子化は人災である!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日、総理記者会見が、午後6時半より、総理官邸で行われました。

 冒頭、子ども未来戦略方針を閣議決定したことを踏まえて、岸田文雄総理から、その方針のポイントと支援策の内容を中心に、説明がありました。

※岸田内閣総理大臣記者会見 ー令和5年6月13日(首相官邸、2023年6月13日)
https://www.youtube.com/watch?v=wTPWjylCL54

 岩上安身も、質問を用意して参加しましたが、残念ながら、指名されることはありませんでした。

 岸田総理は「少子化は社会経済全体に関わる問題であり、先送りのできない待ったなしの課題である」との認識を示しました。至極当然の認識です。

 2022年の出生数は過去最少の77万人となっています。今の50歳前後にあたる第二次ベビーブーム世代と比べて、40%以下の出生数となっています。

 岸田総理は、「人口減少に歯止めをかけなければ、経済社会は縮小し、地域社会、年金、医療、介護などの社会保障制度を維持することは難しくなります」と、人口減少問題の深刻さを述べています。

 岸田総理の時間感覚は、若年人口が急減する2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのタイムリミットだとして、デッドラインを示して対策を急ぐことの必要性を説きます。

 未婚率の上昇と出生率低下の原因として、岸田総理が言及したのは、「若い世代の所得の問題」でした。

 「若者、子育て世代の所得を伸ばし、若い世代の誰もが結婚や子どもを産み育てたいとの希望が叶えられるような社会をつくらない限り、少子化トレンドを反転させることは叶いません。

 社会全体の構造や意識を変えて、家庭内において、育児負担が女性に集中している実態を改め、子育て世代を職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作らなければなりません」

 このように、岸田総理は、少子化問題の本質とその解決の方向性を述べています。

 岸田総理が、子ども未来戦略方針を策定するにあたり、重視したポイントは3つある、といいます。

 第1が、経済成長の実現と少子化対策を、車の両輪とするパッケージを示し実行する。

 具体的には、

 ・児童手当の大幅な拡充(第3子以降の3万円への増額といった拡充策を来年10月分から実施)
 ・高等教育費の負担軽減(所得制限の撤廃や高校生までの支給対象の拡大)
 ・出産費用の保険適用(出産費用の保険適用などの出産支援について、2026年度から開始する方針の表明)
 ・106万円の壁(勤務先や雇用条件によって、年収が106万円を超えると扶養から外れ、自分で保険料を負担して社会保険に加入しなければならなる問題)、130万円の壁(年収が130万円を超えると、勤務先や雇用条件に関係なく、すべての人が社会保険の扶養から外れ、自分で社会保険に加入しなければならなくなる)の見直し

 問題の財源については、歳出改革の取り組みの徹底化と既存予算を最大限活用するとしています。

 第2が、2030年代までがラストチャンスであることを踏まえた「規模」の確保としています。

 加速化プランの規模は3兆円半ばとするとしています。これによって、日本の子ども・子育て予算は、子ども1人あたりの家族関係支出で見てOECDトップのスウェーデンに並ぶとしています。

 また、子ども家庭庁の予算を、5割以上増加すると説明し、2030年までに子ども家庭庁予算の倍増を目指すとしています。

 第3のポイントとして、2030年代が、ラストチャンスであることを踏まえた「スピード感」の重視であるといいます。

 具体的には、出産育児一時金の引き上げ、ゼロ歳から2歳の伴走型支援は今年度から実施、児童手当、子ども誰でも通園制度などは来年度から実施、高等教育のさらなる支援拡充、貧困・虐待防止などの前倒し実施をあげています。

 これらの認識や問題点の指摘、その対策は、実際に実行されれば、これまでになく実効性があるとは思われますが、問題は、その対策が、なぜ、今まで行われなかったのか、という点です。

 20~25年前に、この実効性の高い措置を講じていれば、現在、50歳前後の第二次ベビーブームの女性たちが、20年前なら30歳前後、25年前なら25歳前後で、複数の子どもを産むことが可能な妊娠出産の適齢期だったので、その頃にこれだけの十分な対策を行っていれば、幻に終わった第三次ベビーブームが現実に起きていたと思われます。

 そうしたら、現在のような深刻な状態に陥らなくてすんだでしょうし、日本社会、日本の経済は、もっと活力を維持して、長期不況に苦しまなくてもすんだかもしれません。

 今、対策を打っても、何もやらないよりはもちろんいいですが、長い間少子化トレンドを放置してきた日本は、現在、出産適齢期の世代(コーホート)の数が少なくなっており、その世代が2人以上子どもを生んでも、少子高齢化を逆転するまでの子どもの数には至りません。費用対効果は、20年前に対策を打った場合と比較すれば、明らかに、低くなってしまうでしょう。

 必要な政策を先送りにすれば、それだけ、コストが増加するという典型的な事例です。なぜ与党・自民党と日本政府は、少子化問題に長い間、本気で取り組もうとしなかったのか。これは少子化対策の実施とは別に、冷静に検証しておく必要があります。日本という民族国家は、これから先も存続していくし、そうしなければなりません。長期にわたって人口動態と経済の関係を無視し、少子化問題に取り組まなかったのはなぜなのか。この不作為の極みを、検証しておくことは必要です。

 記者から出た質問で、野党から不信任案が提出されたとき、それは衆議院解散のタイミングになるかどうか聞かれた岸田総理は、「岸田政権は外交、内政の両面で先送りされてきた困難な課題のひとつひとつに答えを出していくことが使命だと覚悟し、政権運営をしてきた。解散も、この基本姿勢に照らして、いつが適切か諸般の情勢を総合的に判断していく考え方だ」と答えています。

 さらに、「情勢をよく見極めたいと考えている。現時点ではそれ以上のことを答えることは控えたい」としています。

 また、マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいる点も記者からの質問に出ました。岸田総理は、これについて3つの対策を提示しました。

 第一に、関連するデータやシステムの総点検を秋まで行う。

 第二に、今後、誤り事案が生じないように自動化を徹底する。

 第三に、国民の不安払拭のために丁寧な説明を行う、現行の保険証は再来年の秋まで有効とする。

 岩上安身は、指名されませんでしたが、以下の質問を、首相官邸の報道室宛に昨日夜、送付しました。

 この質問に対する回答は、近日中に官邸のホームページにアップされる見込みです。アップされ次第、その回答をお伝えいたします。

 以下、岩上が送信した質問です。

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 インターネット報道メディア・IWJの岩上安身です。本日、挙手していたものの、司会の方に指名されなかったので、質問をお送りします。

 米の『ワシントン・ポスト』紙が6日、「米国政府はノルドストリーム・パイプラインを破壊するウクライナ軍の計画の情報を、事前に持っていた」「CIAは昨年6月、この情報を欧州諸国政府と共有した」とするスクープを出しました。

 『ニューヨーク・タイムズ』も、同日6日に後追いして同様の内容の記事を出しています。

 米国を代表する2大新聞のスクープが事実であれば、ウクライナ軍がパイプラインを爆破するというテロ行為を行ったことになります。これは非難されて当然です。

 また、ウクライナ軍の計画を事前に知っていながら、欧米各国の政府はテロを止めることもなく、爆破後には、ウクライナの責任を今に至るまで問わず、逆にロシアの自作自演犯行説を唱えて、濡れ衣を着せてきました。こうした欧米諸国政府の姿勢は、政治的、道義的な責任が厳しく問われるべきです。日本も、ウクライナを支援する欧米の正当性に疑義が生じます。

 この件についての岸田総理のご見解と米国政府から、欧州諸国政府に事前に共有されていたというこのウクライナのテロ計画の情報は、日本政府にも共有されていたのか、それとも日本政府はかやの外で、知らされていなかったのかについても、お答え願いたいと思います。

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 首相官邸から回答が届き次第、お知らせします。

■IWJは緊急事態が続いています! 5月のご寄付額は182万3000円でした! 5月の月間目標額の47%、207万7000円の不足でした! IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします! 新規の会員登録、会員の再開もお待ちしています!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 6月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、残り2ヶ月を切りました。

 5月のご寄付額は31日間で、122件、182万3000円でした。月間目標額の47%にあたるご寄付をいただきましたが、残念ながら月間目標額に届かず、月間目標額の53%、207万7000円の不足となりました!

 厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございました!

 しかしながら、今期第13期5月末までの累積の不足額は、1868万2900円となりました。この累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!

 6月は12日までの12日間で、54件、117万8000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の約30%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと約70%、272万円ほどが必要になります。

 ぜひ、皆さま、今月6月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!

 また、現状の会員数をお知らせします。

 5月末時点での会員総数は2648人(前年同日比:1113人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますが、会員数も会費も減少しています。

 経営は本当に赤字が連続し、厳しい運営状況が続いています。

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、独立系メディアの意義と、米国に忖度する大手主要・メディアの「情報操作」の恐ろしさについて、広めてください。

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。近いうちに、また私がIWJにつなぎ融資をしなければならない見込みですが、本当に貯金が底を尽きます。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、会費も減少し、ご寄付までもが急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。

 ウクライナ紛争に続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」が、東アジアで画策されている今、私、岩上安身とIWJは、破滅的な戦争を回避すべく、ウクライナ紛争報道で明らかになった、偏向マスメディアの不誠実な「情報操作」に代わるべく、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるよう走り続けたいと存じます。

 その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために、今後も全力で頑張ってゆきたいと思います。

 2月、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出しました。日本の新聞・テレビなどのメインストリーム・メディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての独自の判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見-令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230225#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、ロシアを弱体化させるための米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツが多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、ロシア産の格安の天然ガスが入らなくなって窮地に陥った欧州に、米国産の高値の天然ガスと石油を売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 つまり、米国は「敵国」のロシアだけでなく、米国の重要な同盟国であるはずのドイツにも大損害を与えた疑いがあるのです。これが真実であるならば、同盟国への重大な背信であり、裏切りです。犠牲を払わされたドイツと同じく、同盟国とは言いながら、ジュニア・パートナー(主権のない従属国)扱いされている日本も、同じ目にあわされる可能性があります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートによって、ドイツとロシアを直接結ぶノルドストリームの建設を米国政府・議会が何度も妨害してきた事実、そして、完成はしたもののウクライナ紛争の勃発と対露制裁によって使用できなくなり、さらに爆破テロに見舞われるまでの経緯を、お伝えしています

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプラインノルドストリームの阻止!!」~2022.4.27
(その1)https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505188
(その2)https://iwj.co.jp/wj/open/archives/508187

 お読みいただければわかりますが、この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国はノルドストリームの完成と開通を何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。

 上記の4月24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権はあたかも米軍から独立して存在しているかのように述べました。

 しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結し、米国から独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 3月28日、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案は、政府案どおり成立しました。

※令和5年度予算(財務省)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2023/fy2023.html

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の単独一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政負担を背負うのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 ノルドストリームの爆破事件については、その後、新たな進展がありました。

 米『ワシントン・ポスト』が6月6日、「米国はノルドストリーム・パイプラインを攻撃するウクライナの詳細な計画の情報を(事前に)持っていた」とするスクープを出しました。同日、『ニューヨーク・タイムズ』が後追い記事を出しています。

 『ワシントン・ポスト』は、ノルドストリームを爆破したのは、ウクライナ軍の総司令官であるザルジニー将軍直属のウクライナ軍の一部であり、米政府はその爆破計画を事前に知っていたと報じたのです。

 しかし、ザルジニー将軍は現在消息不明、頭部を負傷して職務に復帰するのは困難などと伝えられ、このスクープ記事にコメントできる状況にありません。

 しかも、『ワシントン・ポスト』によれば、ノルドストリーム爆破計画は、ゼレンスキー大統領には知らされていなかったというのです。

 つまり、この両紙にリークしたそれぞれの情報源は、他人事のように「米政府は事前にウクライナの爆破計画について知っていた」とすることで、ウクライナ側に責任をすべて負わせ、シーモア・ハーシュ氏が暴露した「米国主犯説」を否定し、かつ、米国の望むままに紛争をエスカレートするゼレンスキー大統領を温存するもので、「主犯」役扱いのザルジニー将軍は消息不明で弁明もできません。この点は、まさしく「死人(負傷者?)に口なし」です。まことに米国に都合のよいストーリーになっています。

 ただし、仮にこの説が真実に近いとすると、米国は主犯ではなくても、無関係だった、無実だ、とは言えなくなります。むしろこのノルドストリーム爆破計画に、一定の関与をしていた疑いが濃厚です。

 事前に爆破計画を知っていながら、米政府はこの情報を秘匿し、ウクライナにテロをやめるように働きかけず、黙認したことになります。

 実際に爆破が起きた後は、誰が主犯か知っているというのに、米国政府は、「ロシアが自作自演の爆破を行なった」という、自国の資本を投じたロシアにとって何のメリットもない、まったくの濡れ衣を着せるデマ宣伝を続けたのです。

 これは西側政府や西側各国のマスメディア、御用知識人等々に大きな影響を与え、馬鹿馬鹿しいロシア自作自演説を喧伝する記事や番組、コメントなどが今に至るまで、溢れかえりました。

 『ワシントン・ポスト』のスクープは、ザルジニー将軍による爆破計画や実施の詳細も曖昧で、情報源は「あるウクライナ人」といった調子で、雲をつかむような内容でした。

 いずれにしても、この両紙のスクープによって、ハーシュ氏が彼の記事に書いた米国の犯行加担の疑惑が消えたわけではなく、ウクライナの犯行という疑惑も消えたわけではありません。両国の共犯という可能性もあり得るからです。

 IWJは検証記事を号外で出しています。どうぞこちらもお読みください。

※【IWJ号外】米『ワシントン・ポスト』が、「米国はノルドストリーム・パイプラインを攻撃するウクライナの詳細な計画の情報を持っていた」とスクープ! IWJはスクープ記事を全文仮訳! 2023.6.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516462

※『ワシントン・ポスト』の報道を受けて『ニューヨーク・タイムズ』が援護射撃?!「ペンタゴン・ペーパーズ」の再現か!? 姑息な情報操作の連鎖か!? いずれにしてもノルドストリームを爆破して、ロシアの自作自演という嘘をついてきたのは米国かウクライナのどちらか、あるいはその両方。米国とNATO諸国政府が爆破計画を事前に知っていたことは否定できず!(日刊IWJガイド、2023年6月8日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230608#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52371#idx-4

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?

 4月12日の日刊IWJガイドの記事(※)も、ぜひあわせてお読みください。米国は、同盟国に対して、当たり前のように盗聴を仕掛けています。ドイツなどは米国政府に抗議しましたが、日本政府は、まったく抗議していません。

※『ニューヨーク・タイムズ』が報じた、ウクライナ紛争をめぐる米国とNATOの戦争機密文書漏洩事件! 漏洩文書に韓国政府内の議論が含まれていたことから、CIAによる韓国国家安保室盗聴が発覚! 謝罪を求めない尹政権に韓国与党も「卑屈極まりない」と批判! 2013年のスノーデン氏による盗聴暴露問題も再燃し、米国のダブルスタンダード、繰り返される同盟国への盗聴に韓国メディアが猛批判を展開! 日本も盗聴されているはずだが、沈黙し続けるのか!?(日刊IWJガイド、2023年4月12日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230412#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52117#idx-1

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

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店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
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 岩上安身

■「IWJがなくなると、かなり困ります」「とにかく、まともな報道を続けてください」ご寄付をくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていただき、岩上安身がご回答させていただきます!

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 先日、少しですが、寄付しました。

 IWJがなくなると、かなり困ります。

 最近は、ロシア応援団のようにもなっていますが、気持ちはよく分かります。

 とにかく、まともな報道を続けてください。

(I.D. 様)

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I.D. 様

 ありがとうございます!

 まともな報道を、忖度せず、私とIWJは今後も続けていきます。

 少し誤解があるようですので、説明させて頂きます。

 我々は「ロシア応援団」ではありません。世の中の多く(米国政府、欧州諸国の政府、西側メディア、そして日本政府と御用メディア)が、極端なウソをバラまき、ウクライナ側に偏っているため、中立の立場で真実を伝えれば、我々が突出して孤立しているように見え、ロシアびいきに見えてしまうのでしょう。

 しかし、真実は次第に人々に伝わり、理解されてゆくはずだと、私は確信し、どこかで楽観もしています。

 「パックス・アメリカーナ」を無理やり維持しようとする米国と、その従属国の政府、および御用メディアは、「米国中心の国際秩序」に何がなんでも、従わせようとします。

 しかし、時代は確実に動いています。ロシアを制裁している国の中で、利益を得たのは米国だけで、従属国の欧州や日本は不利益しかありません。さらに、G7以外の国は、人口の4分の3を占める中露を含めたグローバルサウスの国々は、制裁に参加せず、格安のロシアのエネルギー資源を手に入れ、「ドル離れ」して、それ以外の通貨で貿易を行うようになっています。

 G7の見解が国際社会を代弁するものである、というG7中心主義の考え方は、前世紀の遺物のような考え方です。

 G7だけを見ても低成長のG7は、衰退し、高度成長をとげるグローバルサウスは、まさに今、交点にあり、これから先は、G7はグローバルサウスに抜かれて引き離され、毎年、GDPに開きが出ていきます。

 実力を備えたグローバルサウスの国々は、一方的に米国にとって都合よい国際秩序を、いつまでも甘んじて受け入れる気はありません。

 ロシアの侵攻を国際法違反だと責めながら、米国自身は国際法を守らない、守らなくても罰を受けず、米国だけは許されるとする「米国例外主義」を、公然と掲げ、横紙破りを押し通してきた米国の横暴に、グローバルサウスの国々がこれまで通り、この先も組み敷かれたままでいるとは思われません。

 G7がウクライナへの無駄な武器支援に夢中になっている間に、グローバルサウスの国々は、「ドル離れ」だけでなく、「米国離れ」を鮮明にしつつあるのです。

※はじめに~ウクライナ紛争に欧米日の対露制裁連合諸国が釘づけになっている間に、世界はパックス・アメリカーナ峻拒の方向へ動き出した!! G20の輪番議長国であるインドがゼレンスキー大統領の招待を拒否! さらにインドはNATOプラスへの加盟の誘いも一蹴! サウジアラビアのサルマン皇太子は米政権とは今後つきあわないと語ったことが明らかに! 米国覇権の2大源泉である軍事支配とドル基軸通貨制度から離れる動きが急加速!(日刊IWJガイド、2023年6月13日)
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 我々は、こうした巨視的な視点に立って、米国の単独覇権が、この先、もたないであろうことを予期しつつ、単独覇権崩壊期に、「トゥキディデスの罠」のように、新興国と古い覇権国が、激しい戦争に陥る可能性について深刻に懸念しています。

 日本が、その米中覇権戦争の「代理戦争」における「駒」として使われて、「第2のウクライナ」とならないよう、賢明にサバイバルすることが必要であると考えています。事実にもとづいた報道とともに、日本のサバイバルに少しでも資する論評を心がけていきたいと思います。

 我々にとって、特別にロシアを擁護する目的や、メリットは、何もありません。ロシアに野蛮さがあれば、非難されて当然です。しかし、現在のウクライナは、ロシアと同等、それ以上に腐敗した国家となっています。ゼレンスキーは英雄ではなく、ウクライナは天使の国ではありません。

 昨日、出した「号外」を、ぜひ、御一読下さい。ウクライナはネオナチや白人至上主義者などのテロリストの揺籃の地となっています。

 これは、即ち、アフガニスタンに侵攻したソ連軍に対し、イスラム過激派に武器を与え、戦闘訓練を施し、ムジャヒディンを育て上げ、それがのちのアルカイダのようなジハーディスト(イスラム聖戦士)になっていったのと同じプロセスが、ウクライナで行われつつあります。

 何よりも、事実を曲げているのは、米国の方です。そのあげく、米国は目先の利益は得ながらも、肝心の覇権を危うくしています。策に溺れ過ぎなのです。

 その点は今後も、書き続けていきます。

 今後とも、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします。

岩上安身

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◆中継番組表◆

**2023.6.14 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】18:30~「『平和と暮らしを破壊する軍拡・原発・増税まっしぐら 岸田悪政にNO!NO!NO!―そうだ、選挙に行こう!政策連合大集会―』―登壇:鳩山友紀夫氏(元首相)、孫崎享氏(元外務省国際情報局長)、鈴木宣弘氏(東京大学教授)、鈴木エイト氏(ジャーナリスト)、樋口英明氏(元福井地裁裁判長)」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「政策連合(オールジャパン平和と共生)」主催の講演を中継します。これまでIWJが報じてきた講演会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%ac%9b%e6%bc%94%e4%bc%9a

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◆中継番組表◆

**2023.6.15 Thu.**

調整中

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■<【IWJ号外】を出しました!>ウクライナの戦場がネオナチの培養装置となっている! 外国人志願兵として戦闘に参加し、帰国したネオナチが、世界中にネットワークを作り、テロを拡散!『RT』の検証記事をIWJが全文仮訳!

 ロシアのメディア『RT』に、6月10日付けで、「ファシズムのためのペトリ皿(シャーレ、微生物培養実験に用いるガラス製平皿):ウクライナはいかにして、西側のネオナチを引き寄せる磁石となったのか」と題した検証記事が掲載されました。

 副題には、「戦争で荒廃したこの東ヨーロッパの国は、地球上で最も忌まわしい人々のメッカとなっている。これは彼らの母国にどのような脅威をもたらすのだろうか?」と書かれています。

 「戦争で荒廃したこの東ヨーロッパの国」とは、もちろんウクライナのことです。この記事は、ウクライナの戦場(ロシアによる侵攻以前のドンバス紛争も含めて)が、西欧諸国のネオナチや白人至上主義者などを惹きつけ、その極右過激思想を強化・増殖させる「培養装置」として機能していることを示しています。

 さらに「これは彼らの母国にどのような脅威をもたらすのだろうか?」とあるように、ウクライナの戦場に傭兵・外国人志願兵として集まった、こうしたネオナチや白人至上主義者たちは、その後自国に戻り、実際に殺人事件を引き起こすなど、社会に与える不安を懸念しています。

※A petri dish for fascism: How Ukraine has become a magnet for Western neo-Nazis(RT、2023年6月10日)
https://www.rt.com/russia/577578-petri-dish-for-fascism/

 ロシア国営メディアである『RT』が報じる記事は、ウクライナ侵略を正当化するためのロシアのプロパガンダであり、「ウクライナのネオナチ」は、プーチン大統領によるフェイクニュースだという言説が、特に日本においては顕著に見られます。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は正義の聖戦を戦うリーダーであり、アゾフ連隊などの東部の最前線で戦う準軍事組織は、命を賭して侵略者に立ち向かう民族的英雄だという主張です。果たして、そうした「思い込み」は正しいのでしょうか?

 この『RT』の記事の注目すべき点は、具体的な事実を列挙している点です。

 フランス、米国、イタリアなど、西側のメディアが報じた記事を元に、それぞれの国で起きたネオナチ思想による犯罪者と、アゾフなどウクライナの準軍事組織とが連絡を取り合っていた事実や、こうした海外のネオナチが、ウクライナの戦場に集まっている事例などをあげているのです。

 そして、『RT』が引用した西側のメディアは、『ワシントン・ポスト』『ル・モンド』『ポリティコ』などの、社会的評価の高い大手メディアも含まれていることです。

 記事を読むと、今後、世界中でイスラム過激派に代わり、ネオナチが新たなテロの脅威となることが予感させられます。ウクライナのネオナチを否定することは、こうしたネオナチによるテロの拡散を放置することにもなります。

 ネオナチによるテロの拡散が現実となった時、「ウクライナにネオナチはいない」「アゾフはネオナチではない」などと、デマ報道をした日本の大手メディアや、メディアに登場して同様のコメントをした軍事評論家などの「専門家」らは、どのような言いつくろいをするのでしょうか!? 罪深さは、後戻りできないほど大きなものとなるでしょう。

 IWJはこの『RT』の記事を、独自に全文仮訳し、原文に付けられた引用元のリンクを確認し、注として併記して、【IWJ号外】として発行しました。ぜひご一読ください。

 IWJはこれまでも、ウクライナのネオナチについて、繰り返し報じてきました。ぜひ、以下の特集ページも御覧ください。

※【特集】マスメディアが歪曲して報じるウクライナのネオナチとアゾフ大隊の実態
https://iwj.co.jp/wj/open/azov-neonazis-special

 また、岩上安身は2022年3月と4月に、ウクライナのネオナチについて、国際政治学者の六辻彰二氏に3回連続インタビューを行っています。このインタビューから抜き出した、以下のIWJのYouTube動画も、ぜひあわせて御覧ください。

※2022.3.30 【ハイライト】2014年時点から、ウクライナには「白人至上主義」的な外国人義勇兵(傭兵)が存在していた!~ 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー 第2弾
https://youtu.be/5QnZi4SPMgk

※2022.3.25 【分割1】G20からの「ロシア排除」をバイデン大統領が提唱!!岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/bsv4kjWStAw

※2022.3.25【分割2】ロシアによるウクライナ侵攻から1か月 IWJは「冷静に戦争に反対します」岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/U6B_aVb-QqI

※2022.3.25【分割3】ウクライナ危機へと至った経緯!!岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/UJn5QduMONY

※2022.3.25【分割4】「ジェノサイドは一切なかった」と角元大使が断言した東部ドンバスで実際には何が起きていたのか!?岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/9GGqOHTvowg

※2022.3.25【分割5】トランプ政権時代ロシアはすでに事実上ウクライナ東部を手に入れていたトランプ復活の狼煙としてのウクライナ侵攻―米ロ‘蜜月’は再生するかより国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/5K3lRwtfpg4

※2022.3.25【分割6】ウクライナ危機の本質は「米露問題」! 台湾危機と同じ構図のオフショアバランシング 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー
https://youtu.be/lsAqYZuAKYY

■れいわ新選組の山本太郎代表に懲罰動議提出!「真に罰を与えられるべきなのは、立法事実が崩壊した政府の入管法案に賛成し、可決させ、死刑執行のタイマーを進めてしまった議員たちです」!「懲罰制度とは議会制民主主義を殺す力のある恐ろしい制度」! 反対署名運動の声明に記された、重要な指摘!

 れいわ新選組の山本太郎代表が参院法務委員会の議事を妨害し、「院の秩序を著しく乱した」として、同氏に対する懲罰動議が、9日、国会法の規定にもとづき、尾辻秀久参院議長に提出されました。

 懲罰動議を提出したのは、自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の5党です。

 参議院本会議で認められれば、懲罰委員会で処分が検討されることになります。

※れいわ・山本氏に懲罰動議 参院法務委で「妨害行為」 与野党(JIIJ.COM、2023年6月9日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c90a935cd4f6c726968b6e04993aa133ec23464a

※れいわ・山本代表に懲罰動議 入管法案採決で議員2人が負傷 参院(朝日新聞、2023年6月10日)
https://digital.asahi.com/articles/ASR6973R2R69UTFK02C.html

 この懲罰動議提出に対して、反対の署名運動が、12日午前9時を締め切りとして、行われました。

 この反対署名運動の呼びかけ人は、児玉晃一弁護士、高橋済弁護士、西山温子弁護士の3人です。

 呼びかけ人3名は、6月10日に、「れいわ新選組山本太郎参議院議員に対する懲罰に反対する声明」を発表しています。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾!!】★カナダで安楽死死亡者数が記録的な増加! 国家が認めた自殺者も35%増加! ★BRICSグループの新開発銀行(NDB)への参加をホンジュラスが正式要請! ★刑法改正! 日本でレイプの罪名が「強制性交」から「不同意性交」に!!

【第1弾 英デイリーメール、7日】独占:カナダでは安楽死死亡者数が記録的な増加傾向、2022年には国家が認める自殺者数は35%増加して約1万3500人に達する!

 カナダでは、安楽死による死者数が今年も記録的な増加を記録しており、2022年には「国家が認めた自殺者」数が35%増加し、約1万3500人に達すると、公式データの分析が示しました。

 安楽死予防連合は、死に際の医療援助(MAiD)の件数が2021年の1万64件から2022年には約1万3500件に増加したと評価しました。

 カナダには、世界で最も寛容な自殺幇助プログラムがあります。批評家らは、大量安楽死への危険な道を進んでおり、病人、障害者、貧困者に、早期に命を終わらせるよう、ますます圧力をかけていると主張しました。

アレックス・シャデンバーグ安楽死予防連合ディレクター「我が国の医療制度内でのMAiDの大幅な推進により、致死注射が常態化したため、安楽死率が急上昇した」

 権利団体らは、同国の規制には必要な保護手段が欠如しており、障害者の命の価値を切り下げており、医師や医療従事者が、この処置を検討しないかもしれない人々に、この処置を勧めるよう、うながしていると批判しています。

※EXCLUSIVE: Canada is on track for another record-busting year of euthanasia deaths, with a 35% jump to some 13,500 state-sanctioned suicides in 2022, a DailyMail.com projection shows(Daily Mail、2023年6月7日)
https://www.dailymail.co.uk/news/article-12166823/Canada-track-record-busting-year-euthanasia-deaths-35-jump-13-500-cases.html

 YouTubeには、バンクーバー市内にあふれるホームレスの姿を投稿した動画が溢れています。

※Homeless in Vancouver, Canada – Rainy Day – June 10, 2023(Vancouver Watcher、2023年6月10日)
https://www.youtube.com/watch?v=6LXLKBjZr7k

★カナダは、暴力的な米国と違い、治安もよく、社会保障も行き届いていて、プラスのイメージがもたれていますが、このニュースが伝えるのは、そのカナダの暗黒面です。

 長く苦しまずに、本人の自己決定によって生死を選べる、というのは、理にかなっている、と思う人が少ないかもしれません。

 しかし、そうやって実際に安楽死を合法化する制度を作ってしまうと、その制度のもとで、障害者や難病患者に対し、本人や家族の意志を汲むことなく、致死量の注射を打って殺害するといった、おぞましい行為が蔓延するようになってしまいます。

 障害者を本人と家族の同意なしに、安楽死させるジェノサイドを行ったのは、ナチスドイツの「T-4作戦」です。日本でも、こうした安楽死の導入を求めるとともに、生産を行えない者は、生きている資格がないから死なせようとする、オウムの麻原の「ポアの思想」とよく似た、都合のよい殺人肯定思想が途切れることなく現れています。

※【特別掲載!】30万人ものマイノリティーを虐殺した「ナチスの手口」を紐解く!相模原市のヘイトクライムの背景にあった「思想」とは!? 東大教授・石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』を転載! 2016.8.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/328093

 カナダのトルドー首相は6月10日、ゼレンスキー大統領に会い、ウクライナへの支援を積極的に約束していましたが、安楽死を肯定し、制度化して、社会のナチス化に一歩、二歩と、歩みを進めてきたカナダが、国全体をネオナチの揺籃の地にしてしまったウクライナのゼレンスキー大統領に共感と親愛の感情をもつのは、当然のことかもしれません。

 カナダという国に幻想を抱いている方は、カナダの明るい側面だけでなく、こうしたダークサイドをも見て、評価された方がいいのではないかと思います。(IWJ)

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【第2弾 RT、10日ほか】ホンジュラスは10日、主要新興経済国のBRICSグループの新開発銀行(NDB)への参加を正式に要請したと発表した。

 南米のホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領は10日、主要新興経済国の集まり、BRICSグループの新開発銀行(NDB)への参加を、正式に要請したと発表しました。

 この発表は、上海に本部を置くNDB銀行の頭取であるジルマ・ルセフ元ブラジル大統領が中国を公式訪問中に行われました。

 NDBは、BRICS加盟国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)によって、2014年に設立された銀行です。BRICSブロックの経済圏は、世界GDPの40%以上、人口の4分の1近くを占めます。

 NDBは、加盟国が米ドルとユーロへの依存を減らすことを支援することも、ひとつの目的にしています。正式なBRICSに加わることで、「脱欧米」依存が現実に可能になるのです。

 ホンジュラスは台湾との外交関係を維持していた数少ない国でしたが、3ヶ月前の3月25日、台湾との外交関係を断つと決定し、中国との国交を樹立したばかりです。

※Latin American nation seeks to join BRICS bank(RT、2023年6月10日)
https://www.rt.com/business/577821-honduras-join-brics-bank-ndb/

※Honduran president requests entry into New Development Bank of BRICS(Global Times、2023年6月10日)
https://www.globaltimes.cn/page/202306/1292328.shtml

★昨日の日刊ガイドで、詳報した通り、ウクライナ紛争に釘づけになっている間に、グローバルサウスの国々が、雪崩を打って「ドル離れ」「米国の単独覇権離れ」の動きを加速している事実をお伝えしました。

※はじめに~ウクライナ紛争に欧米日の対露制裁連合諸国が釘づけになっている間に、世界はパックス・アメリカーナ峻拒の方向へ動き出した!! G20の輪番議長国であるインドがゼレンスキー大統領の招待を拒否! さらにインドはNATOプラスへの加盟の誘いも一蹴! サウジアラビアのサルマン皇太子は米政権とは今後つきあわないと語ったことが明らかに! 米国覇権の2大源泉である軍事支配とドル基軸通貨制度から離れる動きが急加速!(日刊IWJガイド、2023年6月13日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230613#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52387#idx-1

 ホンジュラスのこの動きは、そうした雪崩のごとき大きな時代のうねりに連なる、ひとつのエピソードとして数えられるでしょう。(IWJ)

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【第3弾 BBC、7日】日本で性犯罪に関する刑法改正案がもうすぐ国会で可決される。これによって「性的同意」は日本社会に浸透するか!?

 性犯罪を取り締まる法律の改正案が衆議院を通過し、現在は参議院の審議を待っている状態です。可決されれば、過去110年でたった2度目の、2017年以来の性犯罪に関する刑法改正となります。

 最も大きな改正点は、レイプの罪名が「強制性交」から「不同意性交」に変わることです。性的同意の概念がまだあまり理解されていない日本社会で、法律に性的同意の概念が加わることになります。

 日本の性交同意年齢は13歳と、世界の最も豊かな民主主義国の中で最も低いとされています。法的規範も強引に性的関係を迫る男性に対して、きわめてゆるいものになっていました。

 2014年、15歳の少女を壁に押しつけて抵抗されているにもかかわらず性交におよんだ男は、「抵抗を著しく困難にする程度」ではなかったとして、東京高等裁判所によって無罪判決を言い渡されました。

 2019年、福岡地裁久留米支部は、泥酔した女性を相手に飲食店内で性交に及んだ男性に対し、裁判所は男の主張を支持し、無罪としました。

 2019年、名古屋地裁岡崎支部は、10代の娘に数年にわたり、繰り返し性行為をはたらいていた父親に、無罪判決を言い渡しました。

※日本に「性的同意」は広まるのか 刑法改正への期待と不安(BBC 2023年6月7日)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-65807916

★「性的自由」、特に女性の「性的自由」が、白眼視されるような封建的な規範意識が日本の社会に根強く残っていたのは、おそらく1960年代前半くらいまでで、欧米の一部で起きた「性革命(セックス・レボリューション)」の影響を受けて、60年代末頃から急速に「性的自由」が若い世代に広まり、反発していた旧世代の価値観を圧倒していきました。

 今は「性解放」が進んでいた西欧諸国を抜いて、日本が、最も「性的自由」が進んだ「何でもあり」の国となっています。

 半世紀余りで、大変な変わりようです。

 「性的自由」が進みすぎて、モラルの再構築が追いつかず、「自由の中にも、モラルが求められ、性的関係をもとうとする相手を尊重し、関係を結ぶには同意が必要である」という、ごくごく当たり前のことが、おろそかになってしまっているようです。

 問題は、裁判所までが、性的関係に至る際の、一方の身勝手さを「性的自由」であるかのように、容認してしまっていることです。あげく、性加害者に対して、甘い判決をくだし続けているのは、大問題です。

 これが、今回の法改正で、適切な判断が下せるようになるかどうか、それも実際の警察の捜査の動き、裁判所の判断の仕方をみていかないとまだ何ともいえません。

 女性の発する「嫌=NO」という言葉を、脳内で勝手に「嫌=YES」と変換してしまうような、男女関係のあり方を全部AVで学んでしまったような男達に、相手の同意なしに、性交はできないという当たり前のことを、今さらながらですが、伝えていかなければなりません。考えると、かなり険しい道のりのようにも思えますが、性的規範がゆるみ、世界で最も「性的自由」が実現してしまった日本では、何歳になろうと機会あるごとに性的同意の必要性や、相手を尊重することの重要さを再教育したり、啓蒙したりすることが、必要なことになるだろうと思います。(IWJ)

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230614

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、六反田千恵、浜本信貴、前田啓)

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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